| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

めだかボックス 〜From despair to hope 〜

作者:じーくw
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第36箱 「今は春なんだけど、突然冬になるってあるんだね……」



























そして翌日の事。


午前中の授業が終了したので昼休みが来た。

だから、皆で食堂で昼食をとってます。

何より箱庭学園の食堂おいしんだ♪

一度味わうと癖になっちゃう♪

……だけど。

その美味しいご飯は食べられないようだ。

「僕…お金ないからぁ……。」

何故、劉一にお金が無いのかと言うと……。

それは勿論♪



≪誰かさんのせいで誰かさんのせいで誰かさんのせいだ!≫



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ…」

当の≪誰かさん≫は劉一の心の叫びは聞えてないみたい。

その顔をらーめんにつけてる。

まるで出汁でもとっているかのよーに。 苦笑

「えーっと… 今日はちゃんとメモ持ってきてるぜ劉一。やっぱ、格闘技系はコンプリートだな、次は趣向を変えて格闘球技でも言って見るか?」

善吉はなんのその。ぜーんぜん、関係ないってばかりに次の部活動に狙いを定めていた。

「……はぁ 善吉に全部任せるよ? だってぼかぁ… 今冬を迎えてるんだ… まさかの季節にさ…。」

劉一は持ち上げた財布をヒラヒラっとさせる…。

中身があれば盛大に撒き散らしちゃいそうだけれど……見事に何も出てこなかった。

「気にすんな… 俺も同じだから…」

善吉自身も身に覚えがあるようだ。

でも、それでも気にしてないみたい。

(なっ…なんてせーしんりょく……?)

劉一はそんな善吉をちょっと尊敬?してたようだ。 苦笑




とか何とか色々やってると。



「……なぁ お前ら。」

昼食中に話しかけてきた。

それは、日向君だった。

とりあえず、物凄くテンションが低い劉一は、日向の方を向いた。

今はあまり考えたくないけれど、 前回のこと劉一は別に水に流したつもりじゃないんだ。

善吉を叩いた事もそうだけど……特に!それ以上に!!



「あー日向君……。以前は僕の前髪吹き飛ばしてくれてありがとう……。」

「!! 何度も あやまったじゃねぇか!!」


劉一! 殺気・怒気のオンパレード!

あれが無かったら、めだかちゃんにバキバキにされる事もなかったんだ!!っと言わんばかりににらんでいた。

「でも、そのおかげで、お前が劉一ってわかったからな、俺は感謝してるぜ?≪そ・の・こ・と・だ・け≫はな!」

「わ… 悪かったって!」

善吉も頭殴られた事を少なからず意識してるみたいだ。

でもまあ…劉一に比べたら【別にそこまで?】って感じだった。

「……で?話し反れちゃったけど何?何か様?」

劉一が軌道を修正。

(って反らしたのお前だろ!!)

と思ってるのは日向だ。

確かにそうなんだけれど、以前の事は本気で悪いと思っていたようだ。 苦笑


「あっ…あー あれだよ。何でお前らはあちこちで暴れてんだ?ってこと。 そんなにスポーツ好きなのか?」

日向はそう聞いていた。

「ん……僕は嫌いじゃないよ、でも何事も程ほどだけど… まあ、今回のは善吉の付き合いでかな?」

劉一は、そう言って善吉の方をむく。

「俺の中のルールで1日汗を5リットルかくって決めてんだ。」

善吉はそう答えていた……。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ちょっと沈黙が続いて……。

「そんな 理由だったの…? てっきり、【めだかちゃんに負けないように〜〜】とか、【生徒会を守るのは俺だ〜〜〜】ってきな修行かと思ってたのに…」

劉一は、 若干拍子抜けしたようだ…。

「なんだよそれ!ガキかよ!」

そんな劉一に、善吉が突っ込んでると…。

「ぷっはぁぁぁぁぁ!!」

今の今まで、息継ぎ無しでらーめんに顔をつけてた不知火が起き上がる!

「あたしはわかるよーーーー!あたしも1日5リットルのらーめん飲むって決めてるし!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


更に更に沈黙の時間がやってきて……。

「らーめんはドリンクじゃないよ…?不知火。」

もーあんま突っ込む元気もないようだ…。

でも、それでも突っ込んでいた劉一。

善吉も同様だったようで、顔が引きつっていた。

「な〜に言ってんの! それに シーサーサラダって 野菜ジュースだと思うんだよねー♪」

サラダそのものを 野菜ジュースと来たようだ…って。

「でも……そんなに食べれるほど、お金があるなら何で僕にたかるのさ… ってか、代金は??」

何せ、5リットルのらーめんだ。

そりゃも〜〜 素敵なお値段だと思うんだ☆

………。

「え〜〜 もちろん食券があるからだいじょ〜ぶだよ☆ 心配してくれてんの?ありがと〜〜♪」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


再び~~ 以下略♪


「僕は自分の財布を心配してただけだよ…」

この時劉一は心底良かった。っと思っていた。

まさか、このらーめんまでって言われたら… がっこーで食い逃げ事件を起こしかねないからだ。

生徒会役員がそんな事しちゃ拙いし、めだかちゃんに凄く怒られそうだからだ。


「あははは!あたしは流石に中身の無い財布から出してって言わないよ〜〜♪」

「じゃあさ…中身がある時も少しはカンベンして…」
「あっ…右に同じ。」

善吉も…やっと会話に参加してた。

顔を引きつらせながら。 苦笑

「ん〜〜…どーしよっかなぁ~~♪ やっぱ、その日の気分?」

だ…そうだ。

だから、2人はこれからも止む事がなさそうだと思っていた。


「あ〜〜 それよかよ!」

そこに話しかけてきたのは日向だ。

「ああ…日向まだいたの。」

善吉痛烈な会心の一言を日向に喰らわせた!

