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ロックマンX1st魔法少女と蒼き英雄

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第十二話「友/FRIEND」

 
前書き
今日は結構短めになってしまいました……結構無理やりまとめてしまったと思いますので……

 

 



「こちらイレギュラーハンター司令のシグナスだ!ハンターベース全兵士たちに告ぐ、これより出撃できる部隊は全て時空管理局旗艦アースラにて急行せよ!イレギュラー集団シグマと主犯格ワイリーの拠点を掴んだ。座標位置は……」
シグナスはハンターベースより全部隊の応援を要請していた。
「タケル君となのはさん達はクロノと一緒にプレシア・テスタロッサの逮捕を、私も後から行きます!」
提督の指示の元、タケル達はサーバーへと向かう。
「提督、自らあなたが出撃しなくとも……」
シグナスは、そうリンディを引き留めるが、彼女は微笑みながらこう言う。
「ご安心なさって?私だって元魔導士です。それに私よりも指揮はシグナス司令の方が優れておりますから……」
「……わかりました。ご武運を!」

「邪魔だぁ!」
鬼神の如く激情し、目の前にはプレシアの魔力で生まれた無数の騎士の群れと、ワイリーのイレギュラー達を薙ぎ払うゼロが居た。
素早い機動力とセイバーの華麗な斬りこみで次々と騎士とイレギュラーを薙ぎ倒していく。
しかし、百体以上にも及ぶ軍勢を相手に斬りかかるだけではらちが明かない。
「雷神撃ッ!」
電流を纏ったセイバーが大型イレギュラーの腹部を貫通した。イレギュラーは爆発し、その爆風で背後に居た騎士と小型レプリロイドが数体巻き込まれる。
「雑魚共が……!」
ゼロは飛び上がりセイバーを振りかざすと、
「龍炎刃ッ!」
セイバーは炎を纏い、地上の敵数十体を一瞬にして焼きつくした。しかり、たったの数十体。これだけでは少ない。敵は大軍で彼へ襲いかかる。
「数が多すぎるか……!なら」
ゼロは拳で地面へ向けて叫ぶ。
「落鳳破ッ!」
地面を殴り、そこからエネルギー弾九発が扇状に散らばり、周辺の敵を次々と貫いていく。
次々とゼロの猛攻によってイレギュラーと騎士たちは倒れていく。そして彼はワイリーの部署へと突き進んで行った。しかし、ワイリーが待つ部屋の門前にはワイリーが集わせた最終防衛ラインが待ち構える。それでもゼロは恐れることなく突っ込んで行き、そして。
「爆炎陣」
その叫びと同時に、周辺は大機爆発を起こし、防衛ラインは跡形もなくスクラップと灰へ化した。しかし、この技は唯一エネルギーを消耗させるため使うのにはやや戸惑っていた技である。爆炎陣を使用したことに寄って幻夢・零のチャージにはしばらく時間がかかりそうだ……
「博士……いや、ドクター・ワイリー!」
ゼロは扉を破壊し、足を踏み入れるが、そこにはワイリーの姿は何処にも見当たらなかった。
「何処だ……!ワイリー」
「くっくっく……ようやくお出ましか、待ちくたびれたぞ?」
「!?」
突如上空からの砲撃を交わすゼロ、上空には彼を憎む一人の同僚の姿が、
「VAVA……!」

