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FAIRY TAIL 真魂の鼠

作者:紺碧の海
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第二十一話 夜行性童顔少年

 
前書き
やっとテストが終わった07です☆
今回はルーシィの対決。ルーシィたった一人で戦えるのか!?
ルーシィ目線で書いていきます。
それでは、第二十一話・・・どうぞっ☆ 

 
S全「瞬間移動(テレポート)。」



赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)の人達が言った瞬間、辺りが眩しい光に覆われて、私は思わず両手で目を覆っちゃった。

?「・・・そこにいる・・お嬢さんは、いつまで、目を、閉じているのぉ~?お嬢さんも、眠いのぉ~・・・?ふわわわわわぁ~・・・・」

どこからか呑気な声と欠伸が聞こえて、恐る恐る目から手を離すと・・・

ル「え?えぇっ!?」

私の目の前に広がる光景は、足元が小高い丘の上、頭上は色とりどりに光り輝く、数え切れないくらいの満天の星に漆黒の夜空が広がっていた。

ル「ど、どうなってるのぉ!?ていうか夜ゥ!?」

もう私の頭の中はミキサーみたいにぐるぐるぐるぐるといろんな物がかき回されている。そんな頭がミキサー状態で、いったい何がどうなってるのか全然分からない私の背後で、

?「・・・大丈夫・・ここは、赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)のギルドの地下にある・・・赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)の、魔道士専用、修行室だよ・・・・室内に夜空のCGを映し出しているんだ。この部屋の中は、夜、だけど・・・外は、真昼間、だから、安心して・・・ふわわわわわぁ~・・・・」

驚いて振り向くと、肩ぐらいの長さの紫色の髪の毛に大きな黒い垂れ目。少しぶかぶかの青いパーカーに黒いカーゴパンツ。右手には手縫いの茶色い熊のぬいぐるみを抱えている、ウェンディと同い年くらいの女の子(・ ・ ・)が眠そうに目を擦っている。

?「・・・僕・・()、なんだけど・・・ふわわわわわぁ~・・・・」

ル「えっ!?」

?「僕・・生まれつきで童顔なんだぁ~。だから・・・よく女の子に、間違えられるんだぁ~・・・でも、もう慣れたからどうでも良くなってきたんだぁ~。ふわわわわわぁ~・・・・」

・・・・断言するけど・・・正直、全く男の子に見えない!髪の毛を結んだり、スカートとかワンピースを着たら、正真正銘の女の子になっちゃうくらいの顔してる。こ、この子が、赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)のS級魔道士の一人・・・

?「・・・先に、言っておくけど・・お嬢さんの、お仲間さん達は・・・他の修行室で、僕のお仲間のS級魔道士達と、戦ってるよぉ~。・・・・でも、今頃お嬢さんのお仲間さん達は・・・永眠してる、かもねぇ~・・・ふわわわわわぁ~・・・・」

ル「ちょっと!勝手な事言わないでよ!あんたが思っている以上に、私の仲間はすっごく強いんだからね!今頃あんたの仲間が、大の字になって伸びてるかもしれないわよっ!」

ビシッ!と右手の人差し指を童顔の少年に突きつける。すると、童顔の少年は眠そうな目を少し開け、ぷくぅと両頬を膨らませると、

?「お嬢さんが思ってる程・・・赤面の吸血鬼(ブラッシュヴァンパイア)のS級魔道士は、甘くないよ。」

今度は欠伸をしないで言った。童顔の少年は右手に持っていた手縫いの熊のぬいぐるみを持ち直すと、

キ「後、僕はあんた(・ ・ ・)じゃなくて・・・キッキ・ロッシュっていう名前があるんだよ。」

今度も欠伸をしないで言えた。私は金色の鍵を一本手に取ると、

ル「私も、お嬢さん(・ ・ ・ ・)じゃなくて、ルーシィ・ハートフィリアっていう名前があるのよ!開け、巨蟹宮の扉・・・キャンサー!!」

鍵を上下に振るうと、青いシャツにサングラス、両手にはさみを持った星霊、キャンサーが現れた。

キャ「今日はどんな髪型にするエビ(・ ・)?」

ル「空気読んでくれるぅっ!?あいつを倒しちゃって!」

キャ「了解エビ(・ ・)。」

蟹なのに、何で語尾がエビ(・ ・)なのかは不明なのよねぇ~。キャンサーははさみを構えてキッキの男にしては少し長い紫色の髪の毛を切ろうとした。・・・したんだけど、それより一足先に、

