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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第五章 StrikerS編
  第百四十四話  『公開意見陳述会(2) 始まるひと時の宴』

 
前書き
お久しぶりです。

今まで音信不通で申し訳ございませんでしたー!m(_ _)m

どうにかスランプも治り、こうして再開できるようになりました。

と、言ってもまだ完全に治ったわけではありませんから、また止まってしまうこともあるかもしれませんが頑張らせていただきます。

それとキーワードに『不定期ですが基本日曜の夜に更新』を追加しておきました。

それでは本編をお楽しみください。

では、どうぞー。 

 



Side 月村すずか



シホちゃん達が地上本部に向かっていった夜。
私はシャーリーさんと一緒にあるものを制作していた。

「…すずかさん」
「なに、シャーリーさん…?」
「このカートリッジですけど…どう考えてもおかしいです。いくらなんでもこれじゃ…」
「うん。それはわかっているの。
だけど、これの完成度を高めておかないと、きっとシホちゃんは…」

私は少しでもこれの完成度と安全度を上げておかなければいけない。
きっとこれは使いどころを誤れば………。
それで私はこのある種危険なカートリッジをとあるケースにいくつも入れて“ある作業”を行う。
失敗したら中身に込められた大切な魔力は霧散してしまいかねないから慎重に行なわないといけない。
だから失敗は許されないんだ…!
それで精密な作業をしている時にシャーリーさんが話しかけてきて、

「これが、使われる時が来ると思いますか…?」
「わからない…。けど、シホちゃんはきっと必要になるって言っていた。
だからいつでも万全の状態で使えるように整えとかなきゃいけないの。
シホちゃんはやると決めたら絶対使うと思うから。
本来、私はこんなものをシホちゃんに使って欲しくないから、最初にこれの制作を頼まれた時は当然反対したんだよ…?」
「そうでしょうね…」

それでシャーリーさんと一緒にため息をつく。
これが使われる事態になりませんようにと、ただ願うばかりだよ。
そんな時に部屋の扉が開く音がしてフェイトちゃんが中に入ってきた。

「シャーリー、すずか。そろそろ私達も行くけど留守番お願いね?」
「任せてください、フェイトさん!」
「うん。ライダーもいるから警備は任せて。フェイトちゃん」
「よろしくね」
「うん。あ、それとシホちゃんに無茶はしないでね、と言っておいて」
「わかった。それじゃ行くね」

それでフェイトちゃん達も地上本部に向かっていった。
だけど、シホちゃんもだけどなのはちゃんやフェイトちゃん、はやてちゃんの事も心配なのは同じ気持ちだ。
だからみんな無事に帰ってこれるように、そしてみんなの帰って来れる居場所も守るように私も頑張ろう。



◆◇―――――――――◇◆



Side フェイト・T・ハラオウン



とうとう公開意見陳述会が開催される朝がやってきて私達はなのはやシホ達に遅れる形で地上本部までやってきた。
そして中に入る前にデバイスを誰かに預けないといけないのでエリオに連絡をとった。

「あ、エリオ? 今大丈夫…?」
『フェイトさん! はい、大丈夫です』
「今から少しそっちに向かうけど…」
『あ、はい。デバイスですよね?』
「うん、そう」

さすがエリオだね。
これを察しているということは、もう先になのは達はデバイスを誰かに預けて中に入った模様である。
それならすぐに渡せるね。
そんな事を考えていると霊体化しているランサーがふと、

《なんだ…?》

なにやら変に声のトーンを下げて警戒しだした。

《どうしたの、ランサー…?》
《いや、特に本部には違和感はねーんだがな…なんていうかな、感じるんだよ》
《なにを?》
《マスターも魔術師なら感じねーか? 変な空気が漂っているんだよ》
《うーん…私は特には感じないかな?》
《そうか…?…なら俺の気のせいってことでもいいのか?》

ランサーにしてはあんまりパッとしない言い方だね。
やっぱり魔術より魔導を優先している私より感じるものがあるのかな。

《ここはシホの嬢ちゃんにも聞いておいたほうがいいぜ?
シホの嬢ちゃんなら世界の異常には敏感だからな。固有結界を使えるだけに…》
《確かに…。シホに確認しておいたほうがいいかもしれないね》
《ああ。今ここで実体化できれば探索のルーンであらかた調べられるんだがな。
………そうだな。マスター、俺はちょっくら霊体化したまま単独行動させてもらうぜ》
《ちょ、ちょっとランサー!?》

