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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~

作者:biwanosin
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破滅の抜け道 ②

「・・・何、この暗い集団・・・」

一輝の感想は、これである。
それくらいに、重苦しい集団だった。

「とりあえず・・・あの天使っぽい集団は俺が相手するから、他をよろしく。」
「「了解!」」

一輝が天使の集団のほうに走って行きながら、途中にいた空飛ぶ円盤と黒服の集団を全滅させる。
その勢いのままに七人の天使の中の唯一何も持っていない天使に量産型妖刀で切りかかると、そいつの足元に刺さっていた不気味な紫色に光る大剣をつかみ、妖刀を斬った。
その瞬間に、妖刀を抜いたことをトリガーとして、白い和服になっていた一輝の服装は、普段着へと戻る。

「結構気に入ってたんだけど・・・仕方ないか。こいつらは『七人の御使い(セブンス・エンジェル)』?」
「うん、そうだよ。黙示録に記された、終末を告げる天使さん。」

その全員が、身長は三メートルはあり、右手には様々な武器、左手には金色のラッパを持っている。
武器の種類は短剣、斧、槍、弓矢、ハンマー、鎌、大剣、凶悪なものだらけである。

「さて・・・とりあえず斬っていくか。」

一輝は右手に水の刀、左手に炎の刀、自分の周りには様々なもので作った刀が浮いている。

まず、同時に迫ってきた斧と短剣に対して自分の周りに有った刃を飛ばし、動きを止めた隙に両手の刀を投げて首を飛ばす。
そのまま走りながら鎌、ハンマーの攻撃をよけ、唯一の遠距離武器である弓矢の元にいく。
矢を握って突き刺してこようとするのをよけ、新しく作った刀で首を飛ばす。

「まず三体・・・っておわっ!」

一輝が気を抜いた隙に大剣が攻撃を仕掛けてくるので、あわててよける。
よけながら攻撃をするが、その全てをはじかれる。

《武器の質も実力も他のやつらとは桁が違うな。なにかあるのか?》

一輝はその思考から、大剣を後回しにし、喰らったらまずそうなハンマーの元に向かう。

大振りなハンマーの攻撃が当たる前に、その首をはねる。
ハンマーを拾い、槍に投げつけようとするが、拾う前に消える。

《持ち主が死ねば、武器も消える・・・?いや、持ち主ごと消えるのか。》

死体のほうに目を向けると、もう既に消えていた。
他の死体も既に消えている。歩く邪魔にならないのは助かるだろうが、武器を利用できないのは誤算だったのだろう。舌打ちをしている。

「仕方ない、な!」

一輝は槍のほうに向かい、その武器を奪うと、鎌のほうに投げつける。
鎌が鎌を振り上げたところに(紛らわしい!)タイミングを調整して殴り掛かってきた槍の腕をつかみ、ハンマー投げの要領で投げつける。
鎌をとめることは出来ず、槍は真っ二つにされ、一輝は鎌を振り切る前に近づき、その首を落とす。

「さて・・・後は、」

プァーン。

一輝がラッパの音に反応して振り返ると、そこには大剣を持った天使がいた。

「さて・・・こっちも切り札を使うしかないかな。」

一輝は倉庫を開き、一振りの刀を、強い存在感を放つ刀を取り出す。

「それは?」
「元妖刀、現神刀のご神体。鵺殺しによって与えられた名刀獅子王。」
「それが、お偉いさんが頑張って探してる?」
「そうだよ。俺も使うのは初めてだけど、陰陽師になった俺なら」

一輝はそう言いながら、刀を鞘から抜く。
一輝の服装は、その瞬間に白い和服になり、てに持つ刀は・・・しっかりと、一輝の手に収まっていた。

「使いこなせそうだな!」

ガキン!

