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僕にはできそこないの親友がいる。

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親友2 野之木 林檎 ーののき りんごー

 
前書き
野之木 林檎

種族は幼馴染み。
しかし、長年一緒にいても
何を考えているのか予測不能な
変な幼馴染みである。
訂正する。
種族は、変な幼馴染みである。
 

 
僕こと、相沢翔にはご存じの通り
おかしな親しい友人が複数いる。
前回は、残念なイケメンを紹介した。
そして今回は、僕の幼馴染みである
野之木林檎を紹介しようと思う。





「きりーっ、礼。」
ガタガタと椅子を引き、クラスが一体となって礼をする。
「翔、今の俺にはなにが足りないと思う?」
前回紹介した俊也が
帰りの準備に手を動かす僕に話しかけてきた。
「そう、糖分だ。」
「・・・僕、まだなにも言ってないんだけど。」
「そこでだ」
「え、僕の発言はスルーなの?」
「糖分を補給しに行こう。」
目を、これでもかというほど輝かせ
僕に手を差し出してくる。
しかし、僕はその手を取ることはできない。
「ごめん俊也。今日は先約がいるんだよね。」
いや、先約がなくても
誰がただの甘党の手をとるものか。
「え、翔先約あんの!?・・・あ、なるほど。」
俊也は、かわいそうなものでも見るような目で
僕の肩に手を乗せた。
「翔・・・見栄張るなって、大丈夫。
 お前に友達が少ない事くらい、俺、
 わかってるから。」
「うん。僕は別に友達少ないワケじゃ
 ないし、見栄張って先約があるって
 言ったワケでもないよ?」
僕は、俊也の手を払った。
「またまたぁー。嘘つくなって。」
「嘘じゃないって。林檎に買い物
 付き合えって言われたんだよ。」
コントをしながらも僕は準備を終えた。
「え、野之木に?いいなぁー
 放課後デートいいなぁー。」
「そんなんじゃないから!!」
僕は、怒りつつも笑顔を向けた。
すると、聞き慣れた高い声が
僕の名前を・・・
「しょーちゃん!!」
「・・・林檎、いい加減僕の名前覚えてくれない?」
僕は、笑いきらない笑顔をを浮かべ
声の元凶を見る。
「え?覚えてるよー。“しょう”ちゃんでしょー?」
「確かに“しょう”ってよむけども・・・
 でも、僕は“しょう”じゃなくて“かける”だからね、うん。」

林檎の説明その1
僕の名前を覚えない。
林檎と初めて会ったのは小学3年のころ。
林檎が僕の家の隣に引っ越してきたのが始まりだ。
そして、林檎の母が
僕の名札の漢字を“しょう”と読み間違え
それから、何度言っても僕のことを“しょう”と呼ぶ。
高校生にもなったのだから
いいかげん覚えてほしいものだ。

半あきれ顔の僕を気にすることもなく
林檎は教室を出ようとする。
「しょーちゃん、下駄箱でまってるねー。」
軽い足取りで教室を出ていった林檎を見て、俊也は
「翔、あきらめろ。」
再び僕の肩に手を乗せるのだった。


 
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