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仮面ライダーダークキバ・SKL

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骸骨魔帝とアイドルと神話

場所は戻り、食堂の間…


ブランカウルフファンガイアとブリザードファンガイアが頭にタンコブを作りうずくまっており、少女はキョトンとしていた…。

『ごめんね…ビックリしたでしょ?』

そんな少女を気遣うアイアンファンガイアの男性…口調と身のこなしからオカマのようだ。

「全く、家主を無視して人の家徘徊するわ、落ちそうになるわ…本当、世話の焼ける奴だな。」

ダークキバSKLの青年はそんな周りのことを気にせずナイフでハムの塊を薄く切り、そのままナイフで口に運ぶ。

「もぐもぐ……ごっくん、俺の名前は『十文字リョウガ』。そこの白い犬ッコロは『ブランカ』、ちっせえ餓鬼が『フブキ』、んで、デッカいのが『アイク』だ。」

『アタシは狼だ!』

『小さいは余計です!』

『まあまあ…』

青年はリョウガと名乗り、ここにいるファンガイアたちを軽く説明。それに対し文句をつける犬ッコロと言われたブランカウルフファンガイアこと、ブランカとちっせえ餓鬼と言われたブリザードファンガイアこと、フブキ。そして、2人をアイクと呼ばれたアイアンファンガイアの巨漢が宥めている。どうやら、彼が3人のリーダー格をつとめているようだ。

「んで、お前はなんてんだ?」

「え?」

「名前だよ、名前!」

一通り、ファンガイア三人組の説明を終えると今度は少女に対し名乗るよう求めるリョウガ。少女は何やら驚いているようだが…

「ええっと…私のこと知らない?」

「おう、知らねえ!」

「雑誌とかドラマで見たこと無い?」

「無い。」

「『なっちー』って聞いたことない?」

「無い。」

「………私ってここら辺じゃあまり、有名じゃないのかな…」

少女は何故かしょぼーんと落ち込むと、そのまま自分の名前を名乗りだす。

「私の名前は『(にしき)夏希(なつき)』。職業は学生兼アイドル。あと、一応ヴァイオリン弾き…かな?」

『あーーー!!!!』

「ふぇ!?」

その時、フブキが何かを思いだしたように大声をだし少女、夏希は驚いてしまう。

『『なっちー』だよ、なっちー!思いだした!最近、恋空時雨とグラビアで有名な!凄い!凄い!サイン、頂戴!!』

「え?ええ……」

フブキは半ば狂乱的に喜び、どこからか色紙とペンを引っ張り出してくる。少女…もとい、夏希は若干退きながらもそれに応対する。その隣で……

「なあ、アイク…」






「恋空時雨ってなんだ?」





「orz」

リョウガがアイクに対して自らの疑問に対して聞いた。その内容は夏希の耳にも届き、その途端に地面に崩れ落ちる…。

『恋空時雨っていうのは
フブキが大好きな少女マンガがドラマ化した奴で、この子が主演なのよ。』

「ほお~……」

『アンタが連れてきた時はビックリしたのよ。ホントに……』




恋空時雨についてアイクが説明するも、当のリョウガは反応が薄い……というより適当。彼にとってドラマ…ましてや少女マンガで描かれるような内容は彼にとっては興味が皆無なのだろう。

「んなもん、ジャ○プにもマガ○ンにもなかった気がするんだがな。」

『全部、少年誌じゃない!』

この始末である。


『そう言えば、夏希さん…』







『今日、仕事ないの?』





ここで、今まで黙っていたブランカが口を開いた。夏希は一瞬、固まるとやがて、全身から嫌な汗が流れ出す…。

「ねえ、今何時!?」

「あ?だいたい9時ぐれえじゃねえか?」

「嘘!?」

慌てだす夏希。今日は平日。基本的、どの職業も普通に仕事がある日。

「ち、遅刻だ!!!?」

それはアイドルである彼女とて例外ではない。

「やれやれ、場所どこだ?」

「潮先港…なんで?」

見かねたリョウガが場所を聞き、夏希は頭に疑問符を浮かべながら答える。そして、彼女はこの行動を後々、後悔することになる。

「スカルバット!」

『ガブ…』



リョウガは懐からキバット三世をまるで骸骨にしたようなもの『スカルバット』を取り出し腕を噛ませる。すると、彼の全身に禍々しい黒い模様が噛まれたところから伸び、腰に黒いベルトが巻かれる。

