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紅眼の銀狼が幻想入り(アカメノギンロウガゲンソウイリ)

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第七章 人形使いと物部の道士

翌日。

「よう。」

「あ、魔理沙。おはよう。」

「ああ、おはよう。ところで何やってるんだ?」

銀牙の手にはホウキが握られている。

「ああ、掃除。霊夢がやっとけって。」

「またあいつは自分の仕事を押し付けて…。で、霊夢は?」

「あそこ。」

銀牙が指差した方向で霊夢は縁側でお茶を飲んでいた。

ハア、と魔理沙はため息をつく。

魔理沙は霊夢に近づき、言った。

「あのな、霊夢。銀牙をお前の所に置いたのは銀牙にお前の仕事をやらせる為じゃないだろ?」

「なによ。自分の家の居候をどう扱おうが私の勝手でしょ。」

「前から言いたかったんだがな。大体お前は…。」

「はいはい、説教ならまたにしてくれる?全く…どこぞの仙人みたいに…。」

「ああ…あいつなら『ばかものー!!』って言ってるとこだな。」

「あのー。」

二人の間に銀牙が割って入る。

「掃除終わったんで魔理沙弾幕ごっこしてくれない?」

「ああ、悪いな。今日は先約があって…。」

「そ…そうか…。残念。」

「一緒に行くか?」

「え?」

突然のお誘いに銀牙は驚きを隠せない。

「やめときなさいよ。魔理沙についてくとロクな事にならないわよ。」

「うーん。どうしようかな…。」

「楽しいぜー。可愛い女の子もいるぜー?」

「行きます。」

「ちょ、銀牙!!」

「よし!決まりだな。」

「もう!!帰ってきたら覚えときなさいよ!!」

怒る霊夢をよそに二人は出発した。

「で、どこに行くの?」

「魔法の森だ。知り合いの魔法使いがいてな。」

魔法の森

暗く生い茂った木々がひしめき合う森である。

中には妖怪や魑魅魍魎が生息し、危険で普通の人間は近寄らないが

魔法の力を秘めたキノコが生えるため

魔法使いがよく訪れる。

魔理沙の知り合いの魔法使いの家はそこにあった。

「アリスー。邪魔するぜー。」

「あら魔理沙。いらっしゃい。えーと、隣の方は?」

アリスと呼ばれた少女は銀牙に目をやる。

「あ、紅狼銀牙です。よろしく。」

「まさか…彼氏?」

「違うぜ。」

「正直に言いなさいよ。あんた彼氏が欲しいって言ってたじゃない。」

「あーいつの話かなー?覚えがないぜ。」

「あのー…。」

蚊帳の外だった銀牙が声をかける。

「ああ、ごめんなさい。自己紹介がまだだったわね。私はアリス・マーガトロイド。人形を操る魔法使いよ。」

アリスは人形を一体操り前に出す。

「この子は上海。私の一番のお気に入りよ。」

アリスは上海にお辞儀をさせる。

「って事はアリスの能力は『人形を操る程度の能力』?」

「そうだぜ。」

魔理沙が答える。

「違うわよ!『魔法を使う程度の能力』!!」

アリスが訂正する。

「あれー?そうだっけ?」

魔理沙はすっとぼけている。

「まあいいわ。で、魔法のキノコを探しに行くんだったわね。」

「ああ、行こうぜ。」

「大丈夫かな?迷ったりしそう…。」

銀牙の心配をよそに一行は家を出る。

数時間後…。

「で、案の定迷うし!!」

「おかしいわね。この辺来たはずなんだけど…。」

「しかも魔理沙とはぐれちゃったよ!?」

銀牙の言うとおり二人のそばに魔理沙はいない。

「しょうがないわね。とりあえず歩きましょう。」

二人はあてもなく歩き始めた。

すると脇道から道士服を着た少女が現れた。

「な…なんじゃお主たちは!?」

「それはこっちのセリフよ。あんた誰?」

「我は物部布都と申す。主らは何者じゃ?」

「ご丁寧にどうも。私はアリス・マーガトロイド。魔法使いよ。」

「あ、紅狼銀牙です。」

二人は布都と名乗った少女に自己紹介する。

「うーん…。」

「な…なんじゃ?」

「なんかアンタ…気に食わないわね…。」

アリスはぶっちゃけた。

「ほうー。奇遇じゃの。我もじゃ。」

二人の間に険悪なムードが流れる。

ゴゴゴゴゴという擬音が聞こえてきそうだった。

「え…えーと…。」

銀牙はただ立ち尽くすのみだった。 
 

 
後書き
さすがに長すぎた…。 
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