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エネミーワールド

作者:そうん
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1章 平穏な生活に終止符
  第五話「課外活動①」

第五話「課外活動①」

なんだかんだ言って部員は何人か揃えられた。メンツとしては…うん。ヤバイ。カオスすぎる。

シャイン
「えっーと。メルさん。何してるんです?」

メルはソファーに横たわり雑誌を読んでいた。

メル
「ぁ、え、えっとこれは…。」

シャイン
「あれ、これ…もしかして。」

背後に隠していたその雑誌を見てみると…。
ぅ…マジか。この人が?

シャイン
「メルさん…?これはどういうこと…」

メル
「関係ないでしょッ!!私だって女の子なんだから普通読むわよ!!」

普通…にしては過激だった気が…。

メル
「ともかくこれは返してもらうわ。それでどうしたのよ?」

シャイン
「ぁ、うん。部員集めたんだけど…。」

メル
「私たち含めて何人?」

シャイン
「3人…。」

一気にその部屋が静まり返る。

メル
「それで…肝心な部員希望者は?」

シャイン
「部員希望者ではないね。うん。」

メル
「じゃあ何よ。」

シャイン
「せがんで来てもらった。」

僕だってそんなことしたくないんだよ?なんとか土下座して…それからそれから…。

メル
「その人は?」

シャイン
「ぁ、うん。来てくれ。」

生徒
「ぁ、はい。一年のユウタです。よろしくお願いします。」

メル
「あら、ユウタじゃない。」

ん?なんだ?面識があるのかな?ならわからなくもないが…。

シャイン
「えっと二人は知り合い?」

メル
「違うわ。」

ユウタ
「違います。」

シャイン
「んじゃなんなんだ?こんな親しいなんて珍しいよな?」

二人は声を揃えて同じことを言った。

「幼馴染です」

あなたがた?それを知り合いと言わずなんと言うんですか?

シャイン
「おぅ、そうかそれなら安心だな。」

メル
「何が安心よ。目の前にいるこいつが私が異能者だって言った人よ?」

シャイン
「ぁ、それは…。」

複雑だ。とても複雑は気持ちになる。
僕は無意識のうちに後ろへと後ずさった。

ユウタ
「そうですよ。じゃあ俺帰りますね。知らない人なんで。」

おいおい。それはないだろ。いくらなんでも知らない人だなんて…。

メル
「待ちなさい。入ったからには私の意思、あなたの意思ではなく部員として意思を貫き通してもらうわ。」

ユウタ
「ん?何々…そんな面倒事に巻き込まれたくないんだよね。俺、そこまで意欲ないしさ。」

ユウタの発言に僕は少し苛立ちを感じた。どうしてなのかはわからない。こんなに怒りがこもってくるのは初めてだ。

ユウタ
「だいたいなにすんのさ?これ部活って言うの?」

シャイン
「おぃ。お前よ。さっきから好き放題言ってるけどさ…部活への悪口は許さないよ?」

ユウタ
「はぁ…。やっぱりこうなるのな。じゃ帰りますわ。」

僕は無意識にユウタの胸ぐらを掴み頬を殴った。

ユウタ
「っ!! 何するんですか!?」

シャイン
「何するんですか!?じゃねえよ。ふざけんな。部活なめんな。」

なんでこんなにキレてるんだ?部活やってると皆こうなるのかな?プライドとかそんな感じ?

ユウタ
「わかりました。わかりました。それじゃ部員やめます。」

シャイン
「いいや、やってもらう。」

ユウタ
「はぁ!?何言ってるんです?」

シャイン
「お前みたいな奴は嫌いだ。しかし僕もそこまで酷いことはしたくない。」

ユウタ
「酷いこと?」

ユウタは吹き出した。それを見る、僕とメルの顔つきは次第に険しくなってくる。

メル
「もういいわ。勝手にすればいい。」

ユウタ
「そうですよ。放っておいてくださいよ。ほら痛いですから離してください。」

シャイン
「嫌だ。僕はあんたの誓った事をやり通してもらいたい。」

ユウタ
「何言ってるんですか!?僕は嫌々そう言っただけで…」

シャイン
「それでもだ!!」

僕はかなり感情的になっていたと思う。
でも言い直すなんてマネはしてくない。僕がもっとも嫌いな事だから。

メル
「面倒だわ。ならどうかしら?私が課題を出すからそれをこなした方の意思に任せるっていうのは?」

ユウタ
「いいね。その方が俺としてはいいよ。決着もつくし、どれだけ非力な部活動だって証明できるんだから‼︎」

シャイン
「うん。僕もそれでいい。こいつの根性を叩き直すためなら何だってやる。」

こうして僕らはその出された課題をせざるを得なくなった。

メル
「課題は、そうね。課外活動でどうかしら?
外で異能者を発見次第、その人のある悩みを、解消するっていうの。どうかな?」

ユウタ
「まぁいいんじゃねーの?」

シャイン
「それでいいよ。」

そこへ空気の読まない顧問がやってきた。

ガチャリ…。

国語の教師
「やぁやぁ。おや?」

ユウタ
「こんにちわ。」

ユウタは礼儀作法がよく出来ていた。お辞儀も45度と同じくらいで、とても綺麗だった。

国語の教師
「君は君は…ケンタ君じゃないか!」

ユウタ
「ユウタです。」

国語の教師
「君は君は…ユウタ君じゃないか!」

なんで言い直したし…。そこまで間違いを認めたくないのかよ!! 
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