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ポケットモンスターズファンタジー~導かれし者達の軌跡~

作者:ティア
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Reincarnation
  心の母

『お待たせしました。次は終点のセントラルパーク南口バスターミナルです。お乗りのバスは車庫に直行いたしますので、お荷物の忘れ物がありませんように、お気を付けて下さい』
 突如として、女性の声のバス内アナウンスが入り、目的地に近い事を知らせ、そのアナウンスが流れた途端に乗客達がすぐに降りれるように整理し出す。 それにつられるようにレイエルは、モルクの足元に置いてあったバックを自分の足元に持って来て、少し開いていたチャックを閉めて、最後にモルクが卵形のボタンを ぱちんっ 止めた。ちなみにアーシアはと言うと、先ほどの戦闘での疲労がやはり溜まっていたらしく、バスに乗り込んでから10分後にはモルクに寄りかかって すぅー、すぅー っと小さな寝息を立てて寝ていた。そして今、チャックを閉めるときに寄りかかっていたアーシアの身体がずり落ちないようにボタンを止めたのだが結局起きてしまい、
「っ・・・うん? ふぁぁぁ・・・おはよおぅ・・・」
「お、おはよアーシアちゃん。少し寝て疲れ取れた?」
「ふぇ・・・? はいぃ、よく眠れましたぁ・・・」
「は、はぁー・・・すごい寝ぼけさんなのね・・・・・・」
 大きなため息一つ付きながらレイエルは呟く。ちなみに、このため息には今の意味と、違う意味が含まれており、それはモルクも寝坊助さんで、起きてから完全に目が覚めるまでかなり時間を有するから・・・
「アーシア、寝ぼけてないでしっかりしてよ。もう着いたんだから」
「う、うーんっー・・・・・・よし、多分もう大丈夫です。なんだか寝たら余計にお腹空きましたです」
「・・・問題はまったく無かったわね」
 アーシアは伸びと、大きなあくびをしたくらいでしっかりと起きてくれた。ちなみにレイエルは身体の後ろで黒い渦巻いた球体を生成していたが、すぐに起きたのを見て収縮させて消した。

