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中二病が主人公になったら?

作者:アガセ
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第14話

 
前書き
皆さん、お久しぶりです!
投稿が大分遅くなって申し訳ないですm(_ _)m

さて、今回からやっと原作に突入といった所です。
いや~、お待たせいたしました(?)

まあ、グダグダなのはいつも通りということでご愛嬌(笑)
では、スタートです! 

 
イタチが里を抜けてから4年が経過した。
しかし、特に大きく変わったことはなかった。

せいぜい変わったことと言えば、ナルトの生活に『卵巣を使ったMADな研究』が加わったぐらいである。

少々グロい実験を繰り返す日々・・・
だが、ナルトが理想とする結果は一度も出なかった。
恐らく、何かが足りないのだろう。
それが材料なのか知識なのか・・・。

とりあえず、今はその答えに辿り着けそうもないので、この研究を一旦中止することにした。
ただし、実験に必要な細胞の培養だけは絶やさなかったが。

さてさて、今ナルトはアカデミーの卒業試験を明日に控えている状態にある。
当然だが、ナルトはその試験内容を知っている。
それは、幾つかの残像を作り出す術"分身の術"である。
しかし、これは会得難易度が『E』という超絶簡単な術であり、原作のナルトと違って理詰めしまくって修行しているこの転生ナルトにとっては、最早段差ですらない。

という訳で、卒業試験の練習は一切せず、今まで通り自主トレをすることにした。



・・・とでも言うと思っていたのか?ww
タダで卒業する訳がなかろう。

ナルト、いや『鳴門勇太』は中学時代、とある先輩にこう言われました。

「いいか?
ただ普通にのんべんだらりと学校を卒業するのはつまらないだろう?
やっぱり、『この学校にいました!』っていう証くらいは残さなきゃイケないと思う、うん。
ちょうどこの校舎はプレハブだし、もうちょっとしたら取り壊すんだ。
だったら、カベ殴って穴開けたって問題ねぇだろ?
という訳でオレ、カッコ良くキメるぜぇ!」

その先輩は『殴って穴を開ける』とか言っていたくせに、闘牛を彷彿させるような『タックル』をかましてドでかい穴を開けました。
それをやったのは卒業式の前日の放課後。
その先輩は卒業式の日、修理費として1000円(ベニヤ板代)を払わされました。

「という訳で、いっちょやってやるってばよ!」

何かがオカしい気もするが、ナルトは早速『火影の顔岩』の前に来ていた。
持って来た道具は、数種類のペンキと大きな刷毛、そして必要ないとは思われるが一応念のために落下防止としてロープ。

当然、落書きする気満々ではあるのだが、ただ落書きするのではない。
フルカラーで完璧に再現するつもりなのである。

黒眼の細かい模様からシワの一つまで忠実に再現していく。
額当てなどの金属部分だけは銀色のペンキが偶然にも手に入らなかったため、仕方なくアルミホイルでコーティングしていった。

最後に、四代目火影かつナルトの親父『波風ミナト』の髪に金箔を綺麗に貼り付けて完成。
・・・これぞホントの『金髪』である。

「う~ん、我ながらカンペキだと思う!」

何が完璧なのか分からんが、ナルトは1人ロープで吊るされながら胸を張って喜んでいる。

「おっと、漸くギャラリーが集まり始めましたな~」

何だなんだ、と里人の1人がザワめき始めれば、それが徐々に伝播し、騒ぎが少しずつ大きくなっていく。

「コラー!!いたずらしやがって!!」
「なんちゅーバチ当たりな!」
「見てみろよあれ・・・・・・」

少しして、主に火影邸の屋上から野次が飛び始めた。

「バーーーカ!!
うっせんだってばよ!!
お前らにはこの素晴らしさってもんが分かんねーだろ!!
フルカラーだぜ?フ・ル・カ・ラぁー!
つまり、完全再現したということだ!!
だからオレはスゴイんだぞ!!」

