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Angel Beats! the after story

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物足りない何か

 
前書き
作中のユイの名字は考えたものなので
ご了承ください 

 
あの天真爛漫な女の子と出会って2日たったある日、俺は図書室に行く途中で突然彼女は現れた。

「先輩〜お久しぶりですね〜」
久しぶりとまで言わないが、まぁいいか。
「そうだな、で何の用だ?」
「ちょっと冷たくないですか〜、久々にあったんですよ。」
見た目通りの親しみやすい奴でよかったと思いながらも1つの疑問が浮かんできた。

「そういえば、お前名前なんて言うんだ?」
職員室を聞かれた時に聞いとけばよかったと後で後悔していたからちょうどよかった。

「教えてませんでしたね、私の名前は夢原 ユイっていいます。」

意外に行儀がよくペコリとお辞儀をして名乗っていた。
「いい名前だな、誰がつけたんだ?」
「お母さんです。先輩の名前は?」
「聞きたいか?」
「はい!」

そう断言されてしまい、相手が答えたのに言わないわけにもいかず渋々答える。
「日向 秀樹」
名前を聞いてユイが俺の予想通りの言葉を言ってくる。
「傷だらけのローラ?」
「あァ〜だから言いたくねぇ〜だよ、俺の名前を聞いた奴のほとんどがそう言うんだぜ…」

この名前のせいでどれだけいじられたかと思うと悲しくなってくる。
「冗談ですよ、先輩もいい名前だと思いますよ。」

そう元気づけてくれるのが嬉しいような悲しい気持ちになっていると気になっていたことを聞いてみた。
「そういえば、なんでここにいるんだ?」

この大学にある図書室は人がまったくいないということで今は俺の絶好の昼寝スポットとして降臨しているがほんとに使う人は1日に5人いるかどうかだ、だから図書室に向かう廊下も当然人がまったくいない。そんな場所にいるのは珍しいからユイに聞いた。

「言ったじゃないですか、必ずお礼をするってだから色んな人に聞いてここに来たんですよ。」
「そうなのか」
道を教えてよかったと思いながら心の中で喜んでいるとユイが聞いてくる。
「日向先輩、どんなお礼をして欲しいですか?」

お礼か〜とお礼の内容を考えているとユイが変なことを言ってきた。
「これでも私、色気には自信があるんですよ。」
ふふぅんと不敵に笑いながら足をチラチラ見せてくる。それには呆れてしまい、つい口が滑ってしまう。
「その無い胸と尻でか?」
ヤバイと思い口を閉ざしたが遅かったらしくプチッと何かが切れた音がして、声をかけてみる。
「ゆ、夢原 …」
名前を呼んだ瞬間、目で追えない速さで俺の背後に回り俺の左足にユイの左足が絡まる、どうやらNGワードだったらしく次々と
動きを止められる。そのまま綺麗なコブラツイストがキマる。
「誰が幼児体型じゃーー!!」
「ぎゃぁぁーー!!そんな事言ってねぇ〜よ!ギブギブ、悪かった。お前はナイスボディーだよ今すぐにでも触りてぇ〜よ」

全力で謝罪をしたおかげでコブラツイストからは解放されたが逆効果だったらしく…
「いきなり、胸を揉みたい!って叫ぶなんてどうかしてますよ。このこと友達に言っちゃいますよ変態先、輩」
「それだけは勘弁してください」

俺は床にめり込む勢いで土下座をする。
それを見たユイに冷たい目で見られてしまった。
俺の土下座が通用しないなんて…
絶望だった、近所の大人の言葉で『ボウズ、困ったらすぐ土下座しろそうすれば全て解決する』という言葉を聞き実行してきた。だが今になって効かないとわ…


少し経ち…

「はぁ〜わかりました。今回だけですよ許すのわ。」
その言葉は神のお言葉に近いと、この時俺は思った。
「ありがとな」
「これからは気をつけてくださいね」

無事、仲直りをしたが結局お礼はされず逆にお詫びに俺が飯を奢ることになってしまったがユイと色々話すことができた。好きな歌手や番組、スポーツ(特に野球が好きらしい)だが俺が1番驚いたことはプロレスが好きということだ。


