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銀河英雄伝説〜門閥貴族・・・だが貧乏!

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第18話 何でこうなった!??

 
前書き
お待たせしました。暁移転最初の更新です。

天災は態とです。誤字じゃありません。


ブラウンシュヴァイク公の回想が第11話と矛盾していますが、前後の話が有って、記憶がごっちゃに成って居るとお考え下さい。 

 
帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸  ラミディア・フォン・ファーレンハイト

最近何故か社交界へ呼ばれることが多く成った私です。どうも極貧生活からいきなり豊かになった我が家の秘密を知りたいらしく、しきりに我が家へアポを取ろうとしているのが真相のようでして、自分らの政策失敗を何とか出来ないかと思っている様なんですけど。

所謂、地道にやれば儲かる事業も一発勝負でハイリスクハイリターンに賭けるから失敗すると言う事を判っていらっしゃらない方が話してみて多いことが判りました。【やっぱこの世界の貴族って「バカバッーカ」Byルリルリ】です。

あ゛ー!
『失敗したら平民から搾り取れば良い』『皇帝陛下から御見舞金を下賜して頂けばいい』
はぁ!アホか!!
おめーら自分のケツも拭けないのか!!と言いたいが、ぐっと我慢。何と言っても金は出来ても我が家は弱小男爵家、そう何回もブラウンシュヴァイク家のお世話になるわけにも行かないわけですし。

しかし、よくもまあブラウンシュヴァイク家も手伝ってくれるもんだ。それなりに領地開発のアドバイスとかはしてるけど、それ以上に良くしてくれるのは、アニメで見た尊大で自己中心的なブラウンシュヴァイク公と違って、変に感じてしまうのですけど、最初は愛人にでもする気かと疑ったけど。そんな素振りは全く無いから、平行世界のブラウンシュヴァイク公なのかも知れないと最近思うことにしたのです。

まあフレーゲル男爵やリッテンハイム侯爵はアニメのまんまの性格っぽいけど、些細なことと言えるんだろうな。だってエルウィン・ヨーゼフが未だに生まれてないって言うか、流産で母子共に死亡っていったいどう言う事なんだと、聞きたいもんだと思うんだが、皇太子が健在だからきっと別の女性が生むんだよね、此も歴史が変化しているんだろうかと数日考えてみたが結果が出ないので諦めたー!

しかし、宴へ招待されるのは、自分がメインという状態で、普通なら姉さんが行くのが正しいんだろうけど、姉さん曰く面倒臭いから行かないとの事、まあ呼ばれるのが私宛ばかりなのでそれも仕方が無いといわれております。

ラインハルトとジークにその事話したら『天災を見てみたいんじゃないか』とか、『留守の間の事務は任せてね』と笑いながら言う始末。ちょー!其処は嘘でもねぎらって欲しいんだが、阿吽の呼吸で漫才状態、あれが本来のラインハルトとジークの姿なんだなーっと思えるよ。

それで、今日はブラウンシュヴァイク邸へ呼ばれて来ています。思いっきりおめかししろと言われたけど、適当なドレスと化粧をしています。だって瑞々しいピチピチのお肌は無添加の方が良いじゃないですか、だからナチュラルメークで来ています。

行って直ぐに公爵、公爵夫人、公爵令嬢とご挨拶、最近では向こうから話しかけてくれますけど、皇女殿下に皇太孫殿下ですから、気位も高かろうと思うんですが、いやはや期待を裏切られました。アマーリエ皇女殿下は気さくな方でにこやかに接してくれますし、エリザベートさんは積極的に話しかけてくれます。まあ話は御茶とか香水とかの貴族令嬢の必須科目の話なんですけど、ハッキリ言ってあんまり判りませんので、知ってる限りの知識で相づちうちながら話をしています。

「ラミディアさん、ようこそブラウンシュヴァイク家へ、心より歓迎しますわ」
「エリザベート様、丁重なご挨拶ありがとうございます」
「ラミディアさんのお使いになっている、香水はどちらの制作ですか?」

えっエリザベートに聞かれたけど、日本で言う所の100金で買った品だから、強いて言えばダ○ソーか?けどそんな事言えないしなー。

「単なる市販品の安物です」
「まあ、それはいけませんわ、私が何か見繕って差し上げますから」
本当は、おかまい無く何だけど、断ると角が立つから大変。

「はい、何れ」
「ええ、楽しみですわ」
「はぃ」

エリザベートの攻撃にラミディアはMPに400のダメージ!って声が聞こえた気がする。結局暫くエリザベートに引きずられる形になったわけだけど、この後の衝撃に比べたら全然平気なことだったわけでして・・・・・・・・・何でこうなった!??



帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸  ヨアヒム・フォン・フレーゲル

今日は、ブラウンシュヴァイク家にとって大事な発表が有ると、親族一同や叔父上が特に親しくしている貴族を呼んでの宴なのだが、何故かあの小娘が参加しているのを発見してしまった。ラミディア・フォン・ファーレンハイト、この所、オーディンはおろか帝国全土にも名を馳せ始めた小娘だ!

あの小娘は平民にも劣る生活しか出来ない、門閥貴族の恥さらしの家を僅かな期間で帝国でも指折りの富豪に仕立て上げた恐るべき才覚の小娘だ。その為に帝国貴族達は財政の再建為のアドバイスを受けるために、小娘にアポを取ったりしている。

まあそれならば、別に才覚の優れた女性は晴眼帝マクシミリアン・ヨーゼフ陛下のジークフリンデ皇后の様な御方もいらっしゃったのであるから、不思議ではないのだが、あの小娘は、よりによって叔父上に色目を使い愛人にでも成ろうと画策しているらしいのだ!