アースラの医務室にて、アルフは意識を失った主のフェイトを看病していたが、アルフは決意して横たわるフェイトへと語りかけた。
「あの子達と、ゼロが心配だからちょっと手伝ってくるね?」
アルフは意識がもうろうとするフェイトの頬をそっと撫でる。
「ゼロを連れてすぐに戻ってくるよ?そして、全部終わったら……私の知る本当のフェイトに戻ってね?」
そう言い残すと、彼女は去って行った。しかし、アルフが去った後にフェイトは意識をわずかに取り戻し、ふと横に映し出されている映像を目にした。そこには、タケルとなのは、クロノ達が時の庭園へ向かい、騎士とイレギュラーを薙ぎ払っていた。
(母さんは、最後まで私に微笑んでくれなかった……)
母、プレシアのことを思いだした。
(私が生きている理由は、母さんに認めてもらいたかったからだ。どんなに足りないと言われても、どんなにひどいことをされても、認めてもらいたかった。あんなにハッキリ捨てられた今でも、まだ私……母さんにすがりついている。)
戦闘の映像はアルフがタケル達と合流を果たしている。しかし、もう一人いない。彼女が密かに思いを寄せていた紅の剣士が一人……
(ゼロ、アルフ……これまで私と一緒に居てくれてありがとう。言うことを聞かない私に付いて来てくれて……そして、私と対等に戦い、私と向き合ってくれた白い服の子、何度も私の名前を呼んでくれた……何度も……)
フェイトは抑えきれない涙を目に、起き上がった。
(生きていたいのは、母さんに認めてもらいたいからだった!それ以外に生きる意味なんてないと思っていた。でも……!)
それを否定しながらフェイトの頭に浮かんだ人物はゼロだった。
(ゼロと居るうちに今まで抱えていた、母さんのために生きるという意味を忘れ、ゼロと共に生きていきたいという思いを抱いた。ゼロは、私と同じ境遇を持っていながら、私と違って彼の心は温かかった。どんな時でも、悲しいときだってアルフと一緒に私のそばに寄り添ってくれていた……感情を出さない私を、優しく包み込んでくれた……!)
すると、彼女は見つめている映像は、タケル達からゼロの戦況へと映像が代わったのだ。
「ゼロ……!?」
しかし、映像に映る、ゼロの姿は違っていた。VAVAによって苦戦を強いられ、傷だらけになりながらもセイバーを掲げ、立ち向かっていた。このままではゼロに勝利は見えない。あんなに傷ついても立ちあがり、戦い続ける。そんな彼の姿を目に彼女は再び涙が流れた。彼女はある決意を胸にベッドから離れると、彼女は懐から罅だらけのバルディッシュを展開させた。
「行くよ……バルディッシュ、今までの自分を終わらすために。そして、私が思いを込める大切な人を助けるために!」
魔法陣を展開させてフェイトは時の庭園へと向かった。

「数が多すぎる!」
いくら倒してもタケル達の前に騎士たちが立ちはだかってくる。このままでは物量に押されてしまい、こちらが苦戦を強いられる。
「二人とも!先に行け!?」
クロノはそう叫ぶと、背後の敵陣へと突っ込んで行く。
「クロノ君!?」
「ここは僕に任せろ!」
「……わかった!無茶をしないで!?」
僕たちはクロノに任せ、なのはとアルフ共に最上階へと向かった。
螺旋状の階段を駆け上がり、上空から攻撃する騎士たちをエックスはチャージショットで次々と撃ち落としていき、なのは達と共に奥へと突き進んでいくが、数が多すぎる。
そのとき、上空から強力な魔法弾が敵を次々と撃ち落としていく。フェイトであった。
「ふぇ、フェイトちゃん!?」
なのはは驚き、彼女の登場に混乱しそうになるが、突如二人の前に壁を突き破り巨大なロボットが出現した。プレシアが放った下部の騎士でもない。ワイリーが作ったレプリロイドとは異なるコントロールロボット、大型メカニロイドである。
「強力なバリアが張られている。とても強大だ……でも、二人でなら!」
照れくさそうになのはへ言うフェイトになのはは歓喜に頷く。しかし、このメカニロイドは、魔導士の攻撃を吸収する機能を持ち合わせており、彼女二人の攻撃は全て弾かれてしまう。
『タケル!大型メカニロイドの弱点を捕捉!』
モデルXはタケルの視界へスコープ映像を映し、メカニロイドの弱点を見つける。
「弱点は……頭部!?」
それを知ったタケルは二人へ叫ぶ。
「二人とも!あれは僕が倒す!だから君たちは先に行って!?」
「タケル君!?」
「……わかった、なのは!先を急ごう……」
フェイトも、ロックマンの彼なら奴を倒せると信じ、なのはと共にプレシアの部屋を目指す。
しかし、フェイトはプレシアの元へ向かうよりも一番にゼロのことを案じた。ゼロを助けないと!
「なのは……」
「フェイトちゃん?」
「ごめん、先に行っていて?駆動炉はこの先を行くとあるから!」
そういうと、フェイトはなのはから離れて別のルートへと向かった。ドクター・ワイリーの部署へは訪ねたことは無いにしろ、地図で見ているからわかる……
「ゼロ!無事ていて……?」

