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木ノ葉の里の大食い少女

作者:わたあめ
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1-0

 
前書き
プロローグ的なもの。いろいろかけなかったけど、とりあえずこれくらいで。 

 


 男は悲しんだ、人の命のはかなさを。
 男は求めた、この世に溢れる知識を、全てを。
 だから男は望んだ、不死の体を。

 ある少年少女達は平和を求めていた。
 一人の少年が死んだ。それでも少年と少女は走り続けた。
 そして彼らは世界に痛みを与えることを決意した。

 一人の少年は石の下に沈み、赤い瞳を差し出した。
 赤の瞳とその少女を託された少年は走り出す、約束を叶えるために。
 友達になろうと思ってなり切れなかった仲間を思って。

 少年が泣き叫び、女が倒れる。少女ともう一人の少年は、遠くで女の死を知った。
 一人の少年は恋に狂い、一人の少女は自分だけを愛することにした。
 残されたもう一人の少年は、変わった二人を前に、成すすべもなかった。

 ある子供には記憶も、名前もなかった。
 そんな彼にある女は名前を授け、そして眼鏡を授けた。
 その子供は、とても卓越した才能の持ち主だった。

 少女は駆け抜けていく、小さな男児の手をひいて。
 男児の殺された白い目の女を思い、狂った怨霊を思いながら。 
 首の根に呪いをかけた白い蛇を思いながら。

 少年は駆け抜けていく、狐者異の敷地への道を。 
 燃え上がった屋敷の中に飛び込んで、彼は赤子を救い出す。
 泣き叫んでいた赤子を抱え、かれは崩れる屋敷を後にする。

 父と母は抱きしめる、愛しい愛しい我が子を。
 九つの尾は里を壊し、仮面の男が赤子をさらう。
 誕生日を祝うのは最初で最後、プレゼントは九つの尾を持つ獣。 

 犬達が駆け抜けていく、里の外れの村めがけて。
 そして犬達は、赤子の首を絞める女の、その首に牙をつきたてた。
 犬神と呼ばれるその妖怪は、赤子の中にもぐりこむ。

 男児は恨んでいた、額の呪いを、定められた道を。
 分家は宗家を守るのが、呪いを受けるがその定め。
 伯父によくにた我が父の、亡骸を前に、彼は泣く。

 子供は一人泣いていた、風の散らす砂の地で。
 兄にも姉にも恐れられ、父も叔父も敵だと知った。
 砂で刻むは一文字、この先愛すのは己のみ。

 兄は涙を流して刀を構え、弟は呆然と兄を見上げていた。
 弟は聞いた、なぜこんなことをしたのかと。
 兄は言った、それは器を測るためと。

 そして物語は幕を開け、九尾を封印された少年は、世界をかき回してゆく。
 そして狐者異の少女は、かき回される世界に飛び込んだ。 
 

 
後書き
誰が誰だか皆わかるはず。 
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