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ソードアートオンライン VIRUS

作者:暗黒少年
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反撃の糸口

 ボスモンスターに向けて接近しようとしたがすぐに背中に生えている刃物のようなものを自分に向けて振り下ろしてきた。それを交わして相手のいる柱の下にもぐりこむと発砲する。だが相手はボスモンスターだけあってその銃撃をことごとく避けてしまった。そしてまた柱の上から自分に向けては物を振り下ろしてくる。

「ちっ!」

 それを体を素早く動かして回避するがほんの僅かに自分の羽織っている装備に掠った。ダメージはないが装備の耐久値が減ったことだろう。だが、それでも装備はまだ大丈夫だ。すぐにその刃物の付け根の部分に向けて撃った。その攻撃はあたりボスのHPを僅かに減らす。

「ぐおおおおおお!!」

 たった一撃の掠ったようなダメージの攻撃で吠え出す。たまたまなのかそれとも一撃で怒るほど短気なのかは不明だ。まあどちらにしろ威力や防御が高くなければ特にどうでもいい。そのままもう片方の手に握るナイフで切りつけようとしたが、ボスは素早く刃物の突いた背中に生えているものを回収した。そして回収すると同時に、口をもごもごさせた後、口から霧状に何か液体のようなものを飛ばしてきた。ボスの攻撃だから何かあると感じ、すぐに柱の後ろに隠れて様子を見る。

 その液体は地面や柱に付いた瞬間、ものすごい勢いで煙を上げたのに気付く。どうやら酸のようなもので破壊不可能オブジェクト以外はこういう風に溶ける仕様なのだろう。柱は一部が解けていて、同じ材質のような感じの床は解けていないからそうだと予想する。

「まだ攻撃パターンはわからないから正直どうやって削るかな……」

 柱の後ろからボスに向けて銃を発砲しながらそう呟く。弾丸は自分はちゃんと狙っているつもりだが、まるでどこに来るか分かっているのかのようにことごとく避けられていっている。実際相手も自分と同じように予測戦を予測できたりするのかもしれない。それに加え、やつの目はよく見ると六角形がたくさん並んで見える。いわゆる複眼というやつだ。

 複眼は遠くのものは見れない分、視界や動体視力がいいと聞いたことがある。しかも、このボスモンスターは人間をベースにすることでその遠くが見えない部分を補っているかもしれない。

「厄介だな……」

 一度体を柱の後ろに隠すとベレッタのマガジンを取り出してリロードすると、ナイフを口に咥えて、腰にあるM500を持つと二丁拳銃で応戦しようと柱から体を出すとそこにはすでに目の前までボスモンスターが攻めてきていた。

「っ!」

 すぐにバックステップで回避しようとするが足元にあったあいつの体の一部を踏んでしまいバランスが崩れそうになる。その瞬間、そのままボスモンスターは左腕の触手のようなものを自分の腹に鞭のように振るって叩き込んだ。

「クッ!」

 何とか芯をずらして直撃は逃れたもののその衝撃はものすごく大きく、体が地面に叩きつけられるとそのまま三回バウンドしたあと地面をすべる。その時に片手に持っていたM5500を落としてしまう。そしてその滑る勢いを利用して立ち上がるがHPはかなり削られて相当厳しい状況になっていた。すぐにHPを回復させるために腰のバックパックから注射器を取り出すと腕に刺して親指でプランジャーを圧してその中に入っている液体を注入すると体力が徐々に回復していく。

「おいおい、こいつ一本高いんだぜ……残り数本しか残ってないんだからお手柔らかに頼むぜ」

 少し余裕ぶりながら注射器が消えたことを確認すると先ほどの攻撃のせいで落ちたべれッタを拾い上げると口からナイフを取ってやつの足下に落ちているもう一丁の愛銃、M500に向けて走り出す。すぐに銃をボスモンスターの頭部を狙いながら接近する。だがボスモンスターはその弾丸をいともたやすく避けてあちらも接近してくる。

