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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第49話 京都にて

 
前書き
明けましておめでとうございます。
拙い小説ですが、本年もよろしくお願いします。

今回はほぼ設定回となります。 

 
 さて、麻帆良を離れ京都に着いたオレは分身体と共に本体である木乃香と合流する。
 木乃香の分身を解き、記憶を統合する。

「せっちゃん………」

 いろいろあったようだが、とにかく麻帆良祭までは麻帆良に戻らないことに合意してもらった。

 その後、関西呪術協会時にほったらかしにされていた近衛宗家の血でしか開かない様々な封を木乃香が解くのに付き添うことにする。

 これがまぁなかなか多く、しかも調べてみれば宗家が責任を持って封印を更新しなければならないモノがかなりあり、木乃香が麻帆良にいる間に幾つかは封印が破られ既に対処---というか退治---し終わっているモノすらあった。

 当然そういったモノによる被害が0なわけもなく、宗家が封印を更新さえしていれば被害が0になっていたわけで、改めて詠春さんの無能さが浮き彫りとなる。

 結局陰陽師の末裔である近衛宗家を退魔剣士でしかない詠春さんが率いたことに無理があったということなんだろう。
 随行していた日本異能協会の人々も頭を抱えていた。





  ☆  ★  ☆  





 新たに近衛宗家の置きみやげの割り振りなんかでにわかに忙しくなっている日本異能協会の人々を横目に、滞在先の神鳴流青山宗家で、まったり---といってもなんだかんだ修行はあるのだけれど---していると千雨からメールが届く。

 千雨からのメール---デバイス経由のため、AI(ミッド式電子精霊)により麻帆良の検閲はスルーしている---はオレが麻帆良から出た後の件だが色々あったらしい。

 まずオレが辞職したのに加え、新田先生も麻帆良学園を辞めてしまった。エヴァ経由の話しでは理不尽にも修学旅行の責任者として責任を取らされたと言うことだ。
 当然一緒に行った先生方---魔法先生も含めて---は反対したらしいが学園長が押し切ったとのこと。

 いや、あかんだろう、これは。

 とりあえず、すぐさま日本異能協会の上の人に連絡し、魔法使いの都合により、理不尽に職を奪われたと言うことでフォローしてもらうことにする。

 幸いというか、麻帆良学園の正常化プロジェクトというものがあるらしく、その中核としてスカウトするらしい。

 新田先生は真の教育者だ。

 まさにうってつけとは思うけど、裏に関わらせるのも申し訳ない気もするしなぁ。
 ただ1つ言えるのは、新田先生が麻帆良学園の真の姿を知り、それを正せる機会があるならばきっとそれを成そうとするだろうから、ちゃんと説明した上で協力を仰いで欲しい。

 なお、学園長がここまで好き勝手できるのも、関東魔法協会の理事会内でも日本異能協会の傘下に入ろうという動きが強まっており、逆説的に魔法世界の代表的立場である学園長に墓穴を掘ってもらい、反対派を駆逐するために、あえて好き勝手させているらしい。
 日本異能協会の道化としてがんばって踊って欲しいモノだ。

 次に千雨の父親は月村経由のスカウトにより、TBC(月村・バニングスカンパニー)---月村とバニングスカンパニーによる共同出資のIS開発の会社---への転職が決まった。
 どうやら前からTBCからスカウトされていたようで、迷っていたところに千雨のプッシュもあり、GW前に退社、GW中に引っ越し、5月末に入社という流れになったようだ。大きな仕事も任されてなかったこともあり、円満に移れるらしい。

 なお、千雨の方だが麻帆良学園が寮制度ということもあり、当初中学卒業までは麻帆良学園に通うと言う話しを、麻帆良祭後に転校すると両親にねじ込んで書類も書いてもらったらしい。

 まぁ、聖祥大付属の中等部に転校すれば、受験的な意味で高等部進学は楽だしな。良い判断と言える。





 で、結局その斜め上を行く結果となった。

 千雨がその書類を提出する直前に、3-Aのクラス担任がネギ・スプリングフィールドに替わったからだ!

 直ぐに千雨は書類の日付を変更し、GW前に急遽転校するカタチに改竄したのだ!

 ちなみに千雨は両親にこの件を伝えなかったので、GWから麻帆良祭後までフリーとなった。
 なんだかんだ言っていたが、要は木乃香を心配して木乃香と同時に転校できるように気を回したんだろう。

 さて、このネギ・スプリングフィールド。石化解除された後、3-Aの担任に収まり、学園長に「強くなりたい」と師事を願ったら、最強の魔法使いとしてエヴァを紹介されたらしい。

 で、そのまま弟子入りを志願して断られたとのこと。

 正確には弟子入り試験と称して茶々丸と戦わされたのだが、何故かその現場に魔法関係者以外の生徒を連れて来て、自ら魔法を大っぴらに使えないというハンデを背負って、フルボッコにされたらしい。

