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SDガンダムGジェネレーション・オーバーワールド 明日無き未来へ

作者:鳥人間
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第2-9 地球へ

補給作業が続いているなかキャリーベースの主要メンバーは、今後の行動についてブリーフィングルームに集まった。和也も呼ばれブリーフィングルームに入るとそこには既に楓とテンプルと智恵理を除くメンバーが集まっていた。和也が着いてから直ぐに楓とテンプルがやって来た。

「お待たせしました。では、今後に着いての話を・・・」
「それより、智恵理は大丈夫なの?さっきの戦闘変だったよね?」

凛が楓の言葉の途中で割り込んできた。どうやら、他のメンバーも気になるようであようであった。

「(そりゃあ、心配になるだろうな。)」
「彼女は、現在医務室で安静してます。無事ですよ。しかし、パイロット枠から離れてもらいブリッジクルーとしての移動を命じました。これは、和也さんからの案でもあり私はそれに同意しました。」
「・・・今回の行動で智恵理は、ソレスタルビーング・・・さっきのガンダムが所属している組織に個人的な感情が先走ってしまう可能性が高いため提案した。君達の正式な仲間ではないが一部隊を預かる身として部隊全員の命に関わる危険を避けるためだ。」

楓の後に和也が説明したが、一部完全に納得はしている顔ではなかったが理解はしてくれていた。

「そこで、智恵理さんの変わりに法子さんには天宮隊に入ってもらいます。」
「はい。」
「それでは、本題に戻るとしましょう。現在、私達には現状の次元干渉をどうすることもできません。テンプルの話しではアプロディアが消えたことで現在の世界になってしまった。なので、当面の目的はアプロディアを見付けることが最重要任務です。」
「アプロディアさえ見つければ、ジェネレーションシステムの中枢にアクセス出来るので、そうすればシステムは安定して全世界は元に戻ります。」

楓に続いてテンプルが説明してくれた。和也は、大まかな話しか聞いてなかったためありがたかった。

「そこで、一度地球に向かいトリントン基地に向かおうと思ってます。」
「トリントン基地?どうしてだ?」
「トリントン基地には、以前知り合ったバニング大尉と言う人がいます。彼は、私達の少ない協力者である人物で先程テンプルの計算で今トリントン基地に向かえば彼に会えるみたいなんです。」

バニング大尉は、和也と出会う前に次元干渉によって、偶然出会った人物であり少しの間パイロット達に訓練してくれたらしい。

「彼も独自のルートで次元干渉について調べてくれている筈なので情報交換をしたいと思ってます。」
「そうだね。少しでも情報はあった方がいいよね。」
「あ!そう言えば、楓さん。アレはどうなりました?私達の部隊名。」

キャリーベース隊には正式な部隊名が無かった。現状のでは、キャリーベース隊と名のってはいるがきちんとした部隊名は、欲しいところであった。

「それも、お話ししようとおもってました。」
「じゃあ!」
「はい。一応、考えてみました。ジェネレーションガールズってのはどうでしょうか?全員ではないですが殆どのメンバーが女性だけですのでいかがでしょうか?」

ちなみに、この船に乗っている男性は和也と弦だけであった。和也は、契約上傭兵の様なものなので正式なメンバーは弦だけであった。

「・・・いいんじゃないか?俺達はそこまで気にしないし。ジェネレーションガールズってのもいいぜ。」

弦が承認すると正式に部隊名がジェネレーションガールズに決定した。そして、話しは次の案へと移る。

「だけど、今回の戦闘は結構キツかったな。今回戦った敵勢力との機体性能が明らかに向こうの方が上だった。今回は、何とかなったけどこの先も勝てるかどうか・・・」
「・・・確かに、法子ちゃんが届けてくれたロウが改修してくれた機体はともかく他の機体は・・・」
「それも今後の課題ですね。現状は、盧獲や廃棄された機体を修理して運用するしかありませんが可能な限り早めに解決させないといけませんね。」