私が止めようとしたけどランサーの気配はすぐに消えてしまった。
もう、こんな時に限っていなくなっちゃうなんて…。
少し不安になっちゃうよ。
まぁ、今のところは何も起きていないから大丈夫だよね。
いざという時にはラインで念話を試みてみればいいんだから。
それから私はエリオ達と合流して、はやてと私とシグナムのデバイスをエリオ達に預けて中に入っていった。
そしてなのはと合流する前に、私の前を歩くはやてがとある人を見て歩みを止めた。

「どうしたの、はやて?」
「どうされましたか、主…?」

私とシグナムが心配の声をかけるが、はやてはとっさに「シっ!」と声を出さないようにジェスチャーをする。
それで私とシグナムは声をひそめる。
そしてはやてが向いた方にいた人物に目を向けると、

《あれって…確か管理局の正義の象徴とか言われている“ジグルト・ブリュンヒルデ”提督…?》

私はすぐにその人物のことが検討がついたので念話ではやてに問いかける。
それにはやても念話で返事をしてくれた。

《そや。私達がまだ中学生の頃にミッドチルダで重犯罪者の軍団がミッドチルダを破壊しようと企んだらしいんよ。
だけど、ジグルド提督と部下の人達の活躍で未然に防いだとか言っているっていう話や》
《私もそのような話は聞きました。確かに…。歩き方から貫禄がにじみ出てきていますね。強そうだな…》

シグナムが目を光らせていた。
どうやら最近久しく無かったバトルジャンキー症が浮上してきたような感じだ。
まぁ、私も最近はみんなにシグナムと同類だ、などと結構ショックな事を言われているから、あまり否定もできないけど賛同もできないところなんだよね。

《シグナムがそう感じるっていうことは、やっぱり強いんやろな?》
《そうですね。機会があれば一度勝負を申込みたいところです》

そんな会話をしていると、ジグルド提督とその連れの部下の人が小声ながらも話をしだした。
身体強化魔術で聴覚を強化して聞いてみると、

『ジグルド提督、此度の意見陳述会、どう思われますか?』
『大方、レジアスが考案しているアインヘリアルの自慢話だろうが、今回の陳述会、無事に済まないだろうな』

ッ!?
ジグルド提督もなにかが起こると予想している…?
それで部下の人が、『というと、やはり…』と返しをすると、

『あぁ。聖王教会の“予言”の件もある。
レジアスは無視するだろうが、我々だけでも用心しておこう。
他にも陳述会の襲撃に警戒している者もいるはずだ。
そういう連中と連携出来るよう心掛けて置け』
『はっ!』

そう言って部下の人は隊の人達に連絡を入れているようである。
でも、そっか。
私達だけじゃないんだね、予言が当たるということを予想しているのは。
それではやてが、

《驚きやね。地上本部の一提督の人がこの手の話題を信じている言うんわ》
《そうだね》
《はい》
《でも、心強いわ。これならもしかしたらどうにかなるかもしれへんかもな。
ジグルド提督以外にも警戒している人がいればええね》
《そうだね》

それでもう聞くことはないという事ではやては会場の中に入っていき私はなのは達と合流するために別れた。
そういえば、ランサーは今どこにいるんだろう…?



◆◇―――――――――◇◆



Side ヴィータ



おそらく攻めてくるであろう外敵…。
それに備えてあたしも含めて緊張が高まっていく中、映像で意見陳述会の中継映像が流れ出した。
そこではやはりというべきか、レジアス中将の演説が聞こえてくる。
それをあたしは聞き流しながらもいつでも戦えるようにグラーフアイゼンを握り締めながら警備をしている時に後ろで一緒に歩いているエリオから話しかけられた。

「…ひとまず、何を起こらなさそうな気配ですね、ヴィータ副隊長?」
「キュクルー!」

エリオがそう話し、飛んでいるフリードがそれに相槌を打つように一鳴きする。
それであたしは心を引き締めさせるように、

「油断するなよ? しっかりと警備をしていろ。今のこと時に何時どこで何が起こるかわからないんだからな?」

そう忠告する。
それにエリオと、一緒にいるキャロは元気よく「はい!」と答える。
二人の声に、『よし、いい返事だ』、とあたしは満足しながらも別思考で思念通話でなのは達と会話をする。

《………それにしても、だ》

あたしはそう切り出し、

《いまいちよく分からねーんだけど…》
《どうしたの、ヴィータちゃん…?》
《やっぱり心配事?》

なのはとシホから返事が返ってきたので、あたしは「ああ」と相槌を打ちながら、

《予言どーりに事が起こるとして、内部のクーデターって線は薄いんだろう…?》
《アコース査察官が捜査してくれた範囲ではね…》
《私もそこは大丈夫だと思うわ。ヴェロッサはおちゃらけているけど、そういう所は真面目だから》

シホが安心して言うなら、まぁ、大丈夫かな?

