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FAIRY TAIL 真魂の鼠

作者:紺碧の海
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序章 出会い
  第5話 真実

 
前書き
紺碧の海です!
今回は遂に・・・遂に遂に遂に!シンの正体が明らかになりますっ!読者の皆様、カメラの準備をお急ぎ下さいっ!(笑)
今回は途中で目線が変わります。最初はシン目線からです。
それでは、第5話・・・どうぞっ! 

 
この前行った初クエストで退治した盗賊団は、あの後評議院により全員逮捕された。そんなに重い罪は下されないとは思う。それよりも、怪我の治療を優先した方が良いと思う。俺が生み出した三つの(わざ)を目の当たりにしたナツ、ハッピー、ルーシィ、グレイ、エルザ、ウェンディ、シャルルの5人+2匹は、

ナ『おいシン!俺と勝負しろっ!』

ハ『しろーーーっ!』

ル『あんな(わざ)よく出来るわねぇ~。』

グ『前にも言ったけど、お前本当に人間か?』

というような質問や勝負の申し出を毎日のように言われている。グレイの質問には「人間でもあり、鼠でもある」って言いたいけど、ぐっと我慢する。
でも、今回の件で、最強チームの皆とはかなり親しい仲になったと思う。そろそろ俺の“子”の姿を明かしても良いと思う。が、そのタイミングが分からない。

シ「はぁーーー。」

最近はため息をついてばかりだ。

ル「シンったら、どうしたのよ?」

そんな俺を見てルーシィが顔を覗き込んでくる。

ナ「最近ため息ばかりだな。」

ハ「あい。クエストに行って疲れたの?」
                          
・・・ちょっと違うけど、まぁそういう事にしておこう。

エ「慣れない事だったから疲れが出たのかもしれないな。だが、お前の強さはなかなかのものだ。いつか私を上回る事が出来るかもしれないな。」

シ「いや、それは永遠にないと思うぜ。」

ナ「俺は絶対にエルザもグレイもガジルもラクサスもギルダーツよりも強くなるぞ。」

グ「んな事、出来る訳ねーだろ。」

ナ「んだとグレイ!もういっぺん言ってみろっ!」

グ「鼓膜が破れるまで言ってやんよっ!」

そして、なぜか分からないけどナツとグレイが喧嘩を始めた。さすが犬猿の仲だ。

エ「ところでどうだろう?またクエストに行かないか?もちろん、シンも一緒に。」

エ以外「えぇぇぇぇぇっ!!?」

エルザの思いもよらない発言に驚く。エルザの手にはすでに『湖の魔物退治 80万J』という依頼用紙を手にしていた。いつの間に取ってきたんだ・・・?

エ「すぐに出発する。準備をしとけ。」

ウェ「まだ誰もOKしてませんよ・・・」

シャ「全く。」

そんなこんなで、最強チームと俺は無理矢理またクエストに行く事になった。

*******************************************************************************************************

マグノリアから依頼先のクヌギの街までたったの1時間半!こんなにも列車に感動したのは初めてだ。

ル「あんた、絶対に長生きするわね・・・」

ん?それは褒めてるのか?まぁ細かい事は気にせずに、今回の依頼内容について説明しよう。

クヌギの街にある森に、最近魔物が現れたらしいんだ。その魔物を見たって言う人達の話によると、タコのようにヌルヌルした足が8本あって、体が青くて硬い鱗に覆われていて、蛇のような顔が3つもある魔物・・・って、そんなの本当にいるのか?しかも、

シ「こんな湖に・・・」

俺達はすでに目的地の湖に着いていた。湖はしぃーーーんと静まり返っていて、風が吹く音しか聞こえない。とても魔物が住んでいるとは思えない。

ル「本当に、こんな湖にいるの?」

ナ「石でも投げれば出て来るんじゃねーの?」

そう言ってナツが近くにあった石を湖に投げ入れた。ポチャンッと水しぶきを上げながら石が沈んでいく。が、湖には変化が無い。

グ「場所を間違えたんじゃねーのか?」

エ「そんなはずは無い。この森には湖がここしかな・・・ん?」

その時、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・という地鳴りが森中に響き渡る。鳥が木から一斉に飛び立った。

