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鉄槌と清風

作者:deburu
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70部分:68:機動六課解散


68:機動六課解散

 新暦76年4月28日…機動六課稼働から1年、今日で試験運用は終了、ある意味で新人達は卒業だ。
 最初のようにはやてが壇上に立ち、部隊員に言葉を送っている。

 その後、解散の記念パーティのために部隊員が散っていく中、新人達になのはが声を掛ける。

 「皆、パーティの前に少しいいかな?」

 「なのは隊長、はいなんでしょう?」

 ティアナが返事を返し

 「一寸一緒に来てくれる?」

 「はい」

 4人が後を付いていく、それに付き合う良彦。
 裏庭に移動すれば、そこには桜が綺麗に咲き誇っている。

 「この花って、たしか?」

 「そう、私らの世界の花や」

 「別れと出会いにつき物の花なんだよ」

 スバルの言葉に、はやて、フェイトが答え。

 「桜って言う花だな…違法魔導師に見せると恐がるかもしれん」

 「なんでですか、良彦さん?」

 キャロがきょとんと聞いてくる。

 「桃色だぞ、誰かの魔力光と一緒だ」

 「ちょ、よしくん、私そんな恐がられてないよ!」

 「おや、俺はなのはだとは一度もいってないぞ」

 「うぅー」

 「良彦、そこ等辺にしとけ、いじけっから」

 なのはをからかう良彦をヴィータが止める。
 そして、一歩前にでて

 「あたしはお前らの事あんま褒めてこなかったけど…お前らもう立派なストライカーに成長したな」

 少し涙ぐみながら4人に告げる。

 「ヴィータ副隊長」

 その言葉に、ティアナ、いや皆涙ぐんでいる。

 「うん、本当に皆立派になった…もう一人前だよ」

 「「「「はい!」」」」

 なのはに4人が揃って答え。

 「ほな、そろそろ始めようか」

 「うん」

 「はい」

 「おう」

 「おっし」

 「え?」

 はやての言葉に、なのは、シグナム、ヴィータ、良彦は頷き、デバイスを用意する、フェイトだけ混乱している。

 「なんだテスタロッサ聞いてなかったのか?」

 「何を、ていうか何でデバイスを」

 「最初で最後、全力全開の模擬戦、なんだけど?」

 「聞いてないよ、皆?!」

 だが、新人4人は既にデバイスを起動し、身体を解している、ギンガははやての横で楽しそうにしている。
 が、そこに声が掛かる。

 「何してんだギンガ、お前はあっちに入らないと」

 「え、何でですか?」

 「だって、一時とはいえ一緒に訓練したし、人数合わないだろそうしないと」

 「せや、ギンガはフォワード陣と組んでや」

 「がんばってくださいです」

 「うむ、骨は拾ってやろう若きベルカの騎士よ」

 「あうぅ…わかりました!」

 一瞬ひるむ物の気を取り直して、デバイスを用意する。

 「ほな、5対5、全力全開で…」

 なのはが、フェイトが、シグナム、ヴィータ、良彦がセットアップし、バリアジャケットと騎士甲冑に身を包む。
 スバルが、ティアナが、エリオ、キャロ、ギンガが此方もセットアップしていく。
 お互いが構え、緊張が高まった所で

 「ほな、開始や!」

 はやての掛け声で、全員が動き出す。

 スバルとギンガのツートップには、良彦とヴィータが。
 ティアナとなのはは、お互いに援護と牽制を行い。

 エリオとシグナムが、デバイスで交差し。
 キャロとフェイトは、遠距離で打ち合い、近距離ではキャロがフリードで防御してる。

 「ホントに動きよくなったな、お前ら!」

 「鍛え、られ、ましたから!」

 右に嵌めたリボルバーナックルで殴りかかるスバルをあえて、『弾か』ずにシールドで受け止める。
 隣ではヴィータもギンガを受け止め、力比べだ。

 「はぁっ!」

 受け止めていたシールドを押し返し。

 「…あれ、打って来いよ、一番の全力を」

 「はい、行きます!」

 ウィングロードが伸び、遠くからスバルが滑るように近づきながらカートリッジロード。

 「振動拳!」

 スバルの戦闘機人としての潜在能力、振動粉砕を利用した全力の拳。

 「おおぉぉ!」

 叫びうなる拳を

 「ゼピュロス、モードツヴァイ」

 『了解、モードエウロス』

 噴射口を籠手の肘の部分に作り出し、その拳に此方も拳打をあわせる。

 「風拳・圧」

 圧縮された風と振動券がぶつかり、お互いが吹き飛ぶ、スバルはウィングロードに着地し、良彦は空中で立て直し。

 「いいね、もう一回来い、切り札一枚見せてやるよ」

 「はい!」

 元気な返事とともに、ウィングロードを走るスバル…再びの激突、先ほどと違うのは

 「ゼピュロス…烈空盾」

 『了解』

 受け止めるのは右手を前に出し張った青い盾…なのはのシールドすら打ち砕く振動拳の前に砕かれるかと思われたそれは、しかししっかりと、振動拳を受け止める。

 「風拳・圧」

 一瞬動きが止まったスバルの腹に圧縮された空気と拳が打ち込まれ、弾き飛ばす。

 「今のが、対フェイト、シグナムの切り札だ、スバルにも切り札になるな」

 「今のって?」

 「終わったら教えてやる、これで終わるか?」

 「いえ、まだ行きます!」

 言葉とともに動きが変わる、ギンガとコンビネーションで動き出したのだ。

 「良い変じだし、良い考えだ…但し」

 「あたしら二人一緒のほうが、つえーんだけどな」

 当然ギンガの相手をしていたヴィータも良彦とコンビになるのだ。
 ウィングロードを縦横無尽に張り巡らせ、駆け回るスバルとギンガ、二人の攻撃をほぼ一人で『弾き』『捌き』、受け止める。

 その間にヴィータが攻撃する、それが基本だが、時により一瞬でそれが入れ替わる。
 スバルを抑えていた良彦が素早くその身体をヴィータのほうに受け流し、ヴィータが抑え込み良彦が攻撃に、などパターンは様々だ。

 数時間後、お互いのバリアジャケット、騎士甲冑がぼろぼろになりつつ、模擬戦は終了する…勝敗とか関係なく、本当に全力全開で戦った結果だ。
 その後制服に着替え、シャワーを浴びてから、解散パーティへ、皆名残惜しみつつも楽しそうだった。
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ギンガがいないと人数合わないのでギンガいれてみました。

次回は結婚式か、その前夜あたりの話しになるかと。
 
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