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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第31話 桜通りの吸血鬼-その1-

 
前書き
時間かかりました。 

 
 さて、新学期が始まった。

 一応、始業式内で新任の先生の挨拶の時にオマケで挨拶させてもらい、名前がサギ・スプリングフィールドから遠坂(とおさか)(あきら)に変わったことは報告しておいた。

 なお、3-Aの担任が新田先生になったことを告げられた時のクラスの反応、というか悲鳴はすごかった。



 3-Aに新田先生と共に向かい、新任の挨拶をする。

 ネギ?

 朝の職員会議に出て来なかったので、「学園長が呼んでる」と伝えて放置だよ。
 そりゃぁ、いつも通り木乃香と神楽坂と一緒に登校して来れば、朝の職員会議に間に合うわけないわな。

 ネギについては新田先生と話し合いが済んでおり、ネギが朝の職員会議に欠席した場合は、とにかく学園長の所へ行かせることになっている。そこで学園長が何を話すかは感知しない。改善しなければ、いつまででもこのままというわけだ。



 春日が欠席以外は滞りなく進み、ホームルーム後は身体測定だ。

 3-Aは雪広と那波に任せ、終わったら職員室に連絡に来てもらうことにした。

 春日の欠席については連絡が来ていなかったはずなので、保護責任者のシスターシャークティーに聞くつもりだが、身体測定の担当をしているので後回しだ。



 今日は新学期初日で授業もないので、余った時間をぼうっと過ごす。



 どれくらい時間が経っただろうか?

 そろそろ身体測定も終わりの時間かと思っていると和泉が職員室に駆け込んで来る。

 新田先生は席を外しているようなので、こちらから声をかける

「どうかしたか~、和泉?」

「あ、暁先生! 美空が!」

「落ち着け、和泉。どうしたんだ?」



 ………。話をまとめると、どうやら春日が桜通りで寝てるところを見つけられ、保健室に運び込まれたらしい。



 そう言えば、春日も「魔法生徒」だったな………。

 どうやらネギの試練が始まったらしい。

 まぁ、一般人に迷惑がかからなければいいか。

 隣で寛いでいる瀬流彦先生に事情を説明し、新田先生が戻って来たら来てもらえるように伝言を頼む。

「和泉、とりあえず、保健室に向かうぞ」

 ………し~ん。

 どうやら和泉はオレが伝言を頼んでいる間にネギと一緒に一足先に保健室に向かったらしい。



「遅くなりました」

 ネギに聞いても無駄だろうから保険医の先生と話す。

 と、話している間に新田先生やシスターシャークティーも保健室にやって来た。

 どうやら春日は昨日は寮に帰らなかったらしい。
 ただ、よく事後承諾のカタチで教会に泊まったりしているので、ルームメイトも気にしなかったようだ。

 春日本人に話しを聞くが教会から寮へ帰るところから記憶が跳んでおり、起きたら保健室だったという話しだ。

 これはエヴァにより記憶が改竄されているか、ネギの試練の話しを聞いており、話しを合わせているかのどちらかだろう。

 シスターシャークティーを見る限り、今回の件を余り気にしていないようなので、後者の可能性が高いか?

 ちなみに首元や制服にわざとらしい魔力の残滓が感じられ、ネギも直ぐに気付たようでぶつぶつ言っている。

 ただ、考え事も良いけど春日に一声ぐらいかけてやれよ。
 あ、ぶつぶつ言いながら保健室を出て行った。

 大丈夫か? アイツ。





  ☆  ★  ☆  





 夜。

 なお、木乃香に確認したら、エヴァに相談を持ちかけられ、少しばかり力を貸すらしい。一応エヴァにも確認したら、学園長と契約書を交わし、ネギが死亡せぬよう、後まで残る身体的なダメージはないよう戦闘すると契約したらしい。



