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少年は魔人になるようです

作者:Hate・R
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第68話 最終決戦が始まるようです


Side ネギ

「千雨さん、今です!!」

「分かってんよ!弾けろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ドジュァァッ!! ゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボッ!
『くっ、ここまでね……!!』

ドッゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!


千雨さんの輻射波動により、円盤形態になっていた"デストロイガンダム"がマグマのように紅く煮えたぎり、

爆発する。しずな先生が意外と強く変な能力持ちのせいで時間を喰った。これで、漸く二体目・・・!!


「千雨さんは皆さんと一緒に、一番大きい奴の所へ加勢に!」

「あの触手うねってやがるキモイ奴ん所か!了解だ隊長!!」

「ネギ君も明日菜も、あんま無茶しちゃダメだよ!!」


僕達に一瞥をくれ、千雨さんの乗った紅蓮と朝倉さんの乗ったランスロットはゆっくりと巨大化を続けている

"デビルガンダム"の方へと飛び去る。既にあちらにはのどかさんと夕映さん以外のみんなが向かった事になる。


「ハァ、ハァ…………明日菜さん、まだ行けますか!?」

「あ、当たり前でしょ!あたしを誰だと思ってんのよ!!」


気丈に振る舞ってはいるけれど、僕も明日菜さんも息絶え絶えだ。

一戦闘に使えて1,2回の必殺技を立て続けに5回も放っているのだから、当然だろう。

かと言って休んでいる暇も無いので、明日菜さんへ学園長先生から貰った回復薬を渡す。


「な、なによ、この豆……?」

「食べれば分かります!急いでください!」

「マジで!?もう仕方ないわね!!あむっ。

……………フフフフ、アハハハハハハハハハ!力が漲るわ!!何よこれ!?」


食べると、先程の疲労感が嘘のように消え笑い出す明日菜さん。

体力気力全快、高揚、更に治癒促進効果がある謎の豆だ。・・・一日後が、アレだけど。

でも、今は構ってられない!(と思ってくれるだろう。)


ドガアアアッ!!
「きゃあああああああああ!!」

「のどか!くっ、流石に強いです……!!」


僕達が話した僅かな時間で、のどかさんの乗った"ストライクフリーダム"にビーム砲が中り、

防いだ盾が壊れ機体が吹き飛ばされる。やっぱり、一瞬たりとも休んでなどいられない・・・!!


「本屋ちゃん!?ネギ、加勢に行くわよ!!」
         ドゴォン!!
「はい、明日菜さ――うわぁっ!!何……っ!?」

『ザザ―――やぁ、ネギ先生。明日菜。』


のどかさん達の所へ行こうとしたその時、グレンラガンの肩口が穿たれる。

見える範囲には機体も、愁磨さん達も敵もいない。そして、この声は・・・・・・!!


「龍宮さんですか!?」

『フフフ、正解だよ。』(ガオン!!

「くっ!?」
         ヒュゥン!

通信から音が聞こえたお陰で、ギリギリ攻撃を避ける。その時聞こえた風切音は間違いなく、銃弾の音だった。

銃声もせず、機体も見えず。更には発射されてから1秒で着弾しグレンラガンを穿つ攻撃力。


―――ブツッ
「明日菜さん、龍宮さんは光学迷彩系の装備で見えなくなっているか、

もしくは完全なアウトレンジから凄く大きいスナイパーライフルでこちらを狙っています!」
  フュゥン!
「そんなこと、わぁっ!?言われたって!これじゃ助けに行けないわよ、どうすんの!?」

「取り敢えず、動き回っていれば龍宮さんでも捉えられないようです!」


龍宮さんでも中てられないとなると、アウトレンジ射撃の方が正解のようだ。それも、相当な。

でも、それはそれで問題がある。

飛んで来た位置から、狙撃場所は動いていない。が、距離が分からない以上接敵していたら

こちらの戦いがどうなるか分からない。


「(どうすればいい・・・・!?)「ネギ君!私が行ってくる!」ま、まき絵さん!?」

「私の装備なら、行けるから!!」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

Side まき絵

「だから、私に任せて!!」

「でも………!クッ、お願いします!!一発でも中ったら怒りますからね!!」

「了解!!」


通信が聞こえてきて、ネギ君が困ってたみたいだったから答えてあげる。

ふふふ、こんな時でも優しいんだね。だから、期待に応えてあげないとね・・・!!