キ「闇刹那・・・」

キッキが呟いた瞬間、辺りが漆黒の闇に包まれた。辺りはもちろん、キャンサーもキッキの姿も見えない。唯一見えるのは、部屋に映し出されたCGの満天の星だけ。

ル「キャ、キャンサー、どこぉ~?」

手を前で上下に動かしながら一歩一歩ゆっくり進む。その時、

キ「闇拳(ダークナックル)。」

キャ「エビィィィィィィィィィィッ!!」

ル「!キャ、キャンサー!?」

すぐ近くでキッキの声とキャンサーの声が聞こえた。

キ「闇斬(ダークスライサー)。」

ル「キャアァアアッ!」

背中に何かが斬られたような痛みが走る。私はその場にドサッと倒れ込む。それと同時に、部屋が明るくなった。いつの間にか私の傍にキッキがいて、キャンサーの姿はどこにも無かった。キッキは倒れ込んでいる私を眠そうな目で見下ろしていた。私は痛みを我慢しながらゆっくりと起き上がると、

ル「な、何で・・見え、たの・・・?」

私の問いに、キッキは眠そうな目を擦りながら、

キ「・・・僕は、明るいところでは、こうやって眠そうにしてるけど・・・・暗いところでは、梟、みたいに・・どこでも見える、んだ・・・だから、あの、エビ蟹星霊の位置も、お嬢・・・いや、ルーシィの位置も・・・分かった、んだ・・・ふわわわわわぁ~・・・・」

ル「あんたは夜行性かいっ!」

思わず突っ込んだ。だって可笑しいじゃない。人間は朝起きて夜寝るのに、キッキは朝寝て夜起きるみたいな、真逆になってるじゃないの!!

キ「それが僕なんだよ・・・闇刹那。」

また辺りが漆黒の闇に包まれた。目の前にいたキッキの姿さえも見えない。

ル「ど、どうしよう・・・このままじゃ、また・・・・」

その時、私の頭の中の豆電球がピコーン!と光った。私は金色の鍵を一本取り出すと、

ル「開け、獅子宮の扉・・・レオ!!」

ロ「王子様参上!」

獅子の鬣のような髪型に青いレンズのサングラス。ピシッとかっこよく着こなした黒いスーツ姿の星霊、レオ(ロキ)が現れた。私は伸縮自在の鞭、エリダヌス座の星の大河(エトワールフルーグ)を手に取る。

ル「ロキ、辺りを光で照らして!」

ロ「OK!」

レオ(ロキ)は頷くと、腰を低くし、左肘を顔の前で曲げ、それに重ねるように右肘を立てると、

ロ「王の光(レグルス)は満ちた・・・獅子光耀ッ!!」

さっきまで漆黒の闇に包まれていた辺りが、一気に金色の光に包まれた。

キ「ひ、光!?」

私の背後にいたキッキが思わず右手に持っていた手縫いの熊のぬいぐるみで顔を覆う。その瞬間を、私は見逃さなかった。素早く星の大河(エトワールフルーグ)を構えると、

ル「やぁ!」

キ「うあっ!」

勢いよく鞭を振るい、キッキの細い首に巻きつける。それと同時に、辺りが明るくなった。

キ「・・ぅ・・・は、放せぇ・・・・!」

ル「そう簡単に放す訳ないでしょぉっ!!絶対に、放さないんだからっ!!」

首を絞めない程度でその状態を保つ。

ル「ロキ!!」

ロ「うん!」

レオ(ロキ)は頷くと、拳に金色の光を纏い駆け出した。

ロ「ルーシィを、妖精の尻尾(フェアリーテイル)を傷つける奴は・・・この僕が許さないっ!!」

金色の光を纏った拳を振り上げ、

ロ「獅子王の輝き(レグルスインパクト)っ!!!」

キ「うがああぁぁあぁあああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」



ロ「僕はいつでも来るからね☆」

ル「うん。ありがとう、ロキ。」

レオ(ロキ)は星霊界に帰って行った。私は一度「はぁ。」と小さく息を吐くと、横で大の字になって倒れているキッキを見つめた。

キ「・・・ま、負けちゃ、った・・・・」

グレイ以上に垂れた目が今にも閉じてしまいそうな程、眠そうな顔をしている。私はキッキの横にしゃがみ込むと、そっとキッキの髪の毛に触れ、頭を優しく撫でる。キッキはきょとんとした顔で私を見つめると、

キ「・・・何して、るの?」

そう呟いた。私は小さく微笑むと、

ル「眠い時はぐっすり寝ないと、体に悪いわよ。」

そう言うと、キッキは可笑しかったのか、鼻で小さく笑うと、

キ「・・・じゃあ、お休みぃ~・・・・」

ゆっくりと目を閉じると、すぐに小さな寝息を立て始めた。 
 

 
後書き
第二十一話終了致しましたっ☆
眠い時は寝るのが一番!体力なども回復するので◎ですよ。
次回はナツの戦い・・・と、思いきや、シンの戦いです。驚きの相手と戦う事に!?その相手とはいったい・・・!?
それでは皆さん・・・お休みなさぁ~い☆   Zzz 
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