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インフィニット・ストラトス~IS学園に技術者を放り込んでみた~

作者:壬生咲夜
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本編
  第25話「襲撃後の休日 生徒会会計編」 ※タイトルを変えました

 
前書き
お待たせしました。
1月ギリギリとなりましたが、なんとか出来上がりましたので投稿します。

今回からまた“「」”の前に名前をつけるようにしましたが、一部の名も無きキャラにはそのままにしました。

それではどうぞ!! 

 
結局、あの謎のISによる襲撃はどこかの研究所から機体という形で片付けられ、全校生徒には緘口令が敷かれた。
そのことに納得する者はあまり居ないが、敷かれたからにはそれを守らなければならない。

もっとも、元来おしゃべりな所がある女子だ。
ふとしたことで漏らしてしまう可能性も否定できない。


そんな事件があった数日後、被害にあった第三アリーナの修理と学園全体のシステム点検が行われることとなり、ISでの訓練が一時的に禁止となった。
ISの訓練が出来ないのならと部活動に勤しむ者もいたが、週末で連休に繋がるからと多くの生徒が外出届や外泊届を出していた。
襲撃での恐怖を薄れたい者、疲れを癒したい者、ストレスを発散したい者と皆それぞれだ。


街を歩く彼女たちもその一人である。


「あ~あ、折角久々に暴れられるって思ったのにな~」
「ダリィ先輩、大会にむけて気合入れてたッスからね~」
「あったりまえだろう。前回の雪辱を晴らして、今度は優勝をもぎ取るつもりだったんだからな」
「相変わらずね」
「貴女のそう言うところ好きよ」
「お! なら俺に惚れてみるかい?」
「フフ、魅力的なお誘いだけれど断わっておくわ」
「そりゃ残念」


街中を歩く4人の女性。
アフリカの代表候補生にして専用IS『ヘル・ハウンドver2.5』を持つ、3年ダリル・ケイシィ。

イタリア代表候補生にして専用IS『コールドブラット』を持つ、2年フォルテ・サファイア

同じくイタリア出身で学園随一のプログラミング能力を持つ、3年シャノン・フローラ

最後に、当代楯無の専属従者にして学年主席、3年布仏虚。


何気に凄いメンツである。

入学時してすぐに仲良くなった彼女らはクラスや活動がバラバラになってもこうして時折集まって交流を深めているようだ。
因みにフォルテは友人と一緒に行く所があったのだが、その友人の都合が悪くなってしまい、一人で行くかと考えていたところダリルに拉致られたのだ。
決してボッチだとかこのタイミングを逃すと出番が無いとかそんな理由(ワケ)ではない。


「ム、なんか今、凄く貶された気がするッス…」
「どうしたのフォルテ?」
「…何でも無いッス」

「ところで、何のプランも無しに出てきたけれど皆行きたいところある?」
「俺はゲーセンだな。溜まった憂さを晴らしてやる!!」
「私は春物の新作をみたいからウィンドウショッピングかしら」
「うちは本屋に寄りたいッス」
「なら、××区の商店街なんてどうかしら? あそこならそこそこ大きいしここからそう遠く無いわ」

「「「さんせ~い(ッス)」

「決まりね」

行き先が決まり、再び歩き出す4人。
皆、久々の外出ということもあって楽しげに話しをしている。


「なぁ、あの子たちレベル高くね?」
「ああ、俺背の高い金髪の子好みだわ」
「俺は眼鏡の子だな」
「ぼ、僕は黒髪の女性かな…」


そんな彼女たちの姿を見てそう口々に感想を漏らす男たち。
確かに4人とも十分に美少女と呼べるレベルだ。


「ちっ、遠くからヒソヒソと。言いたいことがあれば面と向かってこいっつ~の」

どこかからか聞こえてくる声に苛立ちの表情でそう告げる。

「そう? 近寄ってこられる方が色々と面倒じゃないかしら?」
「俺は何事も正面からどうどうとしたのがいいんだよ」
「あら、(おとこ)らしい」
「というよりも、ダリルは小細工や回りくどいにのが面倒なだけでしょう?」
「おう! ちまちまとした事とか大嫌いだ」

彼女の戦い方はフォルテとのコンビが有名だが、1対1での戦闘では小細工なしの純粋な勝負が基本スタイルだ。
入学したての新入生のような何の準備も対策も無しに戦うという愚策や特殊なクラス(4組)のような情報隠蔽・撹乱、ルールの抜け穴を突く等といった行為は行わない。

