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World of Destiny Crossed―魔法少女と剣士の物語―

作者:ULLR
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第一部
魔法少女と剣士
  プロローグ

 薄暗い円形の部屋。そこには約40人の人間が倒れ、ただ3人だけが立っていた。響くのは甲高い剣撃音とまだ若さを感じる雄叫びのみ。

「キリト!これで決めよう、行くぞ!!」
「ああ‼︎」

 黒と水色の二刀を持った黒衣の少年と柄の短い槍を持った少年が声を掛け合い、槍を持つ少年は真紅の鎧に身を包み大盾を持った人物に向って放った。


 ―グァン!!


 空気を切り裂く鋭い音と共に放たれたその槍は群青色の光を放ちながら盾持ちの男を後方に押して行く。

「おおおぉぉぉっ!!」
「ぬぅん!!」

 槍は弾かれたが、それを投げた少年はどこからともなく野太刀を取り出すとそれで躊躇なく首を斬りつけた。しかし、それは難なく防がれる。
 そこで、斬り払った状態から刀を返し、水平斬り。

相手は大盾でまた防ぐ。

 野太刀を持った少年が硬直した瞬間を狙って十字剣が薙ぎ払われ少年は吹き飛ばされた。一方盾持ちの人物に表情は無いが、決して余裕綽々とはいかないようだ。


 だが、それこそが若い2人の狙っていた瞬間だった。彼は後方に下がっていた筈の黒衣の少年が何時の間にか側面から接近しているのに気が付くと遂にその鋼鉄の表情を崩した。

「…………っ!!」
「これで終わりだ。茅場ぁ!!」

 大盾の横を逸れた二刀が不可視の速度で閃き、真紅の鎧とその持ち主たる人物を切り裂いた。






















 2024年末。世界中を震撼させた《SAO事件》は2人の少年の奮闘によって終結した。
 ただ、本当の終結とも言える2025年初頭に発覚した《ALO事件》も同一の2人によって解決されたのはごく少数の人物しか知らない。

 それはともかく、多くの10代SAO生還者(サバイバー)には国立専修学校が開かれ、対象者はほぼ全員そこへ入学するそうだ。
 少数の例外の内、大半の進路は就職。自力での進学は相当苦労する故に片手で数えられる程しか居なかったそうだ。

 






―――何の間違いか、俺はその1人となって必死こいて編入試験勉強&地獄のリハビリ中なのだが。

「……はぁ」

 2年分の遅れをたった2ヶ月で取り戻す。元々成績は悪い方ではなかったとはいえ、特別良かった訳でもない。

 スタンダードな中学校は学期毎に2回の定期試験があり、競争社会には必然の順位が出るのだそうだ。そんなところにのこのこと2年間も野蛮なデスゲームに明け暮れていた俺を入れても良いのか…………などという心配は杞憂に終わり――同情すらされ――編入試験を受けるに至った次第である。

「……もういいや。成るように成れ」

 3月。編入試験前日だと言うのに未だ「どうしてこうなった」感が拭えなかった。その時、

 ―ピーンポーン……

「…………」

 チャイム音。俺が現実世界に帰還するや否や長期の海外出張を命じられた母親が居ない今現在、俺はこのやや広すぎる一軒家に独り暮らしだ。そしてふと時計を見る。

「……ああ」

 俺が一般校への進学を決めた理由の約半分を占める人物の来訪だった。幼稚園、小学校(の途中)と同じ、所謂幼馴染み。

 悪い事にこの2年間も頻繁にお見舞いに来てくれていたらしい。2年も会って居なかったにも関わらず、彼女はあまり変わって無いように感じた。それが嬉しくもあり、少し心配でもある。

 ……本人にそんな事を言ったら本気で落ち込んでしまいそうなため、決して口にはしてないが。







「いらっしゃい、まどか……と、さやか」



「……何よ、その微妙な間は」
「お前が来るのは聞いてなかった」
「ふぅ~ん?……だぁ~れも居ない家で可愛いまどかとイチャイチャしようって魂胆が外れ…「ちょ!さやかちゃん!?」…冗談よ」
「……まぁいいや。上がってくれ」




 念のため言っておくがそんな邪な考えは一切無かった。
玄関で立ち話もアレだ。とりあえず上がってもらう事にする。


「おっじゃましまーす!」
「お、お邪魔します」

 ……だが、言葉と行動が合ってないヤツは帰ってくれないかね?















 因果は交わる。何度も何度でも。望む未来を手に入れる為に。運命という必然の流れに逆らい続ける。







 何十何百というその無限の繰り返しの中、小さな綻びから交わる筈の無い世界と世界が絡まった。






 それが世界に、運命に、どう働き、どう変わるか、変わらないのか。






 その事は、その結末はまだ誰一人として知らない―――
 
 

 
後書き
さあ後先考えず始まりました!混沌の予感しかしないSAO×まどマギ。
世界はまどマギ、主人公はSAOサバイバーで黒の何某さんとお友達でユニークなスキル(創作)も持っているというスタンダードな《ぼくのかんがえたry》です。

どうなるかは分かりませんが、よろしくお願いします。
 
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