 それからしばらくしてバスは目的地に到着し、
「んー・・・行きますかっ、ついて来て。目的の場所はこの建物の三階だから」
「三階?この建物って何フロアあるの?」
「地下一階の三階建てだから四フロアね。地下一階は食品売り場、一階は雑貨屋さんで、道具などが売ってるわ。二階は一階と同じ道具だけど、技マシン関係が揃ってる。三階はレストラン街で、私達の目的地はここね」
 レイエルがサクッと説明をいれた。簡単に言うとここの中だけで色々な物品を揃える事が出来るらしい。それにしても、一フロアを使い切るほどとはどれほどのものだろう?
 食品売り場関しては一フロア使うのも分かる。レストラン街・雑貨屋さんも。ただ技マシンだけで1フロア割くのはどれだけの規模だろうか? ・・・もしかして技マシンはいっぱいあるからか、技を試すスペースがあるのではないかと考えた。それなら一フロア割くのも納得するが・・・
「アーシアちゃん? ぼーっとしてるとはぐれちゃうわよ?」
「は、はい。今行きますっ!!」
 考えて歩いているうちに気が付いたらかなり距離が空いていて、レイエルの声で慌てて追いついた。そしてそのままセントラルパークっと言われる施設内に入って行った。

~~~~~☆~~~~~

 入ってすぐから中は脅かされてばかりだった。上を見上げれば三階から地下一階まで吹き抜けていて、吹き抜けの一番下には植物が植えられ、天井からの光を受けて花も木も生き生きとしていた。しかも中の中心部に当たる場所に至っては噴水もあり、それを囲むように噴水よりもちょっと広めの吹き抜け・・・中なのに外にいるみたいだった。
 最初はただのショッピングビルだと思っていたのだが、ここまで各違いだったと知ると怯むし、申し訳ないという気持ちさえ浮かぶ。
「いつ見てもすごい凝ってるわねー・・・まぁ、コンセプトが森の中のショッピングタウンだから当然ちゃ当然よね。あっ、ちなみにここだけじゃなくて北館の方が色々と凄いけど、今日は用がないから行かないわよ。それと、明日付き合ってもらってもいい?」
「明日・・・ですか?」
「ええ、明日活動を一時停止してたシンガーの復帰ライブがあるのよ。いい歌ばかりだからアーシアちゃんも気に入ると思うわよ♪」
 そんな事をしてる場合では・・・っと言いたかったが、目を煌めかせて言われたんじゃ流石に行かないとは言えなかった。でも、逆に虜にするほど歌が良いっという事になる・・・何だかんだで気になるには気になったって考えた挙句に、
「・・・はい、ちょっと気になったので聞こうかなっと思いますです」
「そう来なくちゃ!! へぇー、クレアが復帰したんだー。ボクは知らなかったよっ」
「・・・アンタ新聞読まなかったの?大々的に取り上げられてたわよ・・・まぁ良いけど、足下気を付けてね」
「え、うわぁっ!? エ、エスカレーター・・・ちょっとレイエル、もっと早く教えてよっ!!」
 後ろを向きながら歩いて話していたので、そのまま段差につまずいてエスカレーターに座る形になって倒れた。そしてすぐに立ち上がりながらモルクは抗議する。
「しょうがないでしょうよ、私だって話してたんだから。って言うか、おっちょこちょいの小馬鹿なんだから自分で危機察知してよっと言うより、本当に危なっかしくて、ホントにまだ子供よねっ」
「あはは・・・」
「早い・・・」
 モルクの抗議に、レイエルは聞き取れるかギリギリの早さの言葉を返してきて、それに対して笑う事しかモルクは出来なく(他の事含まれて尚更)、アーシアはなんか慰めの言葉を言おうと思ったが、直感に感じたレイエルの早口の事しか言えなかった。
「・・・ボクの中で何がが折れたような気がするよ・・・・・・」
「うっ、あー・・・元気出しましょ?・・・ねっ? モルクさんっ」
「っ!? あ、ありがとアーシア・・・///」
 アーシアはエスカレーターの段差を一段上がり、そしてモルクの一段下から顔を覗き込みながらスマイルで勇気付ける。その行動にモルクはビックリしながらお礼を言ったのだか、妙に顔が赤いような気がして・・・
「・・・顔が赤いようですが、体は大丈夫ですか?」
「う、うん。大丈夫・・・だよ。 じゃ、じゃあ気を取り直して行こっ!!」
「・・・そうね。目的階はもう一つ登ったフロアの一番奥のお店よ。 それにしても、久し振りだから楽しみっ!!」
「(レイエルさんキャラが凄く変わってるような気が・・・そこまで楽しみにしてるんですね・・・・・・)」
 レイエルがクルクル空中で回ってるのを見て、純粋にアーシアはそう思った。だが逆に、そこまで美味しいと言う事だから・・・
「・・・私も楽しみかもっ」
「うんっ?アーシアちゃん、今なんか言った?」
「あ、はい。私も早く食べたいなっと。 レイエルさんがその様子なので結局ワクワクしてるんです」