 アホかと。

 元々本気で弟子入りを断る気で茶々丸と対戦させたエヴァがその脳天気さに怒りを覚えて茶々丸にボコボコにさせたらしい。

 この辺は「よかったのでしょうか?」とすべてが済んだ後、茶々丸からメールが来たので知ったことだ。

 その後、学園長権限で閉鎖されている図書館島に潜り、そこの司書長に弟子入りしたとのことらしい。





  ☆  ★  ☆  





 京都でまったりしている間にすぐに世間ではGWだ。

 GW前に千雨とも合流し、とりあえずGW中は京都で世話になり、その後海鳴に戻ることにする。

 そんな中ではやてから久々に連絡が来たと思ったら、IS関連の書類が回って来た。

 IS、正式名称はインフィニット・ストラトス。宇宙空間での活動を想定し、開発されたはず(・・)の女性しか使えないマルチフォーム・スーツ。
 後のTBC(月村・バニングス・カンパニー)であるところの月村とバニングス家の支援を受けた天災篠ノ之束博士が開発し、失踪と共に発表され、その後3年前に起こった「白騎士事件」によって従来の兵器を凌駕する圧倒的な性能が世界中に知れ渡り、軍事転用がとりざさされている、今後世界の抑止力の要となる機動兵器。

 ISは核となる「ISコア」と腕や脚などの部分的な装甲である「ISアーマー」から形成されている。
 ちなみにブラックボックスである「ISコア本体」は量子空間に隠されており、通常空間に出すことはできないらしい。
 主に忍義姉さんの成果により「ISコア本体」は量子空間にあり、「量子コンピューター」と時粒子を集め供給する「時粒子ジェネレーター」、量子コンピューターのエネルギーと量子空間を構成するエネルギーである「時流エネルギー(タキオン)」を時粒子から造り出している「時流エンジン」の3つで構成されていることがわかっている。

 量子とか時粒子とか前世ではゲームかマンガなどのサブカルチャーでしか見られないものを実用化するとか、篠ノ之博士は本当の意味で天災なのだろう。

 なお、この世界でのISコアは現在467個。

 世界各国の裏組織の協力の下、「白騎士事件」自体は現在一般には隠されているが、政府首脳部やら軍部には当然知れ渡っている。

 ちなみにISコアは「白騎士事件」の半年後、国連に「世界各国に1個ずつ」と銘打って197個---当時の国連加盟国と同数---がどこからか配達された。

 そしてその半年後、ISが開発可能な企業---自動車産業、航空機産業、電子産業等々、一応軍事産業には配られなかった---に合計230個が配達された。

 それぞれのISコアには同時に第1世代IS「無銘(ノーネーム)」の設計図が添付されており、それをベースにして各国、各企業がISの開発を行っている。

 一応第零世代IS「白騎士」の実物はコアを抜いた状態で国連に送られているが、技術的に掛け離されておりとてもじゃないが手が届かない状態らしい。





  ☆  ★  ☆  





 「白騎士事件」についても某動画サイトにその動きがどこからともなく何度もアップされているらしいが、裏の関係者により、逐次消去されているとのこと。

 ちなみに概要はこうだ。

 日本---正確には首都東京---を射程距離内とするミサイルの配備されたすべての軍事基地のコンピュータが一斉にハッキングされ、2341発のミサイル---某所からのたれ込みとその後の調査で判明---が日本へ向けて発射---なお、どういう手段で行われたかも判明しないがいわゆる「核ミサイル」も多数含まれている---されるも、IS「白騎士」がその全てを迎撃した上、それを見て「白騎士」を捕獲もしくは撃破しようと各国が送り込んだ大量の戦闘機や戦闘艦などの軍事兵器の大半を無力化した事件。この事件での死者は皆無だったことがISの戦闘力の凄さに拍車を掛けた。

 もうなんていうか、あきれ果ててものも言えん。

 この事件後、かなりの国で軍首脳部や政府首脳部の顔ぶれが変わった。表向きには無かった事件だが、責任やら何やらとらされたんだろう。

 なお、動画を見て思ったのは「白騎士」の単一仕様能力(ワンオフアビリティ)は、ジョジョの奇妙な冒険第四部で出て来る虹村 億泰(おくやす)の持つ「ザ・ハンド」の能力に違いないということだ。
 このスタンド能力は右手で掴んだあらゆる物を空間ごと削り取る能力だ。

 「白騎士」は恐らくその手に持つ剣(プラズマ・ブレード)でこの能力を発動している。
 この能力によりミサイルは斬った破片ごとどこかの空間にいってしまい、届かないはずの距離でも空間を削り、空間が閉じる際に任意で瞬間移動するため剣が届くという凄まじい能力である、おそらくは。
 というか、普通に剣で斬っただけだと破片云々が斬った後に降りそそいで大問題になっているはずなので、間違っていないと思う。

