| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ワンピース -炎とゴムの姉は虫(バグ)-

作者:nyonnyon
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

内乱はここですか? ……そうですか。

 いや、ほら、『雨は明け方には、雪へと変わりますよ~』的な歌があると思うんですけど、そもそもこの国で雨が雪に変わることってあるんだろうか……。 とか、考えてしまっている、モンキー・D・アモスです。

 いやー冷たい。 そりゃあそうか。

 気がついた方も多かったみたいですが、ここは『ドラム王国』。 かつてはグランドライン一の医療大国として栄えた国です。 今回は、なんかこの国で内乱があったらしいので、私がでばってきました。
 この国は数年前から王様が不在だったはずなんですけど、数日前に戻ってきたみたいです。 そして、王様が見てみると、かつての部下達が海賊を国に招き入れて好き放題やっているとかいないとか。 ただの内乱なら私が出張る理由にはならないのですが、流石に海賊が絡んでるとなれば話は別。 訓練を終えてすぐではありましたが、あとは他の教官方に引き継いで、私はドラム王国へとやってきました。 港には、これでもかとデカく悪趣味な海賊船が今にも出航しようとしていたので、海賊が内乱に関与していることは間違いなさそうです。(海賊らしきその船はとりあえず一網打尽にしております)

 はい? アラバスタ? 砂の国がどうかしましたか? は? 『内乱て言えばアラバスタでしょ』って? ははは、あそこはコブラさんってしっかりした王様が治めてますから大丈夫ですよ。 民衆の信頼も厚いコブラさんが王座についている限りはそんな内乱なんてあるはずがありません。 あるとしたらあの国にいる元海賊。 王下七武海の『クロコダイル』が反乱を起こした時ぐらいじゃないですか? あのレベルになってくると海賊といえどカリスマが高い人がうじゃうじゃいますし、ま、クロコちゃんは一回ボコってますんで、こっちに敵対することはないはずですよ?
 『アモスさんには二度と逆らいません』って念書もありますし、念書は十年有効ですので、後、七年はクロコちゃんは私に逆らえませんし……。

 え? そのクロコちゃんがBWっていう、秘密結社を作ってって、密かに内乱を計画してるって? BWってなに? ブラック&ホワイト? それなんてポ○モン?
 まぁ、もしそれが本当でも、クロコちゃんを立件するのは難しいですねぇ。 あの人、頭脳労働派の海賊なんで、武力はショボイですが、根回しとか異常に用意周到ですからね。 現行犯ぐらいじゃないですかね? 捕まえられるの……。
 それでなくても、王下七武海っていう面倒くさい後ろ盾までついてるんですから……。 元帥あたりに相談して、なくしてもらいましょうかね? なんか、ミンゴさんが影でコソコソしてるっぽいんですよねぇ。 一回、お話しに行きませんと……。

 『冒頭の、ちょっと砂漠を思わせるようなセリフはなんだ?』って言われましても、ドラム王国は冬島ですから、最初から雪降ってますし、雨降らないから言ってみただけなんですけど……。






 さて、そんなことよりも、今はこの降り注ぐピンクの雪を説明して欲しいですね。 ……お、ちょうどいい、前からトナカイに引かれたソリが爆走してきましたので、ちょっとお話を聞いてみましょう。
 は~いちょっと止まってねぇ。

「な、なんだお前!?」

 お? なんだこのトナカイ。 ……しゃべるぞ!?

 ……まぁ、いい。 トナカイがしゃべるなんてアニマルキングダムでは日常茶飯事だったからな。 そんなものでいちいち驚いてはいられんのだよ。
 で、よく見ればこのソリ、ルフィ達が乗ってるじゃないか。 おかしい、おねえちゃんレーダーには反応が……、あ、寒さで凍ってた。 なんたる不覚。
 よし、再開ついでに状況確認と行こう。 それじゃ、ルフィよ。 おねえちゃんに隠し事などせずに素直に全てを白状しなさい。









 【誠に申し訳ありません。 只今、姉弟及び弟の仲間たちによる肉体言語をフル活用した事情聴取中です。 誠に不謹慎な内容が流れたため、映像、音声を差替えさせていただいております。 もうしばらくお待ちください】








 なるほど、大体理解した。
 なんでもナミちゃんが病気だからドラム王国に来た→元王様が帰ってきた→城を使っていた、くれはさんという医者に容態を見てもらっている時に、王様帰還→王様激怒→ルフィ激怒→王様アボーン
 と、いうことらしい。 なんだ、30秒で終わる説明ではないか。 無駄に一味とバトラせやがって……。 完封しましたがね。
 で、どうやら今からルフィ達は出港だそうで、今回仲間になった、このトナカイ。 『チョッパー』君を見送るために打ち上げられたのが、あの空をピンクの雪で覆い尽くすものらしい。 は!!? 何やら感動的な場面だった気がする。 ちぃ、見逃したか!!

