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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜

作者:カエサル
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閑話ー聖槍と聖剣の英雄ー
  66.双剣技

 
前書き
第66話投稿!!

第一のボスを倒したシュウたち。

そして現れる第二ボス、第三のボス!!
倒すことはできるのか? 

 


「ーーッ!!」

片手剣重単発技《ヴォーパル・ストライク》物理三割、炎三割、闇四割

目の前のグリフォンが光のカケラとなりその姿が消え去る。

「はぁ........はぁ.......」

「こ、このクエ.....ハードすぎんだろ」

二体目のボス、《Griffon The Road》に辛うじて勝利をおさめた。

もはや全員の肩で息をしており、次のボスに勝てるかどうかさえも怪しい。

すると先ほどと同じ声が部屋に響く。

『グリフォンを破りし者たちよ。最後の試練は、この程度ではないぞ!』

またも暗闇の扉の中へとグリフォンの光が飲み込まれていく。

「みんな......行けるか?」

「この程度な.....ら.....全然へっちゃらだよ」

アーチャーが強がった台詞を言うも、息切れで途切れ途切れの声になる。

「あと二体倒せば、クリアなんだ......武士としてやり遂げる」

「また......武士.....なんだ.....ほんと、熱いね.....クラインは.....」

クラインとレイナが平気な顔を無理にしながら立ち上がる。

「そうだね。あと二体って考えればいいんだよ」

「そうね.....」

リーファとシノンも立ちあがる。

「よしっ!行くぞ!」

重い足で俺たちは一歩一歩扉へと進んでいく。




「こ、こいつが三体目のボス」

「そ、そうみたいだな」

三体目のボスの姿に俺たちは、戦う前に戦意が損失するほどだった。

《Wall of The Impregnable guard》ー鉄壁の壁ー
俺たちの前に立ちはだかる巨大な壁。その壁の姿は、アーチャーとの戦いで作られた土の壁に酷似しているがそのプレッシャーはボスのものだ。HPバーは一本。普通ならフィールドボスといえどHPバーは、三本くらいあるものだが、こいつのHPは一本しかない。
それが意味するのは、このボスが弱いのではない。このボスは、今まで戦ってきたボス同様の強さとなる。

だが、この壁は攻撃してくるでもなくただ道を塞いでいるだけである。

「このボスって何もしてこないのかな?」

リーファが呟いたとほぼ同時くらいに俺たちが入ってきた扉が閉じる。

「うっ.....!」

「な、なんだ.....これ....?」

体にのしかかる急激重量感。
それは、この空間の重力が急に重くなったような重量感がのしかかる。

「ちょっとみんな!HPが減っててるよ!?」

アーチャーの言葉に自分のHPを確認する。HPバーは、徐々にその数値を減らし続けている。

「マジかよ!?」

「.....こいつもチートってわけか」

背中の片手剣を抜き、一気に壁に向けて突進。壁に激突するがやつのHPバーは、何も変化しない。
続けてキリトも突進。またもビクとも動かない。

「この壁、堅すぎるだろ」

「ビクともしねぇ」

この間にも徐々にHPは、減少していく。

(どうする......?)

このまま普通に戦ってもこいつを倒す前にこちらのHPが全て削り取られるだけだ。
確か、《ロンギヌスの槍》を見つけたパーティーはこの鉄壁の壁によってHPをかなり削り取られ、さらに魔法でMPまでもなくなった状態で最後のボスと戦ったせいで敗北をきした。

そして、こいつを倒したとしても問題が一つ残る。《ロンギヌスの槍》を見つけたパーティーは、普通なら負けなかっただろう。メデューサ、グリフォン、グランドの三体と戦った連戦で疲れたということがあるが、このパーティーが負けた理由は、他にある。
あの記事によればこのボスを倒した瞬間に強制転移によって回復する間もなく最終ボスが待つ部屋へと転送させられる。

(......あれを使うしかないな)