《なら、そうすっとだ。絞られてくるのは外部からのテロだ。
でも、だとしたら目的は何なんだよ?》
《うーん…》
《………》

あたしがそう聞くが、なのはからは少し唸りが聞こえてくるだけであまりいい返事は返ってこなかった。
シホも無言だし。

《犯人は例のレリックを集めている連中………スカリエッティ一味だっけ?》
《うん》
《そうね》
《だとしたら、さらに目的がわからねー…。局を襲って何の得がある?》

そう、聞く。
そう、ただ披露したいだけなら表舞台でもいくらでもできる。
それをスカリエッティはなんの目的で襲おうとしているのかあたしにはまだ分かっていない。

《兵器開発者なら、自分の兵器の威力証明、かな?》
《私もそうだと思うわ》
《管理局の本部を壊滅させられるような兵器や戦力を用意できるって証明できれば、欲しがる人はいくらでもいるだろうし…》

ついさっきあたしが考えたことと同じことをなのはは言った。

《でもよ…威力証明なら、他でもいくらでも出来る場所がある。リスクが高すぎるだろ…?》
《だよね…》

なのはの声に不安の感情が混じっている。
それだけ、なのはも緊張しているっていうことか。

《やっぱり、どうにもわからねーな》
《そうだね。でも、まぁあんまり深く考えてもしょうがないよ。
信頼できる上司が命令をくれる。私達はその通りに動こう!》
《だな》

それで話は一旦打ち切りかと思ったが、そこで黙っていたシホが話しかけてきて、

《それと、追加だけど多分きっと隻眼の男も一緒になって出てくると思うわ》

隻眼の男か…。
そいつの目的もわからねーな。
それでシホに聞いてみると、

《多分、隻眼の男の目的はスカリエッティと同じ。
現在まだそんなに頼りにされていない魔術の運用性と驚異の証明ってところね》
《そんなもんか…? もっとあると思うんだけどな》
《…わからないわ。未だに何を目的にして動いているのかすら判明していないんだから…》

シホや魔術事件対策課の捜査でも未だに不明瞭な事案の一つ。
隻眼の男の目的。
スカリエッティ以上に謎のベールに包まれている魔術師。
なにをしでかすのかさえ分かっていない。
スカリエッティはレリックを目的で動いているが、隻眼の男の行動は規模はちとでけーが、いまだに愉快犯程度の認識でしかないからな。
謎ばかりだな。

《そして、後はスカリエッティと隻眼の男がもし手を組んでいて、もしも狙うとしたらやっぱり…》

それを聞いてあたしはすぐに次の言葉がわかった。

《ヴィヴィオ、か…》
《そう。もしくはオリヴィエ陛下。どちらも聖王の血が流れている。
だから機動六課の居残り戦力も士郎を筆頭に固めて置いてある。
だから、心配はないと思うんだけど、ね…》
《どうにも歯切りがワリーな? 士郎達の力はシホが一番よくわかっているじゃないか》
《そうなんだけど…。どうにも胸にある不安が取れないのよ》
《大丈夫だよ、シホちゃん。そのためにこうして対策として私達以上の強さを持つみんなを集結させたんだから》
《そうね、なのは…。今はただ今日という一日が無事に済むことだけを祈りましょうか》
《うん!》
《おう》

それで今度こそ話はそれで幕引きとなった。



……………

…………

………


…それから会議が始まってから四時間が経過した。
もう夕暮れもさしてきて空が赤く染まっている。
夜も近いのだろう。今は九月で夏は終わっているが、まだ夜になってもそんなに寒いとは感じられないと思う。
そんな事をいくつもあるマルチタスク思考で考えていると、ティアナが腕時計を確認しながらも、

「開始から四時間ちょっと、か…。中の方もそろそろ終わりね」
「最後まで気を抜かずにしっかりやろう!」
「「はい!」」
「キュクルー!」

スバルが元気な声を上げながら言い、エリオとキャロが元気よく「はい!」と答え、フリードも一緒になって鳴く。
真面目で結構だな。

「真面目ですね」

隣で立っていたアルトリアもあたしと同じことを思ったらしく、そう言葉を発していた。
しかし、いつも六人セットで一緒にいるのに、今はランとレンの姿が見えねーな?
ついでにギンガもだけどな。
リインも気づいたのかフォワード連中に「ギンガとランにレンはどこに?」と尋ねる。

「あ、リイン曹長。三人でしたら北エントランスに報告に行ってくれています」

ほぉ…?
こりゃ珍しいこともあったものだな。
ギンガが心配で着いていったのか?

