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とある星の力を使いし者

作者:wawa
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第125話

「うおおおおおおお!!!!」

拳を強く握りしめ、上条は麻生に向かって走り出す。
右手で麻生の顔面に向かって、突き出す。
それを麻生は首を横に曲げて、ギリギリでかわすと、カウンターで右手で上条の腹を殴りつける。

「ぐっ!!
 うおおお!!」

腹を殴られるが、歯を食いしばり耐える。
お返しとばかりに、左手で麻生の腹に向かって殴りに行くが、麻生はそれを左手で受け止める。
先程、右手で殴った所と同じ腹の部分を、今度は右足で突き出すように蹴り飛ばす。
今度は耐える事ができずに、地面に転がり込む。
咳き込みながら、腹を押えながらゆっくりと立ち上がる。

「どうした?
 その程度か?」

挑発するように、上条に問い掛ける。

「うるせぇ!
 まだこれからだ!!」

自分に気合を入れるように、叫びながらもう一度麻生に突っ込んで行く。
今度は大振りではなく、軽いジャブのように麻生の顔に向かって、左手を繰り出す。

「そんな拳が俺に通ると思うか?」

そう言いつつ、拳を避けていく。

「なら、これならどうだ!」

上条は左足を使って、麻生の足を払いに行く。
その足を麻生は後ろに跳ぶ事で回避する。
それを読んでいたのか、上条は一気に距離を詰めて、もう一度右手で麻生の顔面に向かって繰り出す。

「そんな単純な攻撃を読めないと思ったのか?」

麻生は上条の右手を左手で受け止め、そのまま右手で上条の胸ぐらを掴む。
右足で上条の足を払い、そのまま背負い投げに繋げていく。
背中から上条を地面に叩きつける。

「お前と俺じゃあ差がありすぎる。
 確かに、今の俺は能力の加護は一切ない。
 だが、今まで多くの敵と戦ってきた俺は、本来持つ身体能力が鍛えられた。
 聖人には遠く及ばないが、そこら辺の不良程度のレベルなら負けはしない。」

「くっ・・・そ・・・」

麻生は上条に背を向ける。
視線の先にはインデックス達がいた。
能力の加護を戻そうとした時。

「どこ向いてやがる!!」

後ろから、その声と共に麻生に突っ込んでくる上条。
麻生は横に一歩だけ移動して、すれ違い様に上条の足を引っかける。
前に進むもうとしていた所を足を引っかけられたので、そのまま前に倒れてしまう。

「まだ、立ち上がるか。
 お前の根性は称賛するが、何度やっても同じだぞ。」

「それがどうした。
 そんなの試してみないと分からないだろうが!!」

上条は再三、麻生に突っ込んで行く。

「馬鹿の一つ覚えだな。」

その勢いを利用しようとカウンターの準備をする。

「うおおおおおおお!!!!」

右手で麻生の顔面に目がけて殴りに行く。

(本当に馬鹿の一つ覚えだな。)

それを避けようとした時だった。
突然、上条の拳の勢いが急速に無くなっていく。

(これはフェイント!)

気がついた時には遅かった。
上条の左手は麻生の顔面に入る。
上条はこれを狙っていたのだ。
同じことを何度もすれば、流石の麻生も油断する筈。
その作戦は見事に成功した。
上条の拳が入った麻生は、後ろに倒れそうになるが、かろうじて堪える。
完璧に入った一撃は、麻生の唇を切っていた。
頬も赤くなっている。

「そうまでして、守る価値があるか。」

「当たり前だ。」

「なら、お前はこの後の事を考えているのか?
 お前が今、俺を倒してユミナを逃がす事はできてもその先にあるのは地獄だけだ。
 死徒である以上、血を吸わなければ生きていけない。
 それは死徒を増やす事に他ならない。
 いずれ、増えていき、手の施しようのない所まで発展する可能性がある。」

「そんなのやってみないと分からないだろ。
 現に今は血を吸わなくても生きているじゃないか。」

「今はな。
 だが、そう遠くない未来、必ず血を欲しがる。
 そうなった場合どうするつもりだ?」

「それを今から考えるんだよ!
 インデックスや他の魔術師に協力してもらえば」

「それが甘いんだよ!」

麻生の突然の言葉に思わず、言葉を呑み込む。

「いいか、その先の事をロクに考えていないのに、助けるなんて言葉を口にするな!
 お前は今、多くの人を犠牲にするかもしれないんだぞ!?
 現在の魔術では、吸血化を治すおろか、その吸血衝動を治す手立てすらない!
 それにユミナは吸血鬼だ。
 他の魔術師に知られれば、実験の材料として魔術師の追手が来るはずだ。
 そうなれば、まさに地獄だ。
 追手に追われ平和の無い生活、吸血衝動、捕まっても苦痛しかない実験。
 ユミナに待っているのは耐え難い苦痛だけだ。
 そんな運命しか待っていない彼女をそれでも助けるって言うのか!」

