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少年は魔人になるようです

作者:Hate・R
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第74話 爆裂娘は巻き込まれるようです

Side ネギ

「夏!それは!」

「「「「海ぃーーーーー!!」」」」

「夏!それは!」

「「「「青春ーーーーー!!」」」」

「皆の者行くぞぉーー!とぉっつげきぃーーーーー!!」

「「「「イェェェエエエエーーーーーーーーーーイ!!」」」」
ザッパーーーン!


(気絶している間に修業が終わってて何故か)連れてこられた海。

日本の海は初めて(学園のあれは海じゃないらしい)来たけれど、人がいっぱいいるんだなぁ。

・・・その中を全速力で駆け抜けて行った愁磨さん達は、間違いなく迷惑なんだろう。


「さぁネギ、遊ぶわよ!今日だけは修業なんて一ミリだって考えちゃ駄目よ!」

「え、でも、修業は一日休むと取り戻すのn「はーい、おバカさん一名追加ぁ~。」ちょ、ノワールさ……

うわぁぁぁぁぁああああああああ!?」
ドッポーーーーーーーン!!
「ぶぇっ!!やったなネギ君!!」

「そっちがその気なら容赦しないわよ!そりゃそりゃそりゃぁーー!!」

「ちょ、まっ!ぶばばばばばばばばばばばばばば!!」


ノワールさんに投げ飛ばされ海に叩き付けられたかと思ったら、今度は四方から水をかけられる。

目が!目がぁぁああああ!!痛い痛い痛い!!誰か助けてーーー!!


「"エィフティ・アイリン・エキ・パランティ! 目醒め現れよ(エクス・ソムノー・エクシスタット)浪立つる水妖(エクスンダンス・ウンディーナ) 水床に(イニミークム・インメルガット)敵を沈めん(イン・アルウェウム)

流氷の縛り手(ウィンクトゥス・アクアーリウス)』!!」
ギュルギュルギュルゥ!!
「ちょ、やぁぁぁ!」 「本屋ちゃん、これはあんまりよぉぉおおおお!」
「アリなの!?ここで魔法ってアリなの!?」

「イエース、アリなのデース。既に結界張ってマース。」


のどかさんが水の手で皆さんを捕まえてくれたお陰で、何とか水責めから解放される。

・・・愁磨さん、結界張ってたならもう少し早く言ってくれませんか?そして何故にカタコト。


「みんな構えて!本屋ちゃんを撃退するわよ!!」

「望む所ですー。ここなら誰にも負けないです!」

「へっへー、言ったねのどか!ボクも参戦しちゃうから!」


対のどかさん戦線が組まれて、そこへ真っ赤なビキニを付けたもみじさんが上から着水。参戦する。

なら僕はのどかさんの味方になるしか道は無い!!


