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真・恋姫†無双 リウイ戦記

作者:ツカ
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八話

汜水関に連合軍の先鋒が迫ってきていた。その、帝都防衛の最前線には曹操軍の股肱の臣。夏候淵が配置され、それを補佐する為、典韋を初め、楽進、李典、于禁と言った曹操軍の主力七万が配置されていた。

対する連合の先陣は袁術とその助勢の為、袁術に預けられた諸侯がおり、総数は十万を超えていた。

それを視界に捕らえ、夏候淵は配下を鼓舞した。
「ここが、曹操軍の第一の試練だ。各員、曹操様への忠義を見せよ」
「「「「「おおっー」」」」

対する袁術も自身の兵、諸侯を鼓舞した。
「皆、漢王朝を意のままに操る逆賊を討ち取るのじゃ」
「「「「「「「おおっー」」」」」」」

そして、曹操軍と連合軍の戦いの火蓋が切って落された。

曹操軍は当初、攻勢に出ていたが、連合の数の前に守勢に回り、汜水関に籠もり防戦に移った。
連合側は汜水関の守りを破れず、攻撃側の諸将も損害が続出し、戦線は膠着した

その様子を鴉を通して見ていた、パイモンはリウイに報告した。
「相手は篭城に徹していますね。恐らく、虎牢関からの援軍を待っているのでしょう」
「虎牢関の将は誰だ」
「夏候惇という女性で、曹操軍一の将との事です」
「そいつが連れて来る兵の数は」
「恐らく、十万以上でしょうね」
その数を聞いてねねは驚愕した。
「十万!?。いくらなんでも多すぎなのです」
ねねの言葉をきき詠は反対の意見を述べた。
「音々音、パイモンの見解は正しいと思うわ。曹操は禁軍を掌握しているのその程度の増援は不可能では無いわ、それに汜水関は洛陽防衛の要所よ、それぐらいの軍が配置されても不思議じゃないわ」
詠の意見に月も納得した。
「援軍が合流されると厄介ですね。速く、汜水関を落したほうがいいでしょう」
月の言葉に詠、ねね、パイモンが同意した。
その間、リウイは目をつぶっって沈黙し何かを考えていた。
「お兄様、先ほどから黙っていますけどどうしたんですか?」
月がリウイに意見を求めると、目を開き発言した。
「…パイモン、汜水関の兵糧はいくらほどだ」
「そうですね。今の兵力では一年程かと、しかし増援の兵を含めると、一月程になるでしょう」
「増援の兵はどれ位兵糧を持って来そうだ」
「それは少ないと見ていいでしょうね。何せ洛陽の食料庫は空ですので、その上、曹操軍は自身の蓄えてた食糧を市民や流民に施していますので兵糧にまわすだけの余力が無いのでしょう」
「ファーミシルス、こちらの兵糧はどれほどだ」
「四年程の遠征に耐えられるかと」
リウイは全ての意見を参考に考え、月に意見を述べた。
「汜水関の兵糧庫に火をかけ、敵を日干しにすれば、増援の軍も迂闊に動けず、汜水関の救援に迎えんだろう。そうなれば曹操は配下を見殺しにしたと評判がたち、新参の配下は曹操を見限るだろう」
「ああ、それはいい案ね」
リウイの意見に詠は賛同した。
「では、その様にします。パイモンさん、兵糧庫の居場所はわかりますか?」
「はい、では早速手筈を整えましょう」
それを聞き、カーリアンとエヴリーヌが発言した。
「その仕事、私がやるわ、いい加減暴れたいのよね」
「エヴリーヌも、それに、それやったらお兄ちゃんが喜ぶんでしょう」
「貴女達、これがどれ位大切かわかっているの」
ファーミシルスはため息をつき二人に問いかけた。
「わかってるわよ。これが成功したら相手の食料が無くなるんでしょう」
「うん、お兄ちゃんや月の敵がごはん食べられなくなるんたよね」
ファーミシルスはその言葉を聞き、二人の単純さに再びため息をついた。
「リウイ様、月。どうします?」
「カーリアンさんにエヴリーヌならこの作戦に適任と思います」
「そうだな、この二人なら無傷で帰って来れるだろう」
「念の為、ペテレーネを同行させたほうがいいでしょう」
「そうですね、いくら二人が強いといっても、二人だけだと危険ですね。では三人に任せましょう」
「と言うより、この二人だけだと派手に暴れすぎる。ペテレーネ、二人しっかり抑えろ。二人共、ペテレーネの指示に従え」

