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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第6章:女の決意・男の勘違い
  第1話:女の子を苛める男って最低!

 
前書き
皆様お待ちかねの6章開始です。
 

 
(某所・森の中)
ビアンカSIDE

(ガサガサ)
生い茂る草木をかき分け、一方向に進み続ける。
突如森の中に置き去りにされた私には、此方の方向で正しいのかも判らない。

でも一カ所に留まっていてもどうにもならない……
兎も角動いて事態を進めないと。
でも……リュカが居ないと心細いわ。

(リュカ)は側に居るだけで心を落ち着かせる。
声を聞けば幸せになれ、触れ合えば天国に居る様な心地にしてくれる。
しかし今は居ない……また神様連合の策略により、(リュカ)を強制連行させられた上、無関係な私達まで巻き込み、しかも離れ離れにされてしまった!

きっとお願いしても断るリュカを導く為、私は生け贄的な存在にされたのだろう……
まぁ“生け贄”と言っても命の危険は無いはずだ。
だって万が一私が死んでしまったら、リュカは神様連合を許さないだろう。
彼が憎しみで悪に落ちたら、どんな勇者が降臨しても世界は滅んでしまうだろう。

それが解らない程、神様連合が馬鹿だとは考えられない。
リュカの取り扱い方法については、100%理解している事と思う。
だから私は取り敢えず事態を進め、リュカが迎えに来てくれるのを待つつもりだ。

ただ一つだけ心配事がある。
それは何かというと……
リュカが何処かで子供を作ってないか心配だわ!






我が家特有の心配事に思いを馳せながら(ジャングル)をひたすら進で行くと、割と近場から女性の悲鳴が聞こえてきた。
トラブルである事は違いないだろう……何時までも単独行動してても意味がないので、悲鳴の聞こえた方へ急行する。

何とか(ジャングル)を抜けトラブルの現場に辿り着くと、其処では案の定な展開中だった。
3人の男が1人の少女(美少女ね)を押し倒し、レイプしようとしている。
どう見ても非力な少女の両腕を、男2人が押さえつけ彼女の足下からは股間を丸出しにした男が迫っている。

見ただけで気分の悪くなる光景……
未だに私の存在に気付いてないので、丸出し男の股間(主に突起物)目掛けメラ発射!
「ぎゃー!!」と悲鳴を上げてのたうち回る丸出し男……

それを見て驚き固まるのは、少女の両腕を押さえつけてたアホ面男2人。
その場で拾った大きめな石を使い、奴等の顔面を勢い任せに殴る!
一瞬の事で怯んだ男共から、少女を救出して距離を取る。

彼女の服はボロボロだったので、私のマントを纏わせる。
しかし、こんな状況に遭っても泣いてない少女に驚いた。
気丈なんだなぁ。

「テ、テメェ~……何しやがる!?」
何とか周囲を認識出来るまで回復した丸出し男が、情けなくへたり込み股間を両手で押さえながら、威嚇する様に話しかけてくる。
チラッと見えたが、粗末なエノキが真っ赤に焼け爛れていた。

「うるさい馬鹿共! あまりにも汚らしいモノが見えたから、熱消毒をしただけだろう! ガタガタ言うとお前等ごと熱殺菌するぞ! ベギラマ」
馬鹿共の直ぐ側で、ベギラマを使った炎の壁を作り脅す。
あ、勿論殺したりはしないわよ。脅して逃げさせるだけだからね!

「くそ~……ルビーを独り占めにする気だな!?」
ルビー? 何のこっちゃ?
彼女の名前が『ルビーちゃん』か?
私は女だ……彼女を独り占めにしてどうする!? これだから馬鹿の考える事はよく解らない。

「何訳の解らない事を……女の子を襲う様なクズ共と語る口は持ってない。さっさとこの場から消えないと、この世から消し去るぞ!」
そう言い右手を頭上に掲げ、立てた人差し指の頂点から特大のメラゾーマを見せ付ける。
何度も言うが、このメラゾーマで奴等を消し去るつもりはない……

これを見ても撤退しないのであれば、目の前に落とし目くらましとして周囲を炎上させ、彼女(ルビーちゃん?)を連れて逃げ出すつもりだ。
(ジャングル)の中を考えも無しに走りたくないので、出来れば撤退してほしい。

「く、くそ~……憶えてろよー!」
「イヤよ……アンタ等みたいな不細工の事など、記憶に残したくないわ!」
何処の世界・何時の時代でも、負け犬の遠吠えというのは同じらしい……