先ほどは音すら立てず量産型妖刀を斬った大剣だったが、今度はしっかりと打ち合った。

一輝はこれなら攻撃が出来る、ということでそのまま攻撃を続ける。
休憩のために一度距離をとると、ヤシロが話しかけてくる。

「さっきみたいに、水とかは使わないの?」
「なぜか陰陽師モードになるとあっちが使えなくなるんだよ。まあ、使えたとしてもあれにダメージを与えれる気がしないけど。」
「うん、あの子は他の六人とは強さも武器も特殊だからね。」

ちなみに、一輝のギフトの状況としては、
『無形物を統べるもの』+『陰陽術』可
『外道・陰陽術』+『陰陽術』可
『無形物を統べるもの』+『陰陽師』不可
といった感じだ。

「さて・・・頑張ってみますか!」

一輝は再び天使に向かって斬りかかる。
それでは先ほどまでと変わらないので、トリッキーな動きも加えるが、全て防がれ、それどころか一輝が攻撃を喰らいそうになる。

「あぶな!」

前髪を少し切られたところで、一輝は後ろに跳ぶ。
このままいけば、最終的には一輝が負けるだろう。
だが、一輝にはまだ策が有る。
使ってからが本領発揮の策が。
一輝は、言霊を唱える。

「大陸を制した、伝説の天狗よ!」

自らの内に在る伝説を召喚するために。

「大陸一の実力を持ち、日ノ本にて初めて敗北を味わいしものよ!」

この場を打開する、そのために。

「今ここに顕現せよ、是害坊!」

言霊を、唱えた。


「へえ、綺麗だね。」

ヤシロがそう言うように、伝説の召喚は妖怪の召喚とは違う。
黒い霧ではなく、光り輝く霧が一輝から広がり、形を作っていく。
霧が固まると、そこには鳥と人を足して二で割ったような姿の天狗が現れる。

「こんにちは、是害坊。オマエは俺に協力してくれる側?」
「ああ。俺は一輝を認めてるからね。他にも、ユランとかのあたりも認めてる。プライドの高いやつらは認めれてないけど。」
「そっか。なら、“憑依”よろしく。」
「了解。いつでもどうぞ。」

一輝は許可をもらうと、是害坊に触れ、奥義発動の言霊を唱える。

「我が百鬼たる妖よ。今、我が身に宿り、我が力とならん!」

是害坊の体が再び霧となり、一輝の体を覆うと、そのまま体に入る。
全て入ると、一輝の背から大きな鳥の羽が生える。

「そうなるんだ?」
「全部を変えることも出来るけど、今回はこれだけでいいかな。まだやることあるし。」

一輝は再び言霊を唱える。
その隙に天子が攻撃してこようとするが、ヤシロが止める。
手の内は見ておきたいのだろう。

「他の国にて、その猛威をふるいし竜よ。同種の中では弱くとも、確かな猛威をふるいしワイバーンよ。今ここに、我が百鬼としてその力をふるわん。」

再び、伝説が召喚される。

「今ここに顕現せよ、ユラン!」

先ほどと同じように、一輝の体から輝く霧がでて、形を作る。
同種の物の中では小さいが、それでも大きい、ワイバーンが、現れる。

「さて、力、借りるよ?」
「うむ。我が力、使うがよい。」

一輝は、再び奥義を使う。
ペストのゲームでも使った奥義を。

「わが百鬼たる魔物よ!今、我が武具に混じり、新たなる武とならん!」

ユランと獅子王が霧となり、混ざる。
霧が固まると、そこには龍の装飾を得た獅子王があった。
見た目の変化は少ないが、放つ存在感は先ほどまでの比ではない。

「待ってくれてありがとう。もういいよ。」
「そっか。じゃあ、どう変わったのか見せてもらうね。」

ヤシロが言い終わると、天使は一輝の方に向かってくる。
一輝はそれに真っ向からぶつからず、羽を使って飛ぶと、背後から獅子王で斬る。
刀は、先ほどまでとは違いしっかりと天使を切り裂き、その命を奪った。

「すっごくパワーアップしてるねっ。」
「一応、そうなるようにやったからな。竜の牙や爪は鋭いものだよ。」

一輝はそういいながら憑依と武装を解き、二体の伝説を体内にしまい、獅子王を納刀して陰陽師モードも解除する。
それが終わるころには死体も消えていた。

「さて、これで天使は全部・・・ん?」

一輝が念のために周りを見回すと、なぜか天使が持っていた大剣だけは消えずに残っていた。

「他のやつらは消えたのに・・・どうしてこれだけ?」

一輝が近づき、拾おうとしたところで・・・


刀は、紫の瞳の全裸の少女に変わり、一輝の心臓に向けて手刀を放ってきた。
 
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