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鉄槌と清風

作者:deburu
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62部分:61:入院患者達


61:入院患者達

 ミッドチルダ地上本部壊滅、及び機動六課壊滅した新暦75年9月12日から、1日。
 地上本部ではギンガが、六課からはヴィヴィオがスカリエッティの手の者に連れ去られたのが確認され。
 数人の軽傷者、重傷者が聖王教会系の病院に入院している。

 軽傷なのは、良彦、ヴィータ、アイン、ツヴァイ、エリオ、シャマルら、5人。
 重傷なのは、スバル、ヴァイス、ザフィーラだ。

 ヴァイスは元武装隊の経験を生かし六課内で拠点防衛するも、守りきれなかったらしい。
 アイン、ツヴァイは地上本部に迫る、ゼスト・グランガイツ…その時点ではアンノウンだった…と戦闘、時間は稼ぐ物の、相手はアギトと合流、その後落とされたらしい。
 スバルは敵戦闘機人と交戦、冷静さをかき、重傷をおった。

 また、ロングアーチスタッフがぎりぎり持ち出したデータで、何故ルーテシアにデバイスがわたっていたのかも何となくだが判明した。
 同じ時間、別の場所で、同じスタッフがカメラに映っていたのだ、証言からその時間にルーテシアの部屋には行ってない様なので、ルーテシアの部屋の前でカメラに映っていたほうが偽者だろう。
 変身魔法か、そういった特殊能力を持つ戦闘機人の仕業だろう。

 で、まぁ…良彦はヴィータと同じ部屋に放り込まれている、理由の一つに放置すると修行を確実に始めるであろう事、確実に止めるにはヴィータ以外では無理な事が上げられている。

 「とはいえ、これはねーだろ」

 「そんぐれーでちょーどいいんだよ、おめえには」

 右腕を完全に固定され、左手だけしか動かせない、足元には動きを抑える為か太腿とふくらはぎの辺りにベルト…トイレとかでは外してもらう…が巻かれている。
 まぁ、それでも意識を取り戻して食事した後、腹筋とかしようとして、ヴィータにぶったたかれたのだが。

