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エネミーワールド

作者:そうん
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2章 これが「異能者、無能者の会」
  第十三話「極悪な教師」

第十三話「極悪な教師」


あの後、僕とユウタは顧問の指示の元、校舎内へと入った。

国語の教師
「こっちにきなさい。もう皆来てるからさ。」

シャイン
「ぇ、そんなはずないじゃないですか。校舎は閉まっているんですよ?」

顧問は悪に満ちた笑みを浮かべ、僕の耳元で囁いた。

「何を言っているんだい?今日は土曜日、誰もいない。入る手段なんて数え切れるわけないじゃないか。」

…。そう。 この人ゲスいな。どんな手段であろうと入れればいいって事ね…。マジ、キチガイ染みてるよな…。

国語の教師
「着いたぞ。」

ユウタ
「先生、いつもの部屋じゃないんですかね?ならもっとあっちのはず…。」

国語の教師
「誰があの部屋を使うって言ったかな?」

シャイン
「いや、でも…ここ、女子更衣室…。」

ぁあ…確かにここは、女子更衣室だ。…色々とまずい気がするんだけど…先生なに考えてんだ…。

国語の教師
「ん?何か文句があるのか?ん?」

シャイン
「ぁ、いぇ。なんでも…。」

僕は自然と視線を逸らす。だが顧問は僕の胸ぐらを掴み…僕を女子更衣室に放り込んだ。
ハハハ…。マジかよ。

シャイン
「うおおあああ。」

ドガシャアッ‼

派手に扉を破壊し、地面にうつ伏せになる。

シャイン
「っててててて‼」

起き上がろうとする僕はふと気づく…
視線を上げるな。と言わんばかりに危険シグナルが脳裏を占拠する。僕の予感では…おそらく…今、目の前に、メルとシィラがいるのだろう。ここで頭を上げた瞬間、僕の首が飛ぶ。この状況どうしろと?僕に死ねというのか!?

シャイン
「ユウタ…。僕の目の前に誰かいるか?」

ユウタ
「はい。」

シャイン
「ユウタ…。僕の目の前には…誰がいるんだ?」

ユウタ
「…。」

あれ?これ詰んだんじゃね? あれ?これ僕…終わったよね…。

国語の教師
「ん。なんだ、?君も行きたいのかい?」

ユウタ
「ぇ、いえ。俺はいいっす。」

国語の教師
「そうかそうか。」

次の瞬間…。僕の右隣りを見ると、ユウタが僕と同じように下を向いたまま四つん這いになっていた。

ユウタ
「マジかよ…。」

シャイン
「マジかよ…。」

二人は顔を見合わせ、お互いの境遇を、理解した。一つ言えること…詰んだ。
そしてこれから起こること…処刑。

メル
「覚悟…できてるわよね?」

シィラ
「あなた…覚悟してきてる人ですよね?あなたがここに入ってきたということは…あなたたち自信が始末されるかもしれないという覚悟ができている…人…ですよね?」

どこかで聞いたことのあるセリフ…これは、僕の持っている漫画のセリフをパクっているだけだと思うけど…。ともかく僕らはヤバイ。本当に始末される。

ユウタ
「俺はできてる。」

オイー‼そこノるとこじゃないからァ‼僕ら始末されるんだよ?分かってんのかよ‼

シャイン
「僕もできてる。」

ぁ、うっかり言っちまった。意思とは反して言っちまったよ‼うん。わからなくもない。言いたいよね。うん。その気持ちわかるよ。でも…


「ウギャアアアアアアアアッーーーーーー‼」

女子の逆鱗に触れた僕らはその後午後にいたるまで、いたぶられた。どうやら、着替え中だったらしく…相当キレていた。当然覗きなどしていない。人としてもそれはダメだと思うから。






午後、僕とユウタ、先生はいつもの部の部屋へと場所を移した。

やっぱりおかしいと思ったんだよ。あれは先生の罠だったわけね。にしても、相変わらず黒いぞ。先生、黒すぎる。

国語の教師
「ハッハッハwww派手にやられたな。」

ユウタ
「いい加減にしてくださいよ。俺たちが何したって言うんですか!?」

国語の教師
「いや、したじゃないか。君らは私に歯向かった。よって反逆罪だ。」

反逆罪ねぇー。マジふざけんな。いい気になりやがって…。ちくしょう。いつか見返してやる…。

国語の教師
「ぉ?どうした?シャイン君…何か言いたそうだねぇ?」

シャイン
「いぇ、ありません。ただゲスいなぁー。って思っただけです。」

国語の教師
「ほぅー。そうかそうか。それじゃ君の評価を一段階下げておくよ。」

シャイン
「ぇ?ちょっ‼」

顧問は胸元にしまっていたボールペンと成績表を取り出し、笑顔で僕の評価を落とす。

シャイン
「ぅ…うぅ…。」

国語の教師
「私に逆らえばこうなるよ? シャイン君?分かったかい?」

分かりましたよ。あなたがとんでもない人だってことがね‼教師失格じゃない!?そうだよね!?そうだよね!?

ユウタ
「ともかく…どうしたんですか?こんな日に皆を呼び出すなんて…。」

国語の教師
「ぁぁ…その事なんだけど…ちょっと話があるんだ。あの二人が戻ってからにするよ。」

そうか、そういえば重大な事だって聞いたな。
しかし、この人に限って重大な事なんてあるのか?でもまぁ…全員に召集をかけているわけだし、信じてもいいのか?