シャ「な、何なのっ!?」

ウェ「ひえーーーっ!」

すると、バババババシャアアアンッ!激しく水しぶきを上げながら背後の湖からタコのようなヌルヌルした足が8本あり、体が青くて硬い鱗に覆われていて、蛇のような顔が三つある、湖の魔物が姿を現した。

魔「シャァァァァァ。」

ハ「出たーーーーーっ!」

シ「でかーーーーーっ!」

俺達の5倍位はある巨大な魔物だ。鋭い青い目が不気味だ。よく見ると、魔物の三つある顔のうち、真ん中の顔の頭が少し赤く腫れ上がっている。

ル「ナツッ!さっきあんたが投げた石のせいで怒って出てきちゃったじゃないっ!」

ナ「俺のせいかよっ!?」

すると、三つの顔の魔物の口から水が勢いよく噴射された。俺達は慌てて避ける。顔が3つもあるから避けるのに一苦労だ。

グ「ちっ。アイスメイク、戦斧(バトルアックス)ッ!」

グレイは小さく舌打ちをすると、両手に冷気を溜めてでかい斧を造形した。俺は初めて目にする造形魔法に目を輝かせた。ていうか、すっげぇ~速ェ~。グレイは造形した斧で魔物を攻撃する。が、

バシャァァァ。

グ「えっ?」

魔「シャァァァァァ。」

グレイは攻撃をした。その攻撃は魔物に直撃した。が、魔物には傷一つ無い。なぜかというと、魔物の体は水でできていたからだ。

ハ「水ゥゥゥゥゥッ!?」

エ「ジュビアと一緒だという事か。」

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士の、ジュビア・ロクサーの体は水でできていると、以前ルーシィから教えられた。余談だが、ジュビアはグレイの事が好きみたいで、ルーシィはなぜか恋敵と認識されているらしい。にしても、(ボディ)が水でできているとは・・・そんな事を思っていると、魔物が足を湖から這い出してきた。

エ「まさかっ!湖から這い上がってくるつもりかっ!?」

もしエルザの言うとおりならば、街が危険だっ!が、エルザの予想はハズレた。魔物は足を一本だけ湖から出しただけだった。が、安心したのも束の間、その足で・・・

ル「えっ?ちょっ!ちょっとぉっ!キャアアアアアッ!」

ナ「ルーシィッ!」

ウェ「ルーシィさんっ!」

ルーシィを絡め取り、宙高く持ち上げた。

シ「人質っていう事かよ・・・!」

ナ「くそっ!火竜の・・・」

ナツが深く息を吸い込もうとしたところをエルザが止める。

エ「待てナツ!敵は体が水なんだ。お前の炎ではどうにもできない。それに、ルーシィに何か危害を加えられるかもしれない。」

エルザの冷静な判断を聞いたナツは大人しく攻撃はしなかったが、

ナ「くっそぉぉぉっ!」

拳で地面を殴った。地面がナツの拳の形に凹んだ。相手は体が水。どんな攻撃も効かない。・・・ん?体が、水・・・そうだっ!俺の頭の中の豆電球がピコーンと光りだした。俺はポケットから五色腕輪(フィフスカラーリング)を取り出すと、青い腕輪を紐から外し腕に付ける。両手には水を纏っている。

エ「シン?どうするつもりだ?」

シ「見てれば分かるっ!」

俺は助走をつけて走り、高く飛び跳ねると、ルーシィを絡めている魔物の足に両手を突っ込んだ。もちろん、魔物の体は水でできているため、俺の両手は魔物の体内・・・いや、水の中だ。だが、これで終わりだと思ったら大間違いだ。
俺は両手を魔物の体内・・・じゃなくて、水に突っ込んだまま手首だけを左にカクンと曲げると、水を勢いよく噴射した。ルーシィを絡めている魔物の足だけ、水の量が増えていき、風船みたいにどんどん膨らんでいく。皆開いた口が塞がらない。今回はエルザも開いた口が塞がっていない。
そして、バシャアアアアアアアアアアンッ!と派手な音と水しぶきを上げながら、水の容量に耐えられなかった魔物の足が破裂した。

