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Ghost trick

作者:夜光蝶
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歪な笑み

とある夏島―。

『今日は、この島で泊まるか…』

長時間の浮遊に体力を消費したムウマは、夏島に降りる。

『取り敢えず、腹減った』

そして、1軒のレストランに入った。

―カラン、カラン―

入るとそこは、“吹雪”が今まで見て来たレストランと、雰囲気が違った。

『(あっ…!)』

すると、彼女の黒い瞳に、何かが停まった。

『(凄い!エースだ!)』

そこには、白ひげ海賊団の2番隊隊長、火拳のエースの後ろ姿があった。

『(後ろ姿で分かるって言うのも、凄いわ)』

と、驚きながらも、少しずつ歩み寄る。

店主「いらっしゃい」

店主が挨拶を言った瞬間…

―ガタンッ!―

店主「お、おい!?兄ちゃん!」

フォークを持ったまま、エースは食事中にカウンターに俯せた。

『大丈夫だよ。寝てるだけだから。気にしないで』

店主「えっ!?でも…」

冷静に状況説明を済ませるムウマに、周りの客は唖然とするばかり。

『んな事より、お腹空いた。ホットケーキ作って。
あと、上にアイス乗っけてね。チョコシロップと生クリームも忘れないでよ』

店主「わ、分かった…」

ムウマの細かい注文を聞くと、店主は厨房の方へ行った。

エース「…ん?また、寝てた(-_-)」

すると目が覚め、ムクッと躰を起こすエース。

『おはようエース』

そんな彼に、普通に挨拶をするムウマ。

エース「ん?あぁ。おはよう…」

彼もまた、何事も無かったかの様に挨拶を返す。

エース「?」

すると、違和感を感じたエースは、思わず横に座っているムウマを見る。

エース「お前誰だ?」

と、今更な質問を彼女に問い掛けるエース。

『気付くの遅いよ』

それに対し、ムウマは視線を変えず、冷静に答えを返す。

店主「はいよ」

タイミング良く、注文した品がカウンターに置かれた。

『頂きマウス(-人-)』

周りを気にせず、ムウマは黙々と夕食を食べる。

エース「だから!お前は誰なんだよ!」

『傍観者』

エース「傍観者ァ?」

ムウマの出した答えに、疑問符を浮かべるエース。

『ねぇ。サッチって死んでんの?』

平然とした表情で問う彼女に、エースは黙らずに居られなかった。

エース「何でサッチが死ななきゃなんねぇんだよ!!」

『(サッチ死んでないんだ)』

と、“前の世界”との情報と噛み合わない事を知るムウマ。

『じゃあ、ティーチって今何してんの?』

エース「それは…」

すると、気まずそうに返す言葉を失うエース。

『抜けたんでしょ?』

エース「!!?」

食事を続けながら、平然と答えるムウマ。
そんな彼女に、驚きを隠し切れないエース。

エース「何で…お前…!?」

『声デカイよ』

エース「!!」

ムウマの忠告に、エースは思わずハッと我に返る。

『まぁ、何でもって程じゃ無いけど、大体は知ってるよ』

コッソリ告げて、食べ終えたムウマは椅子から立ち上がる。

『あ。お代は、この人が払うから』

エースに指を指し、店を出ようと背を向ける。

エース「待て!!お前、一体…?」

エースも勢い良く立ち上がり、彼女を呼び止める。

『他人(ヒト)の不幸を快楽にする傍観者で~す(妖笑)』

エース「!!?」

振り向き際に、紅い口元が歪に釣り上がり、エースは思わずギョッとする。









その瞬間








エースの中で流れる時間が…























凍えた様に止まった

to be continued

 
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