「皆ごめん!任せたよ!!」
ガキィン!!
「いいって事アル!一番いい所に間に合うよう早く行ってくるがいいネ!!」

「はいよぉ!"ホワイト・グリント 機能拡大"!!」


私は、機体についていたある機能を発動させる。最初説明見た時何に使うのかと思ったけど、こういう事ね!!


「"ヴァンガード・オーバード・ブースト(V.O.B)"、起動!!」


発動させると、ロボットの後ろの空間に黒い渦が出来てそこから大きなブースターが召喚される。

そしてロボットの2倍もあるそれが、轟音と一緒に装着される。


「佐々木まき絵!ホワイト・グリント、行くわよぉ!!!」
ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ――――――――――――――ンン!!
「とっべええええええええええええええええええええええええええええ!!」
ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!


再び、轟音。ロボットは矢どころか大砲のように飛び、一瞬の内に学園を後にする。

て、か・・・や、やばいんだけどこれ・・・!?

          ピピッ ピピッ!
「うぐぐぐぐ……!いた!見つけたわ……よ……?」

『おや、意外と早かったね。』


20秒くらい飛ぶと、それが見えて来た。

他の敵の機体、50m何てモノじゃない程大きい・・・基地と言った方が合ってる巨大な砲台。

そして、それから銃が撃たれる!

    ガフュ           ゥン――――
「おわぁ!?こんのぉ!!」

『避けた、ねぇ……面白い!ならこれも避けられるかい!?』


たつみーの言葉に応えたみたいに、基地がゴウンゴウンと鳴り出す。

すると、次々と大砲やら何やらが転移して基地にくっついて行く。でも、あと三秒もすれば・・・・!!


プスン―――――
『V.O.B. 活動限界. パージします.』

「え゛!?」
ガッション!


突然ブースターが止まって、勝手に外れる。

当然、私のロボットは落ちて行き・・・墜落する事無く、地面を滑りながら走り続けてくれた。

あ、危なかった・・・!じゃない、危ないまま!!


ドォン!  ドォン! ドォドゥドォン!! ズバババババババババババババババ!!
「うっひゃぁぁぁぁああああああ!?」

『ハハハハハ!良く避ける!!』


さっきの大砲が連射されて、更にミサイルが雨みたいに降って来る。

でも、私はそれを見ないでレーダーに頼る。そこには"雨"が赤、降らない地点が黒く映っている。

そこを潜れさえすれば・・・・・!!


「あとは、目の前!!」

『素人が…!どうしてやってくれる……!!』


どこか嬉しそうなたつみーの声に若干苛立ちと疑問を持ちつつも、基地の真下へ潜り込んだ。

そのまま、持ってるマシンガンを真上に向けて連射する!!


ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!
「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらぁ!!」

『女の子が随分な声を上げるじゃないか!愁磨さんに聞かれたら怒られてしまうよ?』

「そんなんかんけーないもんね!!」


反対側へ走り抜けて、撃ち終わったマシンガンを投げ捨てる。

そしてミサイルポッドをばら撒きつつ、格納されていた小さいレーザーブレードを装備する。


「こ れ でえええええええええええええええええ!!」
ザシュ  ザシュゥ!!
『よく、ここまで……!!』


これでもかと銃弾を叩き込んだ真ん中に十字型に切りつけるけれど、火花が散るくらいで

全く壊れる様子が無い。もう攻撃出来る武器が小さい剣くらいしか無いのに・・・!?