「助太刀します、のどかさん!」

「はい、ネギせんせー!一緒に戦いましょうー!」


こうして、(無駄な)戦闘の幕が切って落とされたのだった。

Side out


Side 愁磨

「平和じゃのう……。」

「平和だなぁ……。」

「平和ねぇ……。」

「・・・平和。」

「凄いわですね、みんな。あれだけ修業した翌日だって言うのに、良くあんなに遊べるわ。」


俺達が異口同音に現状を謳うと、しずなが珍しく年寄りじみた事を言う。

・・・海の家に五人集まっている訳だが、周囲の視線が気持ち悪い上にウザったい事この上ない。

ノワールは黒ビキニにパーカー、アリカは胸の真ん中と両腰を金色の輪で止められてた赤と薄緑のビキニ(?)。

アリアは白スクに珍しく薄紫のパーカー。しずなも白のビキニに水色のパレオを巻いて髪をアップに纏めている。


「………見るなとは言わないけれど、もう少し自重して欲しいわね。日本人の美徳はどこに行ったのかしら。」

「・・・ね、『神虎(シェンフー)』が食べちゃダメ?って。」

「駄目じゃ。流石に一般人に手を出したらいかんぞ。」

「ちぇ・・・。」(ジー


舌打ちをすると、アリアはパーカーを上まで締めてしまう。・・・ロリコン共め、去勢して詫びろ。

と、そこで丁度良く遠くから爆発音が聞こえて来た。

この魔力は・・・随分と懐かしい奴が遊びに来ているもんだ。


「皆、あっち行くか。あれは……面白そうだ。」

「意地悪ねぇ。まぁ私も、あの子苛め甲斐があるから好きなのだけれど♪」

「駄目じゃぞ、ノワール。苛めるのはもう少し後じゃ。」

「あら、どなたかしら?」

「・・・行けば、分かる。」


ゾロゾロと連れ立って店を後にすると、溜息なんだかなんだかが色々混ざった声が聞こえて来る。

が、そんな有象無象共は無視し岩山の上に転移する。そして、眼下で繰り広げられる一騒動。

ゴッ! キュゴン!!
「わぁぁぁぁああああ!?」

「な、な、何よイキナリ!?敵なの!?」

「い、いえ。今のは……ま、まさか……!!」

「フン、良く今のを避けたわね。相変わらず魔法戦闘の修業だけはやってるみたいだけど……。」


炎上する海を背に、闖入者はローブを投げ捨てる。もみじよりは薄い赤い髪、しかし何倍も気の強そうなツリ目。

ネギの幼馴染にして、ウェールズの爆裂占い師()娘。


「アーニャーーー!?」

「えぇぇええええ!?って、誰ぇ!?」


ネギの叫びと明日菜の疑問は、炎上するローブとそれを見つけたアーニャの叫びと、炎上したアーニャの叫びで

相殺され、ネギを連れ戻しに来たと言うアーニャの言葉で更に激化したのだった。

………
……


ドターーン! バターン! ドタバタドタバタ ワーーーー! キャーーーー!

「うるっさいわねぇ………アリア、食べて来ても良いわよ。」

「ん、了解・・・。」

「駄目じゃと言っておろうが!と、言いたい所じゃが、そろそろ止めんと他の方々に迷惑じゃ。

愁磨、行きたくないのは分かるが一睨みして来い。」

「えぇえぇえぇぇぇええぇええ~~~?いーやーだぁーー!」

「あ、ちょ、や、愁磨さん。動かないでください。刺さっちゃいますよ!」

「ネカネに刺されるなら本望さぁ~………。」


ネカネに耳掃除されながらアホな事を言うと、ノワールに「なんだこの阿呆は」って目で見られる。

・・・仕方ない、2日とは言えご近所付き合いは大事にせんといかん。と言う訳で・・・。


「イケない子供はいねがぁーー!!」

「なまはげぇ!?って、なんだ愁磨先生じゃん!

そんな事言わないで先生も参加しない?ネギ先生の隣を奪え!夏のまくら投げ大かふべらる!」

「へっへーん、隙だらけだよ!!」


ネギパーティが泊まる部屋に来ると、襖の一番近くにいた朝倉が応対。しかし横から枕の三撃を受けて轟沈した。

そして俺を無視し、尚も続くまくら投げ。尤も速い方法は殲滅だ。だが、それでは騒ぎが大きくなるだけだ。

しかし!それがどうしたと言うのか。即座に納めればこの騒ぎが長引くよりも遥かに良いだろう。


「ずえりゃぁぁぁああああああああ!!」
ズバズバン!!
「うげば!」 「ぼぶふぅあ!」

「よっしゃぁ、古ちゃんと楓ちゃん撃沈!残りはネギ以外ざ、こ………じゃないのが一人いるぅぅぅぅぅぅ!!」

「さぁ、合宿とはいえ………子供はおねんねする時間だぁ!!」


こうして5分後、ネギパーティは(強制的に)大人しく寝付いたのだった。

まぁ、早く寝ておかないと―――


「明日からが大変だからなぁ!!フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」


俺達の嘘にまんまと騙され、すっかり浮かれ気分のこいつら。最も効果がある特訓とは何か。

それはズバリ、目一杯上げて、地の底まで落としてやる事。


「と言う訳で、ダイオラマ球ぅ~。」


内部時間を特別に1/1にした事により、回復速度が格段に上がった別荘に寝ている間に放り込む。

今の内に青春の夢を見ると良い。・・・"後"で、後悔し無い為に、戻って来る指標にする為にもな。

Side out


Side アーニャ

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
「この……!『魔法の射手(サギタ・マギカ) 集束(コンウェルゲンティア) 光の1001矢(セリエス・ルークス)』!『桜華龍』!」
パシッ
「あら、大分器用な事出来る様になったのね。っと!」
カッキィィン!!
「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――」(ドップラー効果


