| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

とある蛇の世界録

作者:arice
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

旧校舎のディアブロス 第一話

 
前書き
がんばってます。
 

 
 ここは駒王学園。
 悪魔が経営、管理している学園である。

 
 そこの屋上に寝転ぶ、ひとりの少年。

    みかみ おぼろ
 名を、御神  朧   という。

 
 腰まであるかという長い艶のある髪の毛。色は黒。 死んでいるかのように白い肌。
 そして端正な顔立ち。

 まるで童話の中から飛び出して着たような、美しい少年。
 そのひとつひとつの動作に、すべての人が魅了される。

 
 予鈴が鳴り響いた。


 朧はゆっくりと立ち上がり、教室へと足を進めた。




 ・・・一誠サイド・・・

 おっス、おれは兵藤一誠。

 ここ駒王学園の二年生だ。
 
 数年前まで女子校だったこの学校。だから女子の数が多い。
 よーし、俺もこの学校でハーレムを作って最高の高校生活を送ってやる!!
 
 と、思っていたのに。甘かった。

 女子は俺なんか全然眼中に無かった。くそ! だが俺は諦めないぜ!!

 「おーい、一誠。この間のDVDどうだった?」
 
 話しかけてきたのは元浜という、メガネをかけた俺の友達だった。

 「あのDVDは俺達の至高の一品だからな」
 
 そしてもう一人、こいつは松田というやつ。

 俺はこいつらと共にエロバカ三人組などと呼ばれている。

 いつもだったらここでこの二人と馬鹿話をするのだが、今日は何でか元気が出ない。

 最近少し太陽が苦手なのだ、いつもより眩しく感じて。
 それに比べ夜になると目が冴えて全然眠れなくなる。

 いったいどうしたんだ?

 それに

 「おい、二人共。ホントにおぼえてないのか?」
 
 「あ? 嗚呼、お前の彼女とか言うやつ?」
 「そんなの、知らないぞ。なぁ?」
 「おう」
 
 俺の彼女、夕麻ちゃんのことを誰も覚えていないのか?

 「まぁ、そんなことよりもエロ話しようぜ」

 「・・・そうだな」

 本当にどうなっちゃたんだろう、俺。
  
 そこで、廊下から悲鳴があがる。

 「キャー、朧君かっこいいー」
 「私を抱いてくださーい」

 現れたのは、すっげーきれいな男。御神 朧だった。
 くそ、イケメンなんて消え去ればいいのに。

 「ふん、あんなやつのどこがいいんだか」
 「松田の言う通りだ、あんなやつのどこが。なぁ、一誠?」
 「おう」

 ・・・あれ、今一瞬、御神と目があったような気が・・・気のせいかな?

 ・・・一誠サイドアウト・・・
 


 ・・・朧サイド・・・
 
 さすがに驚いた。
 
 ふと悪魔の気配を辿ってみると、行き着いたのはあの変態の所だった。

 誰の眷属だ? 恐らくグレモリーだと思うが・・・
 まぁ、後で確かめるとしよう。

 私はそう思いながら、自分の椅子へと向かう。

 だがまぁ、昨日の堕天使あたりにでも殺されたのだろう。 
 かすかに光の残りカスの匂いがするからな。

 今夜、アザゼルにでも聞いてみるとしよう。



 それから・・・


 もう夕方だ。

 日が過ぎるのは、とても早いものだ。

 夕食の準備もしなくてはいけないし。
 もう今日は帰るとするか、そう思った瞬間だった。
 
 ・・・これは、堕天使と兵藤か?

 まったく、あいつの主は何をしているんだ。

 少し、手を出すか、

 私は何の動作も無くその場から消えた。

 ・・・朧サイドアウト・・・



 ・・・一誠サイド・・・

 「なんだよ、あいつ。変質者か!?」
  
 俺は今、黒スーツに羽の生えた男から逃げているところだ。
 
 そして、夕麻ちゃんに殺されたはずのあの噴水の前に辿り着いた。
 
 「これだから下級悪魔は、逃げられる筈が無いだろう」

 はぁ!? 悪魔って何だよ!

 「さては、はぐれか? ならば殺しても問題は無いな」

 すると、あの変態が手に光を集めてこっちに打ってきた。
 そして、すこし掠る。
 なんだこれ、すっげー痛い。

 「ふん、よけたか。運のいい奴だ」

 もう一発? そんなの無理だろそう・・・

 目を瞑った瞬間、あいつの声が聞こえてきた。

 「よけた? いや、ただ単にお前の命中率が悪いだけだろうに、
  運がいいのは認めるが」

 目を開くと、そこには御神が立っていた。
 
 ・・・一誠サイドアウト・・・



 ・・・朧サイド・・・ 
 
 ふぅ、間に合ったか。運がよかったなこいつ。

 そして、堕天使に顔を向ける。

 「やめた方がいい、こいつの主は恐らくグレモリーだ。
  いま、引くのであれば見逃してやるぞ」
 
 忠告は一応しておこう。

 「堂々と嘘を吐くとは、さすがは人間だな」

 人間、ね。 こいつやはり雑魚か。

 すると、突然紋章が現れた。 まぁ、空間の歪みで気づいてはいたが。
 やっぱりグレモリーか・・・

 中から、赤い髪をした女が出てきた。

 「その子・・・達に手を出さないでくれるかしら」
 
 「赤い髪、グレモリー家か・・・」

 だから言っただろうに。

 「リアス・グレモリーよ。堕天使さん」

 「それはすまなかったな、てっきりはぐれかと思ったものでな。
  下僕の手綱はちゃんと持っておいたほうがいいと思うよ」

 「ご忠告、感謝するわ」
 
 「私は、ドナーシーク。再びまみえない事を心から祈るよ」

 どこかへいったか。全く、アザゼルは本当に駄目だな。今度揉んでやるか。

 ・・・朧サイドアウト・・・

 ・・・リアスサイド・・・

 堕天使が飛んで行ってから、振り返る。

 そこには昨日の男とミカミがいる。

 「今日は疲れたでしょう。明日使いを出すわ、それでいい?」

 男の子は、首を小さく縦に振った。
 そして・・
 
 「あなたも・・・いい?」

 ミカミに尋ねる。帰ってきたのは同意だった。

 「それじゃあ、わたしは」

 私は、転移魔法に飲み込まれて行った。

 ・・・リアスサイドアウト・・・



 ・・・一誠サイド・・・

 なんなんだ、いったい。

 くそ! 意味分かんねぇ!!

 そこで、ふと顔を上げると直ぐ目の前に御神の顔があった。

 「うおぉ、びっくりした!」

 すると御神が口を開いた。

 「何がどうなっているか、分からないと思うが」

 少し区切って

 「明日、グレモリーに聞け、いいな」

 俺はそれに頷いた。 やべぇ、絶対顔真っ赤だ。
 こいつ、その辺の美少女より美少女だろ。

 すると御神が、怪我をした足に手を当てると、急に光りだした。
 と思ったら、怪我が無くなっていた。

 なんだ!? 魔法かよ!?

 それでも礼言おうかと思ったら、そこに御神の姿はなかった。

 なんなんだよ・・・

 ・・・一誠サイドアウト・・・


 ・・・朧サイド・・・

 グレモリーと接触してしまったか。

 「面倒なことになったな・・・」

 だが私は気づいていた

 自分の口が三日月の形に裂けていた事を。

 ・・・朧サイドアウト・・・
 
 
 
 
 

 
後書き
リアスさんとの出会いまでですね。
次回は、どこまで逝くんでしょうか・・・ 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