「・・・ねぇアーシアちゃん。やっぱり一言言っていい?」
「なんでしょうか?」
 しばらく考えてから真剣な顔で問いてきたので、アーシアも話をよく聞けるようにレイエルの方へと向き直した。
「アーシアちゃん、やっぱり敬語やめてくれない? 敬語使われると溝があるような気がするのよね・・・モルクもそうでしょ?」
「・・・えっ? あー、うん。敬語は話しにくいからボクからもやめて欲しいかもねっ」
「そうですか・・・えっと、じゃあ・・・・・・。 あ、改めて宜しくお願いしま・・・ねっ!!///」
 よろしくお願いしますっと言いそうになり、慌てて変えた事によって言葉がぎこちなくなったので、笑ってごまかした。上手くごまかせたかは微妙だが、レイエルが「宜しくねアーシアちゃん」っと言ってきたので、問題はなかったらしい。もしかしたら気を利かせて言わなかっただけかもしれないが・・・。
「さーてっと、心機一転したところで目的の・・・って、お店の前にいつの間にかに到着してたわね・・・」
「えっ?ここの店って・・・まさかー・・・」
「そう、完全予約制の《フィアンドカフェ》!! ここのシチューがとびっきり美味しいのに安いのよねー!!」
「ちょっ、ちょっと待ってください!! 今、完全予約制って言いましたよね!?予約したのですか!!」
「予約?そんなものしてないわよ。まぁ、理由は入ってみれば分かるわよ♪」
 凄くニコニコしながらサイコキネシスでドアを押し開け、レイエルが先に中へ入って行き、少々おどおどしたモルクが二番目に入り、最後に高そうなお店だからという事でシャキッとした(礼儀を正しくした)アーシアが入って行った。中は木をベースとしたカフェ店みたいな落ち着いた顔持ちで、既に入ってる客がコーヒーカップ片手に雑誌を読みながら飲んでたり、ある者はやはりコーヒーカップ片手に話してたり・・・とてもこのお店がシチューを出すとは思えない。
「あの、レイエルさん・・・本当にこのお店なんですか?」
「そうよ。でもエレナさんが居ないのよねー・・・」
「エレナさん?」
「あっ、エレナさんはここの女将さんで、ここのフロアの管理人も兼ねてるからたまに居ないのよねー」
「フロア管理人と言う事は、この三階フロアの管理をしている方なのですね?」
「そうそう。ちなみに種族は・・・「あらっ、レイエルちゃんじゃない、久々ねー!! あらっ?その子がモルクくん?っで、そこのイーブイはー・・・」あっ、私の友達のアーシアちゃん。そして、こっちがモルク」
 レイエルからの自己紹介に合わせてアーシアはお辞儀、モルクはタメ口で 宜しくねっ!! と言った。
 正直 えっ? っと思ったのだが逆に・・・
「元気があってよろしいっ。 っで、レイエルちゃんがここに来た理由ってシチューでしょ?風の噂で来るって聞いて作ってあるわよっ♪」
「流石エレナさんっ!! 色々と一段落したから人訪ねついでに食べにこようかなって思ったか・・・あれ?」
「どうしたの?」
 周りを見渡しながら、厨房の方にも目を向けると、知らない人が厨房で大きな鍋をヘラでかき回していた。鍋淵に茶色いこびり付きを見る限り、多分シチューの鍋であることは確か。
「なんか見たことない人が厨房に立ってるって思って・・・。 でもなんで?雇わないって決めたんじゃ?」
「あー・・・色々と訳があってこの子は置いてるのよ。 一昨日の局地的の大雨覚えてるでしょ?その時に私がココに忘れ事を気が付いて家から傘持って向かってたんだけど、その通り道であの子・・・倒れてたのよ。 流石にこの光景に忘れ事なんか放り出して家に連れて帰って、怪我も少しあったから治療をしたわ。それで起きたのが昨日の朝で、色々と聞いて見ても記憶が無いみたいで、名前すら分からない重症タイプの記憶喪失だったのよ。だから記憶が残るまでここに置いておく事にしたの。まぁ、覚える事が凄く得意みたいで、精算や今やってるシチューの熱加減も昨日ちょっと教えただけでマスターしちゃってるから、私がフロア管理している間は任せちゃってるってわけ」
「なんか凄い人見つけたわね・・・なんか姉と妹が開いている店みたい」
「うーんー・・・妹かー・・・。確かに私はミミロップで、あの子はミミロルだし、言われてもしょうがないかなっ? あっ、ちょっとミミアン来て!!」
「ミミアンって・・・あの子? でもさっき名前がないって・・・」
「それは当然、名前が無いのも大変だから ミミアン って私が名前付けたのよ。 それと、今気が付いたんだけど、ミミアンと同じマークが貴方にもあるのはどういう事?」
「お、同じマークっ!!?」
 突然な事にアーシアは目を丸くして大声を出してしまった。その声に周りの客が ビクッ としたり、咳払いをする人も居て、アーシアは強い視線を感じる気がして顔が真っ赤になった。
「お、驚き過ぎ、声大きすぎ。他の客が居るんだから静かにして」