「って いたわ! さっきからずっと!!さっきのやり取りも聞いてたわ!」

どうやらずっと 無視してたみたいでご立腹のようだ。

確かに無視され、存在を忘れられるのはとても辛い。


「んなことより、お前ら噂になってんだぜ? 入る気も無いくせにって、生徒会の『部活荒らし』だとよ。ちなみに、善吉だけみたいだけど、そう呼ばれてんの。」

「なんで?」

「劉一は一通り真面目にしてるし、何より、手伝ったり何なりしてるから、『荒らし』って言うより『ボランティア?』みたいなんだとよ。一日だけでも助かるんだと。部員達の能力向上とか、」

劉一はその事には身に覚えがある様だ。

特に 格闘技系の部活の部員に関してはちょこちょこ教えたりしていた。

それもあって、各部長さんたちに≪ウチに入れよ!≫って何度も言われたんだ。


「あははは… まあ 僕はどっちでも良いや。」


劉一はあまり気になってないようだった。

でも善吉は……。

「カッ…そのニックネームじゃ少し弱いな」

ちょっと不満アリのようだ。

そんな善吉を見た劉一は。

「不満ならさ? 「道場破りじゃ〜」とか「 強い奴でてこ〜〜い!」って言ったら 良いんじゃない?」

「それは嫌だ!」

善吉は劉一の提案に即答していた。

劉一自身も一応冗談のつもりだった様だ。

本気にしてたら……。逆にちょっと引いていた所だ。




そんな時…



「名前を売りたいのかい?人吉クン」

誰かが後ろから話しかけてきた。

「鹿屋…先輩…」

その顔、善吉はよく知ってるようだ。

でも 劉一はあまり知らないんだ。

どうやら 生徒会長の立候補の1人で選挙の時色々あったらしいけど。

でも大体は、 想像がつく… 相手はめだかちゃんだもん… 苦笑

「ちょいと 面貸してくれや… 人吉クン 相談に乗ってほしいんだよ。なぁーに人吉クンにとっても悪い話じゃねーと思うぜ?」

「なんスか?」

「詳しい話は向こうでやろーや。」

そう言って善吉は鹿屋先輩と一緒に…って。

「僕は良いの?」

一応生徒会の一員なのに呼ばれない劉一。

ちょっと、残念だったりしていた。

でも相手を選んだ相談事だから あまり強くは言えない。

「あん?ああ… 大丈夫だ。とりあえず、俺だけ聞いてくんわ。」

善吉は片手だけ上げてそう言った…

格好付けたようにそう言うと、そのまま離れていった。













そして、善吉が離れて行った後で。

「なんか怖そうなヒトだったな、人吉はああ言ってたけど 付いてかないで良かったのか?」

日向がそう聞いていた。

どうやら 何だかんだで善吉を心配してくれてるみたいだ。

「んーー別にいーんだよ あたし、人吉とは都合の良いときだけの友達だし。」

「ひどっ!!」

若干…どころかかなり引くセリフを不知火が!

「あっ!もっちろん 劉一はいつでも友達だよ〜〜☆」

良い事言ってるつもりだろうけれど、口元がじゅるり…ってなってる。

「いや……僕も結構悪い奴だけどさ お前は最悪だな…不知火… 劉一の事は財布かよ……。」

日向も流石に引いていたようだ。

「あひゃひゃ!心配ないって!鹿屋先輩くらいなんとかなるでしょ!あたしが協力するのは楽しそうなときだけ♪」

「後、お食事の条件があったらでしょ…?」

「あ!それはもっちろん♪」

不知火はその事には即答した。

「でね?あの先輩はさー生徒会選挙の立候補者だったのさー かなり乱暴な手段で票集めしてたから お嬢様にね♪」

「こてんぱんにされて… ゴミ箱にポイ?」

「そそ☆」

それは想像通りだった!

でも、当たってもあまりうれしくない。


「ふん… やっぱそんなキャラか、なんともまあ見た目どおりな事で、じゃ 黒神のこと恨んでんじゃねーの?」


今度はめだかちゃんの心配をする日向。

「……とても優しくなったもんだね…日向君も…」

劉一はしみじみとそう言う。

「そっ そんなんじゃねーよ!」

顔を赤らめながら必死で否定する日向。

それはまさに、@ツンデレ@だ。

とてもわかりやすい。

「あひゃひゃ☆ 良いように遊んでるね♪」

不知火も隣で笑っている。







そんな時、日向は善吉が忘れていったメモ紙を見つけとっていた。

「あれ?人吉のやつ、まだ柔道部言ってないじゃん 格闘技系コンプって言ってたのに… なんでなの?劉一。」

「ん… 部活の体験入部に関しては 善吉に任せてたからね。ん…なんでだろ?嫌いな種目なのかな?」

「汗かくのが目的だったらカンケー無いけどね♪」

少し不思議がってたけれど、あまり気にしてないようだ。



そして、その後もこんな感じで劉一たちは適当に話しをし、昼休みを過ごしていた。

でも、そんなあっさりと何事も無く終わったりはしない。






そう……この後、劉一君は………。

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