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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第6章:女の決意・男の勘違い
  第14話:再会した嫁の前で、別の女を口説くのはヤメロ

(ロザリーヒル)
マリーSIDE

相変わらず女の事になると目敏いわね。
つーかピサロナイトって女だったんだ……しかもピエールさんクリソツのホビット族。
あのオッサン、口説きモードに入ってるのかな?

「ほら……惚れてる男と同じ顔なんだから、心と股を開いちゃっても問題ないでしょ♡ その甲冑脱ぎなよ」
あのオッサンにとっては、この状態は普通の範囲なのだろうが、常識人な私達には異常なのだ。
我が父の事ながら、思わずリューノと顔を見合わせて溜息をついてしまう。

「オイ! 久しぶりに再会した愛妻の目の前で、別の女を口説くのはヤメロ!」
だが、流石に納得いかないのだろう。
直ぐ横で色っぽい格好しているお母さんが、ナンパ夫のアレを握りドスの効いた声で牽制する。

「イテテテテテッ……ヤメてよ! そこは……暴れん坊将軍は、デリケートなんだから! そんなに乱暴に握っちゃダメ!」
そのデリケート部分を押っ放り出して、浮気してるお前が悪い。

「ふざけるな馬鹿夫婦が! 顔が同じだからと言って、私が貴様に気を許すと思ってるのか!?」
お父さんの裸を直視している似非(えせ)ピエールは、どうやら混乱している様だ。
『気を許す』とか、そんな問題じゃないだろう。

「あの女(似非(えせ)ピエール)……処女ね」
私の隣でシンちゃんを落ち着かせてたリューノが、惚れてる男に激似の裸(主にアレ)を目の当たりにし、嬉し恥ずかし超困惑状態で喚く女を見て、冷静に状況を分析している。ほほぅ……御主もソレが判る様になってきたか!

「あ、あの……ピサロナイトさん……だっけ? 取り敢えず剣を納めてくれないかな。お前は早く服を着ろ!」
遂に動いたのはマイダーリン!
騒動発祥地の最も近くに居たので、状況を纏めようと問題児に服を着させようとする。

「ビアンカさんも……名残惜しいですけど服をちゃんと着て下さい。貴女が何時までもその格好だと、この馬鹿がアレですから! それに、亡くなった彼女が貴女そっくりなシン君に……」
そう言いながら、お父さんにピサロナイトの剣先を離させ、二人の間に割り込んで距離を置かせるウルフ。

『名残惜しい』の一言に、思わずリューノに視線を向けてしまう私。
彼女も顔を顰めてこっちを見ている……
きっと私も同じ様な顔をしているのだろう。

「ピサロナイトさん……俺達は貴女にも、貴女の守る彼女(ロザリー)にも、危害を加えるつもりはありません。見ての通り、ビアンカさんを迎えに来ただけなんです」
「危害は加えないけど、暴れん坊将軍は咥えてほしいなぁ(笑)」

「黙れ馬鹿! 早く服着ろ馬鹿!」
一生懸命事態を収拾させるウルフ……
その足を引っ張る父……
流石に今回は、あんた(リュカ)にノれないわぁ……

「ピサロナイトさん……ロザリーさんを守りたいのなら、お側に付いてた方が宜しいのではないですか?」
お父さんによって吹き飛ばされたシンちゃんの側に居る私達の方が、似非(えせ)ピエールよりロザリーに近かった為、私達に危害を加える意思がない事を証明する為教えてあげ、ウルフへの牽制をする健気な私。

「くっ……!」
私の思いは通じたのだろう……
悔しそうにだが我々に警戒しながら早足でロザリーの側に近寄る似非(えせ)ピエール。

私達は(なん)もしねーってのに……

マリーSIDE END



(ロザリーヒル)
マーニャSIDE

人山から頑張って抜け出すと、私の露出度の高い服(ブラ)が大きくズレてしまった!
一緒に人山から抜け出たミネアの陰に隠れそれを直していると、リュカを中心に何やら揉め事が発生している。
相変わらずと言うか、リュカはトラブルに巻き込まれやすいわね。

とは言え、服(ブラ)を直すのに一生懸命だった為、肝心のトラブルが何なのか解らない。
他人の視線を遮る役割を果たしてくれた愛妹に尋ねようと顔を見ると……
「リュカさんが言ってた通り、奥さんってお美しい方なんですね」

奥さん……誰の事だろうか?
慌ててリュカの方に視線を向けると、隣には金髪美女が半裸(先程までは全裸だったに違いない)状態で寄り添っている。

「た、確かに……凄い美人ね……」
ぶっちゃけそうそう負けないと思ってた……私だって自分の容姿に多少の自信があるのだから。
だがアレは反則だろう!?