「『変身!』」

そして、彼は異形の鎧を纏い頭に例の骸骨が収まるとその姿を仮面ライダーダークキバSKLに変える。

「じゃ、舌噛むなよ。」

「な、何するんですか!?」

驚く夏希だがダークキバSKLは気にせず彼女を肩に担ぐと…

「ちょっといってくるぜ。」

「キャアァァァァ…!!!!」

全力疾走で部屋から飛び出す…。そのあとは夏希の悲鳴が尾を引いていった……。





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鴻上ファンデーション

社長室…

「ハッピーバースデー、トューユー♪ハッピーバースデー、トューユー♪」

ビルの高層に位置し、街一帯を一望出来る窓を持つこの広い部屋には派手なシャンデリアがぶら下がり、赤いスーツを着た太めの中年の男が陽気に鼻歌を歌いながら自らの作ったケーキにトッピングをしていた…。中々シュールな光景である。

「ハッピーバースデー…ディア…」





「スカルカイザー…いや、ダークキバSKL…………ハッピーバースデー、トューユー♪」

男の名は『鴻上光生』。通称、会長。何故なら彼はこの、鴻上ファンデーションの一番偉い役職、会長なのだから。

「リョウガくん…君の新しい名前にささやかな祝福をさせてもらうよ。」

鴻上は白い生クリームのケーキの上にトッピングのチョコを置く。それは、キバの刻印を模しているように見えるが翼の間に骸骨が居座っているのでそれとは別物。正式な名前は無いが言うなれば『SKLの刻印』と言うべきか……

「会長!…お?新しいケーキっすね!」

そこへやってくる1人の若く浅黒い男。顔の彫りは深いがその肌はアジア系のそれを思わせる。その背にはミルク缶が引っさげられている。

「アキラくん、待っていたよ!さあ、そこに座りたまえ!そろそろ、エイジくんも来る。」

会長は男をかなりフカフカそうなソファーに座らせる。俺の名は『アキラ・G・ダイソン』。この鴻上ファンデーションの社員である。

「それで、アキラくん!メダル集めは順調かね?」

「いえ、最近、ヤミーやグリードよりドーパントとかはぐれファンガイアの相手が主流なんで赤字ぎみなんすよ。貯金もそろそろ切れそうだし…」

「そうか…確かにバースだけでは燃費が悪いか…。やはり、エイジくんのオーズやリョウガくんたちの協力が必要だね。」

その後、2人は業務の話を始める…。お互いに神妙な顔をしているがどこか楽しそうにも見える。


ピンポーン!

「お!どうやら彼が来たようだね…入りたまえ!!」

しばらくすると、部屋に来客を知らせる鐘が響き、鴻上は待っていた人物を招き入れる。


「会長!アキラさん!お久しぶりです!」

「エイジくん!待っていたよ!」

「よお、パンツ怪人。久しぶりだな。」

「アキラさん、その呼び方止めて下さいよ~!」

入ってきたのはアキラとそう歳が変わらなさそうな黒髪に細い三つ編みの青年。服装や髪型も独特でどこかの民族を思わせる。彼の名は『エンテイ・エイジ』。

「エイジくん、アンクくんはどうしたのかね?」

「今は別行動です。それと、今回のメダルです。」

エイジは引っさげていたアタッシュケースを鴻上に引き渡し、鴻上は中身を確認すると「素晴らしい!流石、仮面ライダーオーズ!」と叫びケースを閉じる。

『やれやれ、相変わらずだな。』

同時に赤い羽がヒラリと落ちると突然、金髪の目つきの悪い青年が現れる。赤を基調にしている服装だがその右腕はその赤と同様な色をした異形のモノであった。

「アンク、どこ行ってたの?」

『ふん、何処だって良いだろ。』

彼はアンク。エイジの相棒であり、鳥系怪人グリード幹部なのである。怪人なのだが一応、鴻上たちに協力している。
『で、なんだ?俺達を呼び寄せて話があるなんて余程のことなんだろ。さっさと話せ。』

「まあまあ、アンクくん。知りたいというのも立派な欲望だがそう急かすモノじゃない。時間ならタップリある…。」

実はエイジらは鴻上に何重要な話があるとのことでこの鴻上ファンデーションに呼びだされたのだ。アンクはこの場所…そして、鴻上が何よりも嫌いである。そのため、話を早くするように急かすが当の鴻上は非常にマイペースである。

「では、本題に入ろう!サトナカくん!」

『了解しました。』

そして、アンクを無視しながら鴻上は高らかに声をあげる。すると、女性の応えるアナウンスが響き部屋のカーテンが閉まりシャンデリアの明かりが消え室内は暗くなる…。






「それでは始めよう…。300年前の古代ベルカ…800年前のオーズよりさらに、200年も昔!!ズバリ、1000年も前…全てのはじまり『神話型オーズ』について語ろう…!」





