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鉄槌と清風

作者:deburu
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1部分:1:八坂良彦


初投稿です。魔法少女リリカルなのはのFFで、一応メインヒロインはヴィータ。
主人公は、転生なし、最強ではないオリ主物になります。
開始時期はA’s少し前から。
拙い文章で、更新はランダムになりますができればStrikersと、その後までいければと思います。
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1:八坂良彦

 夢を見ていた……西洋のお城のような場所、嗅ぎ慣れないのに、何処か知っているような匂い……。
 辺りは薄暗い、空を見れば少しだけ覗く空が見える、其処以外は雲が厚く立ち込めている……。
 ふと視線を上げると、そこに赤い髪の少女が空を見つめていた…そうだ、彼女を探して居たんだ、と、何故かわかる。
 
 「———、此処に居たのか、探したよ」

 「んだよ、なんのようだよ?」

 「そんなに気を荒げるなよ、———、ほら」

 持ってきていた、果物……リンゴに似ているけど一寸違う気がする……それを放る、少女はそれを受け取り。

 「はんっ、こんな無駄な戦いばかりじゃ嫌にもなるっつーの」

 そんな言葉を漏らす…今は戦乱の時代…彼女とその仲間(————)は、その戦争で先陣にたち、幾度もの戦を繰り返している。

 「ごめんな、俺らが弱いばっかりに、———達に頼ってばっかりで」

 「お前らのせーじゃねーよ、主がこの戦いに勝ちたいッツーから、戦ってるだけだ」

 「……ん…でも、俺ももっと強くなって、———と一緒に戦えるようになるから、もう一寸がんばってくれよ、
 もう少しで、前線に出る許可貰えそうなんだ」

 「はっ、お前じゃ、出てきても足手まといだっつーの」

 「んだよ、おれだって頑張ってるんだぞ、これでも——だからな、何時までも守られっぱなしじゃなくて、今度は守ってやんよ!」

 「はいはい、楽しみにしてますよー、っと……さて、さっきから呼ばれてッからもう行くぞ、これ、あんがとな」

 「あぁ、気をつけてな、———」

 少女は果物を手に飛び上がる…逆の手には鉄槌を持って…………。




 「…………夢か、ってか、よくわかんない夢だったな、何処だろ、あれ」

 少年……八坂良彦(やさか よしひこ)…は、一人布団で目を覚ます、時間を見れば午前5時、普通ならまだ寝てる時間だが、
良彦にしてみれば、いつもどおりの起床時間だ。

 「んー…っと、よしいくか」

 布団から抜け出し、トレーニングウェアに着替えると、庭に出てゆっくりと、全身を解すようにストレッチを30分ほど繰り返す。

 「ん…ふぅ…そろそろ時間かな」

 その後は家を出てる、すると、一人の青年と少女が、良彦に声をかける。

 「よっ、良彦、おはよう」 「良彦君、おはよー」

 「おはようございます、恭也さん、美由希さん」

 高町恭也、高町美由希…隣の家に住む兄妹で、良彦の保護者をしてくれている高町士郎の子供で、良彦自身も小さい頃からお世話になっている人達だ。

 「じゃ、今日もいくか」

 恭也の掛け声で、3人揃って走り出す、良彦がこちらに戻ってからは毎朝の恒例となった出来事の一つだ。




 八坂良彦…現在9歳、私立聖祥大附属小学校3年生で、高町家の次女、高町なのはと同級生、幼い頃両親をある事件で無くし、数日まえまで祖父の家で生活していた。
 その祖父が先日他界、他の親類縁者はなく、以前から親交のあった、高町士郎が保護責任者となり、両親が生存していた頃に使っていた家で生活する事になった。
 家は高町家の隣で、基本的な家事などは自分で行っている物の、週に何度かは高町家で食事などをご馳走になったりしている。

 また、八坂の家は古くから続く古武術…八坂流合気術…を継承してきた家で、良彦も祖父から一通りの稽古をつけてもらっていた。
 それもあってか、朝から基礎的な修行を毎日の生活の一部としていて、こうして恭也や美由希とも朝のランニングや、偶に道場での稽古にも混ぜてもらっている。

 現在は7月の終わり、学生はみな夏休みなのだが、生活リズムが既に出来上がっているため、休みであってもランニングなどの時間は変わったりはしていないのだが。




 「そういえば、良彦くん、母さんが今日は家で朝ごはん準備するっていってたから、寄ってってね」

 「あ、うん…わかりました」

 「というか、毎食家でも、いいんだぞ、父さんも母さんもそういってるじゃないか」

 「うーん、でも、自分でもできるから、大丈夫だよ恭にい、でも、あんがとな」

 「まぁ、何か合ったら直ぐ言えよ、良彦」

 「俺の手に負えないことだったら、直ぐ言うってば」

 「ま、今日は来てくれるんだし、いいじゃない、ほら、はやくいこ」

 そんな会話と共に、ランニングは町内を軽く一周して終了、高町家の庭で、ゆっくりとクールダウンしていると

 「お兄ちゃん、おねえちゃん、よしくん、ごはんだってよー」

 高町家の次女、なのはが声を掛けてくる。

 「おはよ、でもよしくんはやめてくれ、なのは」

 「えー、でも昔からよしくんだし?」

 「ま、いいじゃないか、ほらいくぞ」

 「あ、はい」 「はーい」




 高町家のリビングでは、ご飯の準備を終えた、高町士郎と、高町桃子がまっていた。

 「おぉ、きたな、すぐ食べれるから席についてくれ」

 「おかえりなさい、恭也、美由希、良彦君…なのはもご苦労様」

 「にゃはは、呼びにいっただけだけどね」

 「なのはも少し走ったほうがいいんじゃないか、運動苦手なのは知ってるけど」

 「いや、なのはは、普通に走って転ぶからな、逆に危ないような」

 「そ、そんなことないよ、全力疾走じゃなきゃ、よろめくくらいだもんっ」

 「悪い、前言撤回するわ」

 「ちょ、よしくん、なにそれっ!」

 「はいはい、おちついて、なのは、ごはん渡してあげて」

 「あ、うん、お母さん…はい、お兄ちゃん、よしくん」

 「「ん、ありがとうなのは」」

 「よし、皆いきわたったな、それじゃ」

 「「「「「「いただきます」」」」」」

 リビングに食事に対する感謝の言葉が響き渡った。
 夏休みの一日が又始まって行く。
 
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