息を整える。
背負われる槍を左手に握りしめ、右手で片手剣を握りしめ、壁に視線を向ける。

「リーファ、アーチャー!回復魔法の準備!他のみんなは次の相手に備えとけ!」

俺の言葉に皆が驚いたような声を上げるがそんなことなど気にせず一旦、ボスとの距離をとる。

息を再び整える。
やつのHPバーを確認。ゲージは減っていない。
この異常なまでの防御を粉砕するには、大人数で一気に攻撃を仕掛けるのが通常的な方法だが、それでは前のパーティーと同じ結果となり最終ボスに負けることになる。

左手の黄金色の槍を強く握りしめ後方へと引く。さらに右手の漆黒の片手剣も強く握りしめ手首の捻りを加え、後方へと引く。先に引いた左手の槍がスキルの起動。地を蹴り、後方に引いた黄金色の槍をシステムアシストの力を加えて勢い良く前へと突き出す。

槍突撃技《ゲイボルグ》物理八割、聖一割、闇一割
槍が壁へとぶつかる寸前に右手の漆黒の片手剣が紅光を纏いながら前へと突き出す。

片手剣重二連技《トータル・インパクト》
《ゲイボルグ》を纏った槍が壁へと激突。それからコンマ数秒遅れで右手の紅光を纏った片手剣が壁へとぶつかる。その衝撃で発生した衝撃波で体が飛ばされそうになるのを足を杭のように地に打ち込み耐える。そしてぶつかった衝撃で少し弾かれた片手剣を次は、捻りを加え再び激突させる。
再び生まれる途轍もない衝撃波に体が吹き飛ばされそうになるがギリギリで持ちこたえる。

通常なら槍のソードスキルに拒まれて片手剣のソードスキルは発動すらせず、下手すれば二つのソードスキルが干渉を起こし相殺される可能性がある。だが、このスキルは相殺されるのではなくその威力を増幅させる。

俺が持つ中で最高の威力を誇り、この壁を破壊できる可能性があるある唯一のシステム外スキル......《剣技共有(スキルリンク)》

大気を劈くような爆破音が空気を震わす。一瞬、それが何の音なのか理解することができなかった。
だが、その正体は右手の片手剣の先から伝わる感触で理解ができた。片手剣が貫き砕いたあの感触......それとともに光のカケラが幾つも弾け飛び、目の前の壁が消滅する。
だが、それと同時に漆黒の片手剣の刃先が光となる。握られている片手剣がその姿を消滅させる。

「ま......まじか....よっ!」

言葉を遮るかのように技後硬直が俺の体を襲う。このスキルは発動後、後で二つの技後硬直が同時に襲う感覚で指一本動かすことができなくなる。

「シュウくん!」

「シュウ!」

リーファとシノンが俺の方に向かってくるのがわかるが体が動かせないため振り返ることもできない。

すると次の瞬間、あたりが一気に暗闇に包まれる。そしてまたもあの声が響く。

『ガイアを倒せしものたちよ......神を殺せし槍を手にせんとするものたちよ.......。その身を持って自らの愚かさを償うがよい!』

暗闇に一気に光が灯る。
それは、さっきまでいた部屋とが違う。だだっ広い空間。その奥地に見える祭壇。その頂上に突き刺さるのは、俺が求める槍、《ロンギヌスの槍》が刺さっている。

今だに技後硬直が解けない体をリーファとシノンが支える。

「シュウくん、無茶しすぎだよ!」

「そうよ。あんたはバカなの!」

怒る二人に支えられながら苦笑いを浮かべる。

その瞬間、轟音が空を切り裂く。
祭壇の前に落下してくる巨大な十字架。そこから空間を切り裂いたように現れたのは、人。正確に言えば、人型の巨人。真っ白な体に仮面を被っているような顔。手には、巨大な十字架を模した両手剣。

《Cross of The Judgment》ー十字架の裁きー 
 

 
後書き
次回、ついに迎える《ロンギヌスの槍》を護る最後の守護者!!

 
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