「よし……行くぞぉ!」
ダッシュ移動でメカニロイドの攻撃を掻い潜り、メカニロイドの体を飛び伝って奴の頭部へと接近する。
「2倍フルチャージショット!!」
その威力によってメカニロイドの頭部は粉々に吹き飛び、メカニロイドは機能を停止して沈黙した。
「やったか……!」
僕はすぐさまなのは達の元へ向かおうとするが、そのまえにある一人を心配していた。
「ゼロ……!」
レーダーを頼りにゼロ君を探し出す。時の庭園内を必死で探しまわり、そしてある部屋へたどり着いた。門前には無数のイレギュラーの残骸が散らばっていた。
「ゼロ君が……これを全部?」
そして、僕は破られた門をくぐり、そしてその奥へと足を踏み入れたが、そこには予想もつかない光景が目に映った。
「ゼロ!?」
そこには傷ついて横たわるゼロの姿が、そしてなのはと共に最上階へ向かったはずのフェイトが人型兵器ライドアーマーに乗ったVAVAと戦っているが、ワイリーによって魔改造されたライドアーマーはフェイトの攻撃を跳ね返して突進し、フェイトはライドアーマーの拳を食らい、壁へと叩きつけられた。
「くぅ……!」
「フン!話にもならん……これが大魔導士のセガレの力なのか?」
「う、うるさい!私は……私は、命に代えてもゼロを守って見せる!」
「じゃあ、そのゼロと一緒に仲良くあの世へ行くんだな!?」
「待て!そこまでだ!!」
僕のフルチャージがフェイトへ襲いかかるライドアーマーの腕を吹き飛ばした。
「……あのときの小僧か!?」
VAVAは僕へと振り向き、突進してくる。バスターを放つも、ライドアーマーは見た目に寄らず素早く、僕へと接近し、残ったライドアーマーの片腕が僕へと直撃した。
「がぁ……!」
僕はそのまま抑え込まれて、VAVAのキャノンが動けない僕へ照準を向ける。
「これで終わりだ!ロックマンX!!」
「……!?」
VAVAのキャノンが僕へ光り出した……が、
「……させるかぁ!!」
突如、VAVAの背後へゼロが取りついてきた。VAVAは驚き、彼を振り飛ばそうとするが、ゼロは決して離れない。
「ゼロ……この死にぞこないがぁ!」
もがくVAVAに取っつきながらゼロが僕へ言う。
「タケル……!お前にしてやれるのは、ここまでだ!!」
そしてゼロは禁じ手を使うべく、こう叫んだ。
「天照覇ッ――――!!」
エネルギーを最大に引き出し、そしてライドアーマーは光の柱に飲まれ、爆発した。爆発からはゼロが放り出され、僕の近くへ倒れた。
「ゼロ!ゼロ!?」
僕が抱え起こし、フェイトが駈け寄る。ゼロは虫の息で僕とフェイトへ口を開ける。
「フェイト……無事か?」
「ゼロ!もう喋らないで!?」
フェイトがそう言うもゼロは構わず、目を閉じながらフェイトへ言い続ける。
「フェイト、俺は……幸せだった。今まで戦うことで自分を表現することしかできなかったが、お前に会えたことで、俺は戦いよりも、誰かのために生きる事を見出せたんだ。だから、お前を守れて死ねるのなら、それでも構わない。むしろ、本望だ……」
「ゼロ……そんな悲しいこと言わないでっ!」
「フェイト、お前は母親の元へ行け……」
震える腕でフェイトの肩に添え、彼は笑みを浮かべて言う。
「己の宿命を絶つために……そして、新しい自分を見つけるために今までの自分と戦うんだ。フェイト……お前の、悲しい宿命を終わらせろ……」
「ゼロ……」
そして、最後にゼロは僕へ振り返り、こう言い残す。