ノワールさんの魔力弾(この場合魔法の矢の方が良いのかしら)を潜り抜けて、ネギが桜色の龍を出す。

それはノワールさん目掛けて飛んで行くけれど、それを苦も無く掴まれて思い切りスイング。

そして遥か彼方へホームラン。今朝方からやってたけれど、流石に3時間はやりすぎよ。って言うか・・・・。


「さて、お次は「ハッ!」明日菜ね、了解。」
ギィンギィンギィンギィンギィン!!
「相変わらず素手とは思えない音がしますね!」

「失礼ね?これでも他の子より苦労してるのよ?」

「ならもう少し苦労して貰うでござるよ!!」


再び、ギィンギィンギィンギィンギィン!と金属音が響く。あの明日菜とか言うおバカがあんなに戦えて・・・

あっちの忍者っぽい巨乳も、虚空瞬動って空中を蹴って跳ぶ技を何回も連続で使って空中戦をやってる。

・・・いやいやいや、だからさぁ!!


「―――有り得ないでしょう!?何なのよあんたら!ただの中学生じゃない訳!?

ネギだってあんな、なんか、なんかさぁ!?どうなってんのよ!!」

「どうなってんの、って言われても……何が?」

「何が?じゃないわよ!日本人って皆あんなスゴイの!?ニンジャもサムライも居たし、東洋の神秘って奴!?」

「そんな事無いよ。此処では明日菜さん、楓さん、古菲さんくらいだよ。………あと、アーニャも良く知ってる

人達が………えぇと。」


修業って名目のマジ戦闘が終わってからネギに詰め寄るけど、答えも半分に魔法陣に乗って何処かに転移してく。

私も急いで後を追って出た先は・・・なんか、謁見の間みたいな場所だった。と、そこには異常な武闘派娘共と

一緒に居なかった魔法使い勢が。あぁ、この子達は落ち着くわ。・・・じゃなくて!


「あんたらも十分おかしいのよ!何で一か月そこそこで無詠唱と中級呪文使いこなしてんのよ!」

「それはそのー……。先生が先生ですからー。」

「ええ、皆が明確な目標を持ち、良き?師の元で研鑽を積まされ……もとい、積んでいるからです。」

「先生?師?どんな化け物よ!!」

「此処の主愁磨・P・S・織原とノワール・P・E・織原、そしてエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルです。」


最後の名前に、私の思考は一瞬止まる。・・・エヴァンジェリン?エヴァンジェリンってあの?


「ま、まさかあの……『不死の魔法使い(マガ・ノスフェラトゥ)』の?」

「ええ、『童姿の闇の魔王』『闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)』『禍音の使途』のエヴァさんです。ご存じで?」

「ご、ご存じも何も伝説の大悪党じゃない!ネギのお父さんがやっとこ倒した『闇の魔法使い』よ!?

そ、それに!一番知られている呼び名って言えば―――」
ポンッ
「『災厄と共に来る真祖』のエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ。よぉく知っているな小娘。

あちらではまだまだ語り継がれているようだ。」


頭に誰かの手が乗った瞬間、ゾワァッ!と寒気が体中を駆け抜けた。後ろを振り向きたくない・・・

と思いつつも、勝手に顔が後ろに向いて行く。


「良い子は好きだぞ、アンナ・ココロウァ。」


ニィィッ、と歪められる頬。闇の中に浮かぶ月の様な瞳。その、禍々しい魔力―――!


