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迷子の果てに何を見る

作者:ユキアン
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第二十三話

 
前書き
厄介事はとりあえず終了したな。
これで隠居生活を楽しめる。
byレイト 

 
第二十三話 リョウメンスクナ

side レイト

元老院のジジイどもを完全に殺し終わり、アリアドネーにはキティと一緒に隠居する事を伝えたのだが、戦乙女騎士団の団長であったセラスが学園長に就任してしまい、他の団員の育成も間に合っておらず、今居なくなられると緊急時に戦乙女騎士団が機能しない恐れがあるので有事の際には指揮をとって欲しいと頼まれてしまった。地位はあって困る物でも......ないわけでもないか。それでもアリアドネーにはいくらかの恩があるし借りもあるので新しい団長の育成期間として20年間は団長代理として有事の際には動く事を強制証文で誓ってやった。かわりに教授の地位は二人とも残してもらう事にした。教授位の地位なら持っていても問題にはならない。


そして現在、オレとキティと赤き翼+アリカとアスナは京都観光をしている。
オレとキティと詠春がここに居るのは別に問題ではない。京都に住んでいるからな。今は青山家が用意してくれた家を引き払い関西呪術協会の本山に住居を移している。
実はオレとキティがこちらで暮らし始めてから少し経った時に近衛木乃葉と名乗る女性がオレを訪ねてきた。(その際、浮気なのかとキティに折檻された)
何でもオレが詠春と知り合いで更には力づくで連れて帰って来れる人だと聞いて訪ねてきたらしい。
何でも詠春は木乃葉の婚約者らしいのだが結婚すれば関西呪術協会から離れる事が出来ない。その前に自分の腕がどれだけ世界に通用するのかを確かめる為に魔法世界に勝手に行ってしまったらしい。男としては確かに腕試しをしたいその気持ちはよくわかるが、その間ほとんど手紙も連絡も送っていないらしい。
木乃葉はたまに入ってくる赤き翼の活躍を耳にするだけでずっと心配し続けていたそうだ。そして、大戦が終結したという報が入っているにもかかわらず詠春はまだ魔法世界に居り帰ってこないらしい。もしかしたら自分は捨てられてしまったのかも知れないという不安があるがそれを確認する手段も無く途方もくれていた所にオレの話が舞い込んだそうだ。
この事にキティはもの凄く怒った。先程浮気なのかと折檻された時位に。基本、キティは自分の事かオレの事以外で怒る事はまず無いが、自分と同じで男に待たされ続けた(その事に関しては本当にすまないと思ってます)女性として協力する事を誓った。
そして次の日にはオレは詠春を探しに魔法世界入りした。キティは木乃葉に男の扱い方を色々と教えると木乃葉の所に出かけている。見つけ次第すぐに連れ帰って来いと言われているので、その為だけに関西呪術協会の地下牢への転移魔法符を徹夜(キティとの夜の営みの後)で開発する羽目になりました。覚えてろよ詠春。
そんな訳で詠春を探し始めて7時間(MMの領土をほぼ探し終え)とうとう見つけました。オレを見て普通に近づいてきたので足を払い、倒れた所にマウントポジションを取り殴りまくります。気が済んだ所で簀巻きにして転移魔法符で地下牢に飛ばします。これでオレの役目が終わったので近くのゲートに転移しそこから旧世界に戻りもう一度転移で自宅に戻り眠りにつきます(もちろん夜にはry)。


次の日、げっそりとした詠春と肌がツヤツヤな木乃葉が結婚式の招待状をわざわざ持ってきてくれた。もちろん参加したのだがそこで事件が発生した。
結婚式自体は問題は無かった。その後の披露宴と言う名の宴会の終盤、どこぞのバカどもが襲撃してきた。いつもなら簡単に撃退できたのだろうが軒並み全員が酒を浴びる様に飲んでおりまともに動けるのが未成年とざるであるオレとオレ以上に酒に強い木乃葉だけという状況だった。これに焦った鶴子という少女があろう事か妖刀を持ち出し敵を殲滅するどころかオレに襲いかかってきてしまった。咄嗟にオレは詠春が使っていた斬魔剣・二の太刀を思い出し食事に使っていたナイフで妖気を切り捨てた。そのままナイフでバカどもを倒し(披露宴で血をみるのはさすがに引くので全部峰打ち)それを見ていた神鳴流の未成年達がもの凄く憧れの眼差しで見て来ており自分たちに修行をつけて欲しいと言って来て、木乃葉がそれもええなあとか言い出しキティも木乃葉に賛同し、ほんなら道場に近い家に引っ越してこうへんと言われキティは数日間の間に木乃葉と仲が良くなっているのでそれも良いかと言ってしまいなし崩し的に決まってしまい、今は近衛家に厄介になりながら神鳴流特別師範代をやっている。