他にも課題はありそうであったが今回はトリントン基地に向かうという方針だけ決めて今回のミーティングは終了した。
ミーティングが終了して今後の行き先が決まり部屋から出てからそのまま格納庫まで和也は来ていた。そして、格納庫で作業を行っていた肇を見付けると声をかけた。

「和也さん。これからの行き先は、決まったんですか?」
「ああ。補給が終わり次第地球に降りてトリントン基地に向かう。」
「それじゃあ、MSのOSも調整しておかないといけないですね。」

和也からの報告を聞くと肇は、これからの作業を頭の中で組ながら手順を考えていた。

「それと、頼みがあるんだが・・・」

そんな中、和也は申し訳なさそうにしながら頭を掻いていた。

「はい?何です?」
「暇な時でいいんだが・・・余ったMSで智恵理との適正の高い機体があったら何時でも出られるようにしておいてくれないか?」
「えっ!?でも、智恵理さんは・・・」

和也の申し出に驚いた肇。楓から智恵理をパイロットから外す命令は聞いておりその経緯も知っていた。智恵理を外すように進言したのは和也であることも知っているため理解が追い付いて来てなかった。

「確かに俺が智恵理を外すように言ったが、でも智恵理が何時か憎しみで戦う以外で戦う決意が出来たとき、必要になると思うんだ。俺が言うのも何だが、彼女のパイロットとしての腕はこれから先、訓練していけばまだまだ上を目指していける。」

和也は、少しだけであるがこの艦のパイロット達を見てきてまだまだ実力が上がると確信していた。

「それに、俺はいつか居なくなるしな。人数の少ないこの部隊でパイロットとして智恵理は、必要不可欠だ。もし、予備の機体で無かったら最悪、俺の機体も候補に入れてくれても構わない。」
「・・・分かりました。和也さんがそこまで言うのなら検討しておきます。」

和也の言葉を聞いて肇は、整備しながら考えておくといい二人は別れた。和也は、一度立ち止まり先程の戦闘で智恵理が乗っていたジム改を見つめると再び歩き出した。



ミーティングを終えた美穂と法子は、智恵理のお見舞いに医務室までやって来た。智恵理は、ベッドに座っていて休んでいた。

「智恵理ちゃん。」
「美穂ちゃん。それに、法子ちゃん。」

二人が来たのを知ると笑顔で出迎えるが、その笑顔は元気が無いのは一目瞭然であった。

「・・・聞いたよね?私の処遇。」
「うん。聞いたよ。でも、どうしてあんなことを・・・」
「あの機体は・・・家族の仇だから・・・ッ!」

シーツを握りながら怒りを露にする智恵理。こんな姿を見たことの無かった二人は動揺してしまい戸惑ってしまった。

「あの機体だけでも倒せれば私は・・・どうなったって!」
「智恵理ちゃん!」

智恵理の言葉を遮るように美穂が大声を出した。智恵理は、美穂の顔を見るとそこには涙を浮かべながら自分を見つめる智恵理がいた。

「自分をもっと大切にしてよ!智恵理ちゃんは、一人だけなんだよ!智恵理ちゃんが居なくなったら、みんな悲しむよ!私だって!」
「美穂ちゃん・・・」
「そうだよ。みんな智恵理ちゃんの事好きなんだから。死んじゃったら何も残らないよ。」

智恵理に続いて法子も言葉を続けた。それを見た智恵理は、ふと和也がの言葉が蘇った。

「( 例え、どんな理由だろうと命を無駄にするな!お前は1人だけなんだ!お前を失えば悲しむ奴が居ることを知れ! )」
「(私は・・・)」
「智恵理ちゃん・・・」
「美穂ちゃん。今日は、戻ろう。智恵理ちゃんも疲れてるんだから。」

美穂が何かを伊井かけだが法子が制して智恵理に別れを告げて部屋から出ていった。

「和也さん・・・貴方も、私が居なくなったら悲しんでくれるんですか?」

智恵理は、誰もいない医務室で呟いた。しかし、それを聞く者と答える者はいなかった。 
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