「ま、まことに申し訳ございませんでした・・・」
「はい、次から気をつける事。 っで、理由は何故かしら?」
「あっ、えっと・・・ミミアンさんは、なんと言ったらいいのか・・・えっと、私と同じグループなのは確かです。 こちらも色々とトラブルに巻き込まれてて・・・少なくとも、ミミアンさんと同様に私も記憶がありま・・・」
「・・・私と同じ模様を持っていて、同じ状態・・・・・・あなた何者・・・?」
 その声にアーシアが振り返ると、そこに居たのは 体色が焦げ茶色ベースで、モコモコの綿のような物を付けていて、そして両耳をくるんっと丸めているポケモンのミミロル・・・間違いなくさっきまで厨房にいたミミアンである。
「え、えっとー・・・私とミミアンさんが同じマークを持っている事は、ちゃんとした理由があります。 ・・・覚えていたら良かったのですが、このマークを持っている事は少なからず仲間で、同じ目的を持っているはずです。それに、今はまだミミアンさんしか見てませんが、まだ何処かに同じマークを持つものが居て、行動しているはずなのです」
「貴方以外にも居る・・・? それはどういう事?」
「そ、それはココだと話しにくいです・・・。この話は他の方に聞かれると色々と問題なので・・・」
「そう。なら私は失礼します。 まだシチューを煮込んでいる途中なので」
「えっ、あっ、ちょっと待っ・・・行っちゃっいましたね・・・」
 ミミアンはアーシアの呼びにも反応せず、奥の厨房へと見向きせずに戻って行ってしまった。その後ろ姿を見てアーシアは何と無く寂しいような気がした・・・。
「わ、悪く思わないでね。あの子、私以外にはあまり話してくれないのよ。 レジ打ちの時は最低限の事しか言わないし、感情を表に出さないしー・・・さっきも私には見られてないと思ってたらしいけど、隠れて泣いてたの見えちゃったのよね・・・」
「・・・分かります、その気持ち。私も記憶が思い出せなくて泣きたくなる事を抑えている事が・・・はははっ・・・だめ、考えるとまた涙が・・・ぐすっ」
「ア、アーシア・・・心配しないで。記憶は絶対に無くなってないはずだよ。 ただ、思い出せないだけだよ・・・たぶん・・・・・・」
 左手をアーシアの頭に載せて撫でながらモルクが、さっき自分が勇気付けられたように、アーシアを勇気付ける。その手と言葉に対してアーシアは、潤んだ目でモルクとレイエルを見て、エレナを見た。
「・・・ミミアンと同じで貴方も十分大変だったのね。 私なんかで助けられるかどうかは分からないけど、フォローするわ」
「私と同じ・・・アーシアさん、貴方は何を知っているのですか・・・? 私が此処にいる理由は・・・なんなの、ですか?」
「な、何故私の名前を・・・?」
 ミミアンが・・・少し頬を濡らした状態でアーシアの前に突然現れたのも驚いたが、そのまま問う。それと、名乗ってもいない自分の名前を知ってる事にアーシアは驚いているのを見て、その事にミミアンは自分の耳を指差してアピールした。ただ、両耳が真っ直ぐピンッと立っているだけだが・・・
「この耳になってから、よく声とか音が聞き取れるようになったので、アーシアさん達との会話を全部聞いていました。 それと・・・今、幾つか思い出せました。思い出せたのは何処か分からない風景・・・何処かの古ぼけた部屋の一室・・・何かに付けてあったミミロルのキーホルダー・・・これから察するに、私はこの世界の住人じゃないではっと。どうなのですかアーシアさん、私の推測は間違っていますか?」
 ミミアンの一言に周りの客が若干ざわめき、事実を知っているモルク・レイエル・アーシアは目を丸くし、お互いの顔を見合う。そして、俯きながらアーシアは次の一言をミミアンしか聞こえないような小さな声で言った。
「・・・・・・いいえ、あってます。マークの意味もその証です」
「やはり、そう・・・なのですね。あの、では、後で話を伺ってもいいですか?」
 声の大きさで聞かれてはいけないと分かったらしく、ミミアン自身もとても小さな声で伝え、後に来るようにとも伝えた。周りは「なんと言った? や 全然聞き取れなかった」っと言っており、だがエレナだけは聞こえてたようで、首だけで小さく頷いていた。
「そう・・・ミミアン、今日はもう良いからアーシアちゃんと話してきなさい。裏の休憩室使っても良いから」
「で、でも・・・」
「良いから、その方が貴方の為になるでしょ?」
「・・・はい、少し話してきます。 では、こちらに来て下さい。レイエルさんとモルクさんも」
 ミミアンは少し考え込んでから三人を厨房を通って裏に案内する。それを見届けた後、エレナは厨房に戻ってシチューを温めたり、会計したり、お店の仕事に戻った。四人分のシチュー皿とスプーンを鍋の横に準備しておいて・・・。

