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SAO ~冷厳なる槍使い~

作者:禍原
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SAO編
禍原さんの『SAOなんでも考察コーナー♪』
  第一回 『スキルについて』

 
前書き
――ということで。
章題の通り、ここでは川原礫先生原作の電撃文庫『ソードアート・オンライン』に登場するゲーム『SAO』について、私が執筆の合間にぽつぽつと書いている考察を少しずつ紹介します。

これは、小説投稿サイト『小説家になろう』のマイページにて、活動報告に記載したものに、意見下さった作者様方の話を元に加筆修正をしたもの、とその続きになります。

つぶやきにて書いていた企画のもう一つがコレ! とりあえず第六回までを予定しています。

※注意1)此処に書かれたものは全て私――禍原の独断と偏見に基づいた考察、云わば妄想です。実際のSAOはこうなんだと言っているわけではありませんので、そこのところよろしくお願い致します。

※注意2)SAOには、作者である川原礫先生も認める矛盾がいくつか出てきますが、私の考察はそれら全てを無理やり在りとして考えています。 

 
 第一回は、SAOをプレイする上で、なくてはならない要素である《スキル》についてです。


 これについて文庫版等で現在解っていることは、

・SAOはステータス以外はスキル制である。

・ソードスキルや、鍛冶、料理など、一般的に《システムアシストのあるスキル》を使うには、《スキルスロット》にそれぞれ入れなければ使えない。

・熟練度は最高で1000まで。

・一応、スキルをスロットに入れていなくても、必要アイテムさえあれば出来ることもある。料理とか(※文庫二巻 心の温度 参照)。

 情報提供して下さった方によれば、

・スキルスロットは、初期に2つ、そしてレベルが10上がる毎に+1される。

・エクストラスキル、ユニークスキルは、それぞれ、そのスキルを手に入れた瞬間、エクストラ専用スロット、ユニーク専用スロットが開設される。

 という感じですかね。


 わざわざスロットに入れなければならない、ということは、つまり『付け外しを容易にしない、させたくない』という思惑があると思います。
 例えば、スロットから外すと、それまで上げた熟練度が下がっていく、もしくは0になってしまう、とか。

 こういうデメリットがなければ、スロットにする意味が無いですよね。無いは言いすぎかもですが、多少の違和感はあります。

 とあるスキル制MMORPGでは、SAOのようにスロットは存在せず、プレイヤーの行動に応じて一覧に表示された各スキルの熟練度が上がります。
 しかし、全てのスキルの熟練度の合計値には上限があり、その制限された枠内でいかに工夫してスキルの熟練度を上げるかで、そのプレイヤーのスタイルが決まります。

 SAOのスキルに上記を当てはめてみると、
 例えば(例えばですよ?)、熟練度合計値が5000だったとします。
 各スキルのカンストは1000。つまり5つのスキルを熟練度MAXまで上げられるということになります。
 ですが逆に考えると、スロットという枠が無い状態ならば、例えば熟練度を500までしか上げなければ最大で10のスキルを、250までしか上げなければ20ものスキルを扱うことが出来るということでもあります。
 上限のある熟練度合計値の配分でどのようなスタイルも出来るというのが、スキル制MMORPGのメリット、デメリットなのです。

 それを考えるとSAOのスキルシステムは、スロットによる限られた数のスキル、だからこそ長い時間かければ全てのスキルの熟練度を最高値にまで上げられる、というのが長所短所だと私は思っています。





 次にスキルの種類について。

 私は、SAOでのスキルは大雑把に三つの分類に分けられると考えています。
 此処では便宜上、《戦闘スタイルスキル》、《生産スキル》、《冒険技術スキル》と呼んでいます。※私が勝手に呼んでいるだけです。


・《戦闘スタイルスキル》

 これはSAOの特徴とも言える《ソードスキル》というシステムアシストのある必殺技を使用出来るようになるスキルの総称です。
《片手用直剣スキル》、《両手用長槍スキル》、《細剣スキル》、《片手用曲刀スキル》等がこれに該当します。
 基本的に、スキル名になっているカテゴリの武器を装備して使用します。



・《生産スキル》

 読んで字のごとく、何らかの素材アイテムと作業アイテムを用いて、目的のものを作りだすスキルの総称です。
《鍛冶スキル》、《裁縫スキル》、《料理スキル》などが該当します。
 他のゲームにもあるようなスキルなので比較的解りやすい分類だと思います。



・《冒険技術スキル》

 これはSAO内で、間接的に戦闘に関わる、または冒険する上で役に立つスキルの総称です。
《索敵スキル》、《隠蔽スキル》、《聞き耳スキル》、《威嚇スキル》、《釣りスキル》、《鑑定スキル》、《武器防御スキル》、《限界重量拡張スキル》、《軽業スキル》、《罠解除スキル》、《バトルヒーリングスキル》、《楽器演奏スキル》、《疾走スキル》などがこれに該当すると思います。……多いな;
 端的にいえば、ソードスキルを持たず、生産系でもないスキルを纏めた総称でもあります。
 話にしか聞いたことが無い《楽器演奏スキル》などは、どう頑張っても戦闘にも探索にも役に立たなさそうな趣味スキルですが、ゲーム的に考えてみれば例えば曲を聞くことで支援効果が得られる、または手懐けたテイムモンスターの友好度を上昇させる、な~んていう効果もありそうですね。
 ……あくまでも想像ですが。




