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とある科学の風紀委員

作者:猫猫猫
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プロローグ

 
前書き
はじめまして、猫猫猫です!
初投稿なので至らない点もありますが、これからよろしくお願いします!! 

 
『学園都市』
東京都西部を切り拓いて作られたこの都市では、”超能力開発”が学校のカリキュラムに組み込まれており、総人口230万の人口の八割を占める学生達が日々『頭の開発』に取り組んでいる。
例を挙げるならば血管に直接薬品を注入したり、耳の穴から脳直で電極を刺したり、催眠術を行使した暗示など大抵”非道い”。そこまでしてようやく『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』と言われる『認識のズレ』を生じさせることにより、ミクロの世界を操り能力を出現させているのだ。

そして、学園都市では能力の強弱を下にLevelを設定している。



『Leve0』・無能力者
全体の6割弱がここに該当する。ただし完全に能力が無い訳ではなく、目に見えるほど変化はないが非常に効果が薄い力という意味だ。その他にも例外まここに属している。

『Level1』・低能力者
念動能力者ならば、やっとスプーンを曲げられる程度で日常では役に立たない軽い能力だ。

『Level2』・異能力者
低能力者と比べたらいくらかは上だろうが、やはり日常では役に立たない程度。学園都市の全学生の殆どがここに含まれる。

『Level3』・強能力者
日常生活で便利だと思える程度。ただし先端科学技術で再現できるものが多く、戦闘でも応用があまり効かない。

『Level4』・大能力者
軍隊で戦術価値を得られるほどの大きな力。これ以上は極端に人数が減少する。

『Level5』・超能力者
単独で軍隊と一人で渡り合える程の力を有し、応用範囲もかなり広い。学園都市内でも”8人”しかおらずその力の強大さ故、『化物』と称される程なのだ。
そのLevel5の8人には序列が存在する。
第一位:一方通行(アクセラレータ)
第二位:垣根帝督
第三位:御坂美琴
第四位:麦野沈利
第五位:食蜂操祈
第六位:unknown
第七位:削板軍覇
第八位:出雲郷楕円


そして今から語られるのは、悲劇に喜劇に過激な人生を歩み、自分らしさを愚直に求める者の生き様。学園都市の頂点Level5の末席に名を連ねる『人格破綻者』な風紀委員、『出雲郷楕円(あだかえだえん)』が紡ぐ物語。






◇ ◆ ◇ ◆ ◇

〜七月十六日、天気・晴れ〜

今日も学園都市はいつも通りの風景だ。街に出れば''無人警備ロボット''が巡回し、''無人バス''が学生を学校に送るために徘徊している。''いつも通りの風景だ''。
そんな中、とある路地裏で血相を変えて逃げる少年がいた。

「くそ!何だあれツいてねぇッ!!」

「『風紀委員(ジャッジメント)』ですの」

「…え?ぐあ!?」

必至の逃亡は呆気なく終了する。何故か?気づいたら目の前に、緑色の腕章を付けた''少女''が突如現れたからだ。その少女に腕の関節を極められて苦悶の声が漏れる。

「イデデデデデデッ!!」

「暴行未遂の現行犯で拘束しますの。大人しく観念して下さいな」

「は、離せ!離さねぇと___」

「さもないと腕をへし折りますわよ?」

「」アダダダダ!

鬼である。しかも若干さっきより腕がミシミシいってる所から本気なのだろう。笑顔が怖い。

「確保!さて、そちらの方は大丈夫ですか?今助けにーーー」

言葉が続かない。それはそうだろう。彼女が誰かわかった以上、心配する必要がないからだ。むしろ暴行をしようとした彼らの身の安全を願わずには居られない。

「ん?あ!黒子」

「……通報にあった路地裏に連れ込まれた女性というのはお姉様のことでしたの………」

焦げ臭い匂いが充満する。あぁ、間に合わなかったか…っと黒子と呼ばれた少女は

「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…」

「ってこら。何で日蓮宗の般若心経を唱えてるのよ」

「いくらお姉様に暴行を加えようとした不届き者でも、流石に憐れ過ぎますの…」

えー、何でよー?と納得がいかない様子の''Level5、第三位''の少女に冷汗が止まらない。このままではいずれ第七学区全ての不良がマックロクロスケになりかねない。歩きながら注意する黒子。