「ぐおおおおお!!」

 ボスモンスターは攻撃範囲に入ると刃物を振り下ろしてくるがそれを右に避ける。だがその方向に避けると右側にそのまま振ってくる。それをすでに予想していたためそのままスライディングをして避けるとボスモンスターの体の下を滑っていく。その時にベレッタでボスモンスターの体にすでに先ほどのリロードでホローポイントに切り替えていたマガジンをからになるまで打ち続ける。そして、体の下を抜けると立ち上がり、そのまま少し先に落ちているM500を回収するとボスモンスターはこちらに向けて酸のようなものをはく体勢だった。すぐに横にある柱にダイブするように入ってその酸を回避する。しかし、この酸を何回も食らっていく柱は後どの位持つかわからないし、自分の弾薬が後どの位持つかもわからない。

「チクショウが……後でグラサンに保険手当てとして弾丸の金をふんだくってやる」

 そうつぶやいて逆側から飛び出して隣の柱から隣の柱へ、姿を隠しながら一回ボスモンスターから離れていく。その後をボスモンスターは柱の上に上って自分を追ってくる。だがすぐに追いついてくるとそのままその巨体を自分の上から落としてくる。それを柱をけって回避してからそのままM500を撃つ。だがまだ立ってないことでかすることが出来たが僅かに頭をずらして大きなダメージを負う事はなかった。そしてそのまま、一発二発と放っていくがそれを全て避けられた。

「ったくよ……準備もなしにボス戦なんてことが起きるからこんなに苦労するんだよ。そろそろ本当に弾の無駄になってきてるんだけど」

 そうぼやいてから再び体を柱に隠してそのまま移動する。そしてベレッタからリロードしてその後、スピードローダーを使って、M500のリロードも完了させるとすぐに移動しながら、発砲する。だがほとんどが掠るのみで直撃はほとんどない。これじゃあ、ナイフだけで戦うという状態になる。

 あんな気持ち悪いものと接近戦は少し気が引けるからそれだけは勘弁したい。だがこっちの弾は有限。いつかは尽きてしまう。そうならないように今からあいつの弱点と思われる頭部に一発一発確実に当てていかなければない。ちゃんと狙っているのだがやつはそれを避けてくるので正直、倒せるかどうかわからない。

「どうするかな……」

 相手の攻撃を避けながら近距離からナイフで攻撃する。だがナイフの攻撃はそこまで高く食らわない。どうせだったらファイティングナイフなどのナイフにしておけばもう少し違ったかもしれないがないものを願っても意味はない。

 だが、諦めて今まで集めてきたアイテムや武器をこんなところで無くすわけにはならない。すぐに距離を取ってベレッタとM500を撃つ。しかし、避けられて、また弾丸の無駄となってしまった。こんなのを続けていたら本当にヤバイと思いながら空になった薬莢をM500から外して新しい弾を込める。

 その時に、ボスモンスターが攻撃とかで出す攻撃と違い、カンカンと何かが弾きかえってこちらに向かってきている音が聞こえる。

 また新たな敵かと、と思って身構えようとした瞬間に、自分の少し離れた柱から火花が上がり、次の瞬間、自分の横の頬を何かが掠めて何かが自分の後ろの柱にぶつかって大きくカンと音を立てた。

 後ろを振り向いて見るとそこには何かによって出来た凹みがあった。その下には少し大きめで潰れた弾丸。これを拾ってから再び移動する。その時に自分の背中に僅かに左腕の触手のような攻撃が掠り、ダメージを食らう。

「……こいつは俺の撃った弾だ。何で自分の撃った弾が自分に帰ってくるんだよ」

 いきなりリロード中に自分の弾が自分の所に戻ってくるという自体に少し困惑しながらも走る。だが、すぐに何で弾丸が自分の所に戻ってきたかを理解した。

「ここの柱と床ってこの硬さからしてあれが簡単に起きたんだな。それなら一回試してみたほうがいいかもな」

 口を吊り上げてからベレッタに装填していたマガジンを抜いて、普通の弾丸に切り替える。そして狙いをボスモンスターから床や柱に変えた。

「さあ、ここからは俺のターンを始めるぜ」

 そう呟いて、ベレッタの銃口から一発の弾丸が発射された。 
 

 
後書き
あまり苦戦していないように見えてしまう……やっぱり戦闘描写って難しい…
 
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