 で、今日仕掛けるようなので桜通りにはサーチャーを飛ばし、何かあっても対処できるようにしておく。

 ちなみにネギも何か思うところがあったのか、夕方から桜通りをウロチョロしている。





 木乃香、宮崎、綾瀬、早乙女の元図書館島探検部の4人と神楽坂の5人で今日は帰るようだ。

 で、何か買い忘れのある振りをしたのか? コンビニで買い物をした後、木乃香だけが他の4人と別れ、わざわざ1人で帰るために距離を取る。

 強い風が吹き、桜の木が揺れ、花びらが舞い散る。

 人払いの結界が張られ、ピタッと音が止まる。

 キョロキョロと周りを見渡し、桜並木を見ると、1本の街灯の上に何かが立っている。黒いマントに黒のとんがり帽子。

「え?」

 ぷぷぷ、と笑うのを抑えるように木乃香は下を向く。



 ………。

 台無しだ。



 気持ちはわかる。

 あまりにも典型的すぎる魔法使いスタイルなんだが、その背丈から魔法使いと言うよりも魔女っ子というほうがしっくり来る。何も知らなかったのならともかく、ネタバレしている状態だと、街灯の上に立っていることすら典型的(おやくそく)過ぎて、恐怖よりも笑いが込み上げて来る。



「チッ。13番、近衛木乃香。悪いけど少しだけ、その血を分けてもらうよ」

 木乃香の感情に気付いたのか、エヴァは舌打ちして、マントをはためかせ、木乃香に向かって飛び降りる。

「待てーっ!」

 丁度良いタイミングで、杖に乗ったネギが現れる。

 ふむ。このタイミングで来るのなら、さっきまでの芝居じみたやりとりは正解か。

 とりあえず、木乃香は恐怖で気絶した振りをするようだ。「うーん」とか言いつつ、そのまま後ろへと倒れる。
 サーチャーを飛ばしたようなので、倒れた振りをしたまま事態の推移を見守るつもりのようだ。

「ぼ、僕の生徒に何をするんですかーっ」

 ネギは怒りに顔を紅潮し、叫んで相手を威嚇する。

 そのまま杖から降りながら呪文を唱え、降りると同時に、【戒めの風矢】という相手を捕縛する魔法を発動する。

 が、魔法自体はエヴァの【氷盾】の呪文で防がれる。

 ただ、魔力のほとんどを封印されている現状、試験管を投げ、触媒でブーストしていても、ネギのバカ魔力には及ばず、完全には防げなかったようで、エヴァは指から血を流す。

 捕縛用の魔法で相手に怪我をさせても良いんだろうか?

 で、まぁ、エヴァはノリノリで悪の魔法使いっぽくネギへ挨拶をしている。
 ついでにナギのこともほのめかし、ネギを揺さぶるのを忘れないのはさすがだ。

 そうこうしているうちに結界を無視して神楽坂が入って来る。

 とりあえず、一般人となっている神楽坂が乱入してきたので場所を変えるためエヴァは逃げ出した。



「木乃香さんを頼みます。身体に別状はありませんから。僕はこれから事件の犯人を追いますので。心配ないですから先に帰っててください。じゃぁ!」

 ネギは魔力を足に集めてブーストし走って追いかける。

 いや、まずは木乃香を安全な場所に避難させ、学園長なりに連絡しろよ!

 ホウ・レン・ソウは大事だぞ。



 「世のため人のために働くのが魔法使いの仕事のはずだろっ」

 とか、ネギは走りながらぶつぶつ、(つぶや)いている。

 自分が今までしたことは棚に上げて。



 で、まぁ、後はエヴァの予定通り。
 ネギが魔力でごり押しして一方的にネギに有利な展開。
 最後の止め(とどめ)の呪文を1人で唱えるのを、後ろから茶々丸が邪魔をする。
 後はもう、一方的に嬲る。
 ナギ・スプリングフィールドに対しての恨み辛みをネギに話した後、首筋から吸血をする。

 ネギが気絶する寸前まで吸血し、その後、オレから買った転移符で、ネギを学園長室まで転移させる。

 今回の一連の件は学園長公認で、エヴァが契約書まで取ってあるので、「立派な魔法使い(マギステル・マギ)」と言えども、何も問題にできないはずだ。
 契約通りネギが死ぬようなことがないように、戦闘にしろ、吸血にしろ手加減していたしな。
 
 えっ?

 神楽坂??

 ネギの言う通りにしたのか、ネギの見立てが信用できなかったのか、ネギが走って行った後、木乃香を担いで女子寮に走って行きましたよ。 
 

 
後書き
アスナの動き方で迷ってしまい、時間がかかってしまいました。

後、原作の動きを追うため、あえてセリフを原作と同じにしたんですが変えた方が良いんでしょうか?

 
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