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1000前…

人とファンガイアなどの怪人との争いは熾烈を極めていた…。人々は錬金術により生み出されし力で抵抗するも被害は増し、各地で憎しみと悲しみの連鎖が繰り返されていた…。

そして、人々はある1人の男に希望を託した……。


同時の最高の錬金術師『イザ』。

彼は人々のため…何より世の平定のため自身の最高傑作を作り出した……。

全ての生きとし行けるモノの『王』となる者。その名を……




オーズ…


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現在…

「しかし、これはエイジくんのソレとは全くの別物…いや、正確にはオリジナルと言うべきか…」


『何!?』

鴻上の衝撃的な言葉に驚いたのはエイジ…ではなくアンク。その顔はまさに衝撃を隠しきれないと現れている。

『オイ、それならコイツ(エイジ)と800年前の奴以外にオーズがいたっていうのかよ!?俺達、グリードとオーズを作ったのは『ガラ』じゃないのか!』

「確かに君らグリードとエイジくんのオーズを作ったのは紛れもなく800年前の錬金術師『ガラ』がイザのオーズを真似て作ったモノだ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時は戻り1000前…

イザは、タカ、トラ、バッタ…コブラ、カメ、ワニ…エビ、カニ、サソリ…そして、ユニコーン、サラマンダー、クラーケンのメダルを作り上げ、その力を同時に引き出すためにオーズを作った…。

その力は強大だった……。

ファンガイアの最強と言われるチェックメイトフォーのうち、2人、ビショップとルークすら一瞬で退けるほど…




そして、人の手に余るほど…





ある日突然、イザのオーズは暴走をはじめ人と怪人、両方に牙を剥いた。






消耗していたファンガイア、オーズが主戦力となっていた人に抗う術は無かった……。当時、完成した『闇のキバ』ことダークキバをファンガイアのキングが駆り戦ったがあまりにも強大すぎる力同士なためぶつかり合うたび余計な犠牲が増えるばかり…




イザは絶望した…世を平定させるために産んだ力が世界を破滅させようとしていることに……







そんな時、一筋の光か指した……。




ある人物が接触してきたのだ…。

ファンガイアのキングと袂を分かち、たった1人で反旗を翻した強大な存在…。



その名はゼベルヌ。別名『反逆のクイーン』。
彼女はキバの鎧を作りしファンガイアの錬金術師を引き連れ、そして…





自らの腕を切り落とした……




そして、こう言った…。


これで自分のキバの鎧を作れと…



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現代…

「残念なことにこのあとの詳しい記録は残っていない。ただ、結果的にはゼベルヌがイザとファンガイアの錬金術師に作らせたキバの鎧とキングのキバが神話型オーズのコアを引き抜き封印したそうだ…。」

『…』

鴻上に語られた内容に唖然とするアンク…。エイジはどこかやはりという顔をしていた。

「やっぱり、そういうことがありましたか…。俺もオーズがなんで、メダルを全部一気に使えるように作られなかったんだろうって前から疑問を持っていたんです。コンボを使うと相性の善し悪しが激しくなりますから。でも、これで納得出来ました。」

仮面ライダーオーズの特徴…それは三枚のメダルを組み合わせ頭部、上半身、下半身の能力とパーツを変え戦うことである。また、同系統のメダルが三枚揃うとコンボとなり(一部例外あり)強大な力を発揮出来る。しかし、コンボの致命的な弱点はその能力に相性が悪い相手にあまりにも弱いということ。(例、火←水・水←光熱など……)
しかも、いちいち形態を変えるのにはメダルをベルトのオーズドライバーから入れ替える必要があるので非常に手間だし、隙になりやすい。なので、オーズの変身者は一度はこう思う…

何故、オーズは全種類のメダルを一気に扱えるように作られなかったのか……


答えは簡単、それ用に作られたそれですら制御出来なかったのだから。

「そして、私はこの『ゼベルヌの鎧』をリョウガくんのスカルガイザー…ダークキバSKLだと考えている。」

さらに、話を続ける鴻上…。すると、ダークキバSKLの立体映像が浮かびあがる。

「だから、私はこの『神話型オーズ』も確実に存在していると確信している。そこでだアキラくん!君にはサトナカくんと一緒にそれの捜索をお願いしたい!」

「はあ!?」

「エイジくんとアンクくんには一刻も早くグリードたちの迎撃、コアの回収をお願いするよ。」


「はい。」

一通り話を終えるとアキラとエイジたちに指示をだす鴻上。アキラは嫌そうだがエイジは素直に返事をする。



ただ……






(神話型オーズ…使えるかもな……)


アンクは何やら策略を練っていた……。

 
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