「いぃやぁぁぁあああああああああああああっ!!食べられるううううううううううううううううううう!!」

「……誰も食わんよ。」

Side out


Side 愁磨

「………で?」

「もうここから出て行くって言ってんでしょ!さっさと出しなさいよ!」


エヴァ(大)に脅かされたアーニャが再び謁見の間に戻って来たかと思ったら、俺達がレジャーシートを広げて

飯を食ってる所にダイビング。床をバンバン叩いて催促してきた。

誰に頼んでいるか分かって―――ああ、認識阻害かけっぱだったか。


「誰と一緒に居たくないって?」

「だ・か・ら!『災厄と共に来る真祖』のエヴァンジェリンとよ!あんなのとなんで一緒にいられんのよ!」

「そりゃまぁ、その『災厄』だからさ。」

「はぁ!?何言ってんのよ!その『災厄』って言ったら、伝説も伝説、初代三大魔導士の時代を生きて、

史上最恐最悪って言われた愁磨・P・S………おり、はら………!?」

「イエス・アイアム!!」

「に、に、ニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

出たぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


俺が認識阻害を解くと、今までの勢いは何処へやら。いや、更に勢いを増して逃げ去った。

・・・まぁ、村にいた頃散々苛めたし、その頃から怖がられてたからな。

フレンドリーに接してても怖がられるって、俺どんだけ悪い奴なんだよ。・・・ああ、『災厄』でしたね。


「でもさぁ、ノワール。」

「ええ、シュウ。逃げるあの子を見ていると………。」

「「苛めたくなるよなぁ!(わよねぇ!)アーッハハハハハハハハハハハハハハ!!」」

「いぃぃぃぃいいぃいやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

………
……


「ひぐっ!あぅ、ふえぇぇ………!あんなのよぉ、あいつらぁ………」

「ど、どーどー。大丈夫だよアーニャちゃん。あの人達怖いですけど、いい人ですよー。」

「いい人じゃないわよぉ~~~!!鬼よ!悪魔よ!」

「いえ、確かに悪魔ですが……。で、でも、大魔導士?って人達とネギ先生のお父様がそれぞれ力の大半を

封じているですよ。危なく……無い事も無いです。」

「アレで力の大半抑えられてるんなら、本気どんななのよ!魔法の矢一発で世界滅ぼすの!?

ドラゴン○ールじゃあるまいし!」


アーニャを苛めた後。泣いたアーニャを俺達は遠くから見守り、ネギと宮崎・綾瀬に任せる事にした。

何故ド○ゴンボール知ってるんだ。と言うかあれでもヒャッハァー!しないと星壊れないんだけどな。


「で、でもまぁ確かに、追っかけて来る時以外優しいかったし、伝説の悪者にしては弱いわよね。

あのくらいの腕なら、魔法世界にゴロゴロいるし……。」

「あ、あのくらい……それもゴロゴロ……?」

「でもそれなら納得。世界最強の三人の弟子なら、あのくらい急な上達してもおかしくないわ。

それにこのお城……って言うかダイオラマ球。市販されてる最高級品より広いし時間も延ばせてる……。

ぬっぐぐぐぐ……!あーもー!むっかつくわねぇ!私だって頑張って修業したのに!」


ダンダン!と大理石の上で地団駄を踏むアーニャ。まぁあいつも頑張ったんだろうが、ネギパーティ・・・

特にネギと明日菜の頑張りは次元が違う。文字通り必死とも言える修業を超えて、巫山戯ていたとは言え

死線を幾つも潜り抜けて来たんだ。


「って言っても、此処はメルディナの姉妹校……魔法の先生なら、あの人らに敵わないまでも他にいた筈。

と、言う事は……!!」

「え、何か気づい「やぁっぱり乳ね!乳に騙されたのねあのボケネギ!!」違うです!?」

「さっきのエヴァンジェリンさんの姿は幻術で、本当はアーニャちゃんより小さい子供なんだよー。

アリカさんとしずなさんとネカネさんは大きいけれど、ノワールさんはそれほd「死にたいですかのどか!?」

はうっ!?あ、あぶないですー……。と、とにかく、胸の大きさなんて関係ないよ、アーニャちゃん。」

「そうです。のどかも小さいですけど頑張ってるです!」

「夕映……一言余計だよー。」

「…………そ、そうね!あんた達いいこと言うわ!やっぱり仲間ね!

