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MS Operative Theory

作者:ユリス
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非MS⁄MA兵器②

——環境による非MS⁄MA兵器の有用性——

 既に述べたように、モビルポッドや戦闘機、AFVなどは、MSの補助戦力として用いられるべき兵器である。だが、戦闘は兵器の利用目的の一つであり、抑止力や地域制圧など、存在するだけで威力を発揮することも事実と言える。

また、MSの出動を必要としない小規模な事件や拠点攻撃などでは航空機やAFVが用いられることが多い。これは、MSの投入が短期間で事態を収拾する半面、紛争を誘発、または拡大させて仕舞う可能性が高いためである。

これは旧世紀において、国境近くに沿岸警備隊や武装警察などの準軍隊組織が配備された例からも理解できる。また、MSの高い攻撃力が足かせとなるコロニー内での戦闘や後方用装備としても、非MS⁄MA兵器の有効性は確認されている。



——MS支援用機動兵器モビルポッド——

 一年戦争期、MSの数量不足を補うために開発された兵器が、簡易機動兵器「モビルポッド」である。宇宙作業用重機を武装化したフォルムを持つモビルポッドは、MSほど高度なAMBACシステムや戦闘能力こそ持たなかったが、低コストながらMSと同程度の兵装を有する支援機として活躍した。

しかし、地球連邦軍がボールを支援機として位置付けていたことに対し、ジオン公国軍のオッゴはMSに匹敵する戦闘能力を期待されていたといわれている。このことからも、両軍のモビルポッドへのスタンスが微妙に異なっていることが分かる。


■モビルポッドの構造

 モビルポッドは低コストを重視した機動兵器であり、MSのような人型フォルムは求められていない。胴体にAMBACシステムを併用するマニピュレーターと固定兵装、または兵装要ラッチが設けられている程度で、基本的に対MS戦を考慮した兵器ではない。


■胴体

 コックピットやスラスター、熱核反応ジェネレーターまたはバッテリーなどを内蔵する中央モジュール。メインセンサーも胴体に配置される。人型兵器ではないため、形状も球形や筒型になっている。


■マニピュレーター

 マジックハンド式の簡易マニピュレーター。MSの様に兵装を使用するなどの精密作業ができない。そのため、AMBACシステムや作業用として使用されることが多い。


■兵装

 MS用兵装を転用、改修した火器を装備する。MSに有効打を与えるため、兵装は比較的大火力のものが選ばれている。簡易兵器であるため、基本的にビーム兵装は搭載されていない。


●MP-02A(オッゴ)

 ボールの有効性に着目したジオン公国技術本部が開発したモビルポッド。戦線の後退により不要となったMS-06J(ザクⅡJ型)のジェネレーターを流用することで、短期間で完成した。兵装もザクⅡのものを使用可能であった。ボールを上回る総合能力を持つが、ジムなどのMSと互角に戦える兵器ではなかった。


●RB-79(ボール)

 ジムのしえんきとして開発された、地球連邦軍のモビルポッド。空間作業用重機をベースとした機体で、180mm低反動砲や装甲が施されている。銃弾で運用することによって高い支援能力を発揮したほか、空間作業用としても使用された。二門の火砲を搭載した、近接戦仕様も製造されている。



——非MS⁄MA兵器の戦闘法——

■支援攻撃

 味方部隊にMSやMAがいる場合、後方からの攻撃や一撃離脱による支援を行う。モビルポッドは本来こうした攻撃方法に特化した兵器である。


➀味方MSが敵MSと接触、戦闘を開始

 モビルポッドはMSの支援機として使用されることが多いため、1機のMSに対し、複数機のモビルポッドが随伴する。MSが敵MSと戦闘を開始した場合も、近接戦闘などには参加しない。