ナ「ぬぉぉぉぉぉっ!!」

エ「くっ・・・!」

ル「キャアアアアアッ!」

破裂した勢いが強すぎたせいか、ナツとハッピーとグレイとエルザとウェンディとシャルルは飛ばされ、俺とルーシィはバッシャァァァン!と水しぶきを上げて湖に落ちた。俺はすぐさま水中で体勢を立て直し、ルーシィの手首を摑むと水中で抱き抱え水面に向かって泳いだ。

シ&ル「ぶはぁっ!」

水面から顔を出すと息を整え陸に上がる。

グ「ルーシィ!シン!」

ウェ「大丈夫ですかぁっ!?」

さっきの勢いで吹っ飛ばされた皆が急いで駆けつけて来た。

ナ「ルーシィ、怪我はねェか?」

ル「わ、私は、大丈夫。シン、ありがとう。」

シ「こんくらいどうって事ねェよ。それより、ギルドに戻ったら、ちゃ、ちゃんと、着替え・・・ヘェックシュンッ!」

エ「シンもちゃんと着替えるんだぞ。」

そうしまぁ~す。俺は羽織っていた黒いベストを脱いで雑巾みたいに絞る。
すると、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・というまた地鳴りが聞こえた。驚いて振り向くと、魔物がさっきよりもでかくなっていたっ!さっき破裂したはずの足も元に戻っている。

シャ「ちょ、ちょっと・・こ、このデカさは・・・さすがに、不味いんじゃ・・・?」

ハ「あ・・あい・・・」

魔物の鋭い青い目がしっかりと俺を捉えていた。気がついたら、俺の足は魔物目掛けて走り出していた。

ル&グ「シンッ!?」

ナ「おいっ!どこ行くんだよっ!?」

シ「皆はできるだけ遠くへ逃げろっ!こいつは俺に任せとけっ!」

俺は振り向きもせずに言う。そして俺は決心した。今この魔物を倒す方法はこれしかないっ!仲間や街を守るためだ。やるしかねぇっ!
俺は素早く青い腕輪を外し紐に通すと、今度は黄色い腕輪を紐から外し、腕に着ける。3つの魔物の口から勢いよく水が俺に向かって噴射される。俺は素早く動きかわす。そして、俺は左手首から緑と赤茶色の石のブレスレットを外した。

ボワワワワワァン。

俺の体が白い煙で包まれた。走っていたため、煙がいつもより早く晴れた。そこには灰色の毛に包まれ、小さな手足に耳と長い尻尾、赤い小さな目が光る“子”の姿の俺がいた。

シ以外「!!!??」

見えないけど、たぶん皆開いて口がまた塞がっていないと思う。魔物まで一瞬驚いた表情になったのが見えた。だが、それが俺だと分かった魔物は“子”の姿の俺に向かって水を噴射する。俺は小さな手足を必死に動かし上から噴射される水を必死にかわす。体が小さいせいか、噴射される水が滝のように感じる。あれに当たったら、溺れ死んじまう・・・!
俺は上から噴出される滝のような水をかわしながら走り続け、陸ギリギリのところまで来ると、小さな足で地を蹴り、魔物の腹の中へ入った。もちろん、体が水でできているため、俺の小さな体は呑み込まれた。早く、早く元に戻ってくれ・・・!

ボワワワワワァン。

その思いが届いたのか、また白い煙が俺を包み込む。水の中にいるため、煙がいつもより早く晴れた。そこには元の姿の俺がいた。水中で目を開けると、遠くの方で皆が唖然としているのが見えた。やっぱり、開いた口が塞がっていない。俺は小さく微笑んだ。両手には“子”の姿になる前に着けた黄色い腕輪の属性、雷が金色に輝いていた。俺は残っていた力と魔力を、

シ「ぼぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁ(どぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁ)っ!!!」

体全身から放出した。水と電気が触れれば感電する。つまり、体が水でできている魔物は感電し、雷を纏っている俺も感電するという事だ。つまり、

シ「ごばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)っ!!!」

俺は自ら自爆行為をしたのと同時に、敵も倒したという事だ。

ル「シィィィィィン!」

薄れる意識の中、最後に聞こえたのは俺の名を叫ぶルーシィの声だった。

******************************************************************************************************

シ「・・ん・・・んん?」

薄っすら目を開けると、ナツ、ハッピー、ルーシィ、グレイ、エルザ、ウェンディ、シャルルの顔が見えた。

ル「シンッ!」

ハ「起きたーーーーーっ!」

ウェ「大丈夫ですか?」

シ「・・えっ・・・?」

あ・・あれ・・・?俺はなぜかベッドの上にいた。俺、どうなったんだっけ?俺は意識を失う前の記憶を必死に掻き集めて1つの線に繋げる。
え~っとぉ、確か・・・皆がいる前で“子”の姿になって、魔物の腹の中に突っ込んで、黄色い腕輪を着けて雷を放出して、自爆行為をした。そこまでは覚えている。なのに・・何で・・・?てか、ここどこだ・・・?

