| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

いつか必ず、かめはめ波を撃つことを夢見て

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第04話 失敗!見つからないドラゴンボール

「よくもまぁ5人の選手全員を倒したものね。商売始めてから、5年間経ったけれど初めての突破者よ」
 最初の建物へ戻る道中、占いババがナシゴに話しかける。どうやら、占い家業を始めて初めての突破者になれたようで、光栄に思うナシゴであった。建物へ到着すると、すぐにナシゴはお願いした。

「それじゃあ早速お願いします。ドラゴンボールという、オレンジ色の半透明に光る玉です。このぐらいの大きさで、玉の中に赤い星が入っているのです。それが世界中に7個あるのですが、それだけで見つけることって出来ますか?」
 実物を持っていないために、言葉とジェスチャーを使ってドラゴンボールについて伝える。占いババに実際に見せることが出来ないので見つけ出せることが出来るか不安だったナシゴであったが、占いババは自信満々に出来ると断言した。
「探しだすものの名前が分かれば見つけることが出来るわ」
 占いババは傍らに持っていた水晶を、自分の正面に構えると何かを唱え始めた。
「じゃあ占うわよ。ドラゴンボールって球だったわね」

 水晶球が宙へ浮かび上がり、淡く発光し始める。
「ほいほいほいのほいさっさ――――っ、っとどれどれ?」

 占いババは何やら難しそうな顔をして水晶球を睨みつけては、ぶつぶつと呟く。そんな時間が5分ほど経った。時間が経つごとに、占いババの眉が歪んでいくのを見てナシゴは不安になり、とうとう占いババへと声をかける。

「どうですか?見つかりそうですか?」
「いくら探しても反応がなくって。世界全体を見渡しても、見つからないの。そのドラゴンボールってほんとうにあるの?」
「……しまった!……神様はまだドラゴンボールを作られては居なかったのか」
 
 ナシゴは、神様がドラゴンボールを作る経緯を深く思い出していた。ナメック星人のカタッツの子が地球に来てから神様になるのは、ピッコロ大魔王が誕生した後。つまり、エイジ460年以降だった記憶があった。それから神様が神龍を作ったのだから、エイジ255年の今の時代にドラゴンボールが存在するわけがないということか。なぜ今まで考えつかなかったのか、そして今更気付き愕然とした。ドラゴンボールの世界なのに、ドラゴンボールがない。神龍に頼んで、エイジ750年以降の世界にタイムスリップする計画が。亀仙人に教えを請う計画が、かめはめ波を教えてもらう計画が、かめはめ波を撃つという夢が脆くも過ぎ去ってしまった。

「なにか知らないけれど、そんなに落ち込まないで」
 遂には膝を抱えて落ち込むような体勢に変わったナシゴを、占いババが慰めてくれる。しかし、ナシゴは落ち込んだまま復帰できずに居た。どうすれば良いか、どうすれば。

 かめはめ波を自分で編み出すという考えもあったが、あの技は亀仙人が長い修行の末編み出した技だったはず。漫画では知っている知識だったが、実際にこの目で見ずに、自分に考えつくものなのか、生前80年の歳月を修行に費やしたが、死ぬまでに身に付けることができかった技。ナシゴには自信がなかった。

 もしかしたら、このドラゴンボールの世界なら修行をして身に付けることも不可能ではないと思うが、10年の歳月を過ごしても気の上手な発し方の方法がわからないナシゴにとって、気を高めて、そして放つかめはめ波の撃ち方は、皆目検討もつかない技だった。何かきっかけがあれば、しかし、そのきっかけを10年間修行したナシゴは掴むことが出来なかった。しかも、この先きっかけが訪れるかわからなかった。

(いや、待てよ。長い期間を修業?)
 ナシゴはある事に思い至った。占いババと亀仙人が、普通の地球人に比べて、とんでもない長寿だということを。なんで思いつかなかったのか、長い時間が必要ならば、自分で修行する期間を作り出せばいい。長寿の秘密を探ることが出来たなら、それも可能だということを。

 亀仙人が行ったように、長い期間を修行すれば、かめはめ波を編み出せることが出来るかもしれない。もしも、自分で編み出すことが出来なければ、亀仙人が産まれるまで生きればいい。亀仙人がかめはめ波を編み出したなら、教えを請えばいい。

 長寿の秘密?それは、原作1巻では死んでしまっていたが、亀仙人が持っていた不死鳥にあるのではないか。今の時代に不死鳥は? どうだろうと、とにかく占いババに聞いてみるナシゴ。

「不死鳥? あなた、不死鳥のことについて知っているの?」
 どうやら、占いババは不死鳥についてなにか知っているようだった。しかし、話すことを渋る占いババに、どうしても長寿の秘密を知りたいと熱弁するナシゴ。何度も頼み込むナシゴにとうとう痺れお切らして、話すことしにした占いババ。ドラゴンボールが見つけられなかったお詫びでと、長寿の秘密である不死鳥のことについて語りだす。

「不死鳥は、私達一家に代々伝わる秘伝の鳥なのよ」
 不死鳥は原作では亀仙人が飼っていて、食中毒で死なせていたが、それほどの秘伝じゃないのだろうかと思うナシゴ。
「本当は話すこともダメなのだけれど、特別よ。不死鳥は永遠の命を簡単に手に入れるための一つの方法なの。永遠の命と言っても、老化を止めるだけで、不死にはならないけれどね。今は、北の大陸に住む私の両親が、不死鳥を管理しているわ」

 占いババの話によれば、不死鳥によって永遠の命を手に入れることは可能だという。しかし、今は占いババの両親が管理していて他人も絶対に話してはいけないということは、よほど厳重に管理しているのかもしれない。

「両親を紹介してください。占いババ様」
「嫌よ、不死鳥のこと話したのを知られたら怒られるわ」
「そこを何とかお願いします。占いババ様」
 ナシゴは、頼みの綱である占いババに土下座してたのみこむ。普通の地球人であるナシゴにとって、長くても100年ちょっとぐらいしか生きられないだろう。だが、かめはめ波を撃つためには、亀仙人の長い寿命を考慮すると100年では足りないのだとナシゴは考える。前世の80年プラス、今世の10年もの月日を掛けても、なんの手がかりすら掴めていないナシゴにとって、とにかく長い期間を修行するしか方法は思いつかなかった。そんなナシゴにとって、時間はほんとうに貴重であった。

 土下座になって動かないナシゴに、根負けした占いババ。
「……わかったわ、本当にしつっこい。世界地図持っている?」
 ナシゴは持っていた世界地図を占いババに渡し、北の大陸に住んでいる両親の場所を聞き出すことに成功した。
「ありがとうございました! 占いババ様」
 ナシゴはお礼を言って、占いババの館を後にした。

 とにかく、ドラゴンボールを見つけるための旅には失敗したが、次の目的である長寿のための旅に変更して、旅を続けることにした。 
 

 
後書き
14/02/25) 文章修正 業を煮やした→根負けした 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