 「飯は左手で食いづらきゃあたしが食わすし、文句あっか?」

 「其処に文句はねーが、さっきの話しをフォワードとかとしてーし、ザフィーラとヴァイスの見舞いはいきてー」

 「ロード良彦は、動かんでおると、気分が沈む性質じゃからな、そのくらいはよかろうよ、ヴィータ」

 「ったく、しかし…アースラか」

 「懐かしいな、あの船にゃ世話になったかんな」

 先ほどはやてから、壊滅した六課隊舎の変わりに、廃棄寸前だった時空艦アースラを借り受けた事を連絡されたのだ。

 「んじゃ、まずフォワード達の所いくか、ティアナとキャロは入院するほどじゃねーみたいだし、見舞いにでも来てんだろ」

 ちなみにヴィータ自信は、背中に怪我はしたがそれほど酷くはない、入院とて良彦の監視メインだ。

 「おう、足のこれ外してくれ」

 ベルトを外してもらい、ようやく普通に歩ける、と嬉しそうな良彦だった。



 フォワード達、というかスバルとエリオの病室、中に入ると丁度4人が、おやつを食べている所だった。

 「よう、無事だったか?」

 「おめえは、いきなりそんな事いうなよ」

 バンと扉を開き一言、言い放つ良彦の後頭部をヴィータが突っ込む。

 「よ、良彦三尉、はい、無事ではあります」

 慌てるスバル、腕の動きなどがぎこちない事から換装したばかりか。

 「僕もそれほど酷い怪我じゃありませんでしたから」

 エリオは腕を吊っているが普通に動けている。

 「私とキャロは、かすり傷程度ですし」

 「はい、直ぐに治ります」

 「きゅくるー」

 ティアナ、キャロ、フリードが答える。

 「そっか、なら良いんだが…スバル、お前も暴走したんだって?」

 「あう…はい、ギン姉が血まみれで、其れで連れて行かれちゃって」

 「あぁ、別にそれについて俺から言えることはねー、言えるのは」

 「言えるのは?」

 「お互い冷静さを欠くと、実力が発揮し切れねーよな、ってことかね」

 スバルに行った後苦笑し、ヴィータを見る。

 「スバルがギンガやられてんの見て暴走したみてーに、この馬鹿、あたしが落とされて切れたんだと」

 「うむ、俺の女に手をだしやがって、などと叫んでおったな」

 「って、其処までばらすなよ!」

 「「事実だろ(じゃ)」」

 ヴィータとセプトの容赦無いばらし行為に、フォワードも苦笑している。

 「ま、でも…これできっちり実感出来たろ、大きすぎる感情は力にもなるが、それは簡単に暴走もするってな、きちんと飼いならせば問題はないんだがな、ティアナみたいに」

 「はい、実感しましただから、次はそんな事に成らないよう気を引き締めます」

 ベットの上で拳を握り締めるスバルの頭をぽんぽんと撫で。

 「その息だ、皆も頑張れよ、態々連れてった以上次があるぞ」

 「「「はい」」」

 「おめーもな、やられっぱなしでいる気ねーんだろ?」

 続くヴィータの言葉に

 「あたりめーだ、誰に喧嘩売ったか教えてやる…ま、まずは怪我をさっさと治すけどな」

 「だったら、腹筋とかはじめようとすんな、ばかっ」

 「ちょ、それはこいつらには黙っとけよ」

 「いや、聞かせておいた方が良かろう、主らロード良彦が修行…主らにはトレーニングといった方が良いか…を、病院内でしようとしたら我かヴィータに連絡せよ」

 「「「「了解です」」」」

 「ちょ、お前らまで、くッ、味方はいないのか?!」

 だが、いませんでした。



 で、場所は変わってザフィーラの病室。
 中に入ると包帯を巻かれたザフィーラとそれを看病するシャマルがいた。

 「大丈夫なのか、シャマル?」

 「攻撃のほとんどはザフィーラが受けてくれたから、私は比較的軽傷ですんだの」

 「ザフィーラ…さすが盾の守護獣、だよな」

 良彦はシャマルに声をかけ、ヴィータはザフィーラの頭をなでる。

 「ま、ザフィーラは大丈夫だろう、守護獣が主の危機に寝てることはありえねー」

 「そうだな、ザフィーラなら直ぐ起きてくるよな」

 「でも、私達の再生機構なんかは、反応が落ちて…」

 「んな事、ザフィーラには関係ねーって、決戦にはぜってー参加する、俺はそう思うね」

 根拠無き断言をして、シャマルには苦笑されるが、ヴィータは頷いてくれた。



 更に場所を移す…アインとツヴァイの部屋だ。
 ツヴァイは本局のメンテナンス部のほうに行く前、一時的に此方にいるだけだが。

 「む、マスターか…怪我はどうだ?」

 「こっちの台詞だ、そっちこそどうなんだ?」

 アインと良彦が言い合い。

 「アインの怪我はそれほど酷くないです、一寸火傷しただけで」

 「この馬鹿は、右腕の筋肉断裂だな、まぁ治るのはそんなかからねーとよ」

 ツヴァイとヴィータがそれに答える。

 「なんでもオーバーSランク騎士とやったんだって?」

 「あぁ、最初は何とか抑えていたのだが、あのアギトという融合騎が来てから、な」

 「なんか突然でっかい火の玉作って攻撃しようとした所を、止めようとして、ゼストという騎士さんに落とされました」

 「…それで火傷なのか?」

 「騎士ゼストの攻撃は此方を行動不能にさせるだけの威力だった、近くにあった火の玉で火傷しただけだ」

 「なるほど、その人の目的が判らんな」

 「本部を目指してたのは確かですー」

 色々と疑問はあるが、それは追々解決するだろうと言う話しで落ち着いた。



 ヴァイスは現在、ミイラのように包帯に巻かれ、生命維持装置らしき物のコードがあちこちから飛び出しているような状態だった。
 意識は戻らず、脇の机には待機状態のストームレイダーが置かれている。

 その様子だけみて、良彦、ヴィータ、セプトは部屋へ戻った。



 良彦とヴィータの病室、部屋を廻ってすっかり遅くなったが夕食をとり、二人一緒のベットに横になる。

 「ロングアーチとかバックヤードスタッフは皆酷い怪我の人は居なくて良かったな」

 「あたしらが時間稼いでたからな、退避が間に合ったらしい」

 二人の枕の端ではセプトが既に眠りについている。

 「決戦か…何処でどんな状況でも次は負けらんねーな」

 「ん…あいつら人の大事なもんを奪い、傷つけやがったからな、やり返す」

 向かい合い、こつんと額をあわせあって、目を合わせる。

 「誰を怒らせたか…」

 「…思い知らせてやる、ってな」

 良彦、ヴィータが言葉を紡ぎ。

 「んじゃ、まずは休養か、数日で魔法治療終わるしな」

 「その間あんま動かすなよ」

 「判ったって、約束する」

 「なら、よし…ん」

 「ん、おやすみ」

 珍しくヴィータからのキスで眠りへと落ちていった。
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病院での一幕。
ルーテシアにデバイスを渡したのは、まぁ変装が一番得意なドゥーエという事に。

次回はアースラ乗艦の辺りの予定です。
 
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