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ドリトル先生の来日

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第二幕 日本という国をその十一

「神様が全てを動かされてるんだよ」
「じゃあトミーのこともだね」
「神様次第だね」
「神様がどうしてくれるか」
「そういうことだね」
「ちょっと教会に行って来るよ」
 先生はこう皆に言いました。
「トミーも一緒に来てくれることをね」
「わかったよ、じゃあ僕達が留守番してるから」
「行ってらっしゃい」
 先生は皆に見送ってもらってこの日は教会でトミーのことをお祈りしたのでした、そして次の日にでした。
 トミーは病院に来ました、それで先生と皆に笑顔でこう言います。
「先生、朗報だよ」
「それじゃあ」
「うん、試験を受けてね」
 そのうえでだというのです。
「奨学金も貰えるんだって」
「それはいいことだね」
「留学もね」
 そのこともだというのです。
「試験を受けて合格したらね」
「貰えるんだね」
「奨学金は今も貰ってるのがあるけれど」
 それでも日本に留学するには足りないのです、その奨学金だけでは、
「それも貰えたら」
「トミーも日本に来られる」
「それで日本の何処なの?先生が教授になれる大学は」
「神戸の八条大学というところだよ」
「ふうん、八条大学ねえ」
「知ってるかい?」
「いや、日本の大学はあまり知らないんだ」
 トミーはこう先生にお話します。
「日本がどんな国かもね」
「じゃあ日本のことについて勉強する為にもいいね」
「知らないのなら勉強する、だね」
「そうだよ、知らないことなら勉強するといいんだよ」
 それだというのです。
「じゃあね」
「それなら日本に留学することは」
「知らないことを勉強する為にもいいね」
「僕の方も試験に合格するから」
 奨学金と留学のことをだというのです。
「ちょっと待っててね」
「日本に来るんだね、トミーも」
「試験に受かったらね」
「じゃあ後は勉強だね」
「先生はすぐに日本に行くんだね」
「そうなるよ、今にでもトミーに返事をするつもりだから」
 そのお話を受けるという返事をです、先生はもう決めているのです。
「待っててね」
「よし、じゃあ日本で会おう」
「絶対に試験に受かるからね」 
 トミーは先生に笑顔で答えました、そしてなのでした。
 トミーとのお話の後で、です。先生は王子に電話を入れました。そのうえでどうするのかをお話するのでした。
「そのお話受けさせてもらうよ」
「そうなんだ、それじゃあ」
「うん、喜んでね」
「嬉しいよ、僕も」 
 王子は電話の向こうで楽しそうな声で先生に応えます。
「博士がそう決めてくれてね」
「じゃあ日本でだね」
「理事長さんには今すぐ僕からお話をするから」
 先生のお仕事もことをだというのです。
「もう決まりだよ」
「日本での生活はどんなのかな」
「それは来てみてのお楽しみだよ、それでもね」
「それでも?」
「絶対に悪いことにはならないよ」
 日本に来ればというのです。
「一昨日のすき焼きもあるしね」
「あれは凄く美味しいね」
「他にも美味しいものが一杯あるから」
「そのことも楽しみにしているよ」
「景色も綺麗で四季があって皆明るくてね」
「あれっ、日本人はもの静かで謙虚と聞いているけれど」
 先生がこれまで会った日本人もです、そうした人達だったので王子に明るいと言われても何か違うと思ったのです。 
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