 なんだよぉ、すごく感動的な場面をやってんじゃんかよぉ。 おねぇちゃんをのけものにするなよぉ。 と、ルフィに言ったら、「姉ちゃんがいたんじゃ、感動も半減しそうだしな。 あのピンクの雪とか、簡単に再現しそうだし」とのこと。 この弟……、よくわかってらっしゃる。 ピンクの雪の成分解析は実はもう終了している。 今ならどの冬島でも同じ現象を再現できるぞ!! 私の毒鱗粉を甘く見るな。




 で、なんか急いでたルフィたちと別れ(去り際にアラバスタ云々と行っていたが流行りか?)、今回の事件の当事者達が多数いると思われる山の上の城を目指す。 なんであんなに面倒くさいところに城を作ったんだ?
 普段ならロープウェイというか、そう言った類のものがあるはずだが、なんか探すのが面倒くさかったので、歩いて登ることにした。
 原理というか、やってることは超簡単。 今回はバグバグの実の力は使っておりません。 まず、壁のような(ドラムロックというらしい)まで真っ直ぐに歩く。 次に脚を振り上げ、山にヤクザキック!!! この時、ふくらはぎぐらいまで埋まるようにするのがポイント。 さらに次は逆の足を先ほどの場所から少しあげたところに突き刺す。 あとは繰り返すだけで山が登れるようになります。 注意は上体がダラーンとぶら下がった状態になってしまうので、腹筋に力を入れて続けておくこと。 ワォ、超簡単!!! これで皆も山登りが楽しくなるね。
 しかも、応用すれば壁まで上れます。 ただ、壁だと間違えて蹴り抜いてしまう場合がありますので、あまりおすすめはしません。 みんなも試してみてね。

 山を登りきると、そこにはちょっと外壁がボロボロになった城がありました。 城の屋根の上に、でかい人と、へそだしルックのおばあさんがいます。 寒くないんでしょうか?
 とりあえず話を聞きに上がって見ましたが、ゴール・D・ロジャーですか。 懐かしい名前を話し合っているみたいですねぇ。 うちの弟の中にロジャーの影でも見たのでしょうか?
 まぁ、いいでしょう。 ではでは、事情聴取と参りましょうか。



 なるほどなるほど。 ルフィ達が語っていたことと大差はありませんね。 そして若さの秘密はどうでもいいです。 え? 毒鱗粉を研究させてくれって? 嫌ですよ。 私の毒鱗粉は種類が多すぎますし、万が一複製されたらそれこそあの、ドン……ク、クラーク? なんかそんな名前だったと思いますけど……、ま、あのクラークさんとやらが使っていた毒ガスなんて目じゃねぇぐらいの兵器すら作れますからね。

「それで? この国はどうするおつもりですか?」
「どうするもこうするもないさね。 ドラム王国はおしまいさ」
「それはわかってますよ。 でも、国として体制が取れていないと、世界政府からも様々な援助などがなくなってしまうので、できれば国という形は保持しておいて欲しいんですが……」
「あたしゃ、国なんて興味ないからねぇ、ドルトン、あんた国づくりしな」
「は? 私がですか? しかし……」
「あ、いいですねそれ。 ドルトンさんはなんだかんだ言って民衆をまとめあげていたみたいですし、新体制の首長てきなことをやる人が必要なので、じゃ、一旦仮でドルトンさんを新首長として連絡を入れておきます。 復興等がかないましたら、そのあと正式に国王なりなんなりを決めてください」
「いや、しかし、ですな」
「いいじゃないか。 おやりよ、ドルトン」
「くれは殿……、分かりました。 このドルトン。 新体制の首長として、粉骨砕身の精神で働かせていただきましょう」
「では、そのように連絡させていただきます。 ついでではありますが、海軍支部をつくりませんか? 昔は、医療大国であり、その技術の流出を防ぐため閉鎖的な国風で、それにより海軍支部が作らせていただけなかったようですので、この新体制を機に作るというのは。 復興のお手伝いもできますし、治安維持の役にも立つでしょう、あ、でも待てよ、そうしたら人員が……、経費が……」
「いつか、支部を建てるってことでいいじゃないかい。 それよりも、若さの秘訣を知りたいだろう?」
「いえ、別に知りたくないです。 ……そうか、今までも支部なしでなんとかやってこれてるんだし、別に直ぐに支部を建てなくても大丈夫だよね」



 話し合いは、大いに盛り上がった。

 結局、最後の最後までくれはさんは若さの秘訣と、毒鱗粉について話を持ってこようとしたが、全て躱しきった。
 村の宿で一泊させてもらってから、マリンフォードへの帰路につく。 行きとは違い、巨大な海賊船を引きずりながらではあるが……。 海賊船の中身を見れば、センゴク元帥のため息が深くなることは目に見えているが、アモス中将は気にしない。 だって、そんな元帥をフォローするのが、元帥補佐であるアモスの仕事なのだから。 
 

 
後書き
注意というか補足

センゴクは優秀なので、アモスの助けをほとんど借りなくても大丈夫なのですが、アモスを担ぎ上げようとする勢力により、仕方なく補佐というかたちでアモスを中将より高位の位置づけに置いています。
なので、実質アモスに仕事はありません。 というより、本職はあくまで中将です。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