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FAIRY TAIL 友と恋の奇跡

作者:紺碧の海
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第107話 グレン・クオリナ

 
前書き
駄作者07です☆
今回はグレイが見たちょっと不思議な夢(?)のお話。
グレイ目線で書いていきますよ。
それでは、第107話・・・スタート☆ 

 
ドガッ!バギッ!バコッ!ボコッ!ガコンッ!ガガンッ!ドコッ!ゴキッ!ガツンッ!ドガンッ!と俺の隣から何かが激しくぶつかる音が聞こえる。読者の大半の人はわかると思うが、ナツとリョウが喧嘩してるんだ。ったく、いちいちうるせぇんだよ。あ、ちなみに俺は喧嘩に混ざってねぇからな。

リョ「ちゃんと前歩けよ、吊り目燃えカス単細胞。」

ナ「そっちからぶつかってきたんじゃねぇか、バカアホポジティブ。」

ル「相変わらず小さいわね。」

マ&ハ&フ「いつもの事です。」

ったく、少しは静かにしてくれよ。すると、ドガンッ!!

グ「うお!!」

クソ炎が投げたコップと、バカアホリョウが投げたビンが俺の顔面に直撃した。これと似たような事、前にもあったぞ。結構痛いんだからな・・・

グ「おいナツ!リョウ!投げる方向間違ってるじゃねぇかっ!!」

ナ&リョ「うるせぇんだよ、垂れ目カチコチパンツ。」

カチン!!こいつ等に同じ事を言われると無性に腹が立つ。いつの間にか、俺も喧嘩に混ざっていた。

ウェ「グレイさんも喧嘩に混ざっちゃった。」

シャ「結局はあいつもけんかに仲間入りしてるじゃない。」

ユ「意味が無いね。」

エ「お前たち、いい加減にしろっ!!」

ナ&グ&リョ「あいーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

ハ「おいらの真似しないでよ~!!」

って、ちょっと待てよ、俺はこいつ等のせいで喧嘩に入っただけのに、何でエルザに怒られないといけないんだよっ!?あ~あ、今日はついてねぇ。気晴らしに外にでも行くか。

ショ「グレイ、どこに行くんだ?」

グ「ちょっくら外に出て、風に当たってくるだけだ。すぐに戻る。」

ト「気をつけてくださいね。」

外に出るって言っても、すぐそこだぞ。トーヤは相変わらず心配性だな。

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俺は南口公園に来ていた。こんな時間に遊びに来るやつなんていないだろう。俺は近くの木に寄り掛かって座る。

グ「ッ!いってぇ~・・・」

さっき顔面に食らった痛さに顔を引きつらせ、右頬を触ると、少しだけ赤く腫れ上がっていた。あいつ等・・・覚えとけよっ!!俺はしばらく木に寄り掛かっていたが、いつの間にか眠っていた。

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グ「・・・・・ん?ここは・・・!?」

気がつくと、周りが真っ白だった。どこを見渡しても白・白・白!どうなってんだいったいっ!?すると、後ろから微かな魔力を感じ、振り返ると、そこには・・・

グ「お、俺ッ!?い、いや・・・」

パッと見ると、自分でも見間違えるほど自分にそっくりな男がいた。だが、よく見ると髪の色が違う。俺は紺色で、男は水色だ。だが、それ以外は俺と瓜二つだ。

グ「お、お前誰だっ!!」

?「そんなに警戒しなくても大丈夫だっつーの。ん?お前、怪我してるのか?」

男が俺の右頬に目をやる。

?「治してやるよ。」

男が俺の右頬に手を近づける。そいつの手は、冷気があふれていて冷たかった。

?「ほい。手当て完了。」

いつの間にか傷は完全に治っていた。

グ「あ、あぁ、ど、どうも。お前誰だ?」

グレ「ん?俺か?俺はグレン・クオリナだ。」

ん?グレン・クオリナ・・・!!俺は呆気に取られながらも男の顔を見る。水色の髪に、澄んだ青い垂れ目・・・ま、まさか・・・!

グレ「そっ、俺はユモス・クオリナの兄貴だ。」

グ「はぁっ!?」

んなわけねぇだろっ!!ユモの兄さんは10年前にウルと共にデリオラを自らの身を滅ばして封じたはずだっ!!死んだ人間が生き返るわけねぇだろっ!!

グレ「ああ。お前の言うとおり、俺はもうこの世に存在しない人間だ。今のこの姿は、思念体のようなものだ。」

いやいやいや、思念体でも、死んでるんじゃ・・・

グレ「そんな事より、グレイ・フルバスターだろ?」

グ「そ、そうだが、何か用か?」

グレ「その、ありがとうな。」

はっ?初対面の死んだ相手にいきなりお礼言われても困るんだけどな・・・

グレ「俺が死んでから、ユモスにいつも迷惑掛けてたからな・・・まさか、ハルトがあんな風になるとは思わなかったぜ。昔は内気なやつだったんだけどな・・・」

あいつが内気だったぁっ!?あいつはユモを2度も殺そうとしたんだぞっ!!