私達今日から友達よ!戦友と書いて『とも』よ!」


ガッシィ!と固く握手を交わす三人。まぁ仲が良いのは良い事だが、二つ、波乱の要素が・・・・。


「そ、その、アーニャさん。あなたが私達を友達と思って頂けるなら、言っておかなくてはならない事が…。」

「ん?何よ勿体ぶって。別に大したことじゃないでしょ?」

「大した事無い……ですー?実は、そのー。私達、ネギ先生と………。」


そこで宮崎と綾瀬が出した二枚のカード・・・ネギとの仮契約(パクティオー)カード。

・・・ああ、昨日温泉で話しでもしたのか。アーニャがまだだって事。


「え………えぇぇええええええええええええぇえぇぇぇええええぇぇぇえぇええええぇぇぇえええええ!?」

「あ、あの、言い出せなくてごめんなさいです。でも「聞く必要無いわよ!!」


綾瀬の言い訳を封殺して、またズダダダダーと走って行く。少しして、今度は風呂敷の様な物を背負って、

再度俺達の方に来て・・・まさに怒り心頭と言った風で俺達を睨んで来る。

いやぁ、困るんだよなぁ。子供にこういう顔されるの。


「今度こそもう嫌よ!とっとと外に出しなさい!!出れるんでしょ!?」

「や、出れる事は出れるんだけどなぁ……。」

「じゃあ出してよ!何よ、みんなして……みんなしてぇ!ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーー!!」

「あ、や、ちょ、泣くなって、分かったって。開ける開ける。」

「泣いてないわよぉ!!」


アーニャがまたしても両目にチャージし始めたので、流石に可愛そうになって来て承諾。

・・・まぁ、ネギが何とかするだろう。後は知りません。


「あ、そだ。ネカネー、カムカム。」
ヒュィンッ
「はい、呼びましたか?」

「悪いけど、アーニャのみおk「ネカネお姉ちゃん!?」……あー、ゲート開くから後任せた。」

「ふふふ、相変わらず子供の涙には弱いんですね。了解しました。」


余計な事をのたまったネカネに何も答えず、アーニャ共々帰還用魔法陣がある所へ返す。

全く、何が苦手か。子供が泣いてるのを放置できる奴がいたら出て来いってんだ。

と、若干遅れて向うからネギと先程の二人、そして何故か小太郎までが走って来た。


「愁磨さん!アーニャが帰ろうとしてるって………。」

「と言うか既に帰した。まだこの中ではあるから間に合うだろうよ。ネカネも一緒にいるけど。」

「お姉ちゃんが!?……いえ、今は置いておきます。早く僕も送ってください!」

「はいはい、頑張ってなスケコマシ君。」

「ちょ、それはどういう意味―――」


言葉の途中で、ネギもネカネ達と同じ場所へ転送。まぁ確かに契約させたのは俺だが、それでも10人

(この場は6人か)と仮契約など俺でもしていない。さて、あとは結果を御覧じろ。

―――俺はその場を後にし、黒い襤褸ローブを羽織り転移する。その、既に来慣れた場所へと。


「首尾はどうだ、『造物主(・・・)』。」

「まぁまぁ、と言った所だよ『創造主(・・・)』。君は……そろそろ、満足したのか?」

「ああ、もう少し……ほんの2週間だ。」

「やれやれ、承諾はしたが少々遊びが過ぎるのではないか?今の段階は私一人でしか出来ないとは言え、

君とてやれる事があるだろう、シュウマ(・・・・)?」

「俺はお前の手伝いをするだけだ。特に準備する物はもう無いさ、ツェラメル(・・・・・)


『また適当な事を・・・』と言いたそうな顔で苦笑いした後、また自分の作業に戻った。

そう、あと"二週間"。これは俺達の時間での話だから、ダイオラマを使っても延ばせない決定事項。

故に俺はあいつ等を苛め抜いておこう。大抵の事には動じないように。

Side out


Side ネギ

「アーニャ、待ってよ!ど、どうしたの急に?」

「どうしたもへったくれも無いわよ、このスケベ!エロネギ!女の敵ぃーーー!!」

「えぇえーーーーっ!?」

「聞いたわよ、もう6人も仮契約したって!この色情魔!スケコマシ!たった半年で、こんな……!

こんな情けない……!!このスカポンタンーーー!!」
ゴゥッ!
「うわぁっ!?ちょ、アーニャ危ないよ!」

「………まぁ、否定できる要素がなんもあれへんなぁ。」


アーニャを追って、魔法陣に乗る寸前で止められたんだけど・・・誰!?誰が話したの!?