アホ共を追いやり周囲の安全を確保したところで、少女(ルビーちゃん?)に向き直り自己紹介する。
「はじめまして、私はビアンカ。ちょっとしたトラブルで、この時代とは違う時代から来ました……旦那を含み、家族と一緒にタイムトラベルしてきたんだけど、はぐれてしまったみたいで困ってます」

「あ……ど、どうも……危ないところを助けて頂ありがとうございます」
少女(ルビーちゃん?)は私が渡したマントでしっかり身体を守りながら、多少の動揺を抑えて礼を言ってくる。
泣いてはいなかったけど大丈夫ではなかったんだね、やっぱり……

「ううん気にしないで良いのよ。女の子を押し倒すなんて許せないもの……だから当然の事をしただけよ。それより貴女……その耳……エルフ?」
当初は絶対年下(見た目10代)だと思い会話していたが、耳が長くエルフであることが濃厚に……
もしかしたら年上かもね。敬語使った方が良いかしら?

「こ、これは……その……ご、ごめんなさい! エルフなんです私……その……苛めないで下さい……」
「いや別に……エルフだからって苛めないわよ。私の知り合いにもエルフは居るし、その他にホビットやドワーフ、魔族(モンスター)に天空人まで知り合いのなのよ……エルフだからって気にしないわ」

私の指摘の驚いた少女(ルビーちゃん?)は羽織っているマントを落とし、必死になって耳を隠しだした。
今更手遅れだし、私は気にしないし、そんなに必死になる必要ないんだけど……
この時代のエルフは差別されてるのかしら?

そう言えばアルルちゃんやウルフ君の元居た世界では、エルフは忌避される存在だったらしい……
スノウに初めて会った時、二人とも驚いてたし……
よく考えたら、人間・エルフ・ホビット・ドワーフ・魔族(モンスター)・天空人……あと不死鳥とかと、共存しているグランバニアが特別なのかもしれないわね。

国王(リュカ)が気にしないどころか、構わず口説くから考えなかったけど……
う~ん……そう考えるとリュカってやっぱり凄い。
もっと節操があったら更に凄いんだけど……世の中巧く行かないわね。

「そ、そうなんですか……ステキですね」
落としたマント(元々私の)を拾い手渡し、瞳を輝かせて驚く少女(ルビーちゃん?)に笑いかける。
そして更に警戒心を解いて貰おうと思い、私の事を話し続けようと思った時……

「ロザリー、無事か!?」
「あ、ピサロ様!!」
突如私の後ろに誰かが現れ、かなりの殺気を放ちながら叫き散らす。

ロザリーとは何のことだ? 彼女はルビーちゃんでは?
ピサロ様ってこの叫いてる奴の事か?
慌ててたらしく、長い銀髪が顔の正面にかかり、まだ容姿を確認出来ないが、そこそこのイケメンと推測する。

リュカが居たら間違いなく『僕の方がイケメンだ!』って言うだろう。
どっちがイケメンかは兎も角、このピサロ様(仮)は禍々しさがあって嫌な感じだ。
だがルビーちゃん(ロザリー?)の声からは、彼への安堵の響きが伺える。

「キサマ人間か!?」
未だ取り乱しており、髪をかき上げず話しかけるピサロ様(仮)……
よく見ると彼の耳も長い……男のエルフは初めて見る。

「そうよ、人間だけど……何!?」
人間とエルフは仲が悪く、私が彼女(ルビーちゃんorロザリー)を襲ったと勘違いしているのだろう。
下手に卑屈に出ると勘違いの元だろうから、自己主張を兼ねて強気に応える。

「ピサロ様、違うんです!」
私の弁護をしようと、ピサロ様(仮)に近付く少女(ルビーちゃんorロザリー?)だが、慌てた為かマントを再度落とすドジっ()ぶり。
勿論、衣服は引き裂かれ、胸だけでなく下の方もモロ見え状態なのだが、彼女は気にしない。つーか解ってない。

「ロ、ロザリー!? 人間に何をされたんだ?」
うん。この反応は当然だと思う。
彼を責める事は出来ないだろう……だが、

「人間がぁ……ロザリーに何をした!?」
「よく見ろ馬鹿! 私は女だ……女が女を襲うか馬鹿! 仮にソッチの趣味があったとしても、難易度の高いエルフを襲う訳ないだろ馬鹿!」

「黙れ人間……この場で切り殺してやる!」
“馬鹿”と言い過ぎたか?
突如、禍々しい形の剣を抜き放ち、凄まじい殺気で私を見据えるピサロ様(仮)。
しかし、流石に視界が悪いのだろう……徐に髪をかき上げ、その顔を私に見せ付ける。

「え……リュカ!?」

ビアンカSIDE END



 
 

 
後書き
2週間ぶりのリュカ伝3更新!
私はやっぱりビアンカが好きです。 
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