エ「ここは依頼主の家だ。」

ナ「あの後、魔物と一緒に湖に沈んだお前を引き上げて、慌ててここに連れて来たんだ。」

そう言うナツと、隣にいたグレイは(いつもの事だが)服を着ていなかった。たぶん、2人が沈んだ俺を引き上げてくれたんだろう。

シ「ありがとな、2人とも。いてて・・・!」

起き上がろうとすると、体全身に痛みが走った。見ると頭や腕、腹や足には包帯が巻かれていて、頬や首には湿布や絆創膏が張られていた。そんなにひどい怪我を負ったのか、俺は・・・?

グ「お前が魔物を退治した後、気絶してたから依頼主さんに一晩部屋を借りたんだ。」

シ「俺、一晩も寝てたのか・・・」

後で依頼主さんにお礼と謝罪を言わないとな。

シャ「ウェンディにも感謝しなさいよ。傷の手当てや魔力の回復、全部この子がやったんだから。」

ウェ「もぉ、シャルル!あ、あの、気にしないで下さいね。私は平気ですから。」

ウェンディは天空の滅竜魔道士(ドラゴンスレイヤー)であり、失われた魔法(ロストマジック)の治癒魔法も使えるんだったな。

シ「ありがとな、ウェンディ。」

ウェ「わ、私は、別に・・・」

恥ずかしくて照れるのは12歳の女の子らしい仕草でウェンディにぴったりだった。

ナ「・・・んで、そろそろ話してくんねェか?」

しびれを切らすようにナツがムスッとした表情と声で言った。





ナ「お前、いったい何者なんだ・・・?」





・・・覚悟は、していた。でも、いざ言われると言葉に詰まるし表情が歪む。今の俺の顔は引き攣ってなかったかな―――――・・・?
問い掛けたナツも真剣な顔をしていた。こんなナツの顔を見るのは初めてだ。するとルーシィが椅子から勢いよく立ち上がり、

ル「ちょっとナツ!怪しく思うのは分かるけど、シンは私を助けてくれたのよっ!?もしシンが仲間じゃなかったら、私を助けようとはしないわっ!それに、シンは今疲れてるのよっ!話ならいつだって聞けるでしょっ!」

ルーシィの言葉にカチン、ときたのか、ナツが椅子から勢いよく立ち上がると、

ナ「俺がいつシンを仲間じゃねェって言ったんだよっ!?俺はァ!どうしてシンが鼠になったのかが不思議に思っただけだっつーのっ!怪しくなんかこれっぽっちも思ってねェよっ!話も早くそれを知りてェから今聞きてェんだっ!」

ル「シンにもいろいろ事情があって言いたくないかもしれないでしょォ!」

ナ「お互いそれを知り合うのが仲間だろーがっ!」

2人とも、お互いの顔を真正面から睨みつけて罵声を飛ばし合う。

ハ「ナツとルーシィが喧嘩してる・・・」

皆も初めて見るのか、ナツとルーシィを唖然とした目で見ている。ていうか、このまま黙って見てたら激しくなるな。俺は痛みに顔を引き攣らせながらゆっくりベッドから起き上がると、ナツとルーシィの肩を摑んで2人を少し遠ざけた。

ナ&ル「シン。」

皆の視線が、今度は俺に集中した。ナツとルーシィの肩を摑んでいる俺の手は震えていないかな―――――・・・?