 次点として、剣で斬ったものをすべて量子空間に保存するというのも考えたが、どう見ても動画で瞬間移動しているのが見受けられるので、IS1体につき1つの能力と考えると多分違うと思う。
 なにより、「白騎士」の操縦者の手元に2341発のミサイルがあると正直考えたくない。

 なお、当たり前だが各国ではISの能力以上に警戒しているのは「ミサイル基地がハッキングされミサイルが発射したこと」である。同じことが起きるのはもちろん、ミサイルがハッキングされそのまま爆発したらその国がそのまま大惨事になるからだ。
 当然対策を裏の関係者も含めてしているが、本当に完璧なのか誰にも---正確にはハッキングした者以外---わからない。なのでそこから目を逸らすようにIS開発に血眼になっているとも言える。

 一応電子精霊を在中させていたりするので大丈夫だとは思うんだが。





  ☆  ★  ☆  





 TBCには現在ISコアが6個あり、研究開発している。

 実は企業に配布された当初は、月村とバニングスの傘下企業には日本で12個---篠ノ之博士が残していったのも含む---、アメリカで3個あったのだ。

 だが、この数はマズイと本能的に気付いたマイケル・バングス社長---アリサ嬢の父親---が、日本のISコア12個をTBCにまとめた上で半分の6個を日本政府に貢いだ---本当は開発を止めようとしたらしいが、以前言ったオレのせいで開発することにしたらしい---のだ。ついでにアメリカでは開発しないという意思表示と共に3個すべてアメリカ政府に献上した。

 この行為は政財界を席巻し、開発に関わる気がない企業は政府に献上するという流れが起きたらしい。
 そして、逆に横暴な政府が企業から徴収するということも起き、「アラスカ条約」というその後ISコアの移動を禁止する等のISに関する条約が結ばれる流れとなっている。

 なお、その際日本は「IS学園」などという理不尽な教育施設を造らされることとなり、現在急ピッチで施工している。
 もちろんTBCも、表でも裏でも協力させられている。

 そして何の気まぐれか「IS学園」用に国連直下組織である「IS委員会」に篠ノ之博士からISコアを40個提供されている。

 どうやらこれで「ISの教導を行え」ということらしい。

 さて、TBC(月村・バニングス・カンパニー)は、表向きはともかく実質的な代表の1人が八神はやてである。
 そして、このはやての鶴の一声から開発の方向性は「MS(モビルスーツ)」というか「MS少女」と決まった。
 なお、この世界でガンダムは全て放送されており、版権その他も交渉済みらしい。
 ま、研究員もなんだかんだ言ってそういうのが好きでこの業界に入ったのも多く、方向性が決まっている方が開発しやすいので概ね良い方向に転んだようだ。

 連邦派とジオン派、ファースト至高主義とその他など、色々と物議を醸し出したようだが。
 結局特機(専用機)としてRX-78ガンダム、量産機としてジムというカタチで決着がついたらしい。

 なお、現在はメイン兵装であるビームライフルとビームサーベルの開発が進んでいるらしい。

 さて、ISだがISコア本体から供給される「時粒子」をコア外部の「時流エンジン」と「時流発電機」によって、「時流エネルギー(タキオン)」と「電気」を造り出し、それによって動いている。

 現在の第1世代型時流エンジンでは8000タキオンが発生可能であり、それをコンピューターよりも早く思考と判断ができ、実行へと移せる「ハイパーセンサー」、武装その他を収納できる量子空間である「拡張領域」、その力を人の筋力の何倍にでもする「パワーアシスト」、基本推進能力であるバーニアや操縦者を守るためにISの周囲に張り巡らされている不可視のシールドであるシールドバリアー、操縦者の死亡を防ぐ絶対防御に使用される「シールドエネルギー」、ISの浮遊・加減速などを行うことができる「PIC」に割り振ることによってISの基本能力が決まる。
 これにISアーマーというガワの性能---推進力であるバーニアや防御力である装甲、火力である武器など---が合わさりISの性能が決定するわけだ。

 その中でも「シールドエネルギー」が何なのかというと、元々が時粒子から生成されるタキオンなのもあって時間に干渉するエネルギーらしい。
 この辺は篠ノ之博士の失踪後のトンデモ理論から導かれたらしいが、この「シールドエネルギー」を圧縮解放することで莫大な推進力が得られ、皮膚(スキン)装甲として使うことで、なんらかの攻撃を受けたときにダメージを減衰し、多大な量(1000タキオン)を一瞬に使うことによって、IS及び操縦者が一切干渉されなくなる「絶対防御」となるらしい。

 なお、現在時流エンジンや時流発電機はその設計図を篠ノ之博士から提供されたこともあり、開発・改良されているが、時粒子を供給する時流ジェネレーターがブラックボックス化しているので、時粒子のIS以外への転用の研究はまったく進んでいない。 
 

 
後書き
年末忙しくて書けなかった分、今週はがんばろうと思います。

今回と次回はIS関連の設定回となります。
暖かく見守ってくれると嬉しいです。 
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