『撃ち止め、かな?なら、今度はこちらから行くよ!』
ゴゴゥン―――
「他に、他に武器は……!?」


コンソールを操作しながら、意外と速く動く基地の下を維持する。そこで、武器と言うにはアレな兵装を見つける。

ロボットの防御に使われてる変なエネルギーを攻撃に転用する、自爆みたいな武器。


「(同じくらいの大きさの機体なら一撃で倒せるけれど、こんな大きな物を・・・。ううん、でもやるしかない!)

アサルトアーマー、起動!!」

『ちょこまかちょこまか……!やる気が無いのなら潰されてくれないかな?』

「そんな訳ないでしょうが!!行くわよぉ!!」


私は基地が動く反対側にスラスターを吹かせる。そして、基地の下を抜けた所でジャンプ。

当然、待ってましたとばかりにミサイルポッドが鬱憤と一緒に雨霰と降って来る。

自分の機体にも当たって爆発しているにも関わらず、さっきと比べものにならないくらいのミサイルが降り続ける。

当たりそうな物を全て切り、基地の中央に着地する。


『そこなら当たらないとでも思っていないだろうね?残念だけど、捕まったのは君だよ。』
ガキン ガキン ガキン ガキン
「そうね。捕まったのはあたしだよ。でもね……!!」


着地した瞬間、あたしのロボットがアームで拘束される。だけど、こっちの準備も出来てんのよ!


「アサルトアーマー発動ぉぉぉ!!」
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
『な、に……!?』


わたしの機体を中心に緑色の爆発が起きて、基地を抉り取る。

動けるようになってからすぐに、基地から飛び降りてとにかく離れる。


『…………やれやれ、まさか君に負けるとはね。頑張りたまえ。』

「言われなくてもそうするわよ!」


来た時のブースターが無いから、スラスターだけで移動して基地を離れて行く。

少しすると、背後で途轍もない音がする。

ったく、人の事をなんだと思って・・・・って、なんだか熱・・・!?


「ちょ、ちょっとおおおおおおおおおおおおおおお!?マジで!?まだ来る訳ぇ!!」


なるべく急いでるからもうかなり離れてんのよ!?燃える燃えるううううううううううう!!


「覚えてなさいよ、たつみーぃぃぃぃいいい!!」

Side out
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

『些か以上に屈辱じゃな。よもや私を3人で倒せようと思われるとは。』
ズドゥ!    ズドゥ!
「ぐっ、やあ!!ちょっとネギ、まだ溜まらない訳ぇ!?」

「もう少し、もう少しまってください!」

「な、なるべく急いでくださいー。」


まき絵さんが龍宮さん(砲台)を潰しに行った後、僕達は円柱状の機体の方へ向かった。

そこで待ち受けていたのは、王冠をつけた青黒い機体(キング・ザメク)とアリカさんだった。

円柱が広がり、巨大なビーム砲として機能。接敵すれば下方の大量のレーザーが飛んで来る。


だけど、何よりも厄介だったのはその装甲。

『星鉄』と呼ばれる宇宙金属を鍛えたモノが何層にも積み重ねられたその装甲は、

僕と明日菜さんのありったけ(残り滓とも言う)のギガドリルブレイクをいとも簡単に弾き返した。

その為、最高のギガドリルを叩き込むべくエネルギーを充填しているんだけれど・・・。


「(クソッ!なんでこんなに溜まるのが遅いんだ!?まだゲージの6割も残っているのに!)」

「あーもう鬱陶しい!ネギ、ちょっと変わんなさい!」

「え、明日菜さん!?」


言うと、明日菜さんはすぐに操縦を止めエネルギーを充填しだしてしまう。

止むを得ず操縦を受け継ぎ、砲撃を避ける。

チラリとゲージを見ると、既に半分程度まで溜まっていた。僕と比べ、5倍は溜まるのが早い。


「何よ、全然溜まるじゃない!やる気あんのか無いのかハッキリしなさいよ!」

「や、やる気はありますよ!?っと、くぅっ!」


そしてその僅かな間でゲージが溜まりきり、更にエネルギーは溜まり続け、緑色だったゲージは虹色へ輝き

機体を包む。なんだ、これは・・・?僕と明日菜さんで、こんなにも何かが違うのか!?


