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白百合紅百合

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第一章

                         白百合紅百合
 ある日のことだ、間宮彩に対して。 
 クラスメイトがこんなことを言ってきたのだった。
「あんたにお誘いがあるかもってね」
「お誘いって?」
「生徒会からね」
 そこからだというのだ。
「そんな噂があるのよ」
「生徒会って」
「ほら、生徒会って今書記の人がいないでしょ」
「あっ、三年の人達が引退して」
「そう、二年の人達が今してるけれど」
 だが、だというのだ。
「次の選挙まではね」
「そうだったわよね」
「それでね。書記が空いていて」
 それでだというのだ。
「あんたにね」
「スカウトが来るの」
「そう、それでだけれどどう?」
「噂よね」
 まずはこう言った彩だった。
「確かじゃないわよね」
「まあね」
「噂ならね」
 今一つ動く気にはなれないというのだ。
「私噂で動きたくないから」
「そうね、じゃあ三年の人達から話が来たら?」
「実際に来たらよね」
「その時はなのね」
「ええ、そうよ」
 こうクラスメイトに答えるのだった。
「その時はね」
「まあね。じゃあ正式な話が来た時にね」
「その時にね」
 少なくとも今はだった。彩はこれといって考えないことにしていた、彩は小柄であるが発育はかなりいい感じである。
 大きなはっきりとした奥二重の目は横に猫の目の様になっている。黒い細めの麻友は一直線で唇は小さい。
 鼻立ちも顔立ちもすっきりとしている、綺麗な黒髪を首の付け根で切り揃えている。可愛らしい制服からとにかく胸が目立つ。
 女子高でなければ男が寄ってきそうだ、その彼女はそう決めていた。
 暫くは何もなかった、だがだった。
 話は実際に来た、生徒会の名前でだ。
「本当に来たわね」
「ええ、会長の雅さんからね」
 雅由紀という、彼女からの誘いだった。
「書記のうちの一人にね」
「もう一人もよね」
「そう、一年の娘よ」
「つまり生徒会に一年が二人入るのね」
「あんたを含めてね」
「そうなるのね。それじゃあね」
「このお誘い受けるの?」
「そうさせてもらうわ」
 こう答えた彩だった、微笑みで。
「まさか会長さんから直接お誘いがあるなんて思わなかったけれど」
「今度の会長さんマメな人みたいだから」
「それで私にもなのね」
「そう、あんたをよく調べてらしいわ」
「ううん、それでなの」
「で、あんたもよね」
「ああ、今日にでもね」
 誘いを受けたなら、彩は答えた。
「そうさせてもらうわ」
「それじゃあね」
 こうして話は決まった、そしてだった。
 彩はこの日の放課後に早速生徒会室に向かった、生徒会室に来たのは彼女ともう一人だった。
 隣のクラスの坂本佐江だ。 
 茶色の細い髪の毛をボーイッシュにショートにしている。薄い眉は男子高校生の様にきりっとした形をしている。
 二重の目の光は強く唇も鼻立ちもいい。
 全体的に中性的な感じで彩とはまた違う感じだ、その彼女だった。
 佐江は彩を見てこう言ってきた。 
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