何故かナルトは意気揚々としてガヤ共に言い返す。
四代目の髪の色を本物の金にしてる時点で、既に完全再現とは呼べないのだけれども。

「おーおー!
やってくれとるのォ、あのバカ!」

三代目火影が火影邸の屋上にやって来るなりそう言い放ったが、何処か嬉しそうな顔をしている。

「三代目、申し訳ありません!」
「ん?お!イルカか!」

火影の元にナルトの担任『うみのイルカ』が参上した。

「どうじゃ?ワシの顔の出来映えが一番良いじゃろう。」
「そういう問題じゃありません!」

若干青筋を立てながら「スーッ・・・」と大きく息を吸い込み、

「何やってんだ!授業中だぞ!
早く降りて来い!バカものーーー!!!」

と顔岩の前にいるナルトに怒声を飛ばした。

「やっべ!?イルカ先生だ!逃げなきゃ!」

ナルトは慌てて顔岩を駆け上がって逃げようとするが、焦って足を滑らせてしまった。

「あ、あれ?
ヤバイ!ヤバイ!縄が絡まって身動き取れねぇ!」

宙吊りになったナルトは足を滑らせた時の慣性でグルグルと回ってしまい自分の体を自ら縛り上げてしまっていた。
結局、ナルトは縄抜け出来なかったためにそのままイルカに引きずられて教室まで連行された。



亀甲縛りで身動きの取れないナルトはイルカの手によって強引に教壇前の地べたに座らされる。

「明日は忍者学校の卒業試験だぞ!!
成績最下位のお前は外でいたずらしてる場合じゃないだろバカヤローーー!!」

イルカはナルトにもの凄い剣幕で怒鳴るも、

「はいはい・・・。」

ナルトに素っ気なく返されたことでイルカの中で何かが「プチッ!」っと切れた。

「今日の授業は変化の術の復習テストだ!
全員並べーーー!!」

「えーーーーー!!」と不満の声が生徒たちから一斉に上がる。
しかし、

「先生そっくりに化けること!!」

と米噛みに浮き上がった血管から血を少し噴き出しながらお題を言い放った先生の有様にだれも言い返すことが出来なかった。



・・・「ボンッ!」と音を立て、フワフワと漂う薄い煙を纏いながら生徒たちはイルカに化けていく。

「よーし、OK!
次!うずまきナルト!」

名前を呼ばれるも、如何にもやる気の無さそうな顔をしてイルカの前に出て来た。
ナルトの後ろに並んでいる生徒は

「お前のせいだぞ!!」

等と口々にナルトに向かって文句を言っているが、ナルトは

「知るかよ・・・」

と素っ気ない返事をして一蹴した。

"普通にやるだけじゃ面白くねーな・・・。
・・・・・・よぉーし!"

「変化!!!」

何かを思い付いたナルトは"変化の術"を発動する。
ボフンッ!と煙を立てて現れたのは、確かにイルカではあったのだが、

「あらぁ~?
アナタ、いいカラダしてるじゃな~い?」

煙の中から出てきたイルカは何故かバッチリ化粧をしており、大蛇○ボイスだった。

『ゲロボッシャアアァ!』

大多数の生徒が吐瀉物を床に撒き散らした。
恐らく、イルカのメイクが年少のいたずらレベルで、かつオカマ口調だったことが精神にクリーンヒットしたのだろう。
肝心のイルカ(本物)はというと、顔面蒼白で今にも塵となって消えそうな状態になっていた。

「シメたっ!今のうちに逃げよう!!」

ナルトは某中忍試験官のごとく窓を割って教室を抜け出し、一目散に山に向かって逃げ出した。
イルカは窓の割れる音で意識を戻した。

「あ・・・あの大バカ者ーーー!!!」

ワナワナと怒り震え、すぐさまナルトをひっ捕らえようと疾風の如く走り始めた。
先生と教え子の鬼ごっこを見かけた人達は「イルカ先生から若干赤いオーラが出ているような・・・」と口々に話していたそうな・・・。



