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とある英雄の学園生活

作者:にゃん丸
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第14話 護衛騎士

 ふざけた話だ。
 公爵のクーデターは他の王妃や親族貴族の陰謀だろう。
 乳母やメイド、騎士の死などに関してはただの偶然だろう。
 そのあとの幾つかの事件はアリス姫を貶める陰謀かもしれないが。
 そんなことがわからないアルト王やセリアではないはずだ。
 だが立場上何もできないのだろう。
 くだらないな。
 2人はもう大人だ。
 大人だからこそいろいろあるのかもしれないが。
 ただ18歳の俺より十分大人なの2人ならなんとかできたはずだ。
 なのに……
 話を聞いているだけで胸糞悪い。
 
 「私がだらしないばかりに……」
 
 「いいえ陛下、私がもっとうまく対処していればこのような……」

 2人がお互いが悪いと言い合っている。
 そう思うならなんで……

 バン!

 怒りのせいで俺は机をおもいっきり叩いた。
 ギョッと俺を見るアルト王とセリア親子 
 イフリートとシヴァはビックリしている。 

 「お前たち2人が悪い」

 「「……」」
 
 かつて俺より年下だった2人の友人はお互いを見て、気まずそうに頭を下げるだけだった。

 沈黙が5分ぐらい続き誰も喋らない。
 アルト王とセリア親子は机を見るように頭を下げている。
 魔人2人はお茶を飲み出されたクッキーをつまんでいる
 空気が悪いな。
 俺が空気を悪くしたんだが。
 このままじゃ話が進まないからここは俺から話をふるしかないな。

 「で、なんで今頃アリスを学園都市に通わせるんだ」

 「……はい、今年10歳になるので、アリスを学園都市に通わせればこの国にいるよりいろいろ自由に生活が出来ると思いネイさんに頼んだのです」
 
 「だったらもっと早い時期から通わせたらよかったんじゃないのか?」
 
 「学園都市は10歳以上にならないと入学ができないのです」
 
 「なぜ?」
 
 「それは、ネイが10歳の時にキラ様にお会いして勉強を始めた歳だからと言ってた気がします」
 
 なんて安易な答えだ。
 てかあの時ネイは10歳だったのか!
 知らなかった。
 
 「通わせるにあたって護衛騎士とメイドをどうしようか考えていたのですが、護衛騎士はセリアには申し訳ないがセシリアに任せて、メイドは城以外で募集をと考えておりました」
 
 「ただ先日の1件でセシリアではまだ荷が思いと判断させていただきます。キラ様がいなければ今頃アリス姫はどうなっていたかと思うと……」
 
 セシリアさんは頭を下げ膝に手を置き拳を握りしめている。
 確かにアリス姫を見失ったのはセシリアさん達だけど、
 出てきたゴールドオークはセシリアさん達だけではかなり厳しかったと思う。
 ましてやセシリアさん以外の騎士は陰謀に加担している者がいたはずだ。
 だとしたらセシリアさんに非が全部あるとは思えないのだが。
 ただ部外者の俺がフォローをしてもあまり意味がなさそうなので黙っていることにした。

 「それで打開策として戻ってきてくださった英雄キラさんに護衛騎士をしていただくのが1番の良策だと思い頼んだのです」

 何が良策だよ。
 いろいろ言いたいことがある。
 俺がいるから俺に任せるておかしいだろう。
 俺の心を読んだかのように

 「キラさんからアリスの護衛騎士をしたいといえば、王妃たちや貴族たちは、なにも言ってこないはずです」

 「王族でも貴族でもない俺がアリス姫の護衛騎士になれば、かどをたてることはないと思うが、本当に俺でいいのか?」

 「先程も言いましたがキラさんはこの世界の英雄なんです。その英雄が呪われた姫といわれ、また王位継承権のないあの子が普通に学園にかようのであれば、彼らも何も言えませんし、何も言わせません」

 「え?アリス姫には王位継承権はないのか?」

 「はい、10年前のクーデター後あの子の継承権は剥奪をしました」

 「……」
 
 アリス姫にはいろいろと同情するが、
 今さら宮仕えしろと言われても抵抗があるが、
 でも毎月一定の給料がもらえるのは魅力だが。
 なんせ今無職だから。
 
 「知ってると思うが戦時中に3ヶ月しか騎士として働いていないし、実際の作法や決まりごとなど全くわからない、俺は俺のやり方でアリス姫を護衛することになるが、それでイングランド王国に泥をかぶせることになるかもしれないぞ」
 
 「かまいません、アリスが楽しく学園生活を送ってくれればそれで……」
 俺は両隣にいる魔人を見る。
 
 「いいんじゃない、あたいも綺羅から聞いていた学園に興味あるし」
 
 「私もネイが作った学園に興味あります」
 
 2人は別に構わないみたいだ。
 あとは俺次第だ。
 
 「護衛騎士になるてことは、この国に仕えるてことだろ?悪いがアルト王に忠誠なんかできないぞ。ましてやこの国にも」
 
 「私に忠誠うを誓う必要はありませんし、この国に忠誠を誓う必要もありません。ただアリスを守っていただくだけでいいんです。王としてでなく父親としてお願いします」
 
 アルト王が机に両手をおき頭を下げる。
 セリアも頭を下げている。
 こんなに必死なアルト王を俺は見たことがなかった。
 それだけアリス姫のことを大事にしているんだろう。
 だから俺は、

 「わかったよ、俺でよけえば力をかそう」
 
 初めてできた異世界の今は年上の友人が頭を下げて頼んでいるんだ。
 俺はアリス姫の護衛騎士になることを決心した。 
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