月とリウイの言葉を受け、カーリアン、ペテレーネ、エヴリーヌは三人は、間道から汜水関に潜り込んだ。

   汜水関内 兵糧庫
警備している兵を片付けたあと、カーリアンは感想をもらした
「案外、簡単についたわね。じゃあ、ペテレーネ、エヴリーヌやるわよ」
「はい」
「うん」
ペテレーネが魔術を詠唱し、兵糧庫に火を放ち、カーリアンとエヴリーヌは不審に気が付いて向かってくる敵を倒していった。

その火をみて城内がざわついた

「おい、あの場所は兵糧庫じゃないのか」
「いつの間にあんな所に敵がきたんだ」
兵の動揺をみて、夏候淵はすぐさま兵糧庫に向かった。
「一体、いつの間にあんな所に。流琉行くぞ」
「はい、秋蘭様」
「凪、真桜、沙和この場は任せた」
「「「はい」」」

夏候淵がその場に着くと、味方の屍の群れとその残劇を行ったであろう三人の姿を見た。
その光景を見た、夏候淵と典韋は怒りを顕にした。
「これをやったのは貴様らか」
「よくも、やってくれましたね」

二人とは対照的に三人は落ち着いていた
「あんたが夏候淵ね、ようやく手ごたえのある奴と戦えるわ」
「少しは楽しませてね」
その言葉を聞き、夏候淵と典韋は挑みかかってきた。
「エヴリーヌ、貴女は夏候淵の相手をしなさい、小さいほうは私が倒すわ」
「いいよ、ペテレーネは下がっててね。邪魔をしたら怒るよ」
「はい、頑張って下さい」

そうして、カーリアンは典韋と打ち合い。エヴリーヌは夏候淵と戦い出した。

「えい!」
「ふふっ、そりゃ」
典韋の攻撃をかわし、カーリアンは剣で鳩尾に殴りかかった
「ぐっふ」
「変な武器使っているから楽しめるかと思ったけど、たいした腕じゃないわね、弱いのをいたぶる趣味は無いからさっさと終わらせるわ」
「くっ…秋蘭様のため負けられません」
「そういう風にいきがってもいいけど、夏候淵ならもうエヴリーヌに殺されているわよ」
「そんな事っ」
典韋が夏候淵の所を見ると、エヴリーヌによって八つ裂きにされ夏候淵の亡骸は無残に晒されていた。
「秋蘭さまっ。貴様、よくも、秋蘭様を」
典韋がエヴリーヌに挑みかかろうとした。それをみてカーリアンは典韋の心臓に剣を刺し込んだ。
「だめじゃない、隙を見せちゃ」
「くっくそ」
「まだ、息があるのね、大したもんね」
「…申し訳ありません。しゅ秋蘭さま、…か」
そう言って典韋は息絶えた。

その様子を見たペテレーネは二人に声をかけた。
「カーリアン様、エヴリーヌさん。早く引き上げましょう」
「そうね、長居したら不味いわね、さっさと帰りましょう」
「うん!。お兄ちゃんに褒めて貰おうっと」

三人が去り、曹操軍は夏候淵が討ち取られた事を知った。曹操軍は動揺し、楽進らはそれを纏められず、城門をこじ開けられ、楽進、李典、于禁はそれぞれ討ち取られた。

そして、夏候淵の死は闇に消され、しばらくの休息の後、連合軍は虎牢関に進軍した。



 
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