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木漏れ日色の記憶。

作者:音無咲夜
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十六夜奏ちゃんの憂鬱。

なんか女体化してしまった俺だが慣れないことはいろいろあって・・・
「奏ちゃん先輩!そこは男子トイレですよ!」
「ああ、悪い。」
私は寸前の所で女子トイレへ入る。
「もぉ・・」
なんか難しいね。
朝御飯を食べてみんなで学校に行く。
「「「「「いってきまーす」」」」
「奏ちゃん、あんたほんとに女子ね。」
「ああ、そうらしい。」
「声もアニメみたいな声だし・・」
「ですよね!気持ち悪いですよね」
「・・女の子ならまぁ大丈夫かも」
「ガーン!」
「そんなに俺のこと嫌いか?」
「戻ったんですか!?」
「いつでも変えられるんだよ。」
「やったぁ!!」
三咲が抱きついてくる。
「三咲に嫌われるのはいやだからな」
ズキューン。
「それは・・・反則・・・」
「三咲ちゃん撃ち抜かれちゃった?」
「この天然垂らしめ!!」
「ええっ!態度変わりすぎ!」
////////////////
三咲達と別れて2組にはいろうとすると・・
「奏。」
「どうしたんですか?二階堂先生。」
「私は非常勤と先生という設定で、お前は転校生の設定だ。」
「設定って・・・」
「誰が設定したかは分からないが、そいつは私がぶっ殺す。」
怖いッス先生。
「おはよう、ホームルームを始めるぞ」
「二階堂先生だね。」
「そうね」
「私は非常勤の二階堂宴だ、よろしくな!早速だが転校生がいる。」
「誰だろうね♪」
「奏ちゃんかな?奏ちゃんかな?」
「選択肢がないよ、それじゃ」
宴先生は一通り静かにさせると俺を教室に入れた。
「入れ。」
「初めまして、十六夜、奏です♪」
「ウォォォォ!!!!!!」
「天使降臨!」
「神よ・・・・」
クラスメイトのざわめきを沈めて宴先生が話し出した。
「奏、お前は夜空の隣だ。」
「はい♪」
私は夜空の隣に座った。
「よろしくね♪奏ちゃん!」
「緊張したよ~。三咲の前ではああ言ったけど、まだ慣れないね。」
「まぁ、しかたないよ、イザヨイ。」
「慧はその呼び方なんだね」
「なれてるからね。」
////////////////
休み時間に質問攻めに合いながら放課後に地学室へ向かった。
「まだ、誰も居ないね」
「そうだね、みんな文化祭の準備で忙しいんじゃないのかい?」
「いやぁ、奏ちゃん制服似合ってるね♪」
「そうか?まだ足がスーっとする」
「次第に慣れるよ。」
「じゃ、今日締め切りの文集の記事を出してね!」
「ああ。」
俺はバッグの中から黒魔術の本と記事を出した。
「ええっ!?今日締め切りだったっけ!?」
「ああ、まさか忘れたのか?」
慧の顔がサーッと血の気が引く。
「瑞希ちゃんに殺されちゃうね(笑)」
「(笑)って言わないでよ!イザヨイ」
「まぁ、逃げるかなんとかすれば?」
「そうするよ・・・」
慧は全速力で地学室を出ていった。
「ていうか来るまでにやれば良かったんじゃない?」
「まぁ、しかたないな、やってない方が悪いからな。」
「そうだね♪・・・・っていうか、その声で男言葉は違和感ありすぎ」
「そうか?」
「そうだよ♪」
「だってこっちだって教室でずっと女言葉なんだぞ?」
「でも私より胸が大きいよね。」
急に夜空が胸を触って来る。
「あっ、やめてっ、んあっ!」
「おまけに感度良好。」
夜空はソフトな手触りでさわってくる。
「やめてっ!あっ」
突然ドアが開いた。
「先輩!なにやってんすか!」
力なく崩れ落ちた俺をみて三咲は言った。
「奏ちゃんを女の子にしてた。」
「あんた脳ミソ大丈夫か!?」
「はぁ、はぁ・・・私は大丈夫。」
「「!?」」
「・・・?どうしたの?」
「奏・・・君?」
「えっ?なんで君なの?」
「うわーん・・・奏先輩が・・・」
三咲は泣いてしまった。
「ごめんごめん!冗談だ。悪かったよ三咲」
「・・・・・先輩のバカ!」
「演技力あるね・・・本当に騙された・・・」
////////////////
「ごめんな?大丈夫か?」
「落ち着きました・・・」
「これにこりたら夜空はやめろよ?」
「はーい・・・」
俺達が席に座ってまったりしていると望月と慧が戻ってきた。
「わかった?早く書きなさいよ!」
「はい・・・」
「お帰り慧。」
「奏ちゃんはちゃんとやったんでしょうね」
「ああ、おわった。」
「そう、じゃあ、回収するわ。」
「そう言えば夜空と三咲何を記事にしたんだ?」
「私はね・・・タイムシード!」
「夜空はタイムシードか・・確かにあのときは面倒だったな。」
「私はですね・・・黒椿です!」
「三咲、大丈夫か?記事かけそうなキャラじゃないが・・・」
「ひどっ!」
「はははっ確かに!」
「ええぇ~慧先輩まで・・・」
「じゃあ、私は印刷業者に頼んで来るわ」
「ああ、お願いする。」
そう言って俺が本を読もうとしたとき
「奏ちゃん!パンツ見えてる!」
「うわっ!って男のパンツ見ても楽しくないだろ。」
「体は女の子になんだから!自覚持って!」
「体は女、頭脳は男、その名も十六夜奏!」
「やめろ、慧。」
「はい、すいません・・・」
「いいなぁお前らは、変化が無くて。せめて望月がキャラ変わってくれればよかったのに。」
「変なこと言わないで」
一喝された。
「じゃ、俺は帰るよ。」
「男にならないように。」
「わかってるよ。」
「私も帰る!」
「じゃね、奏ちゃんと夜空先輩。」
「おう、お前が買い出しだからな。」
「えっ!?マジッスか」
////////////////
俺が下駄箱まで来たとき。
「白鳳新聞の取材、いいですか?」
廊下の方から来た男性に話しかけられた。
「えっ?いいですよ。」
「オッケーです!」
「じゃあ、転校生で文化祭のミスコン優勝候補第一位の十六夜奏さんと第二位の水上夜空さんに質問します」
「一位なの?」
(男に負けた・・)
「付き合ってる人はいますか?」
「いません。」
「います!」
「夜空さん、個人名は挙げられますか?」
「無理ですね。」
「そうですか、お二人の仲は?」
「幼馴染みです。」
「そうですか、お二人の髪は地毛ですか?」
「はい、親が紫色の髪でした。」
「兄が水色です♪」
「これで取材は終わりです。ありがとうございました。」
「はい♪では」
「じゃね♪」
俺達は下駄箱に向かった。
俺が下駄箱を開けると中にどっさりとラブレターが入っていた。
「凄いね・・・奏ちゃん!」
「噂がもう流れてるみたいだな。」
「そうだね♪」
(でも奏ちゃんは女の子が好きなんだよね♪)
(まぁ・・・そうだな。)
俺は靴を履き、外に出た。
「寒いな・・・」
「・・・うんうん」
夜空は首を横にふった。
「もうそろそろ春だよ♪」
俺は夜空の笑顔に目を逸らしながら言った。
「行こうか。」
俺が女の子になってもこの物語は続く。
たとえ、この天文部に亀裂が入ろうとも。 
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