シャイン
「先生、その話って重大なんですよね?」

国語の教師
「私に聞くな。」

は? 今なんて言った? 聞くな って言ったよね!?問題だよね!?どうゆうことだよ‼

シャイン
「それってどうゆう…」

国語の教師
「そのままの意味だよ。私は知らない。」

。一瞬でこの部屋は凍りついた。僕は、僕らはなんのために来たのだと後悔している。そしてこのふざけた教師をぶちのめしたいとも、思う。でもそうなれば僕が逆にやられるんだけれども…。

ユウタ
「先輩…帰りません?」

シャイン
「うん、帰ろうか。」

僕らは一斉にドアノブに手を掛ける。その時、先生の口から吐き出されたある言葉が僕らを阻んだ。

教師
「ぁ、帰るの?じゃあ君ら 通知表 1確定な。」

シャイン&ユウタ
「すんませんでした‼」

本能的に僕らは頭を下げた。
絶対に1は嫌だ。そんなことになれば、進級にも関わる。そんなのは絶対に嫌だ。生き抜くためには…やむを得ない。

国語の教師
「わかればいいんだ。ぁ、でもシャイン君。君、本当に大丈夫なの?」

シャイン
「ぇ?何がですか?」

国語の教師
「次失点したら…君、テストで成果を上げないと…1は確定的だよ?」

う、嘘だろ。そんな…。
僕の血の気は引いていく。まさにピンチだって事がわかった。失点くらい対したことないと思われがちだけどさ、僕、平常点がないと生きていけないくらい国語は酷いんだ。

シャイン
「それ、マジすか?」

国語の教師
「マジっすw」

うぜぇ。しかもどことない満面の笑みで…。
この人、嫌な人だわ。マジ嫌い。あのまま帰ってこなくて良かったのに。

ユウタ
「はぁ…。先輩大丈夫なんですかぁ?」

シャイン
「そういうお前はどうなんだよ?」

ユウタ
「ぁ、そうですね。今のところは全教科8割取れてるんで、大丈夫ですね。」

聞いた僕がバカだった。なんでこんな奴がよりによって勉強出来るわけ?何?どうして?どうしてだ?僕には到底理解できない。特に国語というモノに関しては…。

国語の教師
「まぁまぁ…その辺にしてくれよ。シャイン君がまるでバカみたいに見える。」

失礼だな‼まぁ、確かに…僕は理系科目以外、勉強なんてしないし…そもそもやる気にもならない。ぁー。ホント僕はバカだな。だけどこの人だけには言われたくない。

シャイン
「あの…先生。」

国語の教師
「なんだい?シャイン君。ぁ、あとあれね、場合によっては容赦なく減点対象だからね。」

ぁ、この人ダメだ。

シャイン
「じゃあいいです。」

国語の教師
「じゃあ減点ね。」

シャイン
「なんで!?」

思わず唸りを上げた。気がつくと、無意識に僕は先生の胸ぐらを掴み上げていた。あ、これってさ…。

国語の教師
「反逆罪だねぇ。」

シャイン
「ぇ…ぁ…。」

\(^○^)/オワタ…。

ドガシャアッ‼ズドッ‼ボゴッ‼ズシャアッ‼

シャイン
「うぐぁあ…。」

国語の教師
「ふぅ…。わかったか?反逆罪はいかんのだよ。」

鬼…。あんたそれでも教師かよ。虐待ってレベルじゃねぇぞ‼

メル
「ねぇ…何してるの?」

シィラ
「何?これは。」

気がつくと僕ら三人の前に、メルとシィラがそこにいた。いつからいたのか。それとも最初からいたのか。

シャイン
「いやぁ…それがね…。」

ユウタ
「…。まぁ見なかったことにしてくれ。」

いや、それは無理があるだろ。あんなの見られちゃ忘れようもないだろう。しかも周りがかなり散らかってる…というより蹴散らしたと言った方が正しいか。

メル
「はぁ…また派手にやったわね。どうするのよ?いくつか破損してるけど…。」

シィラ
「そうね…治りそうなもの・・・なさそうね。 ところで誰が責任取るのかしらね?」

ギクッ…。

急に背筋が凍りついた。これは・・・アカン・・・。
ユウタもそれを思ったのか一人だけ免れようとした。

ユウタ
「俺はなにもしてませーん‼よって俺は無関係‼」

シャイン
「おぃ‼お前‼」

すぐに逃げ出そうとするユウタを僕は逃さないと言わんばかりに襟を掴み上げた。

ユウタ
「ちょ、離してくださいよ‼それに、先輩が責任を取ることはないですよ?なんせ異能者ですし。」

シャイン
「ん、あぁ。そうか。悪いな。」

僕はその言葉に安心し、ユウタを、離すことにした。そうか…よかった。僕が責任を負うことはないんだ。はぁ…。と…なると?

全員が顧問に視線の先を向ける。

国語の教師
「…。ま、まぁ…みんな。今日呼んだのは他でもない。重大な知らせがあるからなんだ。」

うん。この人だね。話を逸らそうとしてるけど…どのみちこの人アウトだわ。世間的にも人間的にも…。

メル
「はぁ…仕方ないわ。とりあえず話だけでも聞きましょう。」

シィラ
「そうね…どのみち責任を負うのは先生ですし…。」

まぁ…当然の報いだよな。以前もこの人の問題に振り回されたことはあるが、今回ばかりは勘弁といったところだ。

国語の教師
「ま、まぁそう言わずにさ…な?話を聞いてからでも遅くはないだろ?な?」

ユウタ
「いや、もうアウトじゃないですかね。」

シャイン
「異議なし。」

結局、先生のくだらない話を何時間か聞かされるハメになり…部活は終わる。重大な話?そんなものは微塵もなかったね。ホントあの人顧問かよ…。はぁ…。先が思いやられる。 
 

 
後書き

 
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