「避けてなさい、二人とも!いっくわよぉ!!ひっさぁぁぁぁぁぁあっつ!!」
ドシュゥ!   ザザザザザザザザザザザザザゥ!!
『な、なんじゃこれは…!?愁磨とナギが使った時でも、ここまでのエネルギーは!!』


投げられたブーメランは幾十と分かれ、常の動きを止める働きではなく敵を蹂躙して行く。

数回切りつけただけでザメクの装甲を破砕し切り落とす。

そしてザメクを取り囲む円となり動きを止め、本来とは違うが必殺技の型になる。


「ギガぁぁぁぁ!ドリルぅぅぅぅ!ブレィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイクゥ!!」
ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!
『あ、アスナ……!お前は一体何のじゃ!?このような………っ!!』


そして、再度大爆発。これで残りはもみじさんの"デビルガンダム"のみ。

アリカさんのあの様子・・・明日菜さんは、確かに特別な何かを持っているんだろう。

それも愁磨さんや父さんとはまた違った『力』を。でも、今は。


「機体に損傷無し。明日菜さん、行けますか!?」

「トーゼンのパーペキよ!あと10回はぶっ放してやるわよ!!」

「そ、そうですか。すみませんがお願いします。操縦は任せてください!

のどかさん、夕映さん。急いで皆さんの援護に―――」


そこで感じた事の無い妙な気配が降って(・・・)来る。位置は・・・今更海岸!?

来るのが残りのメンバー・・・愁磨さんや魔王達だったら、広場は簡単に落とされる。

もしそれで世界樹広場が落ちたら、他の広場を守ったとしても意味が無くなってしまう。


「明日菜さん、海岸の新手へ向かいます!!」

「嘘!?この状況でまだ来るの!」

「ネギ先生、この状況で新手が来るとしたら相当の手練れです。私とのどかも着いて行きますです!」

「(どうする?もみじさんの方は5人もいるから今は押している・・・なら!)

いえ、夕映さん達もあちらに加勢してください。一気に攻勢に出れば倒せます!」

「……わ、分かりましたー。どうかお気をつけて。」


二人を見送り僕達も海岸へ向かう。着くと、気配が近づいて来るのが良く分かる。

その間にも明日菜さんは黙々とエネルギーを充填して居る為、パーセンテージで行けば既に400%を超えている。

これなら、あの浮かんでいる城をも貫けるだろう。


ズズゥン!!
そして、黒点が―――――二つ降り立つ。


それは自分大の両刃の大剣を持った武者と、二倍以上大きい馬型。

二つで一つの刃馬一体。『武神装攻・逸騎刀閃』"ダイゼンガーと"アウゼンザイター"。


「搭乗者は………アリア・P・W・織原。」

『・・・・正解。そして、私でおしまい。』


それだけ言うと、ロボットとは思えない身軽さ・自然さで馬に跨る。

一瞬だけ機体が何かに包まれ、光り輝く。そして現れる―――魔方陣群。


「な、んだ……!?物理・魔法反射に自己修復、回帰、加速に自己強化!?」

「ちょ、そんなんどうやって倒すのよ!?てか倒せる訳無いじゃない!!」

『・・・よく、分かる。ほめてあげても・・・いい。』


馬鹿な、いくらなんでもこれはやりすぎでしょう愁磨さん!?

それともこのグレンラガンならやれるとでも言うのですか。いや・・・やるんだ!


「最初からクライマックスよ、ネギ!!」

「ええ、分かってます!!ひっさああああああああああああああああああああああああああああああつ!!」
ドシュウ!
『無駄・・・。』
ガガイィン!!