叔父上がその様な小娘に騙されるわけも無いが、それでも頻繁に宴へと呼び、支援を行うなどをしている。このままで行けば、私の危惧が現実になるかも知れない。それはアマーリエ皇女殿下が叔父上との離婚をするかも知れないと言う事だ。

そうなっては甚だ不味い。ブラウンシュヴァイク家が一気に陛下の忌諱を浴びるやも知れない。そうなっては、エリザベートの婿になり、次期ブラウンシュヴァイク公爵、或いはエリザベートが次期皇帝になれば、女帝夫君として帝国を牛耳る事が出来なく成るではないか。その為にはあの小娘を傷物にしてでも叔父上の愛人にしない事だ。

幸いコルプト辺りはあの小娘に興味が有るようだから、ここの所違う取り巻きを使って嗾けているから、直ぐに襲うだろう。襲っても叔父上に罰せられるのはコルプトだからな、あんな蝙蝠はこんな事のためにつきあっているのだからな。善は急げと言うものだ。今夜にでもコルプトが襲うかも知れない、フッ、小娘よ精々良い声で鳴くんだな。



帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸  オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク

遂にこの日が来たか。実に長かった。思い起こせば、父上からあの子の事を聞いたことが昨日の事のように脳裏に浮かぶが、些か色々なシーンがごっちゃに成って居るな。あれはリヒテンラーデ侯が先であったか?まあ余りに忙しく忘れてしまったわ。

『オットー』
『どうなさいました、父上』
頭を下げる父上に違和感を覚えながら儂は話を聞いた。

『実は、有る貴族を助けてやって欲しい』
『父上がお気になさる貴族とは何方ですかな?』
『ファーレンファイト男爵家だ』

『ファーレンファイト、ファーレンハイトと言えば、最近リッテンハイムとヘルクスハイマーがちょっかいを出していますな』
『そうじゃ、惑星資源の横取りをされそうでな』
『しかし父上とファーレンファイト家にどの様な繋がりが有りましたかな?』

あの時の父上のしどろもどろな姿は今でも目に浮かぶな。あの厳格な父があの様な姿をするとは、滑稽であったし。

『オットー、以前我が家に仕えていた、クラーラを覚えておるか?』
『クラーラですか、んーんー、ん?もしやファーレンハイト家の娘でしたかな?』
『そうじゃ、そのクラーラじゃ、その娘が困っておるのでな』

『しかし父上、たかだかメイドの為に何故その様な事を?単なるノスタルジーでリッテンハイムと事を構えることなど出来ませんぞ』
直ぐに父上が更に困った顔をし始めたのだよな。

『オットー実はお前には更に妹が1人おるのだ。そのクラーラと儂の子が』
『なんですと!クラーラが我が屋敷に居たのは確か14年ほど前、私がアマーリエと式を挙げたころですな、そう言えばいきなりクラーラが宿下がりしたのは結婚でもするのかと思っていましたが、出産の為だったとは』

『クラーラは産後の肥立ちが悪く、子を残して逝ってしまった』
『では、その子はいまいかに?』
『ファーレンハイト男爵が実子として育てている』

『なるほど、我が子の危機にせめてもの救いをと言う訳ですか』
『それもあるが、此を見てくれ』

そう言いながら、父上は私に立体ディスクから映像を見せてくれたが、その子、ラミディアの特異性を見た瞬間、この子こそ天賦の才を持っていると感じたのだ。その後はリヒテンラーデ侯、父上と共に3人で動いてきた。結果紆余曲折はあったが、皇太子殿下に見初められて皇太子妃として求められている。

そして今日、ラミディアを我がブラウンシュヴァイク公爵家へと迎え入れる日と成った。此ほど嬉しい事はない。妻も娘も既に話してあるので、後は一族郎党に発表するだけとだ。無論だがラミディアには話していないが、それもサプライズで良いであろうと、アンスバッハ達の提案だが、此は恐らくフェルナーの考えであろう。さあ壇上へ上がるとするか。



帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸

それぞれの思いが交差する中、オットー・フォン・ブラウンシュヴァイクが壇上に立った。
「皆、暫し儂の話を聞いて貰いたい」
その言葉に談笑していた人々が一斉に壇上のブラウンシュヴァイク公爵を見る。

「今宵は、皆が集まってくれて嬉しく思う。さて今宵の宴の趣旨を教えなんだが、今より話す事を良く聞いて貰いたい」
皆が皆、何が起こるのかと想像しながら話を待つ。

「我が家に新しき家族が増えることと成った」
その言葉にアマーリエ夫人が妊娠したものだと考えた者達が“おおっ”などの歓声を上げ、口々に公爵や夫人にお祝いを言おうとし始めるが、その動きは公爵の一言で止まった。

「儂に妹がいる事が判ったのだ」
妹という言葉に驚く出席者達、一部のものは“前公爵もお盛んな事だ”とヒソヒソ話をしたりしている。
「公爵、妹御と言いますと、エーリッヒ様のお子様ですか?」

アンスバッハが仕込み通りに質問をしてくる。
「そうだ、父上の三女と言う事に成る」
「おお、それはおめでとう御座います。してその御方は?」

「うむ、その子は、ラミディア・フォン・ファーレンハイトと今は名乗っているが、間違いなき我が妹だ」

「えーーーーー!!」と言う。ラミディアの声が館に響いていた。

そして、「やばいー!!!」と慌てるフレーゲル男爵の姿も見られた。 
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