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とある蛇の世界録

作者:arice
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第四話

 
前書き
アーシア登場の巻 

 
  
 ・・・朧サイド・・・

 「ありがとうございます、日本語わかんなくて」

 「なに、気にすることはないよ」

 「いえ、それでも」

 「君は本当に優しいね」

 今、目の前に居るシスター服の少女。 名をアーシア・アルジェントという

 「そんな、それに朧さんは綺麗でかっこいいですし」

 なにか、話が変な方向に向かってる気がするが・・・それに

 「アーシア、君はきっと一つ誤った認識をしている」
 
 「誤った認識・・・ですか?」

 「そうだ」

 アーシアが目で問いかけて来る、まるで小動物だな

 「私は、男だ」

 アーシアの目が点になる

 「えっ、でも、それ、えっ?」 

 これは庇護欲が生まれてくるな、やはり

 「お、男の方だったんですか?」
 
 やっと状況を飲み込めたか、アーシアが問いかけて来る

 「そうだとも、私は男だ」

 「すいません、間違えてしまって」

 「ふふ、君はやはり優しいな」

 何故こんな状況になったか

 私が駅前のドーナツショップでドーナツを食べた後
 路地を抜け、交差点を歩いてた時のことだった

 「はうぁ、また転んでしまいました、何でこんなに転ぶのでしょう」

 という声が聞こえ、その主の方を向くと件のアーシアがいたわけだ

 「大丈夫かい?」

 と手を差しだす

 「あ、ありがとうございます」

 「気にしなくてもいい、ところで君は? 留学生かい?」

 「いえ、この辺りにある教会に用事がありまして」

 教会、ね

 「そうか、差し支え無ければ私が案内しようか?」

 「いいんですか?」
 
 その問いに微笑みで返す

 「じゃあ、頼んでも良いですか」

 「もちろんだとも」

 こういうことだ

 今は公園の前を通っているところである

 「ところでアーs「うわぁーーーーーーん」ア」

 「どうしたのでしょうか?」

 「子供が怪我をしたみたいだな」

 「そうですか」

 一拍置いて

 「すいません、ちょっと」

 と言い、アーシアはその少年へと足を進めた

 そして、傷口に手を当て・・・!
       
 これは・・・聖母の微笑み、か

 「男の子がこれくらいで泣いては駄目ですよ」

 と囁きこちらに戻ってきた

 「ごめんなさい、つい」

 と、舌を出してはにかむ

 「いや、気にしなくてもいい」

 すると、さっきの男の子がこちらに寄ってきて

 「お姉ちゃん、ありがとう」

 と言って去っていった

 何を言われたのか分かっていないのだろう、呆気にとられるアーシアに

 「ありがとう、だそうだ」
 
 と、言うと

 とても嬉しそうに

 「はい!」

 笑った

 

 そして教会に着いた私達

 「ありがとうございました、朧さん」

 「あぁ、それではまたね」

 そして、立ち去ろうとする私に

 「あの!」

 振り返る

 「また、あえますか?」

 ・・・なんともまぁ、寂しそうな顔をする

 「大丈夫、必ず会えるよ。そうだ」

 私はポケットからそれを取り出した振りをする

 「これを君にあげよう、友人の証だ」

 「友人・・・」

 涙を流すアーシア

 「ど、どうしたんだアーシア
  なにか、至らぬところでもあったか?」

 「いえ、嬉しくて」

 「そうか」

 胸を撫で下ろす私に

 「でも、朧さんも慌てたりするんですね」

 と聞くアーシア

 「当たり前だろう、大切な友人を泣かせたと思ったら
  さすがに慌てもするさ」

 「た、大切」

 「そうだよ、だから」

 「またね」

 私の言葉にアーシアは

 「はい、また」
 
 満面の笑みで返した





 「アザゼルか、お前の部下の事で少し話があるのだが」




 ・・・朧サイドアウト・・・



  
 

 
後書き
朧さんだって慌てるです 
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