数時間後・・・

「きれ~~~にするまで家には帰さんからな!!」

ナルトが強引に阿修羅閃空で壁抜けして逃げようとしたのだが、失敗して壁に埋まって身動きが取れなくなったところをイルカに御用された彼は今、絶賛顔岩をクリーニング中であった。

「別にいいよ・・・
どうせ家に帰ったって誰もいねェーし・・・」

ナルトはどこか物寂しげに呟いた。
今年で精神年齢27歳になる人間だけあって普通の子供と比べれば孤独による精神的ダメージはやや軽いのではあるのだけれども、それでも精神的に堪えない訳ではない。
彼の呟きとその表情を見てイルカも少し哀しそうな目を向ける。

"親の顔を一度も見たことがなく、里人から理不尽なまでに迫害を受けているんだもんな・・・。"

「ナルト・・・」
「・・・なにィ?」

ナルトは寂しげな目をしたまま顔を上げる。

「・・・ま・・・なんだ・・・・・・
それ、全部キレイにしたら、今晩ラーメンを奢ってやる!」

自分の大事な教え子をどうにかして元気付けてやろうと、少々照れ隠しがてら自分の頬を掻きながらイルカはナルトを晩飯に誘う。
誘われた彼の反応が気になって顔を見てみると、さっきまで落ち込んでいたはずなのに、それが嘘だったかのようにパァッと顔が明るくなっていた。

「よーーーし!!
オレさ!オレさ!がんばっちゃお!!」

絶品ラーメンを奢って貰えることとほぼ原作通りの展開を実際に経験出来たこと、そして自分の大好きな先生に奢って貰えることがナルトのやる気に火を点け、大分掃除のスピードが上がった。
しかし、親父の顔岩だけ金箔を剥がすのにやたら時間がかかってしまったため、終わる頃にはすっかり日が沈んでしまっていた。



場所は変わって、ラーメン一楽にて・・・

「ナルト」
「ん~~~?」

ラーメンを景気良く啜っているナルトにイルカは疑問に思っていることを口にする。

「なんであんなとこに落書きした!?
火影様がどーいう人達か分かってんだろ・・・」

イルカにとってナルトは『普段から少し変わったことをしている可愛い教え子の1人』という認識なのだが、特に今回のは今までのと比べて規模が大きく不可解極まりない行動だったために、未だにイルカは頭の中が少しモヤモヤしていた。

質問を投げかけられたナルト、少し「う~ん・・・」と唸ってから答えた。

「あの人達がどういう人達なのかは重々知っているってばよ。
ただ、里人のほとんどはあの顔岩をただのモニュメントとしか見てない気がする。
だから、色を塗って実物に近くすることであの顔から滲み出ている偉人達の凄味みたいなものを少しでも感じて欲しかっただけなんだってばよ。」

そうか、とイルカは少し嬉しそうに一言。
教え子がやったことが火影を尊敬するあまりに行動を起こしたことだったので、やや感心する。

「でも、金髪をホントの金にする必要はなかったんじゃないのか?」
「あっ!大枚叩いたのに無駄になっちまったってばよ!」

本当にバカだなお前、とイルカは苦笑するが、過ぎたことは気にしないとでも言わんばかりの様子でニコニコしながらナルトは再びラーメンを勢いよく啜り始めた。

「なあ、ナルト。」
「ん?なに?」
「明日の卒業試験、頑張れよ!」
「おう!ぜってー受かってやるってばよ!」

こうして、イルカが開いたナルトへのささやかな激励会は静かに幕を下ろした。 
 

 
後書き
とりあえず今回はここまでです。
次回はそうですね・・・明○のジョー風の予告にするなら『次回!ミズキ君が死んだ!』ですかね(笑)
まあ、こんなこと書いといてアレなんですけど、ホントにやっちゃうのかはまだ悩んでる最中なんですけどww

そういえば、『壁をぶち壊そうぜ!』の件は、筆者が中学生のときに私の先輩が実際にやったことなんですww
まあ、決してその先輩が不良だったとかそういう訳でなく、いわゆる『馬鹿と天才は紙一重』な人間だったんですけれどもwww
 
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