因みに家事は出来るがやること全てが大雑把だったりする。

「なら、ダリルはうちのクラスには絶対向いてないわね」
「お二人のクラスはなんというか奇抜(?)な戦い方ッスからね~」
「でもそれはそれで潰しがいがある」

ニヤリと笑みを浮かべたダリルの顔は猛々しく感じる。
こういった所が周りから好かれるのだろう。
現に学園にはダリルの漢らしさや勇猛さに憧れ、惹かれる者も存在する。


「はぁ~、にしてもいいッスよね。先輩方は…」
「あん? なにがだよ」
「三人とも身長も胸も大きいってことッスよ!!」

そう、フォルテの身長は150cmあるかないかといったところで、胸はどこぞの中国ニャン子よりはあるがやや小ぶりである。
それに対してシャノンと虚は160前半でダリルは170cm
3人に並ぶとさらに小さく感じてしまう。


「あら、いいじゃない。小さい方が可愛いのいっぱいあるし」
「そうそう。服のサイズが合うやつってあんま無いんだよな」
「それに肩こるし…」
「ちくしょーっ!! 持てる者の自慢ッスか!! っていうか何食ったらそんなに大きくなれるッスか!!」

「「「さぁ?(さあな)」」」

「特に虚先輩は断トツじゃないッスか!! やっぱり鏡也先輩ッスか!! あの人に揉まれてそんなに成長したんッスか!!」
「黙りなさい。ぶっ飛ばすわよ」
「グスッ…身長と胸が欲しいッス」

なんとも言えない微妙な空気となるが、ダリルがふと思いだしたかのように虚へと尋ねる。

「そういや虚、鏡也のやつはどうしたんだ? てっきり俺はあいつと出かけると思ってたんだが」
「あ、それ私も思ったわ」
「うちはいつも通り生徒会室に籠ると思ってたッス」
「引きこもりのように言わないでくれるかしらフォルテ」
「テヘッ☆」
「………」

[グニィィィィ!!]

「イヒャイ、イヒャイ!?」
「最初はそうするつもりだったのだけど、用事があるとかで断られたわ」

フォルテの頬をいつぞやの鏡也の様に限界まで引っ張りながらそう答える虚。
確かに彼女は昨日の晩に約束を取次げようと鏡也のもとに訪れたのだがどうしても外せない用事があるとかで断られてしまったのだ。

因みに生徒会の仕事は疲れをリフレッシュするために全て放り出してきた。
明日からまた書類地獄かと思うと若干憂鬱である。

生贄という手も考えたが、流石に自重した。

「ふ~ん、用事って?」
「さぁ?」
「しぇんぱい、はにゃしt――」

[パッ]

「フギャッ!?」

「…さぁって聞いてないのか?」
「ええ。今回は悪戯とかじゃないのは確かだし、キョウも何か考えたいことや調べたいことがあってのことだろうから…」
「流石、幼馴染で恋人ね。何でも解ってらっしゃる」
「何でもじゃないわ。知っていることだけ」
「ふ~ん。ま、いいか。それよりも飯だ飯」
「グ○ナビによるともう少し歩いた所に美味しい定食屋があるみたいよ」
「口コミ評価だと“業火野菜炒め”がお勧めみたいッスね」
「お、ならそこに行こうぜ」


少女たちが足を運ぶ先にまさかの出会いがあるとは露にも思わなかった…


end



【ボツ案】
◆身体を成長させる? なら、良く食う、良く動く、良く寝るの三拍子だ!!

「遺伝ッスか!? それとも彼氏に揉まれて成長したんッスか!?」
「黙りなさい。ぶっ飛ばすわよ」
「うぅ、シャノンせんぱ~い。同じイタリア人としてアドバイスをくださ~い」
「と、言われてもね…」
「そこをなんとか!!」
「私も体系維持と美容には気を使ってたけれど……自然とこうなったとしか言えないわ」
「そ、そんな~」

希望が断たれたと言わんばかりに身体をガックリと曲げる。

「おい、なんで俺には聞かない」
「…どうせダリィ先輩のことだから『肉を食え』とか『模擬試合(バトル)しようぜ!』『昼寝だ。昼寝~』って言うに決まってるッス」
「お前が俺のことをどんな風に見てるかよ~くわかった。後で面かしな」
「でも大体あってるわよね」
「ええ」
「………」