~~~~~☆~~~~~

「ここです。本当に簡易休憩室なので少し狭いですが、話すのには十分かと」
「なんか悪いわね・・・気を利かせちゃって。内容はまとめて話すから心配しないで」
「あの、アーシアさんが話すのではないのですか?」
「あー、それなんだけどね。 この世界の事は自分たちの事で言いたいし、アーシアから話も聞いてるから、ちゃんとした考えを出して言う事も出来るって思って」
 ミミアンはアーシアとレイエル・モルクを交互に少し不安そうに見る。それに対して直ぐにモルクが説明を入れると納得したらしく、ゆっくりと静かにミミアンは頷いた。

 そして、話し合いは30分以上を掛けて終えた。話している最中にエレナがシチューを四人分作って持ってきたりして、シチューの美味しさに少し話しが何回か中断したのは置いておいて(お陰でミミアンは心を完全に開いてくれ、食卓囲めば全員仲間とは本当のことだったらしい)。
「・・・ふぅ、ボク達が知ってるのはここまでかな。どう?この世界のことと、なんでここに居るのとか分かった?」
「うん、分かりました。成る程・・・ドリームメイカーズを何とかすれば良いのですが、表の顔は役に立つアイテムを作る工場・・・」
「そう。だから叩こうにも悩むし、アーシアちゃんとミミアンちゃんと同じ、人間の人達がまず集まるしかないみたい。ちなみに叩くなら、しっかりした証拠を取る必要があるから・・・忍び込むしかないわね」
「し、忍び込むの!!?それって見つかったら大変なことになるよっ!!? あー・・・そう言ったものの、なんか隠れて実験してるって聞いたこともあるし、結構前の新聞で電気・炎・水タイプの人達が誰かに誘拐されて、何人か戻ってきてないって言う事件に異常なほどの体制で探したのもドリームメイカーズだったらしいし・・・ちなみに本当に異常な動員だったらしいよ」
「あれねー・・・確かに怪しい匂いがするとは思ったわ。あと、秘密実験が行われているーって、都市伝説みたいな事も少し流行ったこともあって、私たちも考えて話し合ったこともあったわね、モルク」
「うん。それで、話していて本当に実現しちゃったのはテレポートマシン・・・確か四年前だっけ? 本当に二人でびっくりしたよね」
 話しは見事に脱線し、アーシアとミミアンは顔を見合わせて苦笑いするしかなかった。だがいつになっても、会話がどんどん続いていくので、止めようにも止められず、結局アーシアとミミアンも会話し始めた。
 話す内容は自分が今、まさにその姿になってる好きなポケモンの事や、他にどんなポケモンが好きなのか、この姿になって何をしたいか・・・色々と話していた。

 アーシアがイーブイが好きな理由は、直感で好きになってしまい、色々となにかしているうちにものすごく好きになった。ミミアンもだいたい同じ理由で好きになったらしい。
 次に、他にどんなポケモンが好きなのか。アーシアはブイズ系列に幼ポケにラティアスで、この子も正直一目惚れらしい。ミミアンはノーマルタイプ・電気タイプ・飛行タイプなら大体良いらしい。
 そして、やってみたい事はバトル・・・どうしてもやってみたいらしい。それと、自然を見て回りたいには多いに賛同した。

