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黒子のバスケ 無名の守護神

作者:stk
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第二十五話 内申点

本日はなんて終業式。
ついに待ちに待った夏休みです。
嬉しいのも有りますが辛いものが待ち受けていることを考えると憂鬱です。
辛いものというのは合宿のことです。
僕が不安なのは練習より料理です。
監督の腕前を見た時点で不安と言うよりも恐怖でしかない。
ちなみに試食会の日に病院に運ばれた僕はあの日のことをハッキリとは覚えていません。
トイレに行ったのまでは覚えているんですけどね。
「水野。お前のだ。」
「あっ。はいっ。」
この時間は成績通知表が配られる。
「お前はやればできるやつだな。」
「ありがとうございます。」
僕は貰って直ぐに中を確認すると、
国語表現・・・10
英語1・・・・10
数学1・・・・10
生物1・・・・10
化学1・・・・10
日本史A・·・・10
現代社会・・・10
体育・・・・・10
保険・・・・・10
音楽1・・・・10
家庭基礎・・・10
情報A·・・・・10
評定平均・・・10
はっ?
なにこれ!?
なんかのバグですか?
評定平均10なんてあり得ないでしょ。
「先生。これはいったいどういうことですか?」
ちなみに担任の先生は体育教師。
「お前の実力だ。」
「明らかにおかしいでしょ。なんかの間違いではないんですか?」
僕が先生に抗議しているとクラスメイトがざわつき出した。
それもそうだろう。
いつもはおとなしい僕が先生に抗議しているのだから。
「これが結果だ。これで納得するんだ。わかったな。」
「わかりました。」


そして僕の内申点はすぐに学校中に広まった。
ちなみには僕は誰にも教えていない。
教えると周りが五月蝿そうだからね。
その事を知るのは今から始まる部活でのことだった。
「部活か~。サボろうかな。」
僕は体育館の前に来て呟いた。
「ドアホ!堂々とサボろうとするな。」
「げっ!・・・こんにちは。」
まさか後ろに先輩がいるなんて盲点だった。
「水野。頼みがあるんだが・・・。」
「何ですか?」
「成績通知表を見せてくれないか。」
「えっ?」
なんで先輩が僕の成績表なんか見たがるんだろう?
「どうしてですか?」
まずは理由を聞こう。
見せるか見せないかはそれ次第だよね。
「クラスで信じがたいことを聞いちまってな。」
「信じがたいこと?」
「ああ。一年にオール10の成績をとったやつがいるって言ってたんだ。」
「なるほど・・・、いいですよ。でも部活が終わってからにしてください。そうじゃないと僕が練習に集中出来ません。」
「それじゃあ俺が気になって集中出来ないじゃねぇか!」
それぐらい我慢してくださいよ。
でも先輩だから見せてもいいよね。
「わかりました。今取り出しますね。」
「おう!早くな。」
僕は鞄の中からクリアファイルを取り出し、その中から成績表を取り出した。
取り出した成績表を主将(キャプテン)が一瞬のうちに僕から取り上げてなかを確認していた。
でも僕の成績は面白くない。
逆に不気味である。
「オマエ!バスケもテストもできる。どんだけ優秀(エリート)なんだよ!!」
「え~と・・・そのですねぼ「水野くんは優秀(エリート)ではありませんよ。」・・クロちゃん。」
「黒子。どういうことだ?」
そう言えばクロちゃんには見せたことがあるんだっけ。
中学時代の成績を。
「水野くんは中学時代に学習面では周りより少し劣るレベルでした。」
そうそう。
でも少しじゃなくて大幅にだけどね。
「そこで赤司くんと一緒に勉強をしたんです。」
そうそう。
あの頃はビックリしたよ。
いきなり
「それじゃあ僕が教えよう。」
なんて行ってきたんだから。
たしかそこから予習復習を始めたんだっけ。
懐かしいな~。
「そこから水野くんは成績が上がってきたんです。ですから水野くんは優秀(エリート)ではなく努力家なんです。」
努力家でもないと思うけどね。
だって僕なんかよりも一生懸命努力している人なんてたくさんいるもん。
「黒子。これを見てそれを言えるか?」
主将(キャプテン)がクロちゃんに僕の成績表を見せた。
僕の成績表を見たクロちゃんは驚いているように見えた。
そして
「水野くん。この成績は努力家ではありません。絶対に優秀(エリート)ですね。」
「クロちゃんまでそう言っちゃうの?だれか僕のことを普通って言ってくれる人はいないの?」
「いねーよ!」
「いません。」
すぐに否定されちゃいました。
そこで僕は言い訳として
「多分、二番目の人も高いですよ。多分評定平均9.6くらいは有るんじゃないですか?」
その頃、何処かで誠凛高校一年次席の生徒が寒気に襲われた。
次席の成績は水野と結構離れていて、評定平均9.1であった。
「あれ~?こんなところでなにしてんのよ?早く練習に参加しなさい!!」
「はい。」
「水野くん。お願いが有るんだけど。」
まさか!
「成績表見せてくれない?」
このあと結局僕は先輩たち全員に成績を見せるはめになったのであった。 
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