➁支援攻撃を行う

 MS戦の開始に伴い、モビルポッドは中距離から味方MSに対し支援攻撃を行う。味方にMSがない場合も、複数機で攻撃を実施するケースもある。


■待ち伏せ攻撃

 味方部隊にMSがいない場合の戦闘方法。隠匿性が高い防御陣地を構築、侵入してきた敵MSに集中砲火を加える。攻撃後、後方へと離脱する。


➀障害物で防御陣地を形成する

 艦艇やMSの残骸を用い、防御陣地を形成。敵MSを射程内に誘い込む。また、障害物の陰に隠れ、敵MSに接近するという戦法もある。


➁射程内の敵に攻撃を行う

 射程内に侵入した敵機に対し、攻撃を実施する。一撃目は奇襲になることが多いが、一が露見するため、攻撃を継続せずに撤退することもある。



——航空機——

 MSが飛行能力を持たなかった一年戦争時の地上戦において、航空機はその展開速度を利用してMSに対抗していた。ミノフスキー粒子の広域散布によって誘導兵器の有効性こそ低下していたが、急降下攻撃や一撃離脱戦法はMSに対して有効な数少ない攻撃手段だった。

サブ・フライト・システム(以下SFS)が普及したU.C.0080年代中期以降、航空機の優位性は低下したが、長距離偵察や防衛などに利用され続けている。


●セイバー・フィッシュ

 地球連邦軍の高高度戦闘機で、もとは宇宙艦載機として開発されたとも言われる。機関砲のほかロケット砲12門を装備するなど、航空機としては高い攻撃力を有していた。エンジンを換装することで、宇宙空間での運用にも対応できたとされる。グリプス戦役期にもTINコッドと共にジャブローに配備されていた。


●デプ・ロッグ

 地球連邦軍の重爆撃機。大型戦略爆撃機に分類され、大容量のウェポンベイを持つ。ミノフスキー龍氏が散布された環境下では精密誘導兵器の効果が失われるため、集団での絨毯爆撃などに投入された。飛行能力は高く、低い高度を長時間飛行し続けることができた。


●フライ・マンタ

 地球連邦軍の攻撃機。6基のミサイル・ランチャーを装備しており、MSへの対地攻撃で戦果を挙げたとされる。オデッサ戦で対地攻撃に参加していることから、単なる攻撃機ではなくマルチロール・ファイターとしての性能を持っていたと思われる。


●ドン・エスカルゴ

 地球連邦軍の対潜哨戒機。高精度ソナーと魚雷などの対潜攻撃兵器を装備しており、対潜攻撃や対水中MS用として活躍した水陸両用MSをほとんど持たなかった地球連邦軍にとって、対潜作戦の切り札となっていた。ヒマラヤ級空母などの艦載機としても運用された。


●ディッシュ

 地球連邦軍の連絡用高速ジェット機。ディッシュ単体に攻撃能力はないが、全翼構造の一端を担うレドームにはレーダーやソナーが内蔵されており、高度な索敵能力を持つ。ベルファスト基地や極東方面軍機械化混成大隊基地に配備されていたことでも知られ、レビル将軍も利用していた。


●ドップ

 ジオン公国軍の主力戦闘機で、ガウ旧攻撃空母のお艦載機としても使用された。ミノフスキー粒子散布環境化に対応するため、キャノピー面積の広い張り出し型コックピットを採用、視認性に優れていた。航続距離が短く、ガウや基地施設の防衛用として運用されることが多かった。


●ファンファン

 地球連邦軍の武装ホバークラフト。実際は攻撃ヘリコプターに近い機体であり、2基の5連装ミサイル・ポッドを装備していた。ジャブロー基地の内部など狭い空間に対応するため、2基のローターはバンパーで保護されている。


●ルッグン

 ジオン公国軍のVSTOL偵察機。対地・対空両機のレーダーを内蔵するレドームを2基装備するほか、極めて長い航続距離を持つ。推進力と機体強度にも優れており、第一戦闘装備のザクⅡを懸架したまま飛行可能であった。防衛用として、翼端に2基の連装機関銃を備えていた。


●ジェット・コア・ブースター

 地球連邦軍のマルチロール・ファイター(多用途戦闘機)。コア・ブースターを大気圏内専用機として再設計した機体で、ラサ基地攻略戦に投入されたことで知られる。機首とブースター部に機関砲を装備するほか、対地スマート爆弾などを外装する。推力が高く、理論上はMS1機を懸架可能とされる。


●オーバーヘッドホーク

 ベスパの偵察機。ドップにニタ張り出し式の可動コックピットを持つ。自衛用として胴体機関砲と後方警戒用の連装機銃を持つ。パイロットとコ・パイロット、後方機関手、胴体内の後方下方警戒手の4名が搭乗可能で、電子機器だけではなく視覚による哨戒も重視した設計となっている。

 
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