 そんな事を話していると、流石にエレナが顔を出してきて「もう2時回ったけどいいの?」っと言われ、慌てながらアーシア・レイエル・モルクはお礼を言ってカフェから出たのだが、ミミアンはもうしばらくはココに止まって居るっと言い出した。理由を訪ねたらエレナの手伝いしたいからだっと伝えた。エレナ自体もその言葉に驚いて「行かないないの?」っと聞き返したが「エレナさんと居ると、よく分からないけどとても安心する・・・なんだか、心がホッとするんです」と言いながらエレナに抱きついてきたものだから、それ以上エレナは言わなかった。いや、言えなかったが正解かもしれない。他人にここまで擦りつくと言えば、子供が母親を欲する時や、男と女が愛し合ってる時のみ・・・つまり、なんも覚えて居ないミミアンが、忘れてしまった母親を欲すって抱きついたと言えば・・・説明が通る。
 その行動を見て、なんとなくさみしい気持ちになって一瞬だけアーシアは下を見た。ほんとに一瞬だったのはずなのに、エレナはミミアンを片手で包み込みながら抱き上げると、今度はアーシアも余ってる方の手で抱き寄せた。
「アーシアちゃんも、さみしくなったら何時でもここに来なさい。私たち、ここで待ってるから・・・」
「・・・は、はい///エレナさん・・・ありがとっ、ミミアンさんも。 また、会おうね///」
「はい、必ず。その時はアーシアさんをサポート出来るくらいに頑張ります///」
「絶対来なさいよ?来なかったり、連絡よこさなかったら探しに行きますからね?」
 アーシアとミミアンを下ろし、エレナは二人の頭を撫でる。その光景をみて、レイエルとモルクは少々周りの目を気にしながら、
「レ、レイエル?なんか、あの三人、親子みたいにボクは見えてきたよ」
「親子ねー・・・今度は何時になったらお母さん帰ってくるのかしらね・・・でも、また一ヶ月経ったらぷらっと研究終えて帰ってくると思うけど」
「自分もそんな感じかな。一応メモ書き残しておいたけどね、ボクは。 あっ、レイエルの名前も一応書いておいたよ」
「ありがとね、なら安心だわ。 なんか毎回一緒にどっか行く時に・・・・・・あ、れ・・・?」
 レイエルは何かが引っかかり、少し振り返って見る・・・。

 今まで私は・・・どこに行くのも、モルクと・・・ずっと、一緒・・・どんな苦労や危険な探検などもしてきたし、遊びに行ったり、遊びに行くのも・・・しょっちゅうだった・・・。これって・・・他からみると、つ、付き合ってる・・・感じなんじゃないのコレっ!!?
 じょっ、冗談じゃないわよ!!こんな危なっかしくて、でも頼もしくて、たまには守ってくれて・・・あーダメダメっ!!いいところしか思いつかない!! 仮にモルクは幼馴染なのよ!!?・・・そうよ!!幼馴染と一緒に居るなんてよ、よくあることよ、う・・・ん・・・・・・
「・・・エル!!」
 あるのー・・・か、な・・・・・・
「・・・イエルさんっ!!」
「・・・えっ?あー・・・えっと、ちょ、ちょっと深い考え事・・・してたのよ/// っで、どうしたの?」
 アタシったら周りに気がつかなくなるまで考えてたのね・・・本当に、もうっ・・・このくらいで考え込んじゃうなんて・・・。この考えは記憶の片隅に飛ばしときましょ・・・
「レイエル、本当に大丈夫? なんかー・・・少しだけ頬が赤いような・・・」
「あらほんと・・・レイエルちゃん、少し熱あるんじゃない?」
「ね、熱なんてないわ。ほ、ほら、そろそろ目的地に行くわよ。早く行動しなきゃお楽しみの時間がなくなっちゃう♪」
「お、お楽しみ・・・?」
「レ、レイエルさん・・・本当に言ってた・・・こ、とを・・・?」
 アーシアはモルクも横目でチラチラ見ながらレイエルの方を見る。そして、少ししてから今度はモルクの事を見て、目が合うとすぐに少々頬を赤くしながらそっぽを向くと、
「レ、レイエルさんが・・・やりたいなら私は止めません///」
「そう。実質楽しみ、でしょ?」
「ねぇねぇねぇねぇ!!ちょっと待って!!!! 二人は何を考えてるわけ!!?」
「そうねー、何でしょうねーアーシアちゃん?」
「あっ、う、うぅ・・・///」
「・・・あーもうっ、じゃあもういいから行くよ。エレナさんとミミアン、また会おうね」
 モルクは少しは考えたようだが、すぐに考えるのはやめてアーシアを慰め、お世話になった二人に挨拶する。それに続いてレイエルもお礼し、アーシアは最後にミミアンにハグをしてから別れた・・・。 
 

 
後書き
お久しぶりです。
だいぶ更新遅くなりましたね・・・ごめんなさい。
そして、妄想が爆発して書き直し前より違うイベントが登場してしまいました・・・これもごめんなさい。

あっ、それと今日のうちに現時点までに登場したキャラ紹介を流しておきます。 
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