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『ポケスペの世界へ』

作者:零戦
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第十六話





『ミルタンク戦闘不能ッ!! コガネジム・アカネちゃん対ハナダジム・カスミさんの第二試合はカスミさんの勝利ですッ!!』

 ミルタンクのころがるは今だにトラウマやでほんまに……。

「へぇ、ポケモンリーグか。初めて来たけど全く派手なイベントだぜ。ジムリーダーの方々も中々きらびやかじゃねーか」

「ゴールド、茶化さないで」

「馬鹿野郎クリス。茶化してなんかいねーよ。ただな……こんなポケモン好き達のお祭りも悪党どもを野放しにしてたらいずれは出来なくなっちまうだろうって考えただけだ。相手はポケモンを使って悪事の限りを尽くす奴らだぜ。俺はそれが許せねぇッ!!」

「ゴールド………」

「ゴールドはこんなにかっこよかったか?」

「ひでーっすよショウ先輩。俺はいつでもカッコイイすよ」

「はいはい………」

 ゴールドの言葉にクリスが苦笑する。

『第三試合はキキョウジム・ハヤトさん対セキチクジムのアンズさんです。試合開始ッ!!』

 お、アンズか、久々やな。

 漫画通り負けるんやろか……。








 まぁ、結果的に言えばアンズが途中棄権をし た。

 客席の方向に走って行ったから多分、キョウでも見つけたんやと思うけど見失ったなあ りゃぁ。

『それでは第四試合、エンジュジム・マツバさん対クチバジム・マチスさんです。試合開始ッ!!』

 マチスとマツバの試合が始まる。

 ………少し見回るか。

「クリス、俺は少し辺りを見回ってくるから ゴールドを頼むな」

「あ、はい。分かりました」

 さて、クリスの許可も得たし、少し見回る か。





「まぁ怪しい奴はおらんな………」

 てかロケット団の服装やったら直ぐに分かるしな。

「何が怪しい奴だ?」

「ウォッ!?」

 う、後ろを振り返るとナツメがいた。

「確かコガネのラジオ塔の時に会ったな」

「あ、あぁ。名前はショウや。ヤマブキジムのナツメさん」

「普通に話せ。何か気持ち悪い」

 いやそう言われてもさ……。

「んじゃぁ普通に話させてもらうわ」

「あぁ。ところで、何故此処にいる?此処は関係者以外立入禁止だぞ?」

「あ、マジ? そんな看板とかはなかってんけどな………」

 ほんまはあってんけど、隙をついて入った。

「フフ、怪しい奴はロケット団かな?」

「さぁてねぇ………」

「私を探ろうとしても無駄だ。私は最近までシロガネ山にいたからな」

「別にあんたを疑ってないで。元ロケット団の三幹部のナツメ?」

「ほぅ………」

 ナツメがニヤリと笑う。

「そこまで知っているのか。なら、ポケモン協会には言わないのか?」

「今更それを言ってどないすんの? ジムリーダー辞めて俺の嫁さんにでもなるか?」

「ウフフフフフ。中々面白い事を言うな」

………わりと本気で言ったんやけどなぁ。

「そろそろ時間だ。中々楽しい時間だったよ」

「次会う時はせめて胸をもう少し大きくしといてな」

「なッ!?」

「ハッハッハーーーッ!!」

 ナツメが顔を真っ赤にしているうちに俺は 走って逃げた。




「……はぁ…はぁ…此処まで来たら大丈夫や ろ……」

 ロケット団とか怪しい奴はおらんかったし、帰るか。

「ん?」

 廊下にブラッキーがうろうろとしてた。

「トレーナーがおらんな……」

 俺はブラッキーに近づく。

「どないしたんやブラッキー? 主人と逸れたんか?」

 俺はブラッキーの頭を撫でると、ブラッキーは嬉しそうに尻尾を振った。

「あ、そうや。お前の仲間を紹介したるわ」

 俺はシャワーズを出す。

 二匹は嬉しそうにじゃれあっている。

「ブラッキ~? 何処~?」

 ん?トレーナーやな。

「あ、ブラッキー。此処にいたんだ。探したんだよ」

 ………ブラッキーの親は全身タイツの上に胴衣を着用している少女やったけど、コイツって確か……。

「あ、ブラッキーを見つけてくれてありがとうございます」

「あ、あぁ。廊下でうろうろしてたから、主人が見つかるまでおろうとしてたけどな」

「本当にありがとうございます。あ、私の名前はコゴミと言います」

 ………確かエメラルド編のフロンティアブレーンの一人やったな。

「俺はショウ。もうブラッキーと逸れたりしたらあかんで?」

「ウィーッスッ!! ありがとうございました~」

 コゴミはそう言って去った。

「………俺も戻るか。てか、何でコゴミがおったんやろ?」

 俺はそう呟きつつ、ゴールド達の元へ戻っ た。






 
 

 
後書き
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