「全く!治安維持活動はわたくし達『風紀委員』に任せて欲しいのですの」

「っていわれてもさ、黒子達が来る前に終わっちゃうんだから仕方ないじゃない。それに自分でやった方が早いし」

「学園都市に8人しかいない超能力者(Level5)でも一般市民であることにはーーー」

「あ、このクレープ美味しそー」

「話を逸らさないで欲しいですの!」

残念ながら黒子の心からの叫びはこの少女には届かないようだ。

「私はこれで。黒子は?」

「………わたくしは警邏中ですので」

「ああ、ダイエット?」

「さらっと暴露しないでほしいですのー!!」

「うーん、別に必要ないんじゃない?それにやりすぎると肌の艶の油分がなくなってカサカサになったり髪が抜けやすくなったりするらしいわよ?」

「あーっ、聞きたくありませんのそういうネガティブ豆知識!さぁ、わたくしが目を瞑っている間にお召し上がり下さいですのっ!」

「「……」」

苦笑いする少女とクレープ屋の店員。今までの口論全て店の前でやられているのだからいい迷惑に違いない。
そんなことを微塵も考えない少女は何やらピンときたようだ。

「しょうがないわね、じゃあこれ一口だけあげる」

多分涎を垂らしながら「い、いいですの!」と断るだろう。若しくはシズシズと一言断って食べるに違いない。どっちにしろ微笑ましいモノが見れるだろうと期待しているこの少女は、見事に裏切られることになる。

「そ…それは間接的な接吻をご所望ということですのね!!」

「………は?」

百合の花、ここに咲き誇る。別に誇ってほしいことではないのだが。

「ではお姉様からお先にどうぞ!わたくしはその後でじっくり堪能させていただきますのっ」

「ゲッ!!しまったそうくるかっ」

女には、時に自分の腹の出っ張りより優先しなければならないことがある。

「だーッ!やっぱやめ、離れろっ!」

「ああーーー常盤台のエースがそんなお心の狭いことでは〜」

ちなみにまだ店の前でやってたりする。店員は少し笑顔になっていた。
そこに第三者が登場する。

「あ!白井黒子さんに御坂美琴さんも」

「あら?初春じゃありませんの」

「お疲れ様ですー」

初春飾利
黒子と同年代で、さらには同じ部署所属の風紀委員だ。特徴といえば頭に花をこれでもかっと言う程に盛ってる所だろう。年がら年中お花畑である。物理的な意味で。能力はLevel1『室温保存(サーマルバンド)』でありながら恐るべき演算能力の持ち主だ。ハッカーとしても優秀であり、ある''二つ名''がある程である。

「うわっ、何ですのその大きなマスク」

「風邪っぴきなんで仕方ないんですよーー」

「女は顔が命ですのよ?健康状態くらい、しっかり自分で管理しなさいな」

「………そうですね」

後者はその通りだろう。だが前者は現在進行形で頬をつねられている者に言われたくはない。

「えっと、初春飾利さんだっけ?黒子と同じ風紀委員の」

「は、はい!覚えていてくださったんですね」

「ホントに辛いなら休んだ方がいいわよ?どうせあと数日で夏休みだし、授業もないでしょ?どれどれ…」

と言って自分のおでこと初春のおでこをピトっと合わせる。その瞬間、黒子は真っ黒にそまりメデューサと化した。

「うわ、結構熱あるじゃない」

「で、でも風紀委員の方が忙しくて。最近は能力者の事件も増えてますし」

「そうなの?」

「ええ、虚空爆発(グラビトン)事件とか連続発火強盗とかまぁ色々と」

「まっ、暑くなってきたし仕方ないかもねー。抑制できる装置でもあればいいんだろうけど」

「AIM拡散力場を利用する計画があるそうですけど…」

「能力は脳に深く関与してますから抑制機械なんて危なそうですのよ」

いつの間に浄化したのか知らないが、文字通り『黒』子から復活した黒子は最愛のお姉様の腕に絡みつく。

「あれ?白井さん」

その瞬間、狙ったとしか思えないタイミングで初春が黒子に質問をぶつける。

「何ですの?」

声にも顔にも『不機嫌ですの』と書かれた声色と表情を浮かべて質問したのに、自然体のまま初春は自分の疑問を口に出す。

「あそこの銀行、何で昼間から防犯シャッター閉めてるんですかね?」

次の瞬間

ズガァァァァァァアアアン!!!!

防犯シャッターが
爆発した。

否、爆発したと錯覚させる程の轟音と共に、''三人の男性''がシャッターを突き破り少女らがいる所まで飛んできた。
そして、鼓膜を揺らすその甲高い音と共に

「…全く、喧嘩を売るなら相手を選べ。余計な手間をかけさせないで欲しいのだが」

威厳と威光と威圧を含んだ、風紀委員の声が響いた。


 
 

 
後書き
…あれ?オリ主今回出番少なくね?ま、まぁ今度からたくさん登場するからいいよ…ね?
感想まってるのであります 
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