 プレイヤーが仮想体(アバター)を、自分の体を実際に動かすように操ることの出来るゲームであるSAOでは、《スキル》とは自身の運動神経以外の要素、《システムの恩恵を使用できるもの》と私は考えています。

 例えば《戦闘スタイルスキル》では、プレイヤー自身の運動神経の良し悪しに関わらず、ソードスキルを使えばシステムアシストが発動して高威力高速度の技を自分の体、アバターが勝手に行ってくれます。

《生産スキル》では、各生産スキルのポップアップウインドウで、様々な設定……素材や生産補助道具など……をすることによって、現実世界ならばかなりの手間がかかっていた手順を簡略化することが出来るようです。
 料理ならば素材を鍋に入れる(※文庫一巻 ラグーラビット調理 参照)、鍛冶ならば熱した鉄をハンマーで叩く(※文庫二巻 心の温度 参照)などの行動は必要みたいですが。

《冒険技術スキル》では、例えば《隠蔽》のハイド・レートや《聞き耳》の超聴力、《バトルヒーリング》の反応起動脈動回復のように自分の行動に対してシステム的付加要素を加えるものが多いと思います。

 ちなみに、名前だけしか出てきていませんが《軽業(アクロバット)スキル》というスキル。
 皆さんはこれをどのようなスキルだと考えていますか?
 私はこれを《冒険技術スキル》に分類しました。

 軽業(アクロバット)というと、バク転や三角跳びなど、体操競技や忍者のような身軽な動きを想像すると思います。
 しかし、自分が現実世界で動くのと同じようにアバターを動かすSAOで、そのような動きを行うとしたら、実際どうなんでしょうか?

 ソードスキルはまだ解ります。これらは既に特定の動きが決まっていて、カーソルを合わせた敵に自動的に向かっていくだろうと思われますので、どれだけ本来の運動神経を逸脱した動きだろうと、どのような場所であろうと、行われる動作は一緒のはずです。

 しかし、バク転や三角跳びなどは、それを行う場所によって動きが変わってくると思います。段差などの高低差、三角跳びの二度目の跳躍地点など。
 モーションアシストに沿った《定められた動作》では対処出来ない場面があるということです。

 最新技術を用いたナーヴギアとて万能ではないと考えます。
 跳躍の方向や高さ、着地地点の僅かなズレの修正など、そこまで細かい処理は流石にやってくれないと思います。

 そこで私の考えた《軽業スキル》の効果。

 ――自身に掛る重力の軽減化。

 これにより全体の速度や跳躍力が上昇し、落下時の負担も減るために敵の攻撃を回避したりアクロバティックな行動がしやすくなるが、実際に成功するかはプレイヤースキル依存。重量系装備をしていないことが条件。
 これならば《重力設定を軽減する》というシステム設定だけなので、複雑な処理を行う必要もなく(重力設定というものがあるのかという別の疑問も生まれますが……)、かつシステムに規定された動きだけではなく自分の好きなようにアクロバティックな動きが出来るという《仮想世界ならでは》のメリットも享受できると思いました。

 しかし、これでは運動神経の低い者にとっては敷居が高いスキルとなってしまうため、補正要因としてのシステムアシストも存在するかと思います。

 ――一部動作のモーションアシスト化。

 定めされた方向、定められた動き、定められた着地地点のバク転や三角跳び、前転側転後転受け身などがあり得そうですかね。モンハンの前転回避みたいな。

 ALOで言うところの、補助コントロラー有りの飛行と、随意飛行のようなものと考えて貰えれば解りやすいかと思います。
 難易度は高いけど、プレイヤースキルで行った方が自由度が大きい。
《軽業》とはそういったスキルだと思いました。

 総じて考えなければいけないのが、仮想世界で実際に体を動かせる《完全ダイブ》のメリットと、ゲームであるというシステム的デメリットです。

 コントローラーで、システムに規定された動作しかできないキャラクターを動かすゲームではない、《仮想世界だからこそ感じられるリアル》。
 それを損なわない程度に行使できるシステムアシスト。しかしそれはシステム――技術限界のある世界の仕組み――であるために法則外のことが出来ないというデメリットもある。

 私の考えでは、ナーヴギアの性能は《電気信号を読み取り人間の五感を制御する》と《脳波を計測して喜怒哀楽を観測する》の二つと思っています。
 それ以上のことが出来ないために、仮想世界で出来ることも限られてくるのです。
 この事については次回の考察で行おうと思います。





 以上で、『禍原さんのSAOなんでも考察コーナー♪』第一回目は終了です。

 考察について指摘や質問、感想などがありましたら気軽にコメント下さい。
「ここの説明をもっとくわしく」、または「これについてちょっと考察してよ」などの依頼も受け付けます。
 まあ、後者については時間が許せば、なのですが……。 
 

 
後書き
次回は、SAOといえばコレだよね? 『ソードスキルについて その1』です。 
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