シ「今から本当の事を話す。だから喧嘩はするな。ナツとグレイの喧嘩を見てるだけで、俺は満足だ。」

俺の言葉にナツとグレイが顔を見合わせる。俺はルーシィに視線を合わせると、

シ「ルーシィもありがとな。あの姿を見たら、誰だって不審に思うのは当然だ。でも、俺はルーシィが言ったとおり正真正銘の妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士だ。仲間を裏切らない、絶対にな。その為には、話さないといけない事がある。ルーシィもよく聞いててくれよ。」

ル「・・・うん、分かった。」

俺は2人の肩からそっと手を離した。
もし、俺の秘密をこいつ等に話した時点で、俺の居場所が無くなったら・・・その時は、その時だ。手汗でびしょびしょになった拳を固く握り締め、カラカラに乾いてしまった唇を噛み締めた。

シ「今から話す事は全て事実だ。」

そう忠告してから、俺は自分の秘密を隅から隅まで最強チームの皆に打ち明けた。

********************************************************************************************************

シ「はぁーーー。」

話し終えると、以上に喉が渇いた。ウェンディが注いでくれた水をがぶ飲みする。

エ「つまり・・・シンの話を簡単にまとめると、シンは『十二支』の“子”の血を持つ10代目であり、“トップを目指す”という“任務”を果たす為に、他の『十二支』の血を持つ者と戦うために修行の旅の最中にルーシィと出会い、妖精の尻尾(フェアリーテイル)に加入した・・・という事だな。」

シ「あぁ。このブレスレットは、俺が『()』の姿になる能力を抑える為の物なんだ。」

ル「そっかっ!だからあの時私がブレスレットを外そうとした時、私の手を払い除けたのね。」

シ「あの時はホントにゴメンな。」

ル「ううん、私こそ。」

ルーシィも納得してくれたみたいだ。よかったぁ~。

グ「でもよぉ、他の『十二支』の血を持つ奴はどうやって捜すんだよ?」

グレイの質問に、俺の額を冷や汗が一筋伝い流れ落ちた。

シ「・・・そこまで考えていなかった。」

シャ「あんた、やっぱり『猪突猛進男』ね・・・」

シャルルの毒舌はあえてスルーしておこう。すると、今まで黙って話を聞いていたナツがニヤッと笑った。

ナ「面しれェじゃねぇか・・・」

シ「え・・・?」

ナツの笑顔が不気味に光ったように感じたのは、俺だけだろうか・・・?するとナツは、俺の肩をぐいっと力強く摑むと、

ナ「俺も手伝うぜっ!その“任務”ってやつっ!」

シ「えっ?」

ナ「1人より皆で捜した方が早いだろ?他の『十二支』の血を持つ奴等。」

エ「ナツの言うとおりだな。」

グ「クソ炎にしちゃあ良い事言うじゃねぇか。」

ナ「んだとグレイ!」

またナツとグレイの喧嘩が始まった。この二人、『十二支』に例えると(グレイ)(ナツ)そっくりだ。犬猿の仲の2人にはぴったりの例えだ。

エ「喧嘩をするなっ!」

ナ&グ「あいーーーーーっ!」

ハ「おいらの真似しないでよぉ~!」

(グレイ)(ナツ)の間に入るエルザは・・・(エルザ)だな。

ル「全くもぉ~。」

ウェ「相変わらずですね。」

それを楽しそうに見ているルーシィとウェンディは・・・(ルーシィ)(ウェンディ)だな。

シャ「相変わらず騒がしいんだから。」

ハ「あい。それがナツとグレイです。」

ハッピーとシャルルは・・・『十二支』ではないけど(ハッピー&シャルル)だ。(←そのまんまだろ)

シ「・・・な、なぁ。」

俺の声に、全員が振り返った。





シ「・・・俺は、ここに、居続けても・・いい、のか・・・・?」





手が、足が、体が震えていた。
ナツ達は俺の問いにしばらくきょとーん、とした顔を浮かべていたが・・・

ナ「当たりめェだ。」

ナツの言葉に全員が頷いた。





・・・やっと“真実”を明かす事が出来た。俺の心と体は雲のように軽い。俺の事をこんなにも信じてくれる仲間がいたなんて・・・嬉しすぎて言葉が見つからない。
俺、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の皆となら、頑張っていける気がする。母さんはそれを暖かく、見守ってくれるだけでいいからな。 
 

 
後書き
第5話終了ですっ!
遂に正体を明かしましたぁ~!ヤッター!
次回は遅くなりましたが、シンのキャラ説を更新しようと思います。
それではまた次回! 
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