常の通りグレンラガンから投げられたブーメランは、巨大な剣と馬の煙のような鬣に弾かれる。

アリアさんは、巨大な剣を更に大きな物へと変化させこちらへ飛びかかって来る!

でも、こっちだって普通と違う必殺なんだ!!


ギャリギャリギャリギャリギャリギャリ! バガァン!!
『剣を・・・砕いた・・・?』

「「まっだまだあああああああ!!

ギガァ!ドリルゥ!ブレィイイイイクゥ!!マキシマァァァッァァアアアアム!!」」


全身からギガドリルが生え、ダイゼンガーの剣を捉え砕く。

そしてそれを一つの超巨大なギガドリルへと変え、アリアさんへ突撃する!!


ガギィィ ―――――― ンン !
『おしい・・・でも、ここまで。』


「そ、そんな……!ホントに傷一つつかないっての!?」

「ま・だ・ま・だぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!」
ジャギンッ
『っ・・・!?』
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!


ギガドリルを止められてしまった所で、更に先端の上下左右からドリルを追加する。

尤も、最初の一撃を止められた時点でほぼ勝機は無くなったのだけれど・・・。

でも、だからと言って諦める訳にはいかなんだ!!


「明日菜さん、力を貸してください!全ての力でドリルを創ります!!」

「んんん、了解よぉ!!こぉぉぉぉ……はぁぁぁあああああああああああああああああ!!」
ジャギジャギジャギジャギジャギジャギジャギジャギジャギン!!
『・・・ふぅん。流石、お姫様・・・。』


僕と明日菜さんが全力で気合を入れ、全身からもドリルを伸ばし一点に集約させる。

それでも障壁は砕かれる事無く、黒い機体を守り続ける。

まだだ・・・まだパワーが足りない!でもこれ以上は望めない。どうする!?


「ずぅぅえりゃあああああああああ!!」
ズギャォォオオオオオオン!
「一点集中!行きますよ!!」

「おうさぁ!」
ズバラダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!
『・・・・・・負けちゃったの?おばか。』


諦めかけたその時、もみじさんと戦っていた皆の攻撃が障壁目掛けて叩き込まれる。

よし、これなら!!


『てっしゅー・・・。』
ドゥッ!
「「「「へっ?」」」」


・・・・やる気になった、んだけれど。アリアさんはなぜかすぐさま上空へ消えてしまう。

と、とにかく!今がチャンスだ!あとは浮いている城さえ落とせば、僕達の勝ちだ!


「せ、先生大変だ!空を飛部と科学部の連中が城の偵察行くって飛んで行きやがった!」

「な……!?何故ですか!?とにかく戻らせないと!」


城の方を見ると、十数機にもなる飛行機が飛んで行くのが見える。

相当間隔を開けているし、何よりも一般人への攻撃は例の脱げビームと脱げ弾丸だけだ。

何においても早く戻らせるに越したことはない。


「飛行能力を持った人達は、今すぐに―――――」

ピピ――――  ザザッ
『聞こえるかナ?我らに刃向う愚かな人間共ヨ。』


そこで、最初の説明がされた時のようにホログラムで空中に映像が映される。そこに現れたのは超さん。

でも・・・周りが暗い為か表情はほぼ見えない。


『最早我々に残された戦力は、残念ながら四機のみとなっタ………。』


その言葉に、そこら中から歓声が上がる。・・・言葉だけを聞けば、こちらがかなり優勢で終盤。

こちらには敵の超大型をも倒した機体が全て残っているのだ。

だけど・・・僕達は嫌な予感しかせず、それは次の瞬間的中するのだった。


『故に、もう容赦はしなイ。"アンサラー"……起動。』


その言葉と共に、天空に浮いた城は様相を一変させる。

巨大な岩で構成された下部は真っ二つに割れ、最上に建造された城は脆く崩れ――――

その下から、超巨大な衛星兵器が現れた。

Side out 
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