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天使に愛に

作者:蛙男爵
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6




目的地にたどり着いた僕は
残りのお茶を飲みほした



ここに彼女がいる


見上げるほどある建物は 学校

最後に彼女を見た場所だ



僕の時間はここに縛られて
未だに針は動いていない


夏休みでも
複数の生徒が部活のためか チラホラと見える


誰にも見られないように気をつけて
校舎へ忍び込んだ


校舎の中は
あの日を思い出して 心拍数が一気に跳ね上がる



ここを走ってたんだ
ただただ彼女を想って

必死に階段を駆け上がってたんだ



でも今日は

一段一段噛み締めるようにして
登っていく


目の前に現れた扉には
立入禁止の文字


僕は迷わず扉を押した

鍵が壊れているのを知っていたからだ


ゆっくりと開けた扉の先には
赤い夕焼けが広がっていた




そして


フェンスの向こうに彼女がいた








 
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