話を戻すがナギとアリカは二人で添い遂げる事を決めた。ここまでは良い。
そして新婚旅行に京都に来る事になった。これもまあ良いだろう。
なぜかみんなで行こうぜとナギが言い出したらしい。なんでだよ。
普通、二人っきりで居たいだろうが。
まあ二人が良いって言うなら良いけどさ
一通り観光が終わった後、近衛家で宴会を始めた。ほとんどの参加者が酔い始めた頃外が急に明るくなった。

「詠春、あそこになんか封印でもあるのか」

「ええっと、なんだったか。確か鬼神だったのは覚えてるんだが」

「リョウメンスクナやよ」

「リョウメンスクナ?どっかで聞いた事がある様な」

「そんなことよりアレこっちに向かって来てますよ」

「タカミチ、お前倒して来いよ」

「いや、無理ですよレイトさん」

「大丈夫だってあれ中身がすかすかだからお前でも倒せるって。ラカンの強さ表で表すなら6000ってところか」

「それでも火力が足りませんよ」

「情けねえやつだな。もういいよ、オレが酒の肴に本気の一部を見せてやるよ」

「「やれやれ」」

「ほんじゃあ行くぞ」

『天に住まう大いなる神々よ』

リョウメンスクナだけを閉じ込める結界が張られる。

『そなた達に仇なすものに』

これから起こる魔法が周囲を破壊しない為の結界が張られる。

『その住まう高き天より』

空に輝く星の光が強くなり

『我が身を通し仇なすものに裁きを』

ゴッソリと魔力が減る感覚の後、天より光が降り注いだ。
光に飲まれたリョウメンスクナは苦しみながら徐々に崩壊して行く。
後、数秒もすれば完全に消滅するだろう。

「あっ!」

リョウメンスクナの正体を思い出し、すぐに魔法を中断する。

「どうしたんだレイト。まだ生きてるぞ」

「あぶねえ、また神殺しなんかするとこだった」

「神殺し?あれは鬼神ですよ」

「なんで関西呪術協会がリョウメンスクナのことを知らねえんだよ。あれは京都では鬼神かも知れねえけど飛騨じゃあ神として祀られてんだぞ」

「そんな話初めて聞きますなあ」

「簡単に説明するとリョウメンスクナは飛騨に住んでいた大男で朝廷の圧政に苦しんでいる村の人々を救う為に朝廷を滅ぼそうと京に攻め込んだ英雄なんだよ」

「ならなぜそれが京都に封印されてるんですか」

「たぶん驚異的な力をいつでも使える様に封印してたんだろうな。あれは京に居る限りは鬼神だが飛騨に帰せば守神になると思う。ならなくても暴れる様な事は絶対にないからとっとと送り返せ」

「わかった。すぐに指示を出してくる」

詠春が慌てて部下に指示を出しに行く。

「それにしてもまたあのバカどもが暴れたのか」

「そうだろうな」

「バカどもって?」

「強硬派と呼ばれている関西呪術協会の派閥でな、西洋魔術師が嫌いだから力づくで追い出そうぜ。とか言っているバカどもだ。前回の襲撃は詠春の結婚式の時に西洋魔術師に加担していた詠春と木乃葉の結婚が気に喰わなくて襲ってきやがった。今回の襲撃は、どうせ大戦の英雄が揃ってるからこれを全員殺せば西洋魔術師の力をそげるとか考えたんだろう」

「バカな考えじゃのう」

「まったくだ、どこの組織でもジジイどもは過去にとらわれすぎている。元老院と変わらんぞ。いや元老院よりはましか。自分たちでなんとかしようと考えてるだけ」

「「「まあ、どうでも良いな」」」

「そうだな、よし飲み直すぞ」

こうしてこの日は朝までどんちゃん騒ぎを起こしていた。











余談だが次の日まともに動けたのはオレと木乃葉、ジャックの三人だけだった。


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