「さぁタケル……俺の、ライブメタルを使え……」
ゼロは変身を解除し、僕へモデルZを手渡した。
「ゼロ……!?」
「タケル……俺を連れて行ってくれよ?お前の創る、未来へ……「懐かしい未来」へ……」
「ゼロ!目を覚ましてくれ!?」
「さぁ行け……!イレギュラーハンター・エックス……!!そして、俺のたった一人の友よ……」
「ゼ…ロ……!」
そしてゼロは目を閉ざした。僕は暗い表情でフェイトへい言う。
「フェイト……ゼロの言ったとおり君はプレシアのところへ行くんだ」
しかし、ゼロを抱きしめ、泣くフェイトには、ゼロを置いていけなかった。
「いや……ゼロが…ゼロが……!」
「ゼロの死を無駄にするなぁ!」
「……!?」
僕は叫んだ。生まれて初めて人に怒鳴った。フェイトは我に返り、涙を散らしながらこの場からゼロを担いで消え去った。
「へっ!何が懐かしい未来だよ?回路でも狂ったのか?」
そうあざ笑うかのように、爆発の煙からは、VAVAが単体で現れた。
「せっかくコーティングしたライドアーマーなのによ?テメェの命で償ってもらいゼ?タケル、だが……ガキの命一つじゃあ俺の愛車のネジ一本にもならねぇか?」
そういって高笑うVAVAに向け。タケルが振り向いた。そこには、我々が知る優しく大人しげな彼ではない。鬼神の如く激情し、豹変した全く別の蒼霧タケルの姿であった。
「……ダブルロックオン!」
「何っ?」
モデルXとモデルZ、双方の融合に寄り、VAVAの目の前にはこれまで見たことのない究極のロックマンの姿があった。その名は、
「ロックマンゼクス!」
タケルが叫び、VAVAはその気迫にたじろいでしまう。しかし、わずかにも彼は残忍な声を口にヘラヘラと笑っていた。
「これか……これがロックマンの力か!?これだ!これ!!これこそが俺が戦いたくて追い求めていたROCKMANの力なんだ!?」
ロックマンゼクス、その姿はモデルZのように赤く彩られたアーマーと金髪をなびかせる。その様態はモデルZだが、ZXショットというモデルXからの遠距離攻撃も搭載されているのだ。そのゼクスとなったタケルへVAVAがキャノンを放つ
「灰となれ!ロックマン!!」
「……!」
しかし、そのキャノンの弾をZXセイバーが切り裂いた。そして、次に気付いたころには、VAVAの間合いにゼクスがセイバーを振り上げている。
「なに!?」
「ッ……!」
そして、VAVAの体はZXセイバーに切り裂かれ、即死であった。
「……倒してやる!ドクター・ワイリー!!」
切り裂かれたVAVAの残骸を背にゼクスこと、タケルは背後から響くもう一人の足音に気付き、振り向いた。
「ほう……ライブメタルにそのような機能があるとはな?」
巨大な体に、手にもつは極太のセイバー……シグマであった。
「誰だ……!?」
「わが名はシグマ、ドクター・ワイリーに使える下部なり……」
「……!!」
タケルは、セイバーをシグマへと向ける。








 
 

 
後書き
次回予告

シグマとの死闘、最後の戦いに僕は命をかける!ゼロの思いを胸に僕は最後の戦いに挑む。そして、プレシアと再会するフェイト、プレシアは彼女を避け、一人アルハザードへ……しかし!

次回ロックマンX1st

最終話「勝利/VICTORY」

「帰ろう!皆のところへ……」
 
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