否定できなかったダリルさんでした。


◆フォルテの買物

「因みに、フォルテはなんの漫画を買うつもりなの?」
「…何で漫画限定なんッスか?」

「「「フォルテが小説や雑誌を買う所なんて想像できない(わ)」」」

「ひどっ!? まぁ、そうなんッスけど…」
「で、何の本を買うつもりなの?」
「え~っと、“マイルドライフ”と“焼き立てゴパン”、“魔法○年リョリョカル司”の3つッス」
「最初の2つは聞いたことがあるけれど、最後のって?
「『最高に盛り上がるから是非』ってR子先輩が。何でも“○の穴”っていうお店にしか売ってないみたいッス」

「「「またあの人ですか(あいつか…)」」」

「はい?」
「懲りないわねホント」
「絶対にあっち方面の薄い本だろ」
「フォルテ、悪いことは言わないからその本は買わない方がいいわ。あと、普通の本も売ってるけれど大体が二次三次だし、あっち方面の態勢が無いなら、そのお店も行かない方がいいわ」
「えっと、了解ッス」


◆用事とは…?

「もしかして浮気だったりして(ニヤニヤ」
「フフ、それは無いわよ(ニコッ」←眼が笑って無い
「え、ちょっ、虚先輩? 凄く恐いんッスけど」
「もし、もしもの話よ。鏡也が浮気とかしてたらどうするの?」
「…そうね。そのときは……………………………クスッ♪」

[[[ゾクッ!!!???]]]

「ご、ごめんなさい。なんでもないわ(ガタガタッ」
「あらそう?」
「き、ききき今日は何だか寒いッスね!!(ガタガタッ」
「そ、そうだなフォルテ。こんな時は何か温かいもんを食いたくなるよな!!(ガタガタッ」
「…狸鍋(ボソッ」
「うぉぉぉおおお!? ウソウソ、今の無し!! ゲーセン行こうぜ!!!」
「うち、久々に虚先輩の射撃みたいッス!!!」
「ばっ、フォルテ!!」
「クスクス、いいわよ。………茶色のロン毛で翠眼持ちの男装麗人の的を用意しなさい」
「ぬぉぉおおお!!??」


<その頃の鏡也>

[ゾクゥッ!?]

「え、なにこの悪寒? 今回まだ何も悪いことしてないぞ」

突然の悪寒に襲われ疑問と恐怖を抱いていた。


 
 

 
後書き
【割とどうでもいい補足】
◆R子
IS学園3年で掛算(・・)が大好きな女子。
数々の薄い本を制作し出版しては千冬や虚らに取り上げられている。
また、学内で掛算の会を非公式に開き、会長を務めている。

◆マイルドライフ
主人公と飼い犬が色んな動物と触れ合うほのぼのとしたストーリー。
物語の終盤らへんで幼馴染と助手に告られ、三角関係に発展したりする。

◆焼きたてゴパン
これは、“ぽかぽかの手”を持つ少年が日本が誇る最高のパン…“ゴパン”を作るために様々な職人と闘う料理漫画である。
審査員のリアクションが面白いと評判。

◆魔法○年リョリョカル司
ごく普通の生活をしていた○年が公園で倒れていたイタチを救ったとき、日常が変わった。
街に降り立った複数の魔石を回収し、皆を守るために○年は立ちあがる。
あるときは魔石を取り込んでしまった生命体と、あるときは魔石を手にしようとする謎の敵、あるときは突然現れた謎の組織と戦ったり共闘したりしてイロンナ絆(・・・・・)を深めていくそんな物語。

因みに、R-18指定。


【身長を比べてみた】
◆180代
和輝
◆170代
鏡也<ケイン=お母さん=大賀=一夏<ダリル
◆160代
千冬<虚=シャノン<<小璘=箒
◆150代
楯無=薫子<セシリア<麻耶<シャルロット=ナギ=癒子<香奈=静寂=簪<鈴音=本音
◆140代
フォルテ=ラウラ

【後書き】
ダリル&フォルテ
「「しゃぁぁあ!! 本編初登場!!!」」
シャノン
「おめでとう、二人とも」
ダリル
「長かったな…」
フォルテ
「グスッ、ようやくおまけコーナーから抜けられたッス」

鏡也
「フォルテとダリルの設定は作者の独自で決めたものなので悪しからず。因みに、フォルテが買うつもりだった本は、作者が最近古本屋で読み直したもので、リョリョカル司もその本を読んだ時に思いついたネタらしい」

「中途半端ですが、一度ここで区切って投稿させて頂きます。次回もまた更新が遅くなると思いますが、これからも“IS学園に技術者を放りこんでみた”をよろしくお願いします」



咲夜
「あれ? 私のセリフは?」



おまr―――間違えた。

おわる。
 
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