笑顔で「4の字固めと腕ひしぎ十字固めのどっちが強いんですかね?」と聞かれた時は流石に鳥肌が立ったが結局俺は「腕ひしぎ十字固めじゃないか。」とノリノリで答えてしまった。共通の話題が二つもあるということですぐに息があってしまいそれからはちょくちょく会って話したり、買い物の荷物持ちにされたり、カラオケに行ったり(めちゃくちゃうまかったのを覚えている)


そんなおもしろ楽しい日々が続き、あの物足りなさが徐々に満たされていくのを感じながら過ごしていった、そんな雨降りのある日、俺にとって最高で最悪な日になるのであった…








今日もユイに呼ばれ普段から使用している待ち合わせ場所で傘をさしながら待っていると、こっちに向かってくる人がいた、目視できるところまできたらそれが誰か分かった。
「自分から呼び出しておいて遅れんなよ。」と軽く小突くと
「すみません、お母さんの手伝いをしてまして…」
「じゃあ、しょうがねぇ〜な」
そういい歩きだす。
俺もお袋を大切にしているからそんなユイを責めることなんてできやしない。

俺は歩きながら聞く。
「今日は何をするんだ?」
「今日は母の日のプレゼントを決めに行くつもりです。」
忘れていた、あと1週間ちょいすれば母の日だったな、ユイの目的に便乗し俺もお袋にプレゼントを買おうと思う。

色んなお店が中に並んでいるショッピングモールに着き、中に入るとたくさんの店が母の日のキャンペーンで賑わっている。
「ユイは何をプレゼントするつもりなんだ?」
俺がそう聞いたら、ユイは少し悩む仕草をしてから
「去年は髪飾りを渡したのでカーネーションとかをプレゼントしようかなと思ってます。先輩は何にするんですか?」

俺は自信満々で言う。
「調味料のギフトだ」

それを聞いたユイは残念な人を見るような目で俺を見る。
「先輩それ正気ですか?」
「正気も正気、調味料のギフトのどこが悪い。」
ユイはさらに残念な人を見るような目つきを強くした。
「普通は花束とか、服とか貰って嬉しいものを買うべきですよ。」
「待て待て、調味料のギフトだって十分貰って嬉しいだろ、主婦なら誰だって喜ぶさ」
ユイはため息をして何故か呆れていた。

そして、俺とユイは試行錯誤して母の日のプレゼントを決めて帰路についた。


そして事件は起きた…


俺は借りているアパートの一室に住んでいる。

時刻は夜7時30分

部屋でくつろいでいるといきなり俺のケータイ電話がなりだす。
「はい、日向ですけど」
「よかった、私はユイの母親の由美子です。

いきなりユイの母親からの電話に戸惑ったがユイの母親は慌てた様子を隠せないでいた。

「ユイは日向君の家に今いるの?」
「いえ、あいつとは6時30分ぐらいにもう互いの家に向かっていましたから」
「そうなの…ごめんなさいね。いきなり電話なんかしちゃて」

その声は震えていた。俺はユイのことが心配で由美子さんに聞く。
「ユイがどうかしたんですか?」
話すかどうかを迷っているらしく少しの沈黙が続いた。決めたらしく事情を話してくれた。
「あの娘まだ帰ってこないのよ、いつもは遅くても7時には帰ってくるのにねぇ」

ユイが7時以内に帰ってこないのはおかしい、あいつは必ず7時以内に帰るために遊ぶのを中断するくらいだからだ。

電話の最中にメールが届いた。

それはなんとユイからだった、由美子さんに少し待ってもらいメールの内容を見ると…
『助けて』
その1文だけ書いてあった。それを見た瞬間、すべて察した。俺は急いでこのことを由美子さんに伝える。

「今すぐ捜索願を出して下さい、ユイはたぶん…さらわれました。」
「本当のなの、どうして…」
「はい、さっき届いたユイからのメールに『助けて』と一言だけ書いてありました…」

俺の言葉にさっきよりも動揺しながらも答える。
「分かったわ、日向君はそのまま家にいてちょうだい、後は警察にまかせるから…」

俺の返事は決まっている。返事は…
「それはできません、俺にも責任があります。だから手当たり次第探します。」
「日向く…」

心の中で謝りながらも電話を切る。そしてすぐさま俺はドアを勢いよく開け月明かりで照らされている外に出た。






 
 

 
後書き
書きたいことがありすぎて中々おわりませんが
次当たりで日向とユイの馴れ初めを終わらせたいですね。
これからもよろしくお願いします。
馴れ初めの次は誰をだそうやら… 
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