「ッ!?・・・・・それでも・・それでも、俺は!」

その時だった。

「う・・う・・ああああああああああああ!!!」

突然、悲痛な叫び声が聞こえた。
上条と麻生はその声のする方に視線を向ける。
そこにはインデックスの後ろに立っていた、ユミナが苦しそうに胸を押え、うずくまっていた。

「どうしたの、お母さん!!」

慌ててナタリアが、ユミナに近づこうとする。

「止めろ、近づくな!」

麻生がそう叫んで、能力を発動させる。
ナタリアの所まで空間移動すると、インデックスとナタリアを抱え、さっきまで居た自分の所に移動する。

「離してください!
 お母さんが苦しそうにしているのに!」

「離すわけにはいかない。
 お前を死徒にさせる訳にはいかないからな。」

「えっ・・?」

その時だった。

「がああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

人の声とは思えない叫び声が辺りに響き渡る。
それは叫び声ではなく、咆哮だった。

「当麻、どうして俺がユミナを殺そうとしたと思う?」

突然の麻生からの問いかけに、上条は言い淀む。

「普通の死徒じゃないからだ。
 あれが、この世に存在する死徒なら俺の能力で治療させている。
 だがな、あれは俺の知っている死徒じゃない。
 未知の魔術で作られた、新種の死徒だ。
 だから、俺の能力でも治癒させる事ができない。」

ユミナは荒々しい息をしながら、こちらを見ている。
血走った赤い目が自分の獲物を認識する。
麻生はナタリアとインデックスを後ろに投げ飛ばす。
その瞬間、数メートル離れたユミナが一瞬で麻生に詰めて、その爪で麻生の身体を貫こうとする。
麻生は盾を作り出し、それを受け止める。
その光景を上条達は驚きを隠せないでいた。

「喉が・・・・乾く・・・」

怨念のようにそう呟く、ユミナ。
爪を受け止めている盾を少しずらし、受け流していく。
その流れに沿って、ユミナの腹を蹴りつける。
能力の加護が加わった蹴りは、ユミナを吹き飛ばし、近くの壁に叩きつけられる。

「これがお前の守ろうとした者だ。
 俺が少しでも遅れれば、インデックスとナタリアは今頃、血を吸われこいつの仲間になっていた。」

現実を知った上条は強く唇を噛み締める。
しかし、麻生は別の事を考えていた。

(おかしい、さっきまで普通に話していたのに突然、吸血衝動が強くなった。
 何より、死徒になるには長い年月を重ねないと死徒にはならない。
 だが、ユミナはその形跡は全くなかった。
 特異体質なのか、それとも・・・・)

壁に叩きつけられたユミナだが、怪我一つなく立ち上がる。
麻生も思考を中断して、ユミナに視線を向けようとした時だった。
後ろで、誰かが倒れる音が聞こえた。
後ろに視線を送ると、倒れたのはナタリアだった。
ナタリアは胸を押えながら、苦しそうな表情を浮かべる。

「ど、どうしたの!?」

「おい、何がどうなっているんだ!?
 もしかして噛まれたのか!?」

上条とインデックスは慌てて、ナタリアに近づく。
そこで麻生は何かに気がついた。

(まさか・・・・)

その時。

「胸が・・・熱い・・・・ああああ・・・・あがあああああああああ!!!」

ナタリアから信じられないような魔力が放出される。
まるで、今まで押し留めていたのが一気に溢れ出たような感じだ。
そこで麻生の仮説が確信へと変わる。

「お前らそいつから離れるんだ!」

「「え?」」

突然、ナタリアは一番近くにいたインデックスに飛び掛かった。
押し倒すように、インデックスを地面に強く叩きつける。

「な、ナタリア?」

覆い被さるナタリアの顔をインデックスは見た。
さっきまで茶色の眼が真っ赤な血の色に変わっていた。
息を荒くして、ナタリアの顔がインデックスに近づいていく。
しかし、寸前の所で麻生がナタリアの首を掴み、そのままユミナのいる方向へ投げ飛ばす。
ナタリアは空中で体勢を立て直すと、綺麗に着地する。

「お、おい・・・何がどうなっているんだよ?」

「ちっ・・・疑問に思うべきだったな。
 ユミナを死徒に変えた奴が、ナタリアに何もしない訳がないはずだ。」

「じゃあ、もしかしてナタリアさんも・・・」

「ああ、ユミナと同じ死徒だ。」
 
 

 
後書き
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