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パンデミック

作者:マチェテ
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番外編「覚醒兵に関するレポート」

◆【閲覧制限指定書類】◆




















「覚醒兵」の研究レポート


(1) "覚醒兵"研究のきっかけ

覚醒兵の研究・開発のきっかけになったのは、エクスカリバー結成当初のメンバーの一人・ブランクの
存在が大きい。彼はごく稀な存在で、同時に新たな可能性でもあった。

彼はどういう訳か、コープスウイルスに適合している。原因は不明。
以前、本人に「いつその力を手に入れたのか?」と聞いたが、彼の答えは「こっちが聞きたい」の
一点張りだった。彼の力の正体が分かれば、私の研究もはかどるはず。

話を元に戻そう。
ブランクの力は、おそらく"筋力の異常発達"である。
体内のウイルスが、赤血球に付着し全身の筋肉に行き渡る。
全身に回ったウイルスは筋繊維と同化し、筋力をサポートする。
その際に消費されるエネルギーは、ウイルスが活性化させ、消費エネルギーを強制的に最小限に留める。
つまり、"肉体的疲労が無いに等しい"と言える。

この力を一般の兵士が使えるようになれば、戦況は大きく変わる。

それが、この研究の発端である。



(2) "覚醒兵"開発

彼から血液サンプルを提供してもらった。本人は不満げだったが。
血液サンプルからウイルスを採取し、培養した。
出来上がった培養液を、"ケース01"と名付けた。

私の研究を上層部に説明したところ、賛否両論あったものの、納得してもらえたようだ。
上層部の呼び掛けがあってか、私のもとに何人か"志願兵"が現れた。

「合意の上での実験」「有事の際の責任は取れない」という契約書に署名してもらった。


結果は全員死亡で終わった。
全員共通して、全身の筋繊維がズタズタに破壊され、原形を留めない無惨な死に方だった。


彼らの死を無駄には出来ない。私はただ無駄にするだけの凡人とは違う。

原因はウイルスの濃度にあった。
いかに屈強な肉体を持っていても、所詮は人間。
感染者のように発症はしないものの、肉体が耐え切れない。
ブランクは適合することで、無敵とも言える身体を手に入れた。
その無敵の身体は、濃度100%近くのウイルスを許容する"器"でもあると推測できる。

そこで、ウイルスの濃度を100%から70%近くまで引き下げた培養液を作ってみた。
この濃度が、ブランクの能力が使えるギリギリの数値。
しかし、計算上ではこれでも人間は耐え切れず崩壊してしまう。


これが最後の手段だった。
これしかブランクの能力が発揮出来ない。

兵士の四肢を切り落とし、代わりに機械の義手・義足を装着させる。
この方法でなければ、ウイルス定着に耐えられない。


再び、私のもとに何人か志願兵がやってきた。


ウイルス定着に成功。
しかし彼らは、本当の手足を失った。
科学者の一人としては、研究の成功は素直に喜びたい。

喜べない。



(3) "覚醒兵"の実戦導入

覚醒兵を実戦に導入する、という話は未だに曖昧にされたままだ。
殲滅特化部隊"クラウソラス"の活躍が大きい。

彼らも可能性だが、覚醒兵も可能性だと分かってもらいたい。
私の研究と、私の都合で死んでしまった兵士は、無駄だったのだろうか?

無駄になど、絶対にさせない。












(レポートの裏に小さな走り書きが書かれていた………)









世界を変えるには何かを棄てなければならない。
例えそれが……間違いだったとしても……… 
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