女の私が見取れてしまう美女が妻なのはズルイ!
不倫はいけない事だと思いつつも、それでもリュカの事が好きになっているのに……
あんな美女が相手では、闘争心なんか出やしない。唯々ヨダレが出てくるだけだ。

「楽しみですね、姉さん!」
「……何が!?」
私が世の中の理不尽さに落ち込んでいると、(ミネア)が何やら嬉しそうに話しかけてくる。

「はい。私……男性が3人同時ってのは経験あるんですけど、女性が3人ってのは未経験なんです! しかもあんな美人さんなんって凄いじゃないですか!」
「……………」
どうして私の妹はコレになっちゃったんだろう……大切に育ててきたはずなのに!

「あ、姉さん見て下さい! あの鎧の人も美女さんですよ……しかもどうやらリュカさんのお知り合いに似てるらしいです。女性が4人同時なのも体験できそうですね♥」
……頭が痛くなった。

これ以上リュカと肉体関係を続けると、この娘(ミネア)の為にならない気がする。
妹だけに手を引かせ、姉の私が関係を続けるのは問題だろう……
奥さんと合流できたこの気に、私達姉妹はリュカと距離を置くべきだ。

後でミネアを説得しなければ。
解ってくれるだろうか? 意外とビッチな()に育っちゃってるから、難しいかもしれない……いや、私の可愛い妹なんだから、心から説得すれば解ってくれるはずだ!

本当は私達がこのパーティーから離れるのが一番なんだけど、お父さんが生み出した“進化の秘法”が関係している以上、無視して普通の人生を送るわけにもいかない。
なんて悩み事の多い人生なんだ……

些か人生の理不尽さを嘆いていると、リュカ達の方にも進展があったらしく、緑の鎧を着た奴が私達に警戒しながら部屋の端へ移動する。
着いた先には脅えているエルフが1人。どこかで見た様な気がするけど……誰?

マーニャSIDE END



(ロザリーヒル)
アリーナSIDE

無事、家族が合流できたリュカ達……
何時もの様に色々トラブルがあったみたいだけど、互いに今までの経緯を説明できたみたい。
ウルフが疲れてグッタリしてる(笑)

「それにしてもリュカの奥さんは美人ね」
「そうですね……リュカさんが常々自慢するだけはありますね」
私は隣に居たクリフトに心からの感想を述べた……普段であれば『アリーナ様には及びませんよ!』とお世辞を言うのだけれど、ビアンカさんの美しさにそれ(お世辞)も出ない様子。

私としても同意見なので彼氏(クリフト)他の女(ビアンカさん)に見取れても頭にこない。
私と見比べての意見だったらムカつくけど、クリフトに限ってはそんな事ない!
だって、先程からずっと手を握ってくれてるんだもの。

「大体の事情は解りました……皆様がピサロ様をお捜しの理由も。しかし、どうか許して下さい! ピサロ様は本当は悪い人ではないのです……私が弱い所為なのです」
クリフトの手の感触にウットリしていたら、何時の間にか話は進んで行き、デスピサロの女であるロザリーが必死に彼氏を擁護している。

「私……サントハイムの王女としては、(サントハイム)の人々を異界より無事に帰してくれればデスピサロとの和解も検討します」
ルビーの涙を流すからと言って、私利私欲の為に彼女(ロザリー)迫害(イジメ)る人間は許す事が出来ない。その点だけはデスピサロに共感しよう。

「でも、だからといって人間全てを滅ぼそうとするデスピサロを放っておく訳にはいかない。シンの彼女の事もありますし……」
そう、さっき初めて知った事なのだが、シンにも彼女が居たらしい。
しかし彼を守る為、自ら犠牲になってデスピサロに殺されたらしい……

「はい、提案があります!」
魔族(デスピサロ)達の事……人間達との事……
みんなで色々悩んでいると、元気の良い声と共に大きく手を上げマリーが何かを提案してきた。
彼女の提案と言うだけで、大分不安になるのは何故だろう……

「私の持ってる情報に、『世界樹の花』の情報があります。この世界樹の花とは、ご遺体さえあれば何年経過してあっても生き返らせる事が出来るアイテムなのです! それを見つけて、シンちゃんの彼女を復活させ、魔族との蟠りを解消しましょう」

何時もながら凄い情報を持ってる娘だ……
だけど本当にそんなアイテムがあるのなら、シンがデスピサロを倒す理由も激減する。
諍いなんて誰も好まないのだから、和平へ向けた第一歩なのかもしれない。

うん。きっとそうだ!
私はクリフトの目を見て、互いに頷き希望を感じる。

アリーナSIDE END



 
 

 
後書き
男性の諸君。
暴れん坊将軍は大切にしよう!
女性の諸君。
魅惑の洞窟は大切にしよう!

あちゃからのお願いだよ。 
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