誤解だよ、少なくとものどかさん以外は!僕気絶してる間に勝手にやられてたんだもん!

と言うか小太郎君うるさい!!


「うるっさいわよ!どうせあんた、キレイなお姉さん達に囲まれてヘラヘラデレデレして!

村の事なんか……皆の事なんか忘れちゃったんでしょ!!」

「―――!!」
バシィッ
「あっ……!ちょ、離しなさいよ!」

「アーニャ………大丈夫だよ、アーニャ。忘れてないよ、僕達の村の事は忘れる訳無い。

僕が今皆と修業してるのは……父さん達を探し出して、愁磨さんを止めるためだ。」


殴りかかって来てたアーニャの手を掴んで、僕の思いを正直に伝える。

・・・また父さんか、とか思われるかもしれないけれど、これだけは変える訳に行かない。


「な、何よあんた!まだ、そんな事言って……。」

「誰がなんて言っても、父さんは死んでない。僕はそう信じてる。……聞いて、アーニャ!」

「あ、ちょ……。」

「僕は変わって無い、忘れたりなんか出来ない。僕が前に進むのは、あの雪の日に決着をつける為。

それに………あの人達に追い付いて、話を聞きたいからだ。その意味と、理由を。」


手を掴んで引き寄せたまま、アーニャの目を真っ直ぐに見る。

直ぐに、いつもみたいに顔を赤くして、目を背ける。その後に、溜息をついて笑顔になる。


「………………ば、バカ。分かったわよ、分かったから離しなさいよ。」

「……ありがとう、アーニャ。最終日にまた試験があって、それに合格できれば愁磨さんが魔法世界へ行く

手筈を整えてくれるんだ。」

「ま、魔法世界……?そこであんたのお父さん探すの?」

「いや、その手掛かりがあるだろうって昔の仲間が教えてくれたんだ。

と言っても、行くのは1週間くらいの予定だけど……その、アーニャも来る?」


僕を惚けっと見て、その後馬鹿にしたような・・・いや、挑戦的な目をしてくる。

何も修業していないアーニャを誘ったのは、愁磨さん達に新しく条件を付けられちゃったからだ。

行くのは首都だけ、って。そこなら一番安全で一番情報も集まるだろうから、って。


「ふん、行くに決まってんでしょ!何よあんた、強くなったとこ以外何も変わってないじゃん。

結局、自分がしたい事以外何にも考えてない大ボケのままよ。」

「あ、アハハハハ。それはまぁ、追々直していくよ。」


一瞬、のどかさんの事は凄く考えてるよ―――って言いそうになったけど、止めておいた。

なんだか、また余計な騒動になりそうだったから。


「さ、そうと決まれば修業よ修業!あの人達に教わるのはすっっっっごい嫌だけど、あんたに抜かれたままよりは

一億倍マシよ!さ、行くわよ!!」

「わ、わ、ちょっとアーニャ!引っ張らないでよー!」


アーニャに引っ張られていって、久しぶりに魔法のみの修業を皆とやった。

・・・僕だけ、特別メニューで。途中で参加しようとしたアーニャは・・・・・。


「無理無理無理無理無理ぃぃぃいいいいいいいいーーーーーー!!」

「なんじゃ、やると言ったからには手加減せんぞ!!」


・・・アリカさんの洗礼を受ける事になった。まぁ、一番身になる修業って言えばそうだし。

こうして、出発までの10日間を戦い抜いた僕達は、最終日11日目。彼ら三人を相手にする事になった。


「さぁ、お前達の全てをぶつけて来い!!」

「はい!"ラステル・マスキル・マギステル! 『戦いの歌(カントゥス・ベラークス)』、『修羅の息吹(アルゴドーズ・セプトゥス)』!同纏・混装!!

戦闘の為の協奏曲(バルトフェルド・コンチェルティア)』!ハァァァアアアアアアアアアア!!」


Side out
 
 

 
後書き
ネギま!最終巻漸く読んだのですが……うん、どうなんでしょうねアレ。
立てた伏線は取り切るよう頑張らないとと思いましたね(小並) 
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