「しかし…ヴィータ」
「ん? どうした、アルトリア?」
「そろそろ警戒度を上げておくことをオススメします。私の直感が嫌な警報を鳴らしています」
「…そろそろ、来るってやつか?」
「おそらくですが…」

アルトリアがこう言うってことは、多分そういう事だろう。
アルトリアの直感はずば抜けているからな。
それであたしとアルトリアは警戒を強めるのだった。



◆◇―――――――――◇◆



寡黙な男…ゼスト・グライガンツ。
『烈火の剣精』の融合騎、アギト。
両名は地上本部を見える位置で見ていた。

「連中の尻馬に乗るのはどうも気が進まねーけど…」

アギトがそうぼやく。

「まぁそう言うな。貴重な機会でもあるのだからな。
今日ここですべてが片付くのなら、それに越したことはないのだが…」

ゼストが平淡ながらも言葉に力を込める。
それにアギトは「まぁね」と言葉を返す。
次には腕を組みながら表情を曇らせるアギト。
それで発したのは今ここにはいないルーテシアの心配であった。

「ルールー、大丈夫かなぁ…?」
「心配ならあの子についているといい…。私は一人でも大丈夫だ」
「そうもいかないよ! ルールーにはガリューや虫達がいるけど、旦那はひとりで、しかも体が…」

心配そうにアギトは表情を歪ませる。
下手したら泣き出す寸前みたいな表情にも見えてしまうだろう。

「…すまん」
「いいって、いいって! それより旦那の目的はこのヒゲオヤジだっけ?」

モニターにはレジアス・ゲイズの顔が映っていた。

(レジアス…)

それを見てゼストは心の中でレジアスの名を呟く。
表情は、変わらないが辛そうだ。

「そこまではあたしがついていく…。旦那のことはあたしが守ってやるよ!」
「お前の勝手だ。好きにしろ」
「あー! 好きにするともさ。ルールーや旦那はあたしの恩人だからな!」

言葉ではこう言うがゼストは心強いな、と思うのだった。



◆◇―――――――――◇◆



Side トレディ


『妹達全員配置に着きました。ガジェットドローンも全機スタンバイ完了致しました』


通信越しでウーノ姉様の声が聞こえてくる。
結局、レンさんをどうやって私のものにするのか思いつかず、IS便りの強攻策になってしまうだろう。
でも、それでもいい…。
レンさんを私のものにできれば。

「ふふ、楽しそうだな。トレディ」
「………そうですか?………チンク姉様?」
「ああ、あと少しで目的が達成できるような感じだぞ」
「………そうですね。確かにそうなのかもしれません」
「だがな、喜ぶのは成功してからにするんだな。皮算用のなんたらという言葉があるからな」
「………はい。心得ております」

それで私は右手に装着されている固有武装である“この子”を反対の手で撫でる。

「(………レンさん、もう少しです。もう少しであなたを…)」

そう思いに耽っているとドクターの声が通信越しで聞こえてくる。
小さい声でも私は拾えるように造られているからその言葉がよく聞こえてくる。

『くくくくく…』
『楽しそうですね』
『ああ、楽しいとも。この手で世界の歴史を変えるんだ。そう、あっという間に!
研究者として、技術者として、心が沸き立ち踊るようだよ。そうだろ、ウーノ?』
『はい』
『そして魔術師殿。あなたの方も吉報を期待しているよ』
『任せたまえ。くくく…』

画面で見ていた魔術師の男は魔法陣も無しにまるで転移するかのように姿が掻き消えた。
不気味な人…。
それからドクターの少し演説のようなセリフが続くがやがて、

『さぁ、始めようではないか! 宴の始まりだ!!』

ドクターのその言葉とともに私達ナンバーズは全機動き出す。

「いくぞ、トレディ!」
「………はい、チンク姉様!」

そして私達の革命が始まった。


 
 

 
後書き
文字数の関係で最後にやっと襲撃開始ですね。

宴の内容は次の回まで持ち越しになってしまいました。

というより書いていて思ってしまった。

トレディって実は病んでいるのでは…?と。

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

では。 
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