グレ「へぇ~、ユモって呼ばれてるのか。あいつも幸せになったな。」

グレンが笑った顔は、ユモにそっくりだった。

グレ「ハルトは、またユモスを殺しに来ると思う。」

グ「なっ!?」

あいつ、まだ懲りてなかったのかよっ!!どれだけユモを傷つければ気が済むんだよっ!!

グレ「落ち着けって。あいつは、ハルトは捨て子なんだよ。」

グ「!!?」

一瞬、俺の思考が止まった。ハルトが、捨て子・・・?

グレ「ブラーゴの街の教会の前に捨てられているところをハルカが拾ったんだ。ハルカも、幼い頃に親を亡くして孤児だったから、弟が出来たって喜んでいたんだ。だが、俺が死んでハルカが自ら命を落としたせいで、ハルトが深く傷ついて、あいつは復讐のためにユモスを殺そうとしているんだ。」

俺は驚きを隠せずにいた。

グレ「ユモスは俺が死んでからフリーの魔道士として旅をしていたんだが、10歳の頃ハルトに闇の呪い(ダークカース)を掛けられて、7年後には死ぬ事になっていたんだ。でも、お前のおかげで助かったよ。ありがとうな、グレイ。」

ユモとハルト・・・随分と深い闇を抱えているんだな・・・

グレ「だが、ハルトはまだ正気に戻れていない。またユモスの命を狙ってくる。その時は・・・」

グ「その時は、俺が必ずユモを助けてやるよ。」

グレンの言葉を先取りした。

グレ「ああ。そうしてくれると大助かりだぜ。本当に、いいギルドに入って、いい彼氏が出来たんだな。」

そう言うと、グレンの体がだんだん透けてきた。

グ「お、おい!」

グレ「ユモスの事は、お前に全て任せるぜ。後、出来ればハルトを闇から救ってくれ。」

グ「待てよっ!!せめてユモに会っていけよっ!!」

グレ「そんな事したら、ユモスが故障しちまうよ。」

故障って、ユモはロボットかよ・・・

グレ「この事は俺とお前だけの秘密だ。誰にも言うんじゃねぇぞ。もちろん、ユモスにもだ。それじゃあな、グレイ。」

青白い光と共に、グレンは消えた。すると、強烈な睡魔が襲ってきて、俺は再び眠ってしまった。

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ユ「・・・ィ・・・レィ・・・グレイ・・・グレイったら!!」

グ「!!!」

気がつくと、目の前にはユモがいた。

ユ「こんなところで寝てたら風邪引くよ。」

グ「あ、あれ?グレ・・・は?」

ユ「グレイ?自分の名前を呼んじゃって、夢でも見てたの?」

夢・・・そうか、あれはただの夢だったのか。

ユ「どんな夢見てたの?」

グ「さぁな。」

ユ「教えてくれたっていいじゃない。まぁいいや。ほら、ギルドに帰ろう。」

グ「おう。」

俺は立ち上がった時に右頬を触ってみた。少しだけ赤く腫れ上がっていた頬は、完全に治っていた。まさか、あれは夢じゃなくて、本当に・・・だとしたら、グレンが言っていた事も・・・

ユ「グレイ?どうしたの?」

グ「・・・嫌、何でもねぇよ。」

ユ「?」

俺とグレンの秘密だもんな。それに、話したって信じるわけが無い。

ユ「あ、そうそう、エルザがまたミラさんにケーキを作ってもらったの。今度は苺のショートケーキ1ホールだよ。みんなで食べようだって。」

エ、エルザ、また頼んだのかよ・・・ミラちゃんも、また作ったのか・・・さすが妖精女王(ティター二ア)と魔人だぜ・・・

ユ「それは関係ないと思うよ・・・」

グ「そうか?」

ユ「そうだよ。とゆうか、早くしないとエルザにまた雷落とされちゃうよっ!!」

グ「げっ!!それはまずいっ!!ギルドまで全力疾走するぞっ!!」

ユ「OK!」

俺とユモは夕方のマグノリアの街を、ギルドまで並んで全力疾走した。 
 

 
後書き
第107話終了~☆
グレンは妹思いの優しいお兄ちゃんです。にしても、まさかハルトが捨て子だったとは・・・作者もびっくりです!!
次回は最強チーム宛に1通の手紙が届いた。その内容は・・・?
第108話でお会いしましょう~☆ 
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